医療保険の積立型と掛け捨て型の3つの特徴と選択基準

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みなさんは病気やケガが心配だから医療保険に入ろうと思うけれど、掛け捨てはもったいないので積立型がいいと思ったことはありませんか?

たしかに、入院や手術を受けなければ、支払っている保険料が無駄にならなくて済むので積み立てタイプの方がお得なような気がしますよね。

しかし、医療保険の中で圧倒的に選ばれているのは掛け捨て型です。中でも、保障内容シンプルで保険料が安い商品が人気です。

そのため積立型の医療保険は現在2種類しかなく、あまり見かけなくなりました。

掛け捨てと積立型のどちらを選ぶかは人それぞれ考え方によります。今日は積立型と掛け捨て型のどちらの医療保険が本当にいいのかをお伝えします。それぞれに3つの特徴がありますので実際に比較したいと思います。その3つの特徴をお伝えした上で、積立型と掛け捨て型のどちらを選ぶべきかの選択基準まで公開していますので、迷っている人は是非参考にしてください

1. 医療保険の積立型と掛け捨て型の違い

まず簡単にそれぞれの違いを把握しておきましょう。

  • 積立型:解約するとお金が戻ってくる、保険料の負担が重い、保障を充実させられない。
  • 掛け捨て型:解約してもお金は戻らない、保険料の負担が軽い、保障を充実させられる

このように積立型の医療保険は、掛け捨て型に比べて、解約すると、それまでに支払った保険料のいくらかが戻ってくるというメリットがある一方で、保険料の負担が重く、保障を充実させられないというデメリットがあります。

ただ、具体例を挙げなければイメージできない点もあるかと思いますので、積立型の医療保険Aと掛け捨て型の医療保険Bを例に解説させて頂きます。

なお現在、純粋な積立型の医療保険は、現在2種類しか存在しません。

2. 積立型医療保険のメリット

それでは、ここから積立型と掛け捨て型の医療保険を比較していきましょう。保障内容はともに以下の通りとします。

  • 保険料払込期間:終身
  • 入院給付金:日額1万円
  • 手術給付金:20万円

この場合、積立型の医療保険は月々7.450円、掛け捨て型は月々4.650円になります。

2.1. 積立型の医療保険(月々7.450円)は健康でいた場合のメリットが大きい

早速ですが、積立型の医療保険の解約返戻率は以下のようになります。

 

年数 保険料総額 解約返戻金 健康還付給付金 解約返戻率(%)
1 89.400 31.890 0 35.6%
5 447.000 169.700 0 37.9
10 894.000 371.180 0 41.5
15 1.341.000 611.160 0 45.5
20 1.788.000 912.940 1.788.000 51(給付金100)

ご覧の通り、20年の満期を迎えるまでは解約返戻率は高くありません。しかし、満期時には健康還付給付金と言って、それまで病気にならず医療保険を使わずに済めば、それまでに支払った保険料全額が戻ってきます。

また、1~5年目の解約返戻率は35.6%です。つまり、貯蓄率が35.6%で保険に対する支払い比率は100%-35.6%で64.4%です。月額7.450円に64.4%をかけると、約4.800円になります。つまり、保険に対する部分への支払いは掛け捨て型と、大きな違いはなく、余分に払う2.650円の部分を強制的に貯蓄に回していると考えることができます。

このように、

  • 保険料にかかるうちの何割かは強制的な貯蓄の仕組みとして扱うことができる点
  • 病気や怪我なく満期を迎えると、健康還付給付金として全額戻ってくる点

は、積立型医療保険の大きなメリットだと言えます。

2.2. 掛け捨て型の医療保険(月々4.650円)は保険料は戻ってこない

一方で、掛け捨て型の医療保険は、それまでにかけた保険料は、たとえその間、病気や怪我なく過ごせたとしても戻ってきません。月々4.650円なので、20年間で、4650円×12ヶ月×20年で総額、1.116.000円です。

