税金で損をしない!保険に関する税金の全知識まとめ

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税金

税金はややこしくてよくわからないと思ってませんか?

確かに数字や計算がたくさん出てきて、わかりにくく、めんどくさいかもしれません。ただ、多くの人が、税金の正しい知識がないため、そして正しい申告をせずに損をしているのも事実です。

申告をして還付を受ける。また、お金を受け取った時にできるだけ税金を抑えるなど知っておかなければいけないことはたくさんあります。

この記事では生命保険に関する税金をすべてお伝えします。

これから税金で損をすることがないようにできるだけわかりやすくお伝えしているので、是非参考にしていただければ幸いです。

目次

1.  損をしない生命保険料控除の申告方法

2. 保険金受取時の税金

3. 改正により注意しなければいけない相続税

4. 非課税な保険金・給付金

5. 医療費控除で還付を受ける

1. 損をしない生命保険料控除の申告方法

生命保険料控除とは払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額がその年の所得から差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。

給与など所得に一定の税率をかけて所得税の金額が決まるため、所得控除により課税所得(課税の対象となる所得)が下がることによって所得税と住民税が軽減されます。

生命保険料控除は15種類ある所得控除の一つです。

生命保険料控除は平成22年度税制改正によって平成24年1月1日以後に契約した生命保険から、新制度の対象になります。

これまでの死亡保障・医療保険を中心とした「一般生命保険料」と個人年金保険の「個人年金保険料」の2種類に新たに医療保険・がん保険・介護保険などの「介護医療保険料」が新設され3種類になりました。

控除額の上限

旧制度

  • 一般生命保険料控除 5万円
  • 個人年金保険料控除 5万円

新制度

  • 一般生命保険料控除 4万円
  • 介護医療保険料控除 4万円
  • 個人年金保険料控除 4万円

旧制度では上限が10万円だったのに対して新制度では12万円と控除の合計額は拡大しました。

1-1 平成24年1月以降の契約から新制度が適用される

新制度では3種類に分かれてます。

  • 一般生命保険料控除・・・生存または死亡に起因して支払う保険金・その他給付金に係る保険料(死亡保障)
  • 介護医療保険料控除・・・入院・通院などにともなう給付部分に係る保険料(医療保険・がん保険・介護保険など)
  • 個人年金保険料控除・・・個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険

「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれについて所得税・住民税ごとに、次のとおり所得控除額を計算します。

生命保険料控除新

1-2 平成23年12月以前の契約は旧制度が引続き適用になる

旧制度では2種類に分かれてます。

  • 一般生命保険料控除・・・死亡保障・医療保障・介護保障など生命保険全般
  • 個人年金保険料控除・・・個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険

「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれについて所得税・住民税ごとに、次のとおり所得控除額を計算します。

生命保険料控除旧

1-3 新制度により注意しないといけない人

平成24年1月の新契約から新制度になるので平成23年12月以前の契約だけの人は旧制度が適用となり今までと同じように申告すれば大丈夫です。

また、平成24年1月以降に加入した契約だけの人も新制度で申告をすればいいです。

ただ、新制度によって注意がする必要があるケースがあります。

そこで以下に該当する人は注意が必要です。

① 平成24年1月以降に更新をした人

定期保険(10年など)に加入をしている場合保険期間が終了するとそのまま契約を続けるために更新をするケースがあります。

旧制度の契約でも平成24年1月以降に更新をすると新制度になります。よって今までとは控除額が変わってきます。

新制度になると旧制度のときに比べて申告する金額も今までと変わってくるので年末調整の申告書を記入するときは注意しましょう。

② 平成24年1月以降に追加で医療保険・がん保険に加入した人

今まで加入していた生命保険があったが医療保険やがん保険を追加で加入した場合などが該当します。

その場合、今までの旧契約で一般保険料控除で5万円控除を受けていたものはそのまま申告し、新たに加入した医療保険・がん保険については新設された介護医療保険料控除で別に申告できます。

③ 平成24年1月以降に生命保険を見直した人

生命保険を見直しをして、すべての保険を新しいものに切り替えした場合はそのまま新制度で申告をします。

ただ、よくあるケースとしては一部だけを見直す場合があります。特に終身保険・養老保険・学資保険など貯蓄ができる契約はそのまま残し、定期保険・医療保険など保障だけを見直すことがあります。

