高齢者が医療保険を検討するときに知っておくべきこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
YOTA82_sorehabatu15123856

よくテレビで「80歳でも加入できる医療保険」という保険のCMを見かけます。なかには「持病を持っている方でも大丈夫」といったものまであります。

高齢になり、今まで加入していた保険が満期になって、70~80歳から保障がなくなってしまったという方にとっては、とても魅力的に感じるかもしれません。

ただし、高齢でも加入できる保険は、若い時に加入する保険よりも保険料がかなり高くなっています。定年退職をした後は、老後のための限られた資産でやりくりをしなくてはならないのですから、医療保険も慎重に選んでほしいと思います。

本日の記事では、今からでも医療保険に加入したほうがいいのかな?と悩んでいる高齢の方が後悔しないような選択がご自身でできるようになる内容になっておりますので、是非最後までお付き合いください。

4つの重要なポイントに絞ってお伝えしていきます。

  1. 高齢者には手厚い高齢者医療制度がある
  2. 高齢で加入する医療保険は、若いときに加入するよりも保険料が高い
  3. 保障を持てないことも多い
  4. それでも心配なので医療保険を検討したい方へのアドバイス

はじめに 高齢者には医療保険をオススメできません

これはあくまで私個人の意見なのですが、80歳近くになってから医療保険に加入することをあまりおすすめできません。

その理由は、、、

  1. 高齢者には手厚い保障の高齢者医療制度があるため
  2. 高齢で加入する医療保険は、若いときに加入するよりも保険料が高いため
  3. 保障を持てないこともよくあるため

の3点です。

それではその理由を詳しくお伝えしていきます。

1、高齢者には手厚い高齢者医療制度がある

高齢者医療制度は、70歳以上の高齢者の医療費負担を軽減させている健康保険制度の1つです。
70歳以上の高齢者の自己負担額は、医療費の原則1割です。

また、自己負担の限度額(1か月あたりの窓口負担の上限額)は70歳以上の高齢者は44,000円です。

さらに、低所得(年金収入80万以下)の場合の自己負担限度額は15,000円です。

高齢者医療
*厚生労働省ホームページより抜粋

よって、医療費がいくら掛かっても、自己負担は44,000円で済んでしまいます。(差額ベッド代などを除く)

高齢者は社会保障制度でかなり手厚い保障を受けられているので、医療費の負担が少なくなっています。

社会保障制度の不足分を民間の医療保険で補うならば、高齢者はこの自己負担44,000円とその他、差額ベッド代等を支払えればいいので、民間の手厚い医療保険に加入する必要はないでしょう。

また、高額介護合算療養費制度という1年間を通して介護費用と医療費用を合算した金額が基準額を超えた場合は、その超えた分を返金してくれる制度があります。

介護
*厚生労働省ホームページ参照

高齢者医療制度と高額介護合算療養費制度で、老後の医療・介護費用は手厚く保障されています。

ただし、差額ベッド代が高額な個室に入院してしまい、入院期間も長い場合は、経済的な負担は大きくなってしまいます。

どうしても、このような大きな医療費の負担が心配であれば、民間の医療保険を検討してもいいかもしれません。

2、高齢で加入する医療保険は、若いときに加入するよりも保険料が高い

これは、当たり前と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが

高齢で加入する医療保険は、、、

  • 病気になるリスクが高い
  • 長期間保険料が支払われることが考えにくい

という理由で保険料が若年層よりも高くなっています。

保険はリスクに応じて保険料を設定しているので、リスクが高いならば、保険料は高くなります。

また、例えば35歳の方が終身の保険に加入した場合は、長期間保険を掛けるので、その分保険会社は安定した運用益を見込むことができるので、保険料を安くできます。

一方、70歳の方が保険に加入しても平均寿命を考えると10~15年間程度しか保険料を支払ってもらえないと考えるので、安定した運用益を見込むことは難しいという判断になり、保険料は高くなってしまいます。

ある保険会社の同じ医療保険で比較します。

12

このように同じ商品でも保険料が3倍以上違います。

仮に、85歳まで生きると仮定すると

35歳で加入した場合の、一生涯の保険料支払い合計額は
1,730円×12か月×(85歳-35歳)=1,038,000円

70歳で加入した場合の、一生涯の保険料支払い合計額は
6,730円×12か月×(85歳-70歳)=1,211,400円

単純な計算ですが、やはり35歳から加入していた方が保険期間も長いのに、支払い保険料の合計も少ないということがわかります。

とはいっても、これは保障内容が全く同じ場合の計算です。 実際見直しを考えられている方は、新しい保障内容が自分の求めているものなのかどうかを重要視していると思いますので、一概に見直しは損だとは言えません。
保険料と保障内容をよく見て判断しましょう。