2.3. 積立型の方が純粋な保険に対する支払額は安い

この解約返戻金のデータをもとに保険料負担の観点からどちらがお得かを検証してみましょう。

積立型の医療保険Aの10年後の解約返戻金は371,180円です。そのため、10年での実質的な保険料負担は89400円×10年-371,180円÷12か月=4,356円になります。掛け捨て型の医療保険Bの保険料は4,650円ですので、月あたり294円分、積立型の医療保険Aの方が保険料負担が少なく済んだということになります。

積立型の医療保険Aの20年後の解約返戻金(健康祝い金)は、1,788,000円ですので、20年での実質的な保険料負担は0円です。掛け捨て型の医療保険Bの保険料は4,650円ですので、そのまま月当たり4,650円分、積立型の医療保険Aの方が保険料負担は少なくて済んだということになります。

10年で解約をした場合はAもBもほとんど大差はありませんが、20年で健康祝い金で支払った保険料が100%戻ってきた場合では、大きな違いとなります。

3. 積立型医療保険のデメリット

一方で、積立型医療保険には大きなデメリットもあります。主に以下の2つです。

  • 保険料負担が思い
  • 保障内容を充実させることができない

それぞれ見ていきましょう。

デメリット1. 積立型の医療保険は保険料の負担が重い

積立型医療保険Aは毎月の保険料負担は7,450円で、掛け捨ての医療保険の毎月の保険料負担は4,650円ですので、保険料の差は月々2,800円です。

この保険料負担の大きさだけを見てもらうと、掛け捨て型の医療保険Bの方がお手軽な保険料負担で済みますので保険契約を継続するのが容易であることがわかります。

医療保険の給付金を受け取るときのことを想像してみてください。

病気やケガで入院・手術を受けたときに給付金を受け取ります。つまり、重い病気やケガをしたときには、確かに給付金を受け取ることができるのですが、そのときは働くこともままならず、収入が減ってしまうということが起こりえます。そのため、毎月の保険料負担が重いと保険契約を継続するのが非常に困難になってしまう可能性があります。

そして、一度大きな病気やケガをしてしまうと医療保険に再加入することが難しくなってしまいます。そのため、なんとしてでも医療保険を継続したいと考えるものですが、保険料の負担が重いことでやむを得なく保険を解約してしまうこという事態も起こりえます。

さらに、この保険料負担の差の分で、がん保険や三大疾病保険、あるいは死亡保障などに加入することもできます。または、資産運用などの勉強など他の手段にお金を回すこともできるでしょう。

そのため、毎月支払える保険料の予算が決まっているのであれば、積立機能があるとはいっても、保険料負担の重い積立型の医療保険は最優先の選択肢にはなりづらいと言えます。

デメリット2. 積立型の医療保険は保障を充実させられない

積立型の医療保険Aに限らず、積立型の医療保険では、保障を充実させるための特約(オプション)は限られてしまう上に、選択できる特約は掛け捨てとなります。

掛け捨て型の医療保険は、すべての商品という訳ではありませんが、多くの商品では様々な特約(オプション)を付加することが可能です。

例えば、がんや三大疾病に対する一時金の保障や、三大疾病で所定の状態になった時に保険料の支払いが免除される保険料免除特約、三大疾病での入院は日数を無制限にする三大疾病入院無制限の特約、就業不能状態になってしまったときに収入を補てんしてくれる就業不能保障特約などがあります。

基本保障の入院したらいくら、手術を受けたらいくらという部分に関しては積立型も掛け捨て型も同じですが、保障を充実させられる特約では大きな違いができてしまいます。

この理由からも医療保険は掛け捨て型で加入される方が多いようです。

3. 非常に特殊な積立型医療保険C

ここまでで、医療保険の積立型と掛け捨て型を比較してお伝えしましたが、もう1点特殊な積み立て型の商品もご紹介します。

この積立型の医療保険は非常に珍しいタイプで、以下のような違いがあります。

  • 他の医療保険とは比較にならないほど保険料が高額
  • 将来支払った保険料以上にお金が返ってくる
  • そのお金を受けとってからも保険料を支払うことなく一生涯の保障を手に入れることができる