その場合は・・・

旧制度では一般生命保険料控除の上限が5万円だったのに対し、新制度では上限が4万円になっているので旧制度で4万円以上ある場合は一般生命保険料控除は旧制度で申告をしたほうがいいです。

そして保険の見直しによって医療保険・がん保険などを新規で加入をした場合は新契約になりますので新設された介護医療保険制度で一般生命保険料控除とは別に申告をできます。

例 平成24年4月に生命保険を見直し

  • 見直し前::生命保険(死亡保障8,000円・医療保険7,000円):学資保険10,000円 合計25,000円
  • 見直し後::生命保険(死亡保障8,000円・医療保険7,000円):学資保険10,000円 合計25,000円

上記の例だと

  • 一般生命保険料控除:旧契約の学資保険で上限の5万円になるので学資保険で申告します。
  • 介護医療保険料控除:新契約で医療保険を加入しているので申告すると上限の4万円が控除になります。
  • 個人年金保険料控除:なし

そうすると今までの旧制度までは5万円しか控除を受けられなかったの対して新契約の医療保険・がん保険などを新設された介護医療保険料控除にて追加で申告できるようになるため4万円プラスで控除が受けられるようになります。

ただし、旧契約で個人年金に加入していて旧契約で一般保険料控除5万円と個人年金保険料控除5万円で合計10万円控除を受けている場合、新契約で医療保険に上限の4万円まで加入をしても合計で14万円控除されるわけではなく、新制度の控除額上限の12万円が控除になります。

1-4 生命保険料控除の申告方法

生命保険料控除は申告をしなければ控除は受けられません。 保険会社から10月~11月ごろに「生命保険料控除証明書」と記載されているハガキまたは封書が届きます。

① 会社員は年末調整をする

勤務先(総務部など)に「給与所得者の保険料控除等申告書」に「生命保険料控除証明書」を添付して提出すれば、年末調整で控除を受けられます。

確定申告の必要はありません。

※年末調整とは 会社員・公務員など給与所得者は通常毎月源泉徴収により自動的に給与から天引きになっていますがその合計額と本来納めなければならない額が相違する場合があります。その時に本来の金額に調整するのが年末調整です。 そして生命保険料控除はまったく考慮されずに天引きされているのでほとんどの人は年末調整により還付が受けられます。

還付されるのは12月~1月に給与もしくはボーナス支給の時に還付されるケースが多いようです。給与とは別に支給されることもあるようです。

もし会社へ期限内に申告書を提出し忘れた場合、自分で確定申告すれば控除を受けられます。

② 自営業などは確定申告をする

自営業の場合、会社員のように給与から自動的に天引きされていないので確定申告が必要になります。

翌年の2月16日~3月15日までに所得税の確定申告で、「生命保険控除証明書」を確定申告書に添付し、税務署に提出します。税務署に行くときは生命保険料控除証明書(ハガキ)を忘れないようにしましょう。

還付されるのは確定申告をしてから1か月くらい掛かります。

③ 生命保険料控除証明書は再発行できる

生命保険料控除証明書が10月に届いているので年末調整・確定申告をするまでに時間があります。その間に無くしてしまったまたは間違えて破棄してしまったなどよくあることです。その時はすぐに保険会社に再発行してもらいましょう。

2. 保険金受取時の税金

前節では生命保険に加入したときに所得から控除を受けるお話をしましたが、ここでは死亡保険金や満期保険金を受取った時の税金をお伝えします。

2-1 満期保険金受取時の税金

満期保険金に掛かる税金は一時所得

満期保険金がある生命保険に加入している人は満期保険金を受け取った時に果たして税金が掛かるのかどうか不安ですよね。

生命保険の満期保険金に掛かる税金は基本的に所得税の対象となります。そして満期保険金や生命保険の解約返戻金など一時金で受取るものは、所得税の中でも「一時所得」になります。後ほどお伝えしますが、満期保険金がある代表的な商品が「養老保険」と「学資保険」です。さて一時所得はどのように計算するのでしょうか。

それでは早速一時所得はどのように計算するのか確認していきます。

一時所得の計算
このような計算式になりますが、簡単にお伝えすると増えた金額から特別控除50万円引いた金額の半分(1/2)が課税の対象となります。よって増えた金額が50万円を超えなければ課税されません。