また、例えば

70歳の男性がA社の入院日額5,000円・手術給付金10万円の医療保険(保険料は6,730円)に加入して、脳卒中になり60日間入院し、手術を1回行ったとしましょう。

すると受け取れる給付金は、

5,000円×60日+10万円=40万円 です。

月々の保険料は6,730円なので、

40万円÷6,730円=59.4カ月

よって、約5年に1度このような場合の入院をした場合には、支払った保険料以上の給付金を受け取れることになります。このように、検討している医療保険で受け取れる予定の給付金を回収するには、何年以内に給付の事由に該当すれば保険料以上の給付金が受け取れるのかも計算してみてください。

もしも、平均余命の期間で1~2回入院・手術すれば、支払った保険料よりも給付金が多く受け取れる可能性があるならば、検討の余地はあるのかもしれません。

3、保障を持てないこともよくある

一番多い例は、進行が遅いがんなどに気がつかずに保険に加入してしまい、あとから医学的に加入時期には、既にがんでしたというケースです。

つまり、責任開始前に病気をもっていたことが、病気が発覚したことで加入前に病気であったことがわかってしまうケースです。高齢だといつ病気になってもおかしくはありません。

がんなども進行が遅く、ある程度進行が進むまで気が付かないケースもあります。

また、高齢になってくると、なにかしらの病気を持っていることが非常に多い印象です。しかし、病気を持っていても、大した事はないだろうと思っている方が非常に多く、実際に生命保険の告知の際に知らずのうちに告知義務違反をしてしまっているケースが後を絶ちません。

また、アルツハイマー気味の高齢者の方は契約したことも忘れているケースが多々あります。

このような状態で告知をしても、告知義務違反となり、最終的に契約の解除になってしまいます。
もしも、生命保険の加入を高齢の親がしていたら、極力家族も同席して一緒に検討してあげましょう。

4、それでも心配なので医療保険を検討したい方へのアドバイス

手厚い高齢者医療制度があっても、高額な差額ベッド代などで医療費が重くなるケースもあります。このような状況が心配で、やはり前向きに医療保険を検討したいという方へ、検討するときの3つのポイントをお伝えします。

1、先進医療特約は付加できるかどうか

先進医療特約は、特約ですが終身タイプで契約できる保険会社もあります。

保険料は60〜100円程度なので、比較的安価な保険料なので、気軽に付加もできますし、実際に先進医療を活用するときは大きな医療費負担をカバーしてくれるので、こころ強いです。

特に高齢者では『白内障』の手術をする方が多いですが、この病気に対応しているのが、『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』です。この手術は先進医療なのですが、単焦点眼内レンズに比べると、遠くも近くも見えるようになる手術なので、受けている方も増えています。

しかし、平均技術料は50万円程度かかってしまうことからあきらめられてしまう方もいらっしゃいます。

このような手術に毎月100円程度の保険料で対応できるので、先進医療特約はおすすめです。

詳しくは先進医療まとめ記事に記載しておりますので、是非参考にしてみてください。

2、入院日数はなるべく長いものを選ぶ

よく保険のパンフレットなどには、

『平均在院日数は短期化傾向にあるので、1回の入院の限度日数は60日で大丈夫』

というような記載があります。

確かに平均在院日数は短期化しているのは間違えないのですが、未だに長期入院をしてしまう病気もあります。

例えば、大手保険会社A社の医療保険で考えてみましょう。

日帰り入院から給付される終身医療保険(55歳・男性)