という内容のものです。

積立型医療保険Aでは、保険料を一生涯払い込まなければならないのですが、積立型医療保険Cでは健康還付給付金を受け取ってからも保険料を支払うことなく保障を継続できることが大きな特徴です。

このことから、孫のための医療保険を用意しておきたい資産家のお祖父様、お祖母様が選ばれる場合があります。

内容としては以下のようになります。

  • 保険料払込期間:20年間(払込が終わった後も保障は一生涯続く)
  • 入院給付金:日額1万円
  • 手術給付金:20万円
  • 月払い保険料:63,480円
  • 20年後の返戻率:約102%

もちろん、入院給付金や手術給付金の額は選択することができます。

この医療保険は、支払い保険料を上回るお金が将来返ってくることがポイントです。そして、払い込み期間は選ぶことができるのですが、その期間を過ぎると保険料の負担をすることなく一生涯保障を受けることが出来ます。

ただし、生存還付給付金を受け取る前に死亡してしまった場合は、100万円を受け取れるだけで、合計で1,000万円以上も損をしてしまう可能性があります。このデメリットがあるため、若い孫などのために加入するというように非常に用途が限られています。

4. 医療保険の積立型・掛け捨て型の選択基準

さて、ここまで読んでいただいても、自分は積立型の医療保険にすべきなのか、掛け捨て型にすべきなのか、悩んでしまいますよね。

そこで例であげた医療保険A・B・Cの選択基準をお伝えします。

4.1. 積立型の医療保険Aを選ぶべき人

  • 保障の充実した医療保険には既に加入しており、追加で入院保障に加入したいと考えている方
  • ある程度の貯蓄があり、医療保険は不要と考えているが、介護医療保険料控除を受けたいと考えている方
  • 保険料の予算にある程度の余裕があり、掛け捨て型の保険にどうしても抵抗がある方

積立型の医療保険は掛け捨て型と比較すると保険料負担が重いこと、そして保障を充実させられないことからも、追加で入院保障を充実させたいときに検討すべきだと考えています。

そして、介護医療保険料控除という年末調整や確定申告での所得控除を活用したいが、掛け捨ての商品ではもったいないので、掛け捨ての保険料はどうしてももったいないと考えてしまうので、積立型でお金を貯めながら控除を受けたいという方も選択肢の1つになると思います。

生命保険料控除に関する詳細は、「新制度で損をしない生命保険料控除の申告方法」でご確認ください。

また、純粋に保険料に掛けられる予算にある程度の余裕があり、かつどうしても掛け捨てはもったいないと思ってしまう人は、加入していないよりはいいのではという観点で積立型を選択することもあるかと思います。

ここで言うある程度の予算は最低でも1万円以上です。生命保険の加入の優先順位は死亡保障や三大疾病・がん保障の方が高いので、余った予算で積立型の医療保険を検討するとなると、どうしても家計の中から1万円以上を保険料に充てられなければ積立型の医療保険は選択肢に入れるべきではないと思います。

4.2. 掛け捨て型の医療保険Bを選ぶべき人

  • 貯蓄は、他の商品(定期預金・個人年金保険・学資保険・終身保険など)で行いたい方
  • 医療保険の保障内容を充実させたいと考えている人
  • 毎月の保険料にあてられる予算が限られている方

掛け捨て型の医療保険は、保険料負担を軽く抑えて、保障を充実させることができるという大きなメリットがあります。

よって、積立は他の商品で割り切って行い、保障は保障として確保するという考え方の人には、この掛け捨て型が最もマッチしますし、一般的にはこのような理由から掛け捨て型の医療保険がもっとも普及しています。

