必見!いざというとき困らないための公的医療保険の全知識

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公的医療保険

いつどこで病気・ケガになるのかわかりません。その時に備えて知っておかなければいけないのが、公的医療保険です。病院の窓口で健康保険証を提示すると3割負担になるのはご存じのことかもしれません。

日本の社会保障制度では、それ以外にもたくさんの保障を受けることができます。ただし、自分から申請しないと受けられない制度がほとんどで、どのような制度があるのか把握しておかないといざというときに損してしまう可能性があります。

この記事では、いざという時に困らないように、幅広く公的医療保険の使える知識をすべてお伝えします。自分だけではなく、家族や友人が病気・ケガをしたときにでも使える知識なので、どのような制度があるのかだけでも、頭に入れておきましょう。将来どこかで必ず役に立つはずです。わかりやすくお伝えしていますので、今後の生活にお役立ていただければ幸いです。

 目次

1. 自己負担額を抑える高額療養費制度

2. 働けなくなった時の傷病手当金

3. 子供の公的医療保険

4. 海外でも日本の健康保険から払戻しが受けられる

5. 出産した場合の一時金と手当金

6. 介護状態になったときは介護サービスが受けられる

7. 病気での支給が増えてきている障害年金

参考:入院したときに知っておくべきこと

1. 自己負担額を抑える高額療養費制度

公的医療保険で1番重要なのは、この高額療養費制度です。日本ではこの高額療養費制度によって、治療費が高額にならないようになっています。

高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合に一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される制度です。年齢や所得に応じて、本人支払う医療費の上限が定められており、いくつかの上限を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みもあります。

これから詳しく事例も交えて詳しく解説していきます。

1-1 高額療養費制度の自己負担額

高額療養費制度は一律ではありません。収入によって自己負担限度額が違います。

以下の表をご覧ください。

高額療養費制度
※健康保険制度の改正に伴い、平成27年1月から高額療養費制度の区分が変わりました。

上記の表は加入している健康保険組合によって違いがある場合があります。特に大きな会社にお勤めの方は自社が健康保険組合を持っているケースがあります。その場合は高額療養費制度の上限も低く、手厚い保障を受けられる可能性があるので、確認してみましょう。

高額療養費制度:注意するポイント

高額療養費制度では差額ベッド代、食事代、保険外の負担分は対象とはならない。

※高額療養費制度の改正により、平成27年度1月から使用する限度額適用証の区分表記が変更となります。これに伴い平成27年1月をまたぐ申請の場合は認定証が2枚となり、有効期間が12月31日までの分と1月1日からの分を使い分ける必要がありますので、ご注意下さい。

1-2 1ヶ月の医療費が100万円の場合

それでは実際に高額療養費制度を活用した場合の計算例をお伝えします。

  • 1ヶ月の総医療費:100万円
  • 標準報酬月額:32万円
  • 窓口負担割合:3割の場合

高額療養費制度の計算方法

このように手術などで治療費が高額になっても、自己負担は高額になりません。

1-3 高額療養費制度の申請手続き

高額療養費制度の申請には2つの方法があります。

  1. 事後に手続きする方法(高額療養費を支給申請する)
  2. 事前に手続きする方法(限度額適用認定証を利用する)

支払い額はどちらも同じですが、2つの申請の方法にはどのような違いがあるのでしょうか。総医療費が100万円で窓口負担が3割かかる場合での例をみてみましょう。(※年齢70歳未満・所得区分は「一般」)

1. 事後に手続きする方法(高額療養費を支給申請する)

一旦300,000円(3割)を医療機関の窓口で支払い、後日高額療養費申請により212,570円の払い戻しを受けます。

  1. 医療機関の窓口で3割負担額の医療費をいったん支払う
  2. 1ヶ月の自己負担分が限度額を超えたら高額療養費の支給申請をする
  3. 自己負担限度額を超えた分の医療費が払い戻される

高額療養費の支給申請の際には、医療機関から受け取った領収書の提出が必要です。紛失したりしないよう、大切に保管してください。詳細については加入している保険者の窓口へお問い合わせください。

① 申請窓口

ご加入の保険者によって異なるため、保険証に記載されている保険者にお問い合わせください。国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口で確認されることをお勧めします。

② 申請に必要なもの

  • 領収書
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座のわかるもの

2. 事前に手続きする方法(限度額適用認定証を利用する)

限度額適用認定証は自分が加入している保険者に申請すると交付される認定証です。入院や外来関係なく、事前に「限度額適用認定証」を申請すると、窓口での支払いを自己負担限度額で済ませられることができます。70歳未満の方で入院や手術、抗がん剤の治療などで高額な医療費がかかると予測できるときは、治療を受ける前に公的医療保険で「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。自己負担限度額を超えるか分からない場合でも、支給申請しておくこともできますので、事前に準備しておくと良いでしょう。

  1. 自分が加入している保険者に限度額適用認定証を申請し、交付してもらう
  2. 保険者から限度額適用認定証が交付される
  3. 医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示する
  4. 医療費の支払いは自己負担限度額までを支払う