医療保険(1)1入院あたりの限度日数60日/入院日額1万円/入院一時金5万円/手術給付金=入院日額の20倍/月払保険料11,480円

医療保険(2)1入院あたりの限度日数240日/入院日額1万円/入院一時金はなし/手術給付金=入院日額の20倍/月払保険料11,960円

事例1)胃がんで入院し、手術を受けて10日入院した場合

受け取れる給付金合計は

医療保険(1)では

1万円×10日間+5万円+20万円=35万円

医療保険(2)では

1万円×10日間+20万円=30万円

事例1では医療保険(1)は医療保険(2)よりも5万円多く給付を受けられます。

事例2)脳梗塞で入院し、手術を受けて180日入院した場合

医療保険(1)では

1万円×60日間+5万円+20万円=85万円

医療保険(2)では

1万円×180日間+20万円=200万円

事例2では医療保険(2)は医療保険(1)よりも115万円も多く給付を受けられます。

上記の2つの事例でお分かりの通り、保険料は然程変わらないにも関わらず、(2)の事例では115万円もの給付の差が出ました。115万円の差を貯金で賄えるかというと、賄えなくはないかもしれませんが、かなり痛手です。(1)のように5万円の差くらいならば、自分のお財布から捻出できる範囲ではないでしょうか?

同じくらいの保険料ならば、最悪の場合にしっかりと多くの給付がされるのか、されないのかが重要なのです。

3、病気を絞る

この記事を読んでいる方は医療保険を検討しているかもしれませんが、あえてここでは『がん保険』をおすすめしたいと思います。

がん保険はがんだけにしか対応していない分、医療保険に比べて割安感があります。実際に保険料が同じくらいならば給付内容は充実しているはずです。

A社医療保険 終身タイプ 月払保険料:6,842円

  • 入院日額:5,000円(1入院あたり60日限度)
  • 手術給付金:10万円

A社がん保険 終身タイプ 月払保険料:5,450円

  • がん入院日額:5,000円(1入院あたりの入院限度なし)
  • がん手術給付金:10万円
  • がん初回診断一時金:50万円
  • がん治療給付金:25万円
  • がん退院一時金:5万円

がん保険は月払保険料も医療保険に比べて安く、給付内容も診断一時金などが充実しています。

このように、高額な医療費がかかりそうな病気に保険を絞ることも、限られた予算の中で保険を検討する方法としてはいいのではないかと思います。

今回は例としてがん保険を取り上げましたが、三大疾病保険でもいいですし、傷害保険でもいいかもしれません。

大切なのは、病気を絞ることで、その病気になったときは手厚い保障が受けられるという安心感が大切です。どんな病気にかかっても給金は出るけれど保険料が高く、保障内容も薄いのであればあまり加入する意味があるとはいえないでしょう。

まとめ

医療保険は無選択型・緩和型など加入しやすい形態になっていることで人気ですが、すぐに加入はせずに、もう一度自分にとって、その保険は本当に必要なのかを考えてほしいと思います。

現在は社会保障制度が充実しているので、現金(貯金)で賄えるのではないか。
高齢になってから新規で医療保険に加入したら保険料が高すぎるのではないか。

様々な理由で保険を検討されているとは思いますが、やはり慎重に決めないと老後の限りある資産がなくなってしまいます。

後悔しない老後の保険選びをするには、社会保険制度や支払保険料以上の給付金が受けとれる可能性が見込める保障内容かどうかなど、様々な角度から検討することが大切です。

医療保険についてお悩みの方へ

次のようなことでお悩みではありませんか?

・自分にピッタリの医療保険を選んで加入したい
・現在加入中の医療保険の内容で大丈夫か確認したい
・保険料を節約したい
・どんな医療保険に加入すればいいのか分からない

もしも、医療保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

h_tel

医療保険の無料相談のお申込みはこちら

「知らなきゃ損!誰でも使える8つの社会保障制度をお教えします。」

日本人は民間保険に入らなくても、以下のように、かなり手厚い保障を受け取ることができます。

  • ・ ご主人様に万が一のことがあった時に毎月約13万円を貰える。
  • ・ 仕事を続けられなくなった時に毎月約10万円を貰える。
  • ・ 出産の時に42万円の一時金を貰える。
  • ・ 医療費控除で税金を最大200万円節約できる。
  • ・ 病気の治療費を半分以下にすることができる。
  • ・ 介護費用を1/10にすることができる。

多くの人が、こうした社会保障制度を知らずに民間保険に入ってしまい、 気づかないうちに大きく損をしています。

そこで、無料EBookで誰もが使える絶対にお得な社会保障制度をお教えします。
ぜひダウンロードして、今後の生活にお役立てください。


無料Ebookを今すぐダウンロードする

松澤 正宣

松澤 正宣

大手生命保険会社にてオフィス長を経験。
これまで200名以上のセールスに教育・研修を行ってきた保険のコンサルタント。
得意分野は資産家・経営者の税金対策。
保険の教科書の購読はSNSが便利です。