例えば以下の学資保険の例を見ていきたいと思います。

  • 年齢:30歳男性 子供0歳
  • 保険料:12,618円
  • 保険料払込18歳まで
  • 満期保険金300万円

学資 大学

この契約の場合、保険料を月々12,618円×12か月を18年間支払うと保険料の支払総額が2,728,080円になります。それに対して満期金を3,000,000円受け取ることができます。

そうすると、、、

3,000,000円(満期保険金)-2,728,080円(支払総額保険料)=271,920円(増えた金額)

増えた金額が271,902円となり、特別控除50万円を超えないのでこの契約においては所得税が課税されないことになります。

満期保険金がある保険の契約形態は要注意

前節で満期保険金は所得税の「一時所得」になるとお伝えしましたが、これは契約者(保険料を支払う人)と満期保険金受取人が同じケースです。もちろんこのケースが圧倒的に多いのですが、違うケースもあります。その場合は課税される税金の種類が変わってきます。

例えば契約者:夫、満期保険金受取人:妻の場合は「贈与税」になります。それは夫が保険料を支払って、満期保険金を妻が受取ると満期金を妻に贈与したとみなされるからです。

このように満期保険金に限らず、生命保険は「契約者」「被保険者」「受取人」がどうなっているかによってお金を受け取ったときに掛かる税金が変わってきます。生命保険の契約をするときには必ず確認しておかなければいけないことです。もし、加入している保険が心配であれば保険証書を見てみましょう。そこにしっかり記載されています。

満期保険金受取りまでの流れ

それでは最後に実際の満期保険金を受取る流れをお伝えします。保険会社によって違いはありますのであくまでも一例としてご覧ください。

1. 満期保険金請求書の到着

満期金支払い予定日の前々月上旬ごろに、「満期保険金請求書」が手元に到着します。

2. 必要書類送付

「満期保険金請求書」が届いたら必要事項を記入をし、あわせて以下のものを提出します。

  • 保険証券
  • 受取人の公的証明書(免許証・健康保険証・パスポートなどのコピー)

※満期保険金が500万円を超える場合かつ、保険証券の提出がない場合は印鑑証明書を提出が必要となります。

3. 満期金の支払い

「満期保険金請求書」に記載の期日(保障の満了日の翌営業日または翌々営業日)に満期保険金をお支払いします。

2-2 解約返戻金受取り時の税金

生命保険を解約すると、解約返戻金が戻ってくる商品があります。

解約返戻金を受け取った時の税金は前節でお伝えした満期金と同じ一時所得になります。

よって、解約返戻金より、保険料支払総額が上回った時には課税させません。解約するときには必ず保険会社に金額を確認して、できれば受け取った時に課税されるか確認をするといいでしょう。

2-3 死亡保険金は受取人によって税金が違う

生命保険を加入するときには保険金受取人を指定します。受取人を誰にするのかによって保険金の税金が変わってきます。

誰が保険料を支払い(契約者)誰に保険をつけ(被保険者)誰が保険金を受け取るか(保険金受取人)によって、受け取る保険金は、相続税・贈与税・所得税(+住民税)のいずれかの課税対象となります。

死亡保険金にかかる税金は以下のようになります。

死亡保険金

相続税になるケース

一般的には一番多いのは相続税になるケースです。

契約者と被保険者が同一人の場合の死亡保険金を、被保険者の相続人が受け取った場合は、相続税の課税対象となります。

  • 契約者:夫 
  • 被保険者:夫 
  • 保険金受取人:妻または子

死亡保険金は、「残された家族の生活保障」という大切な目的を持った遺産ですので、一定の生命保険金が非課税とされています。

500万円×法定相続人の数=非課税限度額

非課税額を引いた金額が相続税の課税対象になります。

※ただし相続人以外が受け取った場合は非課税の特典が適用になりませんので相続人が受け取ったほうが有利です。

贈与税になるケース

契約者と被保険者が異なり、契約者以外の人が死亡保険金を受け取った場合は、贈与税の課税対象となります。

  • 契約者:夫 
  • 被保険者:妻 
  • 保険金受取人:子

死亡保険金から基礎控除110万円を引いた金額が課税所得になります。

課税所得=死亡保険金額-110万円(基礎控除)