※70歳以上の方は、限度額適用認定証の手続きをしなくても自動的に窓口での支払いが自己負担限度額までになります。ただ所得区分が低所得者の場合は「限度額適用認定・標準負担額認定証」が必要となるので気をつけましょう。

① 申請窓口

ご加入の保険者によって異なるため、保険証に記載されている保険者にお問い合わせください。国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口で確認されることをお勧めします。

② 申請に必要なもの

  • 領収書
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座のわかるもの

1-4 高額療養費制度を最大限に活用する4つのポイント

高額療養費制度を最大限活用するポイントは4つあります。4つのポイントを押さえて高額療養費制度を有効的に活用しましょう。

① できれば月をまたがず入院する

高額療養費制度は月初めから終わりまでの医療費が高額なった場合に、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される制度です。入院する場合、月をまたがないで入院するのが一番良いでしょう。医師から「○日に入院できるか」というように聞かれても慌てず、必ずだいたいの入院期間を確認してから返事をするようにしましょう。手術をする場合ならその際に「手術の結果によって入院期間が延びることがあるのか」ということも聞いておけば、安心です。

② 入院前に「限度額適用認定証」を用意しておく

70歳未満の方で入院や手術、抗がん剤の治療などで高額な医療費がかかると予測できるときは、治療を受ける前に公的医療保険で「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。

限度額適用認定証と保険証を医療機関の窓口に提示することで、1ヶ月分の医療費を支払う際に自己負担限度額までの支払で済ませることができます。用意をしていないと、医療費の3割を病院に支払ったあとに高額療養費制度の申請をすることになります。もちろんあとで自己負担額を超えた分のお金が返ってきますが、支払いのためにまとまったお金を用意しなければいけません。

医療費が用意できるなら問題はありませんが、用意できないとなると定期預金を解約したり、カードローンでお金を借りるなどしてお金を工面しなければいけない状況になります。このようなリスクを回避するためにも、入院・高額な外来が見込まれるときは早い段階で限度額適用認定証を入手し、手続きを済ませておくことをお勧めします。

③ 高額療養費制度は家族で合算できる

世帯で複数の方が同じ病気やケガをして医療機関で受診した場合や、一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができます。その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた金額が払い戻されます。

1. 合算対象のポイント

70歳未満の方の場合は、受信者別に次の基準によりそれぞれ算出された自己負担額(1ヶ月)が21,000円以上のものを合算することができます。

2. 自己負担額の基準

  1. 医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来に分けて計算します。
  2. 医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。

④ 高額療養費は2年以内であれば申請できる

高額療養費の支給を受ける権利は診療を受けた月の翌月初日から2年です。よって2年以内であればさかのぼって申請し、払い戻しが受けられます。

2. 働けなくなった時の傷病手当金

仕事ができなくなったときに受けられる代表的な保障が傷病手当金です。もし病気で入院し、仕事ができなくなったら収入が減ってしまいます。その場合に健康保険から受けられる保障が傷病手当金です。業務外の病気やケガのために働けないで仕事を休み、給料が支払われない場合や給料が下がった場合、その間の生活保障をしてくれる所得保障・休業補償の制度です。

2-1 傷病手当金の支給条件

1. 業務外の事由による病気やケガによる療養の休業であること

健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。また、自宅療養の期間についても支給対象となります。ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。

2. 仕事につくことができないこと

仕事に就けるかつけないかは医師の意見をもとに、被保険者の携わっている業務の種別を考慮したりして本来の業務に耐えられるか否かを基準にしています。

3. 連続3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと

3日間連続して休むことを「待機完成」といいます。待機完成までの3日間に対しては傷病手当金は支給されません。

待機完成

4. 休業期間に給与の支払いがなかったこと

給与の支払いがあっても傷病手当金の日額より少ないときはその差額分が支給されます。

※自営業の人など国民健康保険に加入している場合は傷病手当金はありません。

2-2 傷病手当金の支給金額と受給期間

支給額

支給額は1日につき、標準報酬日額×2/3を受け取ることができます。(1円未満四捨五入) 標準報酬日額は標準報酬月額×1/30で計算します。(10円未満四捨五入)

支給期間

傷病手当金は支給が始まった日から1年6ヶ月の期間で、支給を受ける条件を満たしている日に支給されます。

支給期間

傷病手当金の調整

次の①~⑤に当てはまった方は、傷病手当金の支給額の一部または全部が調整されます。

① 給与の支払いがあったとき

休んだ期間、給与の支払いがある場合は傷病手当金は支給されません。休んだ期間について給与の支払いがあっても、その給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合には傷病手当金と給与の差額分が支給されます。

② 障害厚生年金または障害手当金を受けているとき

同一の傷病による厚生年金保険の障害厚生年金や障害手当金を受けている場合は傷病手当金は支給されません。障害厚生年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合には傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまでの間、傷病手当金は支給されません。

③ 老齢退職年金を受けているとき

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が、老齢退職年金を受けている場合は傷病手当金は支給されません。老齢退職年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合にはその差額分が支給されます。

④ 労災保険から休業補償給付を受けているとき

業務外の理由による病気やケガで働けなくなった場合でも、別の原因で労災保険から休業補償給付を受けている期間は傷病手当金は支給されません。休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より少ない場合にはその差額分が支給されます。

