がん保険は掛け捨てと貯蓄のどちらが優先?保険料と保障の比較

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がん保険は、大きく分けて「掛け捨て型」と「貯蓄型」がありますが、皆様は、選び方や比較の方法知っていますか?

掛け捨て型は、「捨てる」という言葉が入っていることから損なイメージをお持ちのかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、言葉の印象だけで損か得かを判断してはいけません。

それぞれがどういう保険なのかを知れば、どちらを選べばいいのか、見えてくるはずです。

そこで今回は、保険料の差と、保障の手厚さの視点から、どちらを基準として選ぶべきかを解説させて頂きます。

1. がん保険の掛け捨て型と貯蓄型の違い

まず、がん保険の「掛け捨て型」と「積立て型」の保険の内容を見ていきましょう。がん保険には大きく分けて以下の3つの種類のものがあります。

  • 定期掛け捨て型
  • 終身掛け捨て型
  • 貯蓄型

それぞれの特徴を大まかに分けると以下の通りです。

掛け捨て型 貯蓄型
定期型 終身型
保障期間 期間限定(自動更新) 一生涯 一生涯
保険料 若いとき非常に低いが更新ごとに値上がりがあり結果高くなる 低い 掛け捨て終身型のおよそ3倍
中途解約金の有無 なし ほとんどなし あり

簡単に言うと、掛け捨て型は支払った保険料が戻ってくることはありませんが、安い保険料で加入することができます。一方で、貯蓄型がん保険は保険料が約3倍と高位ですが、ある程度の貯蓄の機能があります。

さらに詳しくご説明させて頂きます。

1.1 定期掛け捨て型がん保険は最初は安く50歳以降は高い

定期型がん保険は、ある決まった一定期間に保険料を支払い、その期間だけ保障が受けられるというものです。その期間以降も引き続き保障を受けたければ、更新(自動更新)となります。

更新は基本的に5年ごとのものが多く、その度に保険料が上がっていきます。以下の表をご覧ください。これは定期型がん保険と終身型がん保険の支払い保険料の違いを表してものです。

縦軸が支払い保険料、横軸が年齢を表しています。

ご覧いただくと、大体50歳になるまでは、終身型がん保険と比べて保険料が割安なことが分かります。しかし、50代以降グングン保険料が上がっていき、年金生活に入る60歳以降は月々1万円以上の保険料がかかるようになっていきます。

そのため、万が一、家計の経済状況に何らかのダメージがあれば、保険料の支払いができなくなるリスクがあります。

しかし、定期型がん保険の中には、自由診療も含めて、がんの治療費ならなんでも肩代わりしてくれるような非常に保障の厚いものもあります。そのため、家計に余裕がある方はずっと定期がん保険でも良いでしょう。しかし、定期がん保険は保障が80歳までしか受けられないものも多いので注意が必要です。

また、がんになって経済的に最も困難な状況に陥ってしまうのは、一家の大黒柱が、まだ子供が高校や大学など多くの学費が必要な時に、長期のがん治療が必要になった時です。そのため、現役世代の時はがんになった時の保障を手厚くするために、後述する終身型がん保険と同時に貯蓄型がん保険にも加入するというのも良い選択肢です。

※どういう時にがん保険が必要なのかを理解しておこう。
上述の通り、がんになった場合に家計へのダメージが最も大きいのは、現役世代のうちにがんになって長期の治療が必要になった場合です。そのため、若いうちは終身型がん保険を軸に、定期型がん保険に加入する方も少なくありません。詳しくは、『がん保険の必要性|加入するなら知っておくべき3つのポイント』をご覧になって、がん保険でどこまで保障するかの判断に役立てていただければと思います。

1.2. 終身掛け捨て型のがん保険は保険料が一定で家計負担が少ない

終身の掛け捨て型がん保険も、貯蓄の機能がないのは定期型がん保険と同じです。しかし、支払う保険料はずっと変わりません。また、保険料の払い込み期間と言って、いつまで保険料を支払うのかを決めることができます。そして払込期間後は保険料を支払わなくても、最後まで保障を受けることができます。

この払込期間は自由に決める事ができます。一般的には退職時に設定するご家庭が多いです。

このように、終身掛け捨て型のがん保険は、家計にとってシミュレーションが立てやすく保障も手厚いものが多いため、最も人気があります。

1.3. 貯蓄型がん保険の保険料は約3倍で基本的に終身型

貯蓄型がん保険とは、解約をした時に、それまでに支払った保険料の何割かが戻ってくるというものです。保険料は終身掛け捨て型と同様に一定ですが、金額は約3倍とかなり割高になります。

また、終身掛け捨て型と違って、保険料の払込期間を設定することはできません。加入している限り、最後まで割高の保険料を払う必要があります。言い換えると、解約して返戻金を受け取ったら、その後にがんになった場合、保障を受けることはできません。

総合すると、もし貯蓄型がん保険にどうしても加入したいという場合は、「いつ解約するのか」を決めてから加入する必要があります。しかし、解約後はがんになっても保障を受けることはできません。そのため、加入前は「何歳で解約する」ということを決めていても、結局、その後の保障が気になって解約できないという方も少なくありません。

さらに、保障が充実している貯蓄型がん保険は、解約した際の解約返戻金の率も低いものばかりです。

結論から言うと、本来の保険としての機能も、貯蓄としての機能も非常に中途半端で、ファイナンシャルプランナーとしては、基本的にはオススメできません。それでも、「いざというときにある程度まとまった額を引き出せる」という部分で安心が必要なら検討しても良いでしょう。