所得税になるケース

契約者と保険金受取人が同一人の場合、受け取る保険金は一時所得として「所得税・住民税」の課税対象となります。

  • 契約者:夫 
  • 被保険者:妻 
  • 保険金受取人:夫

このように死亡保険金受取人をだれにするかによって大きく税金は違います。1番多いのは相続税に該当するケースになりますので、これから詳しくお伝えをしていきます。

3. 改正により注意しなければいけない相続税

平成27年より相続税の改正で基礎控除が引き下げられたことにより相続税の対象になる人が増えます。よって、これから相続税対策を考える人は多いと思います。まずは改正のポイントをわかりやすくお伝えしたいと思います。

3-1 平成27年相続改正のポイント

平成27年1月相続税改正のポイントが以下の4つになります。

  • 改正1:基礎控除額の引き下げ
  • 改正2:相続税率の引き上げ
  • 改正3:未成年者控除・障害者控除が拡大
  • 改正4:小規模宅地等の特例の拡大

それでは具体的に解説していきます。

※改正は、平成27年1月1日以降に相続または遺贈により取得する財産にかかる相続税について適用されます。

改正1:基礎控除額の引き下げ

今回の改正で1番大きく変わるのがこの基礎控除の引き下げです。基礎控除が引き下げられることによって相続税が増税となり、そして相続税の対象となる方が増えます。

具体的には以下のように変更になります。

相続税の基礎控除

基礎控除が6割に縮小されたことによって相続税の申告を必要とする人が増えます。今までは100人に4人が課税対象者でしたが、改正後は100人に6人程度に上昇する見込みがあります。被相続人が地価の高い都心部に自宅を所有しているだけでも、改正後の基礎控除額を超えてしまう可能性があるわけです。

例:遺産7,000万円 法定相続人:配偶者と子ども2人

現行の場合

相続税:現行

遺産が相続税を超えないので、相続税はかかりません。

新制度の場合

相続税:新制度

遺産が基礎控除を超えるので相続税の対象になります。

※他に控除がある場合など、相続税がかからないケースもあります。 ※法定相続人の数は相続の放棄をした人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数となります。また被相続人に養子がある場合は、被相続人に実子がある場合は1人、実子がない場合には2人を法定相続人の数に含めてもよいことになっています。

改正2:相続税率の引き上げ

今回の改正によって相続税の最高税率が引き上げられます。

以下のように改正されます。

相続税率の引き上げ

※各法定相続人の取得金額とは、課税遺産総額(課税価格の合計額から遺産にかかる基礎控除額を控除した金額)を法定相続人の数に算入された相続人が法定相続分に応じて取得したものとした場合の各人の取得金額をいいます。

高額の遺産所得者の相続税の負担を求める見方から改定によって最高税率が引き上げられます。税率区分が6段階から8段階に変わります。所得金額が2億円以下の人は改正前と相続税率は変わりませんが、「2億円超~3億円以下」の方は45%、「6億円超~」の方は55%に引き上げが行われます。

例:課税価格の合計額が2億円、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合の相続税総額

相続税の総額の計算

改正3:未成年者控除・障害者控除が拡大

相続税額から一定額を差し引く未成年者控除と障害者控除については控除額が長い間据え置きでしたが、物価の動きや基礎控除額等の見直しを踏まえ、引き上げられることになりました。

未成年者控除と障害者控除の控除額拡大

改正4:小規模宅地等の特例の拡大

基礎控除の引き下げや税率構造の引き上げが行われる結果、地価が高くなる都心部の増税の影響を懸念し、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算特例について、居住用宅地の限度面積及び居住用宅地と事業用宅地の完全併用が可能になり、拡充されます。不動産の相続対策としては非常に有効です。

具体的には以下のようになります。

限度面積の拡大

特定居住用宅地等の特例についての対象面積を、これまでの240㎡から330㎡へ拡大されます。

改正4-1

併用する場合の限度面積の拡大

特定事業用宅地等と特定居住用宅地等の両方の特例の適用を受ける場合には、これまでは限定的にしか併用が認められていませんでした。今回の改正では最大730㎡(400㎡と330㎡の合計)まで小規模宅地等の特例の適用が受けられます。

改正4-2

二世帯住宅の場合

一棟の建物の内部で行き来ができないものとして構造上区分されている二世帯住宅では、これまでは別居扱いで小規模宅地等の特例は適用されませんでしたが、内部で行き来ができるか否かに関わらず、同居しているものとして小規模宅地等の特例の適用ができます。

