キャリアアップ助成金の3つのコースの特徴とポイント

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『キャリアアップ助成金』という国から返済不要の資金を調達できる制度があります。

名前は聞いたことがあっても、実際にその支給金額や条件までは把握できている方は少ないです。

実はこのキャリアアップ助成金は、支給要件のハードルが低いため、支給の申請を出さなければもったいない制度です。

1年事業所あたり最大で900万円(東京では最大1,650万円)ものキャリアアップ助成金を受けとれる可能性もあります。

この記事では、この『キャリアアップ助成金』の3つのコースの特徴とそのポイントをわかりやすまとめましたので、是非最後までご覧ください。

はじめに

キャリアアップ助成金とは、正社員以外の雇用(契約社員・派遣社員・パート)の方を、正社員化してもらう、処遇を向上させる、あるいは人材育成をしてもらうために、国が一定の要件を満たした企業へ助成する制度です。労働者の意欲と能力の向上が目的とされており、事業の生産性を高めるための制度といわれています。

キャリアアップ助成金には、以下の3つのコースがあります。

1つ目は「正社員化コース」で、非正規社員を正社員にすることで助成金が受け取れるコースです。

2つ目は「人材育成コース」で、従業員の業務に必要な知識・技術の習得を企業が支援することで助成金が受け取れるコースです。

3つ目は「処遇改善コース」で、企業が従業員の処遇を向上させた場合に助成金を受け取れるコースです。

この「処遇改善コース」にはさらに3つの区分があり、①賃金規定等改定②共通処遇推進制度(a)健康診断制度(b)賃金規定等共通化③短時間労働者の労働時間の延長です。

つまり、給与アップにつながる改定か、現金での支給はしないものの、全従業員共通の福利厚生制度を設定するかで助成金が受け取れる制度になっています。

これら制度を知らずに、労働者意欲を高める施策をとっている企業様にとっては、この助成金制度は申請しなければ非常にもったいないので、1つ1つ確認していきましょう。

すべてのコースで共通しているのは、申請で助成金の支給条件を達成する上で大切なのは、「キャリアアップ」というタイトル通り、正社員登用する場合に労働条件が良くなっているということです。

助成金を受け取るためだけの見せかけの労働条件では助成金が受け取れないよう配慮されていますので、そう勘違いされないよう気を付けましょう。

また、キャリアアップ助成金申請では、「キャリアアップ計画の作成・提出」が共通して必要です。

厚生労働省のホームページからこのキャリアアップ計画書をダウンロードしておきましょう。

1、「正社員化コース」の特徴とポイント

「正社員コース」は企業が有期契約労働者や短時間労働者を正規登用あるいは無期契約に変更するともらえる助成金です。
対象者は非正規社員で、1事業所あたり15人が限度です。
事業所番号があれば事業所ごとに申請することが可能です。

助成金支給の条件は以下の6種類があります。

①有期社員→正規社員への変更で、1人あたり60万円(東京では110万円)の助成金が支給されます。
審査には3ヶ月程度の時間がかかります。

②有期社員→無期社員へ変更、かつ5パーセント以上の報酬アップで1人あたり30万円(東京では50万円)の助成金が支給されます。
審査には7ヶ月程度の時間がかかります。

③無期社員→正規社員への変更で、1人あたり30万円(東京では60万円)の助成金が支給されます。

④有期社員→多様な正社員:1人あたり40万円の助成金が支給されます。

⑤無期社員→多様な正社員:1人あたり10万円の助成金が支給されます。

⑥多様な正社員→正規社員:1人あたり20万円の助成金が支給されます。

大企業では上記の金額よりも少ない金額が支給されます。

また、母子家庭の労働者が上記変更に該当した場合は助成金支給額が加算されます。

多様な正社員の制度を新たに規定した場合は、④⑤で10万円の加算があります。

他にも細かな規定にの取ることで助成金の加算がされることもありますが、大まかな支給額の概要としては以上になります。

*「多様な正社員」とは、職務・勤務地・労働時間を限定した正社員を指します。

注意点は、変更してから半年以内に辞めてしまうと支給対象にはならない点です。

2、「人材育成コース」の特徴とポイント

「人材育成コース」は業務の遂行に関わる知識の習得に係る職業訓練を企業側が支援した場合に支給される助成金です。

1年度1事業所あたりの支給限度額は500万円です。

①就業時間外で行われる事業活動と区別した職業訓練(off-JT)

