就業不能保険の必要性|知っておきたい社会保障と受取条件

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
3226eac96342cdecd9be9ce69d601fcc_s

みなさんは、ご自身が病気やケガをして働けなくなった時のことを考えたことがありますか?一家を支える大黒柱が、ある日、突然寝たきりのような状態になり、収入が途絶えてしまったら、家族の生活はどのように変わるでしょうか?

最近、話題になっている保険で「働けなくなった時の保険」があります。一般的には就業不能保険という名称で、その名の通り、病気やケガで働けなくなった時の収入をカバーするための保険です。保険会社によっては、お給料保険、家計保障保険など名称は様々です。

この記事では、働けなくなった時に

・就業不能保険を検討する前に知っておくべき社会保障
・就業不能と死亡のリスクの比較
・就業不能保険の基本的な内容

の3点について、順に解説させていただきます。

将来の教育費用がかかってくる小さなお子様のいるご家庭や、ご主人様の収入が家計の大部分を占めているような方には是非お読みいただければと思います。

1. 就業不能保険を検討する前に社会保障制度

日本には様々な社会保障制度がありますが、その中には働けなくなった時の公的保障がいくつかあります。

就業不能保険を考える前に、社会保障制度で保障される内容を理解しておくことはたいへん重要です。言葉は聞いたことがあっても、詳しい内容については知らない方が多いと思うので、順にご案内していきます。

1.1. 傷病手当金で1年6ヶ月は月給の約2/3を受け取れる

病気やケガで働けなくなった時に、1年6ヶ月は傷病手当金を受け取ることができます。受け取れる金額は、基本給のおよそ3分の2となります。例えば、月給30万円の人が1ヶ月間会社を休んだ場合、20万円の傷病手当金がもらえる計算になります。

傷病手当金を受け取るためには、以下の4つの条件を満たすことが前提になります。

・業務外で起こった病気やケガが原因であること
・連続する3日間を含む、4日以上働けなくなった時
・これまでの仕事に従事することが出来ない状態にあること
・給料が支払われていないこと

また、国民健康保険には傷病手当金の制度はありません。自営業の方などに関しては、突然の病気やケガには自助努力で備える必要があると言えるでしょう。

傷病手当金の支給期間については、1年6ヵ月分が丸々支給されるわけありませんので、注意が必要です。途中で職場復帰し、その後、再び休職する場合は、支給期間は最初に傷病手当金を受取った日から数えて、1年6ヶ月という計算になります。1年6ヵ月を超えると、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金を受け取ることはできません。

支給期間

長期間にわたり働けない状態が続くということは、かなり重篤な状態にあると考えることができます。そこで、次に確認したいのが、傷害年金についてです。

傷病手当金の詳しい内容については『傷病手当金とは?支給額と支給期間と押さえておきたい申請の方法』をご覧ください。

1.2. 障害年金で月額ある程度の額を受け取れる

意外と知られていない公的保障に障害年金があります。障害年金は、所定の障害状態になり、一定の受給条件を満たした場合に受け取れる年金です。受け取れる年金額は、その方の収入や障害等級、お子様の有無などにより異なります。

会社員のAさんが障害等級2級の状態になってしまったときを例に、受取額を確認してみましょう。

Aさんの平均標準報酬月額が35万円の場合

・奥様とお子様2人なら・・・月額およそ18.3万円
・奥様とお子様1人なら・・・月額およそ16.4万円
・奥様だけなら・・・・・・月額およそ14.6万円

いかがでしょうか?Aさんの奥様が、専業主婦の場合、家族4人が生活するための金額として18.3万円はたいへん心もとない金額であるように感じます。奥様が正社員として働いており、ある程度の貯蓄がある場合でも、月額15万円近い収入の減少になるわけですから、家計の見直しは必須になるのではないでしょうか。

障害年金制度では、お子様は原則として18歳未満の方が対象になります。実際の受取額は、年金の加入期間などによっても異なりますので、あくまでも目安としてご覧ください。日本年金機構ホームページ『障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法』では具体的な障害年金の受取額の計算方法について説明してあります。

障害年金は身体機能に障害が残ってしまい、日常生活を送るのが難しく、ましてや働くことなど不可能な状態になった時に受け取ることができるものです。ですから、手足の障害だけでなく、がん・糖尿病・心筋梗塞などの病気でも受取の対象となることがあります。

障害年金の詳しい内容については『障害年金とはどういうもの?必ず知っておきたい基礎知識』をご覧ください。

1.3. 生活保護で約8万円~16万円前後受け取れる

障害年金を受給している人の中には、それだけでは暮らしていくことができず、生活保護を受けているケースも多くあるそうです。特に国民年金のみに加入している場合、障害年金1級の認定を受けていても月額平均81,000円ほどしか受け取れない、というデータもあります。

東京都の生活保護の受給金額が約13万5,000円で、障害年金を受給している方の場合、障害者加算という上乗せがあり、障害年金1級であれば約25,000円が多く受け取れることになります。生活保護の受給額から障害年金の収入を差し引いた差額分が受け取れる、という仕組みです。合計16万円程度が受取額となります。