老人ホームに入居した場合

老人ホームに入居すると被相続人は自宅に居住しなくなりますが、小規模宅地等の特例適用を受けるには被相続人の居住の用に供されている宅地であることが必要です。

この居住しなくなった自宅の敷地については以下の要件が満たされる場合に限りますのでご注意ください。相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとしてこの特例が適用されます。

  • 被相続人に介護が必要なため入所したものであること
  • 家屋が貸付の等の用途に供されていないこと

相続税について知っておきたい2つのポイント

これまで平成27年1月から適応になる改正のポイントをお伝えしてきましたが、ここからは相続税に関して知っておきたいことをお伝えしていきます。

1. 相続税が非課税なもの

  • 墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚、香典(ただし骨董的価値があり、投資の対象になるものや商品として所有しているものについては相続税がかかります。)
  • 国、地方公共団体、特定の公益法人に寄付した財産
  • 公共事業を行う者にもらった財産で、その公共事業に使われることが確実な財産
  • 業務上の死亡で支給された弔慰金(死亡当時の月々の給料の3年分まで)
  • 業務外の死亡で支給された弔慰金(死亡当時の月々の給料の半分まで)

2. 相続税の申告方法

相続税は相続開始を知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所の所轄税務署に申告書を提出し、納付しなければいけません。

この期限内に申告・納付しなかった場合は加算税・滞納税の対象になりますので、注意が必要です。また、相続税も金銭で一度に納めるのが原則ですが、特別な納税方法として延納と物納制度があります。延納は何年かに分けて納めるもので、物納は相続などでもらった財産そのもので納めるものです。なおこの延納・物納を希望する方は、相続税の申告期限までに手続きを取る必要があります。

※相続税・贈与税については、国税庁のホームページでご確認ください。

3-2 生命保険による相続税対策

生命保険で相続税対策をするメリット

平成27年より相続税の改正で基礎控除が引き下げられたことにより相続税の対象になる人が増えます。これから相続税対策を考える人は多いと思います。そこで相続税対策として有効なのが生命保険です。

相続税対策として生命保険を活用するメリットは以下の3つになります。

  1. 財産評価引き下げ(非課税枠活用)
  2. 遺産分割
  3. 納税資金準備

図3

それでは具体的に解説をしていきます。

1. 財産評価引き下げ(死亡保険金の非課税枠を活用する)

死亡保険金の非課税の限度額は「500×法定相続人の数」となります。生命保険の控除額により相続財産の評価額を下げることができます。ぎりぎりで相続税が発生するような場合は生命保険を活用することで相続税を回避できる可能性もあります。

例えば法定相続人が3人いると1,500万円の控除を受けることができます。

図6

このように現金でそのまま持っているとその金額が相続税の対象になりますが、生命保険の死亡保険金で受け取るとそれだけで控除を受けることができ、有利になります。

2. 遺産分割

よく「争続」という言葉を耳にします。相続人が複数いる場合、兄弟など家族で権利を巡って争いが起きるケースが多々あります。現金や不動産などの場合はすぐに分割できず、争いの元となります。それに対して生命保険の死亡保険金は受取人固有の財産であるため、遺産分割協議の対象外となります。特定の相続人だけに財産を残したいと言う場合に活用できます。

生命保険であれば複数の受取人を指定することもできますので相続財産を分割しづらいときに活用できます。また受取人を指定することで遺言と同じ効果が得られます。

図4図5

財産をたくさん残すのも大事ですが、残されたご家族で「争続」にならないようにするのはもっと大切かもしれません。必ず遺産分割の対策を取りましょう。

3. 納税資金準備

遺産のほとんどは不動産で現預金は少ないといった場合、突然多額の相続税を納付しなければならないケースがあります。通常相続財産は、遺産分割協議が終わるまで凍結されてしまいます。そのため、受け取るためには相当時間がかかります。

それに対して生命保険の死亡保険金なら受取人を指定することができ、書類を用意するだけで通常1週間程度で受け取ることができます。

生命保険加入時の注意点

生命保険の加入時に気をつけておきたいポイントは「健康状態」です。相続税対策を考えるとき、すでにある程度年を取ってから加入するというケースが多いです。健康状態でひっかかってしまったり、健康を損ねている場合、加入できなかったり保険料が割高になる可能性もありますので、注意しましょう。

相続税対策をする生命保険の活用法

具体的に生命保険の活用法をお伝えしていきます。一般的に死亡保障が一生涯続く終身保険を活用します。その時のポイントはできるだけ比較をして保険料の安い商品を活用することです。生前贈与を活用するなどテクニックはありますが、ここでは一般的な事例を用いてお伝えします。