賃金助成金 1人あたり800円(1200時間・96万円を限度)

経費助成金

100時間未満・・・1人あたり10(15)万円

100時間以上200時間未満・・・20(30)万円

200時間以上・・・30(50)万円

( )内の数値は、看護師・放射線技師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・歯科衛生士・美容師・理容師・測量士などの独占業務・名称独占資格の取得へ向けた「中期キャリア形成訓練」の場合の助成金。

②就業時間内で行われる事業内の職業訓練(OJT)

1人1時間あたり800円(1人あたりの助成時間数は680時間を限度・544,000円)

3、「処遇改善コース」の特徴とポイント

「処遇改善コース」には、3つの区分があります。

①賃金規定等改定

②共通処遇推進制度(a)健康診断制度(b)賃金規定等共通化

③短時間労働者の労働時間の延長

です。

それでは1つずつ解説します。

①賃金規定等改定

有期契約労働者の賃金規定等の賃金規定等を2%アップ

すべての中小企業労働者の場合では、1人当たりの助成金は

1~3人:10万円 4~6人:20万円 7~10人:30万円 11~100人:3万円

一部の中小企業労働者の場合では、1人当たりの助成金は

1~3人:万円 4~6人:10万円 7~10人:15万円 11~100人:1.5万円

②共通処遇推進制度(a)健康診断制度

有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に助成します。

1事業所あたり40万円、大企業は30万円。

②共通処遇推進制度(b)賃金規定等共通化

労働協定または就業規則の定めるところにより、その雇用する有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定を新たに作成し、適用した場合に限ります。

1事業所あたり60万円。

③雇用する有期契約労働者について周予定労働時間を5時間以上延長または処遇改善コース(賃金)

雇用する有期契約労働者等について、所定労働時間を5時間以上延長または処遇改善コースと併せて労働者の手取り収入が減少しないように週間所定労働時間を1時間以上5時間未満と延長し新たに社会保険に適用した場合に助成される制度。

A:短時間労働の週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険適用してした場合:1人あたり20万円。

B:処遇改善コース(賃金規定等利用)と併せて労働者の手取り収入が減少しないように週所定時間を延長し、新たに社会保険に適合した場合

1時間以上2時間未満:1人あたり4万円

2時間以上3時間未満:1人当たり8万円

3時間以上4時間未満1人当たり12万円

4時間以上5時間未満1人当たり16万円

*A・B合わせて1年度1事業所あたり15人まで

*6カ月以上働いていた従業員が、処遇変更後6か月間は辞めずに給与を受け取っていることが条件です。

支給要件の例を簡単にまとめると

・昇給なし→あり
・賞与なし→あり
・退職金なし→あり
・正社員のみの手当てなし→あり
・賃金規定2%アップ

以上が処遇改善コースの特徴とポイントです。

4、3コース共通で助成金の申請が行えない人

キャリアアップ助成金の共通で申請ができない人の例は以下の7点です。

  • 不正受給してから3年以内の事業主は申請不可
  • 支給申請した年度の前年度より前の年度の労働保険料を納入していない場合
  • 支給申請日の前日から過去1年間に労働関係法令の違反を行ってしまった場合
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食業営業、またこれらの営業の一部を受託する営業を行い営業
  • 暴力団と関わりのある事業主
  • 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業う主
  • 助成金の不正受給が発覚した場合に行われる事業主名簿の公表について同意していない場合

まとめ

キャリアアップ助成金の特徴とポイントをまとめましたが、いかがでしょうか。

キャリアアップ助成金は従業員の給与アップ、福利厚生の充実を促すための制度です。

それぞれの助成金申請でそれぞれの申請をしなければなりませんし、助成金の要件に当てはまっているかを全部調べるのも大変です。

しかし、それぞれの助成金には意味があるので、手続も内容も異なります。自社ではどの助成金が申請ができるのかを見極めて、もれなくまちがえなく申請できるようにしっかりと確認をするようにしましょう。そして、助成金の申請をきっかけに国の方針をくみ取り、従業員の方の生産性向上を実現しましょう。

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松澤 正宣

松澤 正宣

大手生命保険会社にてオフィス長を経験。
これまで200名以上のセールスに教育・研修を行ってきた保険のコンサルタント。
得意分野は資産家・経営者の税金対策。
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