⑤ 出産手当金を同時に受けるとき

出産手当金の支給が優先されますので、傷病手当金は支給されません。

2-3 傷病手当金の申請方法

病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金を受け取ることができます。ご存知の方も多いと思いますが、傷病手当金という制度があっても、実際に申請を行わなければ傷病手当金の支給を受けることができません。ここでは病気やケガの発生から傷病手当金を受け取るまでの流れについてご説明したいと思います。

傷病手当金の申請方法の流れ

ここでは全国健康保険組合(協会けんぽ)に加入されている方の申請の流れを例としてお伝えしています。

  1. 病気・ケガの発生
  2. 会社に報告する
  3. 申請書の用意
  4. 医師に証明書の作成依頼をする
  5. 事業主に証明書の作成依頼をする
  6. 保険者に申請書を提出する

1. 病気・ケガの発生

病気であることがわかったり、ケガをしてしまったら医師や看護師に治療費や治療機関の確認をしましょう。治療の期間が長くなりそうだったら、傷病手当金の申請ができますし、医療費が高くなれば高額療養費の申請もできるかもしれません。必ず確認しておきましょう。また治療が長期になる場合は、傷病手当金の証明書を書いてもらえるかどうか確認しておきましょう。

2. 会社に報告する

次にすることは会社に欠勤の報告をすることです。休む期間によっては、欠勤日に有給休暇を使用することも考えられます。有給休暇を使う場合、傷病手当金の申請をすることはできません。有給休暇を利用するか傷病手当金の給付を受けるのか、会社と相談して決めましょう。

3. 申請書の用意

申請書は全国健康保険協会のホームページからダウンロードし、印刷してお使いいただくか、全国健康保険協会で申請書をもらうかして、申請書を用意します。

全国健康保険協会 全国健康保険協会(申請書)

都道府県により異なりますが、年金事務所の窓口、商工会議所・商工会に申請書を置いてあるところもあるそうです。「全国健康保険協会の窓口に取りに行けない」、「申請書を印刷することができない」という方は、全国健康保険協会に電話で問い合わせてみることをおすすめします。

※全国健康保険協会のホームページはこちら ※傷病手当金の支給申請書のダウンロードはこちら ※傷病手当金の支給申請書はダウンロード後、印刷してお使いください。申請書の書き方が分からない方は、こちらの記入例を参考にして下さい。

4. 医師による証明書の作成依頼をする

用意した傷病手当金の申請書の中に担当医師の証明欄がありますので、働けなかった期間の証明をもらいましょう。注意するところは、申請期間が過ぎてから担当医師の証明をもらうということ。申請期間が経過する前に記入された証明は、有効な証明として取り扱われないことがあります。従って、必ず申請期間が経過した後で証明をもらいましょう。

5. 事業主に証明書の作成依頼をする

傷病手当金の申請書の中に事業主の証明という欄があります。その証明欄に会社を休んでいること、給料が支払われていないことの証明をしてもらいましょう。事業主の証明についても申請の期間が経過した後で証明をもらいましょう。

6. 保険者に申請書を提出する

全国健康保険協会に傷病手当金の申請書を提出します。申請書を提出する手段は2つあり、ひとつめは「郵送で送付する方法」、ふたつめは「全国保険協会の各都道府県支部に直接書類を提出する方法」です。近くに窓口があれば、直接持っていき提出すればよいので手間がかかりませんが、近くに窓口がない方や病気やケガで入院中の方は郵送で申請書を送付しましょう。全国健康保険協会の各都道府県支部の住所はこちらから確認することができます。

3. 子供の公的医療保険

子どもの医療費には、各区市町村が子育て支援のための助成制度を設けています。

3-1 子供の医療費助成は充実している

もし、入院する病気にかかったとしても、子どもの場合は以下のような公的保障が充実しています。

  • 健康保険
  • 乳幼児医療費助成制度
  • 義務教育就学時医療費助成制度

健康保険では、小学校就学前であれば自己負担は2割、小学校就学から70歳未満であれば3割の負担となります。 乳幼児医療費助成制度とは、子育てを支援する目的で、その自己負担分(2割または3割)も全額または一部を助成してくれる制度のことです。

最近では、少子化対策や子育て支援を目的として、中学校卒業まで医療費を無料とする市区町村もあります。 子どもがいる方や、これから引っ越しを考えている方は市区町村の制度を確認しておきましょう。

さらに、地方自治体ごとに義務教育就学児医療費助成制度を設けています。 助成額や助成条件などは自治体によっても変わってきますが、15歳(中学卒業)まで保障される場合もありますので、保障されている間は医療保障は公的制度だけで十分と言えます。

乳幼児や子ども向け医療費助成の名称は市区町村によって異なります。保護者の所得に制限を設けている場合もありますので、内容をよく確認しましょう。また、初診の特定療養費・健康診断・予防接種・入院室料差額等の健康保険がきかないものは助成の対象外となります。