1. 終身保険で毎月保険料を支払っていく

大きな現金を一括で入れることはできないが資産があるので、相続税対策を早めにしておきたい方には終身保険で保険料を毎月または毎年支払います。

そうするといつ万が一があったとしても設定した死亡保険金が受取人に支払われ、先ほどお伝えしたように控除を受けることができます。

終身保険

60歳男性

  • 死亡保険金額:1,500万円
  • 保険料(月払):112,920円
  • 保険料払込期間:70歳まで
  • 保険期間:終身

この契約では万が一があった場合に死亡保険金額が1,500万円支払われるのに対して毎月112,920円の保険料を70歳まで(10年)支払っていくので保険料総額約1,355万円になります。保険料総額よりも死亡保険金のほうが大きくなり、尚且つ控除が受けられるので有効な相続税対策です。

2. 現金がある場合は一括で保険料を支払う

現金があるので相続税対策として一括で大きなお金を入れてしまいたい場合は「一時払終身保険」を活用します。

例えば、、、

一時払終身保険

60歳男性

  • 保険料:1,303万円(一括)
  • 死亡保険金額:1,500万円
  • 保険期間:終身

一括で保険料を1,303万円支払います。そうすると万が一のことがあった場合死亡保険金額が1,500万円支払われます。もし上記の例のように法定相続人が3人いる場合は課税されません。

そして一時払終身保険は貯蓄としても活用される保険です。銀行に置いておいてもほとんど増えない時代ですが、この契約の場合、3年経過した4年目には解約した時の返戻率が100%を越えてきます。 10年後には104%と4%増えます。75歳時には106.5%となります。

正直それほど増えるものではありませんが3年で100%を越えてその後は増えていくので相続税対策も兼ねて普通に銀行に預金していくよりは有利でしょう。

4. 非課税な保険金・給付金

保険会社から受取る保険金、給付金はすべて課税されるわけではありません。ここでは非課税なものをお伝えしていきます。

まずは下の図をご覧ください。

保険金-課税-非課税

相続税の課税対象となった死亡保険金を年金形式で受け取るとき、2年目以降の年金のうち、所定の部分が雑所得として所得税の課税対象となります。贈与税の課税対象となったあとの年金も同じです。

※保険料を一時払いすることにより、税法上「金融類似商品」に位置づけられる商品があります。

課税のされる保険金・給付金

それでは具体的にお伝えしていきます。

受け取るときに税金がかかる保険金は以下のようなものがあります。

  • 死亡保険金…被保険者が死亡したときに受け取れるお金のことです。
  • 生存保険金…満期時や学校の入学時など、一定の年齢になったときの生存に対して受け取るお金のことです。
  • 満期保険金…生存保険金の一種で、被保険者が満期時まで生存したときに受け取るお金です。
  • 解約返戻金…保険契約の解約や失効、解除の時に受け取れるお金のことです。

非課税の保険金・給付金

死亡保険金、満期金、解約返戻金などお金を受け取ると課税の対象となる場合がありますが、保険会社から受け取るすべてのお金に税金がかかるわけではありません。中には課税の対象とならない非課税のものもあります。どんなものが課税の対象とならない保険金なのか、みていきましょう。

病気やケガに対する給付金はほとんど非課税になります。また、がん保険の給付金、介護一時金なども非課税です。具体的には以下の給付金が非課税になります。

  • 入院給付金…被保険者が入院した場合に、被保険者に支払われるお金のことです。【入院日数×1日あたりの給付金額】が支払われます。
  • 手術給付金…手術をしたときに受け取れるお金のことです。
  • 通院給付金…治療のために通院した場合に、受取れるお金のことです。
  • 特定疾病(三大疾病)保険金…がん・急性心筋梗塞・脳卒中のいずれかによって所定の状態になった時に受け取れる保険金のことです。
  • リビング・ニーズ特約保険金…被保険者が余命6ヶ月以内と診断された場合、死亡保険金を生前に受け取れるお金のことです。

その他にも「介護保険金(一時金・年金)」「疾病(災害)療養給付金」「障害保険金(給付金)」「特定損傷給付金」「がん診断給付金」なども非課税となりますので、覚えておくと良いでしょう。