2. がん保険の保障はいつまでにすべきか

ここで、がん保険の保障はいつまでにするべきかという観点から定期掛け捨て型と、終身掛け捨て型、そして貯蓄型がん保険を比べてみたいと思います。

がん保険が最大の重要性は、まだ一家の大黒柱がバリバリ働かれていて、もしその状態でがんになり長期治療が必要になった時に、せめて治療費と家族の経済的生活を守るところにあると上述しました。それでは、引退された後はどうでしょうか。

一般的には、定期掛け捨て型は、加入がそもそも80歳までのものが多いです。貯蓄型がん保険はどこかの時期で解約を前提に加入される方が多いです。そのため、基本的に定期掛け捨てと貯蓄型がん保険は、老後にがんになった場合の保障に関して目をつむっています。一方、終身型がん保険は、最後を迎える時まで保障が続きます。

つまり、それぞれの保険は「いつまでがんに対しての保障を備えておくか」という点が異なるのです。あなたはがんの保障を、いつまで行いたいですか?ここに関して考えてみましょう。

2.1. 歳をとればとるほどがんの罹患リスクは上がる

いつまでがん保険に加入するかを考える上で、参考としていただきたいのが、年齢ごとのがん罹患リスクの違いです。早速見てみましょう。

男性のがん罹患リスク

下の図をご覧ください。これは「がん情報サービス」の『最新がん統計』から抜粋したもので、現在年齢別のがん罹患リスクを表します。

あなたが、30歳男性としたら、10年後までにがんになる確率は0.6%、60年後までにがんにかかる確率は42%という見方をします。当たり前ですが、年齢が上がるほどがんの罹患リスクが高まることが分かります。

女性のがん罹患リスク

こちらは、女性の現在年齢別のがん罹患リスクを表します。

女性の特徴としては、男性より若い段階でがんになる確率が高いということです。一方で、70歳80歳の女性が、これからがんになる確率は、男性の場合の大体2/5と大幅に少なくなります。

しかし、それでも確率としては36%, 29%と高いので、がんが心配なことは変わりないでしょう。

2.2. がん保険は基本的に一生涯必要

以上のことを考えてみると、がん保険には一生涯加入しておきたいというご家庭がほとんどではないでしょうか。私自身も、がん保険は一生涯加入を前提にして加入しています。

その視点で考えると、どのタイプのがん保険が良いのでしょうか。

2.2.1. 定期掛け捨て型がん保険 VS 終身掛け捨て型がん保険

歳をとればとるほどがんのリスクが高まることを考えると、80歳までしか保障が受けられない定期掛け捨て型は、長寿国である日本人にとっては不安なのではないでしょうか。そのため、定期掛け捨てが型がん保険と終身掛け捨て型がん保険のどちらか一方しか選べないという場合は、後者に軍配が上がります。

年を取った後のことはあまり考慮に入れないという方もいらっしゃいますが、がん保険には緩和医療に対する保障が付いているものもあります。人生の最後の時に、がんの痛みで苦しむのか、緩和医療を受けて、少しでもご家族との幸せを感じながら迎えるのかで考えると、私としては後者だと思います。

2.2.2. 終身掛け捨て型がん保険 VS 貯蓄型がん保険

次に、貯蓄型がん保険を考えてみましょう。貯蓄型がん保険がいいと思っている方の理由として、「いざというときに引き出せるお金があれば安心だから」というものが多いのではないでしょうか。

しかし、もし、それが理由であれば、ファイナンシャルプランナーとしては、そうしたものを当てにするのではなく、日頃から収入の何割かを貯金する習慣を身につけましょうということを先にお伝えしたいと思います。

貯蓄型がん保険を貯金代わりにしようとお考えなら、支払った保険料がすべて返ってくるわけではないので、同額を毎月貯金しておいた方が貯蓄効果は高いです。もしくは、貯蓄に回す分を、資産運用の勉強と実践に回した方が結果的にリターンを期待できます。

また、老後に貯蓄型がん保険を解約して、その後にがんになってしまったら目も当てられません。そうなったら、今まで以上に治療費に困ってしまうことでしょう。

以上のことから、がん保険は貯蓄型よりも掛け捨て型を選んだ方がリスクを最小限にすることができます。また掛け捨て型の中でも、定期よりも終身の方が、最後まで安心して保障を受けることができるでしょう。

まとめ

がん保険は、一生涯の保障が必要です。そして、がん保険に入る目的は、万が一がんになって長期治療が必要になった場合でも、治療費と家族の生活を守るためです。

その目的から考えると、途中でがん保険を解約すること考えにくいでしょう。その視点から、80歳までしか保障がないものばかりの定期型がん保険をメインにするには不安があります。

また、途中で解約をして解約返戻金を得ることを目的として、そのあとは保障が受けられなくなる貯蓄型がん保険も選択肢からなくなることになります。貯蓄を考えるなら、他に良い選択肢がいくらでもあることも理由の一つです。

したがって、がんの一生涯の保障をしっかりと受け取ることと、生活水準が現役世代とは変わる老後の生活のことを考えると、終身の掛け捨て型に加入しておいて、早い段階で保険料を支払い終えるのが家計的にも最も負担が少ないですし、保障面での安心も大きいでしょう。

それでも貯蓄型のがん保険を検討されたいという方もいらっしゃると思います。その際は、以上のことを念頭に考えていただくと良い選択ができるのではと思います。

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野沢 勝久

野沢 勝久

ファイナンシャルプランナーCFP 住宅ローンアドバイザー
1級ファイナンシャルプラン二ング技能士 相続診断士
大手生命保険会社ライフプランナーで人生の地図といわれるライフプランニングにより、マイホーム購入・学費・老後の安心を与えてきました。1人でも多くの方の夢や希望をサポートしていきたいと考えています。生命保険・損害保険・税務・相続に強いファイナンシャルプランナー。
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