特に、保険料に割ける予算が月に1万円以内という方であれば、掛け捨て型を選択するべきでしょう。また、現在は保険料にある程度の予算を避けるが、将来の収入や支出は予測できないため、保険料負担は最小限にしておきたいと考えている人にもマッチします。

例えば、医療保険を積立型で加入して、数年後にまとまったお金が必要になった、あるいは収入がダウンして保険料を支払う余裕がなくなってきたというときに、お金が必要で保険を解約してしまうと保障もなくなってしまいます。そのときに健康状態が悪くて再加入できないこともありますし、再加入ができても年齢が上がったことで保険料も上がってしまっているということも考えられます。

このような理由からも保障と貯蓄を分けて加入しておくという考え方は1つのリスクヘッジになっており、合理的な加入の仕方でもあります。

4.3. 特殊な積立型の医療保険Cを選ぶべき人

  • 払込満了までの保険料負担を一括でも払える程度の貯蓄のある方
  • 解約返戻率ではなく、払い込み満了後の給付金受け取りでお金を増やせる可能性に魅力を感じる方
  • 相続対策を考えており、子・孫へお金もあげたいし、一生涯の医療保障も持ってほしいと考えている方

特殊な積立型の医療保険は、選ぶべき人が限られてしまいますが、非常に高額な保険料負担が可能で、かつ支払った保険料以上にお金を増やせて、さらに保険料の支払いをすることなく一生涯の医療保障が欲しいという方や相続対策の一環でお金だけでなく一生涯の医療保障をプレゼントしたいという方にはおすすめできます。

高額な保険料の支払いが可能という点でも、ある程度まとまった資金をもっているご高齢の方が相続対策で活用されているケースが多い印象です。

契約者は親あるいは祖父母、被保険者を子・孫とする契約形態で、将来返ってくるお金と一生涯の医療保障を子・孫にプレゼントしたいという想いを形にしてご契約されています。

もちろん、そうでない高額な保険料負担のできる方でも加入はできるのですが、途中解約をしてしまうと大きな損失になってしまいますので、なにがあっても払込満了までの保険料負担ができる備えのある方しかご加入はおすすめできません。

まとめ

医療保険には積立型と掛け捨て型があり、①解約返戻金の有無②保険料負担の重い・軽い③保障を充実させられる・させられない3つの特徴があります。

この3つの特徴を踏まえた上で、積立型に加入するべき人は、追加で入院保障に加入したいと考えている方、介護医療保険料控除を受けたいと考えている方、掛け捨て型の保険にどうしても抵抗がある方で、掛け捨て型に加入するべき人は、貯蓄は他の商品でしたい方、保障内容を充実させたい方など、医療保険を積立型で加入するべきか掛け捨て型で加入するべきかの選択基準までお伝えしました。

また、積立型の医療保険には特殊なタイプの商品もあり、保険料は非常に高額になりますが、一定期間解約返戻金はほとんどありませんが、一定期間経過後に支払った保険料以上のお金が戻ってきて、さらに一生涯の医療保障も保険料を支払うことなく受けられます。

このことから一定の貯蓄がある方や相続対策で子・孫にお金も保障もプレゼントしたいという方であれば、このような特殊な積立型の医療保険も選択肢の1つになります。

このようにそれぞれの状況に応じて、必要な医療保険は変わってきますので、ご自身の考え方や家計の予算を考えて、ベストな医療保険を選択してほしいと思います。

ただ、医療保険は、ケガ・病気をしたときに経済的な不安を感じることなく、安心をして最高の医療を受けてもらうことを前提とした保障ですので、掛け捨て型で充実した保障を確保できるものをまずは検討していただくことをおすすめします。

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松澤 正宣

大手生命保険会社にてオフィス長を経験。
これまで200名以上のセールスに教育・研修を行ってきた保険のコンサルタント。
得意分野は資産家・経営者の税金対策。
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