3-2 地域によって子供の医療費助成制度には差がある

医療費助成は市区町村によって受けられる保障が違います。一部ですが違いは以下のようになります。

子供の医療費
※詳しくは各自治体にお問い合わせください。

このように地域によって保障内容が違います。必ず自治体に確認しておきましょう。

4. 海外でも日本の健康保険から払戻しが受けられる

いつも私たちの心強い味方になってくれる「健康保険」ですが、実は、海外でも健康保険の給付を受けることができます

よく、海外では適用されないと勘違いされている人がいますが、日本の健康保険には「海外療養費制度」があるので、給付を請求すれば、払戻しを受けることができます。

それでは、海外療養費制度について解説していきたいと思います。

4-1 海外療養費制度とは

海外療養費制度とは、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどによりやむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。

4-2 海外療養費制度の給付範囲

給付の対象となるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。

対象とならないのは、美容整形やインプラントなど、日本国内で保険適用となっていない医療行為や薬が使用された場合や療養(治療)を目的で海外へ渡航し診療を受けた場合は、支給対象となりません。

また、日本で実施できない診療(治療)を行った場合でも、保険給付の対象とはなりません。

4-3 海外療養費制度の支給金額

日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額の方が低いときはその額)から、自己負担相当額(患者負担分)を差し引いた額を支給します。

※外貨で支払われた医療費については、支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて円に換算して支給金額を算出します。

参考例

海外での医療費用が20万円で、日本での医療費に換算すると10万円だった例だと

実際の自己負担は・・・・

まず、健康保険から給付される海外療養費は日本の医療費に換算した金額の70%であることから

10万円×70%=7万円(海外療養費)

実際に支払ったアメリカでの医療費は20万円。よって、20万円-7万円=13万円

なんと、13万円が自己負担!

これが日本であれば10万円の3割負担で自己負担は3万円(高額療養費制度は考慮しておりません。)

海外医療費
※健康保険組合連合会HP参照

ただし、日本での医療費>海外医療費の場合は海外の医療費の70%が海外療養費として給付されます。

海外での医療費用は6万円、日本での医療費に換算すると10万円だった場合

6万円×70%=4.2万円(海外療養費)

よって、自己負担は1.8万円です。

海外医療費2
※健康保険組合連合会HP参照

4-4 海外療養費制度の申請方法

海外でも日本の健康保険が使えるというのは非常にメリットではありますが、その代わりに海外療養費給付制度を使うには、手間がかかってしまう部分もあります。

申請を時は以下の手順で行います。

①まずは海外の医療機関で医療費全額を支払う

②海外の医療機関で治療内容の証明書と診療に要した医療費の明細書を受け取る

③「療養費支給申請書」と日本語の翻訳文を添付した「診療内容明細書」「領収明細書」を加入する健保組合などの保険者に提出する

ただし、海外で支払った日の翌日から起算して2年を経過した日をもって、申請する権利がなるので、請求は早急に行いましょう。

4-5 海外での入院も高額療養費制度から払戻しが受けられる

これまでお伝えしていたように、海外療養費制度を利用する場合は日本での治療における保険点数に基づいて決定されます。よって自己負担額が大きくなる可能性もあります。そこで日本の健康保険には先ほど初めにお伝えした「高額療養費制度」があります。この制度は海外での入院でも適応されます。

海外の場合、支給される場合は、日本での治療における保険点数に基づいて決定されます。つまり日本の保険適用になる治療は認められます。

海外で入院したときの高額療養費制度についてはこちらで詳しく解説されています。

このように通常日本で入院したときに活用する制度ですが、海外の病院で入院したときにも適用になる制度なので、忘れずに申請しましょう。

5. 出産した場合の一時金と手当金

出産した場合には健康保険より、一時金と手当金が支給されます。

5-1 子供が生まれると出産一時金

出産一時金は、1児につき42万円が支給されます。(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は39万円となります。)

出産一時金の支給方法は2種類

① 直接支払制度

出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組みです。退院時に窓口で出産費用を全額支払う必要がなくなります。

② 受取代理制度

医療機関等との合意により、医療機関等が妊婦の変わりに出産一時金を受け取りに行くものです。主に直接支払制度を導入していない小規模な医療機関等で使用されるケースが多いです。出産予定日2か月前以降に申請が必要となります。

出産一時金については出産一時金で出産費用を抑えるために知っておくべきことと申請方法で詳しく解説しています。

5-2 会社を休んだとき出産手当金

出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。出産日は出産の日以前の期間に含まれます。

また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。

出産一時金

支給金額

出産手当金は、1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給されます。 ただし、出産手当金の額より少ない給与が支払われているときは、その差額が支払われます。

6. 介護状態になったときは介護サービスが受けられる

介護状態と認定されると公的介護保険から保障を受けることができます。ただし、誰でもサービスを受けれるわけではありません。年齢制限などがあります。

また、介護状態によって受けられるサービスも変わってきますのでこれから順番にお伝えしていきます。

介護保険料は40歳から納める

公的介護保険は40歳以上の人が全員加入して介護保険料を納め、介護が必要になった時に所定の介護サービスが受けられる保険です。保険料は市町村によって差があります。

65歳以上は1号被保険者となる

65歳以上は「第1号被保険者」となり介護の原因を問わず所定の要介護状態になった場合に保障を受けられます。

40歳~64歳は2号被保険者となる

40~64歳の人は「第2号被保険者」となります。「第1号被保険者」と異なり原因が制限されます。第2号被保険者は、老化に起因する特定の病気(16疾患)によって要介護状態になった場合に限り、介護サービスを受けることができます。

