平成27年1月相続税改正|知っておくべき改正ポイントと税金対策

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相続税 改正

平成27年1月から改正され、増税になるもので気をつけておきたいものが相続税改正です。

現行の相続税だと大きな基礎控除額があるので一定の富裕層の人だけが相続税の対象となっていました。今回の改正では基礎控除額が引き下げられ、今まで4%ほどの人しか対象とならなかった相続税が、新制度になると7%ほどに上がると予想されています。

そこで今回の記事では平成27年1月相続税改正のポイントをお伝えします。今回の相続税の改正で、対象者の幅が拡大されます。相続税対策に悩まれている方、相続税に関する知識を深めたい方は必見です。ぜひ最後までお読みいただいて、今後に役立てて頂けたら幸いです。

はじめに:相続税と平成27年1月改正のポイント

相続税とは、みなさんもご存知の通り亡くなった人の財産をもらったときにかかる税金のことをいいます。人が死亡すると、その人が所有していた財産は配偶者や子どもが相続します。この相続税を納める義務がある人は、相続・遺贈または死因贈与によって財産を取得した人ですが、相続する遺産総額が一定額を超える場合に、申告をして納税するきまりになっています。

遺産相続というと家族が「争う」「もめる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。現行制度では基礎控除があるため4%の人しか相続税の対象になりませんでした。しかし、平成27年1月から相続改正によって対象となる人が7%ほど拡大するといわれています。

今回の改正のポイントは4つあります。

それでは今回改正される4つを解説していきます。

※改正は、平成27年1月1日以降に相続または遺贈により取得する財産にかかる相続税について適用されます。

改正1:基礎控除額の引き下げ

今回の改正で1番大きく変わるのがこの基礎控除の引き下げです。基礎控除が引き下げられることによって相続税が増税となり、そして相続税の対象となる方が増えます。

具体的には以下のように変更になります。

相続税の基礎控除

基礎控除が6割に縮小されたことによって相続税の申告を必要とする人が増えます。今までは100人に4人が課税対象者でしたが、改正後は100人に6人程度に上昇する見込みがあります。被相続人が地価の高い都心部に自宅を所有しているだけでも、改正後の基礎控除額を超えてしまう可能性があるわけです。

例:遺産7,000万円 法定相続人:配偶者と子ども2人

現行の場合

相続税:現行

遺産が相続税を超えないので、相続税はかかりません。

新制度の場合

相続税:新制度
遺産が基礎控除を超えるので相続税の対象になります。

※他に控除がある場合など、相続税がかからないケースもあります。
※法定相続人の数は相続の放棄をした人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数となります。また被相続人に養子がある場合は、被相続人に実子がある場合は1人、実子がない場合には2人を法定相続人の数に含めてもよいことになっています。

改正2:相続税率の引き上げ

今回の改正によって相続税の最高税率が引き上げられます。

以下のように改正されます。

相続税率の引き上げ

※各法定相続人の取得金額とは、課税遺産総額(課税価格の合計額から遺産にかかる基礎控除額を控除した金額)を法定相続人の数に算入された相続人が法定相続分に応じて取得したものとした場合の各人の取得金額をいいます。

高額の遺産所得者の相続税の負担を求める見方から改定によって最高税率が引き上げられます。税率区分が6段階から8段階に変わります。所得金額が2億円以下の人は改正前と相続税率は変わりませんが、「2億円超~3億円以下」の方は45%、「6億円超~」の方は55%に引き上げが行われます。

例:課税価格の合計額が2億円、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合の相続税総額

相続税の総額の計算

改正3:未成年者控除・障害者控除が拡大

相続税額から一定額を差し引く未成年者控除と障害者控除については控除額が長い間据え置きでしたが、物価の動きや基礎控除額等の見直しを踏まえ、引き上げられることになりました。

未成年者控除と障害者控除の控除額拡大

改正4:小規模宅地等の特例の拡大

基礎控除の引き下げや税率構造の引き上げが行われる結果、地価が高くなる都心部の増税の影響を懸念し、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算特例について、居住用宅地の限度面積及び居住用宅地と事業用宅地の完全併用が可能になり、拡充されます。不動産の相続対策としては非常に有効です。

具体的には以下のようになります。

4-1. 限度面積の拡大

特定居住用宅地等の特例についての対象面積を、これまでの240㎡から330㎡へ拡大されます。

改正4-1

4-2. 併用する場合の限度面積の拡大

特定事業用宅地等と特定居住用宅地等の両方の特例の適用を受ける場合には、これまでは限定的にしか併用が認められていませんでした。今回の改正では最大730㎡(400㎡と330㎡の合計)まで小規模宅地等の特例の適用が受けられます。