生活保護は、最後の選択肢だと思うのですが、病気やケガで働くことができなくなってしまい、こういった制度に頼らざるを得ない方がいらっしゃることはお伝えさせていただきます。

2. 死亡時と比較した就業不能時のリスク

就業不能になった時は、社会保障で一定の保障を受ける事ができるのはわかりました。しかしながら、その保障だけで家族の豊かな生活を守るというのは難しいと思います。

家賃など住まいに関する出費がなく、養う家族もいなければ、貯金を切り崩して何とか生活はできるかもしれませんが、家族がいる場合は、社会保障制度だけでは、経済的に困難な状況に陥ってしまいます。

そしてそれは、死亡時よりも大きなリスクとなる可能性があります。具体的には、どのようなケースが考えられるのか、確認してみましょう。

2.1. 生活費やお子様の教育費用

保険で最も重要な保障は、一家の大黒柱に万が一のことがあった時の経済的なリスクを保障できる死亡保障にあります。死亡保障に加入していれば、残された家族を経済的に守るための保険金を残すことができます。

しかし、病気やケガで働けなくなった場合は、その保険金は受取ることはできません。それでも家族の生活費も今までと同じだけ必要になります。収入が減り、支出は変わらないわけですから、今までと同じような生活を送るのは困難になります。一時的に貯蓄を切り崩した場合でも、それは長くは続きません。

食費や光熱費、水道料金など、生きていく上で最低限必要な支出は確保する必要があるので、場合によっては、お子様の習い事を続けるのが出来なくなったり、進学を諦めたりと、苦しい決断をしなければいけない状況になることも考えられます。

奨学金制度を利用して、社会人になってから、お子様ご自身が学費を返済するケースもあります。ただし、奨学金はいわゆる借金です。インターネットで「奨学金・返済」などで検索してみたところ、その現状は厳しいものとなっています。実際に奨学金が返済できず、苦しんでいる若者が多く存在しているのです。

2.2. 家賃や住宅ローンの支払

生活費よりも負担が大きくなる可能性があるのが、住宅に関する費用です。マイホームを購入しローンを組んでる場合、多くの方が団信(団体信用生命保険)に加入されていると思います。団信の契約内容は死亡・高度障害になった時にローンが免除される、というものなので、働けなくなった場合は対象外となり、毎月の支払いは続いていくことになります。(参照:『住宅ローンを組む時の保険の見直しで行うべきこと』)

団信の契約内容によっては、がん・急性心筋梗塞・脳卒中などで所定の状態になった時に、ローンの支払が免除される特約が付いている場合もあります。しかし、対象外の病気で就業不能状態となれば、当然ですが保障の対象外となります。ローンの支払が難しい場合は、自宅を売却して、引っ越しを余儀なくされる可能性もあるでしょう。

賃貸物件に住まわれている方の場合は、団信のような制度は存在しないので、どんな状態になっても毎月の家賃は変わらず必要になります。家賃の低い物件に引っ越しをする選択肢もありますが、それには敷金や礼金など費用がかかるので、家計の負担となってしまいます。

2.3. 治療費にかかる継続的な出費

就業不能状態で怖いのが、死亡した時には発生しない治療費用が長期間にわたって必要になることです。

後遺症が残る確率が多い病気に、脳梗塞があります。手足の機能を回復するため、リハビリを行うのにもお金がかかりますし、再発率が高い病気でもあるため、血栓を出来にくくする為の投薬はかかせません。重度の障害が残り、半身麻痺で介護状態となれば、介護ベッドや車椅子の購入が必要となります。

愛する家族が病気になれば、他の支出を減らしてでも、治療費を捻出しようとするのが当然だと思います。保険加入に関する相談を受ける中で、お客様のお話をおうかがいし感じることは、「死亡した時のほうがお金はかからないとは思うけれど、病気になっても生きていてくれていた方が嬉しい」と考えている方が大半だということです。

しかし、現実的に、こういった治療にかかる経済的負担は決して少ないものではありません。

このようなことから、就業不能時においては精神的な負担は死亡時よりも少ないものの、経済的な負担は長期間にわたって継続する可能性があることが分かります。

3. 就業不能保険の保障内容

社会保障制度全てについて言えることなのですが、制度そのものが存在することによって大きな助けになることは間違いないのですが、実際には、それまでの生が活レベルと同等の暮らしを送ることは難しいのが現状です。

そこで、働けなくなった時のリスクに備える保険として登場したのが就業不能保険です。こちらでは、就業不能保険の保障内容や仕組み、注意点についてご案内してまいります。

3.1. 収入の不足分を「毎月」受け取れる

基本的に就業不能保険の受取は「毎月」となります。例えば、「傷病手当金」で例にあげた月給30万円の方の場合なら、傷病手当金でカバーできない10万円を就業不能保険で補填します。すると、健康なときと同じだけの収入が確保できるというわけです。

保険会社が提案しているプランには、月額5万円・10万円・15万円などが多くなっています。金額を設定する際には、ご自身が受け取れる傷病手当金や障害年金から、適正な金額を選ぶことが大切になります。