5. 医療費控除で還付を受ける

5-1 医療費控除の基礎知識

医療費控除とは医療費が多くかかった年に、その医療費の負担を少しでも軽くするために、かかった医療費の一部を税金から控除することです。確定申告にて申告します。

医療費控除の計算方法

自分や家族のために支払った医療費等の実質負担額が、年間(1~12月)10万円(所得金額が200万円未満の人は「所得金額×5%」の額)を超えた場合、その超えた金額をその年の所得から差し引くことができます。控除できる金額の上限は200万円です。

ただ、保険金などで補てんされた場合はその金額を差し引かなければいけません

計算式は以下のようになります。

還付計算式

5-2 医療費控除の対象となるもの・ならないもの

医療費控除の対象となるのは主に治療目的のものが認められます。

医療費控除の対象のなるものをチェックして、以下の領収書は必ず保管しておきましょう。

入院・通院・治療・検査

  • 医師に支払った診療費・治療費
  • 医師が治療目的で必要だと判断して作成した診断書代
  • 医師の指示による差額ベッド代
  • 治療のためのマッサージ・はり・お灸など
  • 治療のための松葉杖・義足の購入費用
  • 特定健康検査・特定保健指導
  • 入院時に提供される食事代
  • 通院や入院のための交通費
  • 電車やバスでの移動が困難な場合のタクシー代
  • レーシック手術
  • 医師が治療上必要と判断した近視矯正手術・メガネ・コンタクトレンズ代

出産

  • 妊娠中の定期検診・出産費用
  • 助産師による分娩の介助料
  • 流産した場合の手術費・入院費・通院費
  • 母体保護法に基づく理由で妊娠中絶した場合の手術費用

歯科

  • 虫歯の治療費・金歯・銀歯・入れ歯の費用
  • 治療としての歯列矯正

医薬品

  • 医師の処方箋により薬局で購入をした医薬品
  • 病気やケガの治療のために、病院等に行かず、薬局で購入した医薬品

国税庁のホームページです。

医療費控除の対象とならないもの

医療費控除の対象とならないものは主に美容目的や予防、健康増進のものになります。ただし、医師が治療目的と認められたものについては医療費控除が認められることがあります。

医療費控除の対象とならないものは以下のようになります。

入院・通院・治療・検査

  • 医師等の謝礼
  • 美容整形
  • 予防注射の費用
  • 医師の指示によらない差額ベッド代
  • 会社や保険会社に提出する診断書代
  • メガネ・コンタクトレンズの購入代金
  • 体の異常がない場合の定期検診や人間ドック費用
  • 通院のための自家用車のガソリン代や駐車代
  • 入院時のパジャマや洗面用具など

出産

  • 出産のために実家に帰る交通費
  • カルチャーセンターでの無痛分娩の受講料
  • 母体保護法によらない妊娠中絶のための手術費

歯科

  • 美容のための歯科矯正
  • 歯石除去のための費用

医薬品

  • 疲労回復・健康増進・病気予防などのために購入した医薬品

5-3 医療費控除の申請方法

医療費控除に必要なもの

医療費の控除を受けるためには、確定申告が必要です。 まずはじめに確定申告の申請に必要なものについてお伝えしたいと思います。

サラリーマンの場合

  1.  源泉徴収票
  2. 領収書など医療費の支出を証明する書類
  3.  領収書のない医療費(通院交通費等)の支払明細(自分で作成する)

サラリーマン以外の方の場合

  1.  領収書など医療費の支出を証明する書類
  2. 領収書のない医療費(通院交通費等)の支払明細(自分で作成する)

医療費の明細書の記入方法

医療費明細書の記入例を記載しておきますので参考にしてください。

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【医療明細書のダウンロードはこちら】 確定申告書に設けられている医療費控除の記入欄は1行ですので、自分で明細書を作成して申告書に添付しても良いのですが、税務署に「医療費明細書」がありますので、そちらを使うと便利です。医療費の明細を記入するための用紙ですので、記入に迷うことはありませんし、国税庁のホームページから簡単にダウンロードすることもできるのでぜひ活用しましょう。

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【「確定申告書等作成コーナー」】 自分で確定申告書を作成する場合は、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば必要事項を入力するだけで確定申告書を作成することができます。画面に従い、源泉徴泉票などから必要事項を入力し、プリンターでプリントアウト、押印して必要な書類を添付して税務署に送付すれば完了です。税務署にわざわざ出向く必要もないので忙しい方にはおすすめです。