改正4-2

4-3. 二世帯住宅の場合

一棟の建物の内部で行き来ができないものとして構造上区分されている二世帯住宅では、これまでは別居扱いで小規模宅地等の特例は適用されませんでしたが、内部で行き来ができるか否かに関わらず、同居しているものとして小規模宅地等の特例の適用ができます。

4-4. 老人ホームに入居した場合

老人ホームに入居すると被相続人は自宅に居住しなくなりますが、小規模宅地等の特例適用を受けるには被相続人の居住の用に供されている宅地であることが必要です。

この居住しなくなった自宅の敷地については以下の要件が満たされる場合に限りますのでご注意ください。相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとしてこの特例が適用されます。

  • 被相続人に介護が必要なため入所したものであること
  • 家屋が貸付の等の用途に供されていないこと

相続税について知っておきたい3つのポイント

これまで平成27年1月から適応になる改正のポイントをお伝えしてきましたが、ここからは相続税に関して知っておきたいことをお伝えしていきます。

1. 相続税が非課税なもの

  • 墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚、香典(ただし骨董的価値があり、投資の対象になるものや商品として所有しているものについては相続税がかかります。)
  •  国、地方公共団体、特定の公益法人に寄付した財産
  • 公共事業を行う者にもらった財産で、その公共事業に使われることが確実な財産
  • 業務上の死亡で支給された弔慰金(死亡当時の月々の給料の3年分まで)
  • 業務外の死亡で支給された弔慰金(死亡当時の月々の給料の半分まで)

2. 相続税の申告方法

相続税は相続開始を知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所の所轄税務署に申告書を提出し、納付しなければいけません。

この期限内に申告・納付しなかった場合は加算税・滞納税の対象になりますので、注意が必要です。また、相続税も金銭で一度に納めるのが原則ですが、特別な納税方法として延納と物納制度があります。延納は何年かに分けて納めるもので、物納は相続などでもらった財産そのもので納めるものです。なおこの延納・物納を希望する方は、相続税の申告期限までに手続きを取る必要があります。

※相続税・贈与税については、国税庁のホームページでご確認ください。

3. 生命保険で相続税対策をする

相続税の改正で基礎控除が引き下げられたことにより相続税の対象になる人が増えます。そこで相続税対策として有効なのが生命保険です。

相続税対策として生命保険を活用するメリットは以下のようになります。

1. 死亡保険金の非課税枠を活用する

死亡保険金の非課税の限度額は「500×法定相続人の数」となります。生命保険の控除額により相続財産の評価額を下げることができます。ぎりぎりで相続税が発生するような場合は生命保険を活用することで相続税を回避できる可能性もあります。

2. 納税のための現金を用意する

遺産のほとんどは不動産で現預金は少ないといった場合、突然多額の相続税を納付しなければならないケースがあります。通常相続財産は、遺産分割協議が終わるまで凍結されてしまいます。そのため、受け取るためには相当時間がかかります。それに対して生命保険の死亡保険金なら受取人が書類を用意するだけで通常1週間程度で受け取ることができます。

3. 生命保険受取人の分散で争いを避ける

相続人が複数いる場合争いが起きるケースが多々あります。死亡保険金は受取人固有の財産であるため、遺産分割協議の対象外となります。特定の相続人だけに財産を残したいと言う場合に活用できます。

生命保険であれば複数の受取人を指定することもできますので相続財産を分割しづらいときに活用できます。また受取人を指定することで遺言と同じ効果が得られます。

生命保険加入時の注意点

生命保険の加入時に気をつけておきたいポイントは「健康状態」です。相続税対策を考えるとき、すでにある程度年を取ってから加入するというケースが多いです。健康状態でひっかかってしまったり、健康を損ねている場合、加入できなかったり保険料が割高になる可能性もありますので、注意しましょう。

まとめ:相続税は早めの対策がおすすめ

相続税は大きな基礎控除額があるので4%くらいの人しか相続税の対象になりませんでした。今回の改正では基礎控除額が引き下げられ相続税の対象になる人が増えます。相続税は税率が高く、対策を取るか取らないかで相続税が大きく変わってきます。特に大きな資産・不動産などをお持ちの方は早めに対策を取ることをお勧めいたします。

特に都市部で不動産をお持ちの方は注意しましょう。

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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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