商品によっては、受取方法を「毎月」もしくは「一時金」から選ぶこともできます。就業不能保険は、生きている間に受け取ることができる保険なのですが、万が一、途中でお亡くなりになってしまった場合には、将来受け取るはずだった保険金を死亡保険金として家族に残す事ができるものもあります。

3.2.  60日間の保障されない待ち期間がある

がん保険などで「最初の90日間は免責期間」というものが設定されており、この期間は保障の対象外となっているのですが、就業不能保険に関しても同じく60日間の待ち期間があります。

就業不能保険は、働けない状態になった時に受け取れる保険です。働けない状態と認められるかどうかは、各保険会社によって細かい基準が設定されているのですが、いずれにしても、これを判断するのに最低でも60日間は必要である、ということになっています。

%ef%bd%97

逆に言えば、病気やケガで就業不能状態になったとしても、60日以内に回復した時は、保険金を受け取ることはできません。そのような場合は、医療保険やがん保険などで治療費用をカバーするほか、傷病手当金で不足する部分については貯蓄を生活費に充てることになると予想されます。

3.3. 給付金を受け取るための条件

ここまで就業不能保険=働けなくなった時の保障、と説明してきましたが、就業不能状態とは、どのような状態をいうのでしょうか?主な内容は以下の2つになります。

・入院している状態
・自宅療養で、職種を問わず、全ての業務に従事できない状態

他にも保険会社が定めた条件があり、これに該当しない場合は保障の対象外となります。保障内容が異なるため、一概に比較することは出来ないのですが、いくつか例をあげてみます。

・がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全で60日以上就業不能状態が継続
・病気やケガが原因で要介護状態が180日以上継続
・障害1級または2級と認定
・死亡または高度障害状態
・事故による身体障害
・ストレス性疾患で60日以上入院
・(払込免除に関して)がんと診断された時、心疾患または脳血管疾患で20日以上入院した時

就業不能保険だけではなく、全ての保険で共通して言えることなのですが、保険を検討する場合は、どんな時に保障の対象となるかを確認することがとても重要です。就業不能保険は複雑で細かい条件が設定されていることが多いので、特にご注意ください。

ご自身で理解することが難しい場合は、保険会社か担当の方へお問い合わせしていただきますよう、お願いいたします。

4. まとめ

突然の病気やケガは、いつ誰に起こるかわかりませんが、多くの場合は回復し、日常生活に戻ることができます。しかし、中には重篤な状態に陥ってしまい、職場復帰が難しくなったり、仕事をすることが困難な状態になってしまうケースもあるのです。

私たちにできることは、社会保障制度によって様々な保障を受けられることを知っておくことです。傷病手当金や障害年金などは、受け取れる条件が定められているので、注意が必要になります。自営業の方の場合、傷病手当金は対象外ですし、障害年金についても、収入やそれまで納めた年金額によって受け取れる額が異なります。

また、働けなくなった時に発生する経済的リスクは、死亡した時に比べて大きなものになります。収入は減少するにも関わらず、生活する上で必要最低限かかる費用、お子様の教育費、住宅ローン、健康な時には発生しなかった治療費などが増えるからです。

このような時に備えるための保険が就業不能保険です。特に小さなお子様がいる家庭や、収入の多くをご主人様が支えている場合は、必要性の高い保険ということが言えます。保障内容は保険会社によって異なり、また受取条件は細かい規定が定められているので、就業不能保険を検討される場合は、その内容をしっかりと確認していただくことをお願いいたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
プロのFPによる保険無料相談実施中!

もし、あなたが

  • ・保険料は上げたくないけど、もっと内容のいいものにしたい
  • ・子どものために万が一の時にも安心できる保険を知りたい
  • ・自分が加入した時よりも新しくてお得な保険を知りたい

とお考えなら、ぜひ無料相談にお申し込みください。

必ず今の保険料を安くして、かつ内容の良いものをご紹介します。

「知らなきゃ損!誰でも使える8つの社会保障制度をお教えします。」

日本人は民間保険に入らなくても、以下のように、かなり手厚い保障を受け取ることができます。

  • ・ ご主人様に万が一のことがあった時に毎月約13万円を貰える。
  • ・ 仕事を続けられなくなった時に毎月約10万円を貰える。
  • ・ 出産の時に42万円の一時金を貰える。
  • ・ 医療費控除で税金を最大200万円節約できる。
  • ・ 病気の治療費を半分以下にすることができる。
  • ・ 介護費用を1/10にすることができる。

多くの人が、こうした社会保障制度を知らずに民間保険に入ってしまい、 気づかないうちに大きく損をしています。

そこで、無料EBookで誰もが使える絶対にお得な社会保障制度をお教えします。 ぜひダウンロードして、今後の生活にお役立てください。


無料Ebookを今すぐダウンロードする

宮阪 沙織

宮阪 沙織

私は10年以上にわたり、生命保険業界で働いております。マイホームの次に高い買い物と言われることもある保険ですから、本当に必要な商品を無駄なく加入してもらうことが大切だと考えています。お一人お一人のご希望やライフプランをおうかがいし、少しでも豊かな人生を送るお手伝いが出来ればと思っております。
保険の教科書の購読はSNSが便利です。