介護サービスが受けられる16の疾患は以下のようになります。

  1. がん(末期)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗しょう症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13.  脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16.  両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

6-1 受けられる介護サービス

市区町村に申請して、要介護者、要支援者であることの認定を受けると介護サービスを利用した場合原則として1割の自己負担で利用できます。

介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっていますので、自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてケアプランを作成し、それに基づきサービスの利用が始まります。

居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの支給限度額が要介護度別に定められています。

限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割の自己負担です。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。

1ヶ月あたりの利用限度額は以下のようになります。

介護限度額

※要介護認定において「非該当」と認定された方でも、市区町村が行っている地域支援事業などにより、生活機能を維持するためのサービスや生活支援サービスが利用できる場合があります。 お住まいの市区町村又は地域包括支援センターにご相談してください。

6-2 高額介護合算療養費制度で自己負担を抑える

世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額(高額療養費及び高額介護(予防)サービス費の支給を受けることができる場合には、その額を除く。)を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額が支給されます。

高額介護合算療養費制度の基準金額は年齢・所得によって基準額が違います。

基準額は以下のようになります。

高額介護

高額介護合算療養費の申請方法

高額介護合算療養費の支給を受けるには、加入している介護保険と医療保険の両方の窓口で申請することが必要です。

※ただし、市町村が運営する国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人は、一つの窓口でまとめて申請できる場合があります。

① 介護保険の窓口で申請する

介護保険の窓口で、「自己負担額証明書交付申請書」を提出し、「自己負担額証明書」を交付してもらいます。

② 医療保険の窓口で申請する

介護保険の窓口で交付された「自己負担額証明書」を添えて、今度は、加入する医療保険の窓口で申請を行います。

③ 介護保険・医療保険のそれぞれから払戻しを受ける

介護保険・医療保険のそれぞれから払い戻されます。

6-3 介護で仕事を休んだときの介護休業給付金

ご家族が介護状態となった場合、介護休業制度があります。要介護状態にある家族を介護する方が1家族について通算93日まで取得できるというものです。育児休業給付金と同じく雇用保険から支払われます。

※要介護状態とは病気、ケガまたは身体上もしくは精神障害により2週間以上の期間常時介護を必要とすることをいいます。

対象となる家族

  • 配偶者
  • 父母
  • 配偶者の父母
  • 祖父母

※会社によっては、社内規定により休業中でも一部賃金を支払ったり、93日以上休みを取得できるなど法律で定められている基準以上の制度にしている場合もあります。

介護休業給付金の支給要件

  • 介護休業期間中の1か月毎に休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
  • 就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)ごとに10日以下であること。

介護休業給付金の給付金額は

給付額:休業開始時賃金日額×支給日数×40%

※「賃金日額」は、事業主の提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」によって、原則介護休業開始前6か月分の賃金を180で割った額です。 これにの支給日数の30日を掛けることによって算定した「賃金月額」が426,900円を超える場合は、「賃金月額」は、426,900円となります。よって支給対象期間(1か月)あたりの介護休業給付金の上限額は、170,760円となります。 また、この「賃金月額」が69,300円を下回る場合は69,300円となります。

※賃金日額は毎年8月1日に変更されます。

支給手続き

介護休業給付の申請は、会社側からハローワークに必要書類を提出して手続きします。手続きをする前に事前に会社側と打ち合わせすることをおすすめします。

介護休業給付金を受けるためには、「休業開始時賃金月額証明書」および「介護休業給付金支給申請書」とその内容が確認できる賃金台帳、出勤簿などの書類を、事業所を管轄するハローワークに提出します。

なお、介護休業中は育児休業とは違い、健康保険や年金の保険料は免除されませんので注意が必要です。

7. 病気での支給が増えてきている障害年金

障害年金は、病気やけがなどによって障害の状態になったとき、生活を支えるものとして支給されます。

「障害の状態」とは、視覚障害や聴覚障害、肢体不自由などの障害だけでなく、がんや糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、精神疾患などの内部疾患により、長期療養が必要で仕事や生活が著しく制限を受ける状態になったときなども含まれます。また、障害手帳をもっていない場合でも、障害年金を受けることができます。

7-1 障害年金の支給要件

支給要件は以下のようになります

障害基礎年金の支給要件

  • 保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。) が3分の2以上ある者の障害。
  • 20歳未満のときに初めて医師の診療を受けた者が、障害の状態にあって20歳になったとき、または20歳になってから障害の状態となったとき

障害厚生年金の支給要件

  • 厚生年金加入者であること
  • 加入期間中に初めて医師の診療を受けた傷病による障害。ただし、障害基礎年金の支給要件を満たしていること ※両方と片方の説明

障害手当金とは?