医療費控除を上手に利用する3つのコツとは

ここでは医療費控除を上手に利用する3つのポイントについてお伝えします。

以下の3つのポイントを抑えておいてください。

① 医療費の領収書はきちんと管理しておく

出産費用や入院費用、歯の治療(自由診療)は医療費控除の要ともいえる存在です。この3つの医療費はどれも多額の医療費の支出を伴うものだからです。医療費の出費が多い年こそ領収証を大切にとっておかなければいけませんが、それだけを対象に医療費控除の申請を行う方も多いのではないでしょうか。

配偶者や子どもが頭痛や風邪などで医者にかかったり、医薬品の購入代金なども医療費控除の対象になります。医療費がかからないふつうの年ですと10万円に満たないので意味がないですが、18万円医療費がかかった年ですと数千円などの細かい支出でも申請すればまるごと控除できることを覚えておきましょう。少額のレシートや領収証でも年間を通して数万円になるケースもあるので、きちんと保管しておくことが望ましいです。

② 医療費の支払いは年中にすませておく

例えば医療費18万円を今年9万円、翌年9万円と分けて支払うのは避けるようにしましょう。なぜかといいますと、他に医療費の支出がないと一般的には控除額がゼロになってしまうからです。一度に支払うと8万円(18万円-10万円)の控除を受けることができますが、18万円の支払いを今年14万円、翌年に4万円と分けて支払う場合、翌年の支払い分が控除されにくくなってしまいます。したがって、医療費控除の効果を最大限活用するためには医療費の支払いは年中にすませておくことをお勧めします。

③ 領収証がなくても控除にできる可能性はある

医療費控除の申請をする際に医療費の支払いを証明する領収書の添付が必要ですが、領収証をもらい忘れてしまったり、紛失をしてしまったりすると、医療費控除の申請ができないと考える方もいるかもしれませんが、領収証がなくても控除にできる可能性はあります。

例えば、病院などの診察券と処方された薬の袋で支払い先がわかります。そして家計簿などの収支を記してあるものによって支払った金額がわかれば、領収証がなくても支払った事実を証明することができるのです。これらを税務署に持っていき内容をチェックしてもらい係官に理解してもらうことができれば、領収証がなくても医療費控除が認められることになります。

5-4 医療費控除で必ず押さえておくべき7つのポイント

最後に医療費控除で必ず知っておくべきことをお伝えします。以下の7つは押さえておきましょう。

1. 医療費控除は自分だけではなく家族の支払いも対象となる

医療費控除は会社員本人だけが支払った分だけではありません。自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族(両親や子供など)のために支払った医療費も含みます。

健康保険証が別々でも税法では医療費に合算できます。健康保険法の扶養家族と税法上の家族の定義は異なります。なので自分だけでなく配偶者や家族の分も合計して控除を受けることができます。

2. 会社員も確定申告をする

よく生命保険料控除などの年末調整と混同する人がいますが、医療費控除は会社員でも2月16日~3月15日までに確定申告をしなければいけません。

3. 医療費控除は5年まで遡って申告できる

医療費控除は仮に申告をし忘れても5年間は遡って申告することができます。

4. 住宅ローン控除などで所得税の支払いがなくても確定申告する

住宅ローン控除などにより所得税の支払いがなくても医療費控除により課税所得を下げることによって、住民税が軽減されるので所得税の支払いがなくても医療費控除の確定申告をしておきましょう。

5. 家族の中で1番収入が多い人が申告をする

所得税は所得が高い人ほど税率が高くなるので所得の高い人にまとめて申告したほうが有利になる場合があります。

6. 確定申告はインターネットでもできる

確定申告をする場合、基本は住民票がある地域の税務署で行います。

インターネットで確定申告をする「e-Tax」というものもあります。

こちらがe-Taxです。

7. 確定申告に必要なもの

確定申告をする場合には以下のものが必要となります。

  • 給与所得の源泉徴収票(原本)(給与所得のある人)
  • 領収書など医療費の支出を証明する書類
  • 医療費明細書

国税庁ホームページです。

まとめ

税金は申告の仕方によって、課税されたり、金額が変わります。そして自分から申告をしないと還付を受けることができません。

めんどくさがらずに正しい知識を身に着け、できるだけ税金を抑えましょう。もし、わからないどうすればいいのかわからない場合は必ず税務署に確認しましょう。

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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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