厚生年金加入者で障害等級3級よりも軽い状態でも一時金が支給されます。 支給要件は障害厚生年金と同じです。

7-2 障害年金の支給される障害状態とは

障害年金が支給される障害状態は以下のようになります。

障害状態

7-3 障害年金から支給される金額

支給される障害年金の額は、加入していた年金や障害の程度、また、配偶者の有無や子どもの数などによって異なります。

子供がいる場合、子ども2人までは1人につき226,300円、3人目以降は1人につき75,400円加算されます。

障害年金の早見表

障害年金金額

このように障害状態と認定されると、大きな金額が支払われます。障害状態はすごく重いイメージがありますが、がんやうつ病など病気で支給されるケースが増えてきていますので、押さえておきましょう。

参考:入院したときに知っておくべきこと

ここまで公的医療保険についてお伝えしていきましたが、最後に参考までに入院したときのために知っておきたい知識をお伝えしておきたいと思います。

気をつけたい差額ベッド代

差額ベッド代とは

差額室料(差額ベッド代)とは、健康保険適用の範囲外で患者に請求される病室の費用のことをいいます。基本的には1人~4人の部屋に入院した時にかかる費用になります。 差額ベッド代ともいわれ、差額室料を要する病室を「特別療養環境室(特別室)」といい、より良い医療を受けるために、特別に料金がかかります。

差額ベッド代が必要なケース

差額ベッド代がかかるときはどのようなケースなのでしょうか? 以下の2つが考えられます。

  • 同意書にサインをしたとき ・患者自らが希望した場合
  • 差額ベッド代を支払わなくてよい(同意しない・拒否した)とき

病院側が患者さん側に差額ベッド代の料金を求めていけない場合は以下の3つのケースです。

  • 患者さん側から同意書による同意の確認を行っていない場合
  • 患者さん本人の「治療上の必要により差額ベッド室に入院した場合」
  • 病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者さんの選択によらないとき

こちらの3つのケースは「差額ベッド代の注意点」で説明したいと思います。

特別療養環境室(特別室)の条件

差額室料が発生する病室を「特別療養環境室(特別室)」と先ほどお話しました。ではどんな部屋が特別室なのか? 以下の4つの要件を満たしていることが条件となります。

  • 一病室の病床数が4床以下であること
  • 病室の面積が一人当たり6.4平方メートル以上であること
  • 病床のプライバシーを確保するための設備があること
  • 少なくとも「個人用の私物の収納設備」、「個人用の照明」、「小机等及び椅子」の設備があること

差額ベッド代の平均額

厚生労働省の調べで、1人部屋(個室)~4人部屋の 平成24年(7月1日現在)の差額ベッド代の1日平均額は5,829円でした。

(↓各部屋の平均差額ベッド代)

  • 1人室 7,558円
  • 2人室 3,158円
  • 3人室 2,774円
  • 4人室 2,485円

差額ベッド代は最低で1日50円、最高で1日367,500円となりました。

差額ベッド代の注意点

ここからは差額ベッド代の注意点をお伝えします。

差額ベッド代を請求してはいけないケース

①の場合は差額ベッド代を支払う必要はありません。 病院側は差額ベッド代をとるには設備や料金などを説明し、料金を明示した文書に署名をもらわなければいけないので、署名をしなければ差額ベッド代の支払いは生じません。

②については救急患者さんなど「治療上必要である」と医師の判断で特別療養環境室(特別室)に入院させた場合には患者さんに差額ベッド代を請求してはいけないことになっています。

③MRSA等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者が例に挙げられます。

病院又は診療所は、院内の見やすい場所(受付窓口・待合室等)に「差額ベッド室の各々について、そのベッド数及び料金」を患者さんにとってわかりやすく掲示しなければなりません。

同意書にサインしないのは難しい?

しかしながら、現実的には同意書にサインをしなかったり、支払いを拒否するのは難しいところかもしれません。

もし緊急入院することになった場合、大部屋の空きがないため、病院側から個室をすすめられましたが、同意書のサインを拒否したために、「うちではなく、他の病院をあたってください」といわれるかもしれません。

また同意を拒んだために病院(医師や看護師)との関係がぎくしゃくし、「きちんと治療をしてもらえるのだろうか」などの不安や心配が生まれます。たとえ短期間の入院だとしても、このような関係で治療にあたるのは精神的にも肉体的にもつらいですよね。

このように患者さんは「治療をしてもらう」立場にあるわけですので、同意しなかったり、拒否をしたりするということができない状態に自然と追い込まれていくのです。

そのようなときは、同意書にサインをする前に「経済的に支払える余裕がない」とか「大部屋を希望します」と病院側に掛け合ってみたり、相談してみると良いでしょう。値段の交渉ができるかもしれません。

あまり事を大きくしたくない人は、同意書にはとりあえずサインをし、署名の横に「大部屋希望」と一言書き添えておくのもいいかもしれません。「自分が望んで入ったわけではない」という証拠になります。

治療が無事終え、差額ベッド代にどうしても納得がいかない場合は、支払いの段階で同意書のコピーとともに厚生労働省からの通達文のコピーを添えて提出してみるのもひとつの手です。

また、医療機関関係のトラブルなどの相談に乗ってくれる窓口がありますので、困ったときはどんどん相談してみましょう。

差額ベッド代でトラブル・相談したいとき

差額ベッド代は大きな金額になるので、支払いで病院とトラブルになるケースがあります。その時にはぜひ以下の窓口に相談してください。

相談の窓口一覧

民間医療保険の請求方法

医療保険を請求する5つのステップ

保険金の手順は以下の5のステップになります。

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  1. 入院や手術を受けたら、保険会社にその旨を伝え、所定の用紙を送付してもらう
  2. 届いた書類を医師に持っていき、診断書を書いてもらう
  3. 給付金の受け取りに必要な書類と診断書を揃えたら、保険会社に送付する
  4. 保険会社は送られた書類を元に支払いの審査を行う
  5. 保険金が給付される

1. 入院や手術を受けたら、保険会社にその旨を伝え、所定の用紙を送付してもらう

まずは保険会社に連絡するとことから始まります。 連絡方法は担当の営業職員、支社の窓口、各社のコールセンターのどれでもOK。 連絡を取る際には保険証券を手元に用意しておけば、スムーズに話が進みます。

2. 届いた書類を医師に持っていき、診断書を書いてもらう

診断書の作成には一般的に4,000円~5,000円ほどの実費がかかります。 これは契約者本人の負担となります。ですので、書き直しの必要がないように、必ず保険会社から所定の診断書を送ってもらいましょう。

3. 給付金の受け取りに必要な書類と診断書を揃えたら、保険会社に送付する

保険金は種類によって必要な書類も異なります。 入院・手術給付金の請求に必要な書類は、保険証券・入院給付金請求書・診断書などです。ただしこちらも保険会社によって異なります。

入院給付金については請求金額が少額の場合、病院の領収書などでもOKな保険会社もありますので、問い合わせのときに確認してみてください。

4. 保険会社は送られた書類を元に支払いの審査を行う

保険会社は提出した書類や診断書などの確認を行います。 診断書の内容によっては、関係する機関に確認することもあります。

事故現場や関係者への確認が必要な場合は、 書類提出後 → 調査 という形になります。

またその際は、保険金の給付までの1ヶ月を超えてしまう場合もあります。

5. 保険金が給付される

請求した給付金は5営業日以内に指定の口座に振り込まれます。

事実関係の確認、調査などで時間がかかった場合や書類の不備があった場合はさらに時間がかかりますが、それでも1週間を目安に給付金を受け取ることができます。

簡易請求とは?

簡易請求とは医師の診断書(各種証明書)の提出を原則不要とする請求のことです。

しかし、この場合「退院後の請求に限られること」「手術給付金を伴わない入院であること」などの条件付きですので、簡易請求に関しては可能かどうか一度保険会社に問い合わせてみることをおススメします。

入院中でも入院給付金の請求ができる

入院給付金の請求は入院中でも申請することができます。 「予定よりも入院が長引きそう」「長期の入院で手元にお金がない」というときに活用することができます。

しかし、気を付けておきたいところとしては、請求の際診断書の費用がかかること。 先ほども述べたとおり、診断書には4,000円~5,000円の費用がかかります。

退院後に残りの給付金を請求するときには再度診断書を発行してもらわないといけないので、実費での負担が増えます。

給付金の請求期限は3年以内

請求を忘れるということはあまりないと思いますが、「忙しくて先延ばしにしていた」なんて方もいるはず。 何かしらの手違いで請求を忘れていたとしても、3年以内であれば給付金はきちんと支払われます。

請求していない方は3年以内ならまだ間に合いますので、請求を行いましょう。

指定代理請求特約と指定代理請求人とは?

指定代理請求人とは被保険者である本人が徳罰な事情により、保険会社に給付金を請求できない際、 代わって請求できる人のことです。特別な事情とは以下の3つになります。

  1. 傷害または疾病により、保険金等を請求する意思表示ができないとき
  2. 治療上の都合により、傷病名または余命の告知を受けていないとき
  3. その他、(1)または(2)に準じた状態であること

一般的には契約に「指定代理特約」を付加して、指定代理請求人を指定します。 なお、特約保険料は不要です。

特約ではなく、保険金受取人と併せて契約時に指定代理請求人を指定する保険会社もあります。 契約の途中でも、被保険者の同意を得れば、指定代理請求人の指定や変更をすることも可能です。

留意点

  • 保険会社は指定代理請求人からの請求に基づいて保険金等を支払ったことを被保険者に連絡することはない。
  • 被保険者が知らない状況で保険金等が支払われたことにより、保障内容(保険金等や保険料)が変わったり、契約が消滅したりすることがある。

指定代理請求人の範囲は保険会社によって異なりますが、ある保険会社の指定代理請求人の範囲を例に挙げてみてみましょう。

  • 被保険者の戸籍上の配偶者
  • 被保険者の直系血族
  • 被保険者と同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族

(ただし、請求時点で代理人は上記の範囲内にあること)

通常、指定代理請求は特約となっており、事前に保険会社に届け出る必要があります。 「代理なんて必要ない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、被保険者本人が請求できない状態になることは珍しくありませんので、 付けておくと良いでしょう。

ここまで医療費控除の対象となるものとならないものをお伝えしましたが、医療費控除の基本的なことをお伝えしておきたいと思います。

医療費控除とは医療費が多くかかった年に、その医療費の負担を少しでも軽くするために、かかった医療費の一部を税金から控除することです。確定申告にて申告します。

税金の控除が受けられる医療費控除

医療費控除の基礎知識

自分や家族のために支払った医療費等の実質負担額が、年間(1~12月)10万円(所得金額が200万円未満の人は「所得金額×5%」の額)を超えた場合、その超えた金額をその年の所得から差し引くことができます。控除できる金額の上限は200万円です。

ただ、保険金などで補てんされた場合はその金額を差し引かなければいけません

計算式は以下のようになります。

還付計算式

国税庁のホームページです。

医療費控除の対象となるもの

医療費控除の対象となるのは主に治療目的のものが認められます。

医療費控除の対象のなるものをチェックして、以下の領収書は必ず保管しておきましょう。

入院・通院・治療・検査

  • 医師に支払った診療費・治療費
  • 医師が治療目的で必要だと判断して作成した診断書代
  • 医師の指示による差額ベッド代
  • 治療のためのマッサージ・はり・お灸など
  • 治療のための松葉杖・義足の購入費用
  • 特定健康検査・特定保健指導
  • 入院時に提供される食事代
  • 通院や入院のための交通費
  • 電車やバスでの移動が困難な場合のタクシー代
  • レーシック手術
  • 医師が治療上必要と判断した近視矯正手術・メガネ・コンタクトレンズ代

出産

  • 妊娠中の定期検診・出産費用
  • 助産師による分娩の介助料
  • 流産した場合の手術費・入院費・通院費
  • 母体保護法に基づく理由で妊娠中絶した場合の手術費用

歯科

  • 虫歯の治療費・金歯・銀歯・入れ歯の費用
  • 治療としての歯列矯正

医薬品

  • 医師の処方箋により薬局で購入をした医薬品
  • 病気やケガの治療のために、病院等に行かず、薬局で購入した医薬品

国税庁のホームページです。

医療費控除の対象とならないもの

医療費控除の対象とならないものは主に美容目的や予防、健康増進のものになります。ただし、医師が治療目的と認められたものについては医療費控除が認められることがあります。

医療費控除の対象とならないものは以下のようになります。

入院・通院・治療・検査

  • 医師等の謝礼
  • 美容整形
  • 予防注射の費用
  • 医師の指示によらない差額ベッド代
  • 会社や保険会社に提出する診断書代
  • メガネ・コンタクトレンズの購入代金
  • 体の異常がない場合の定期検診や人間ドック費用
  • 通院のための自家用車のガソリン代や駐車代
  • 入院時のパジャマや洗面用具など

出産

  • 出産のために実家に帰る交通費
  • カルチャーセンターでの無痛分娩の受講料
  • 母体保護法によらない妊娠中絶のための手術費

歯科

  • 美容のための歯科矯正
  • 歯石除去のための費用

医薬品

  • 疲労回復・健康増進・病気予防などのために購入した医薬品

医療費控除の申請方法

医療費控除に必要なもの

医療費の控除を受けるためには、確定申告が必要です。 まずはじめに確定申告の申請に必要なものについてお伝えしたいと思います。

サラリーマンの場合

  1.  源泉徴収票
  2.  領収書など医療費の支出を証明する書類
  3.  領収書のない医療費(通院交通費等)の支払明細(自分で作成する)

サラリーマン以外の方の場合

  1.  領収書など医療費の支出を証明する書類
  2.  領収書のない医療費(通院交通費等)の支払明細(自分で作成する)

医療費の明細書の記入方法

医療費明細書の記入例を記載しておきますので参考にしてください。

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【医療明細書のダウンロードはこちら】 確定申告書に設けられている医療費控除の記入欄は1行ですので、自分で明細書を作成して申告書に添付しても良いのですが、税務署に「医療費明細書」がありますので、そちらを使うと便利です。医療費の明細を記入するための用紙ですので、記入に迷うことはありませんし、国税庁のホームページから簡単にダウンロードすることもできるのでぜひ活用しましょう。

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【「確定申告書等作成コーナー」】 自分で確定申告書を作成する場合は、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば必要事項を入力するだけで確定申告書を作成することができます。画面に従い、源泉徴泉票などから必要事項を入力し、プリンターでプリントアウト、押印して必要な書類を添付して税務署に送付すれば完了です。税務署にわざわざ出向く必要もないので忙しい方にはおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ここまでご紹介したように公的医療保険からたくさんの保障を受けることができます。冒頭でもお伝えしたように、自分から申請しないと受けられないものばかりです。どのような制度があるかだけでも、必ず知っておきましょう。

そして、もし家族・友人などが病気で困っているときには上記でお伝えしていることを教えてあげましょう。

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  • ・ 出産の時に42万円の一時金を貰える。
  • ・ 医療費控除で税金を最大200万円節約できる。
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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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