火災保険の解約をする際に知っておきたいポイント

火災保険を解約しようとすると、「手続はどうすればよいか」「どんなタイミングで解約すればよいか」「残った契約期間分の保険料は戻ってくるか」など気になることがたくさんあります。

そこで、この記事では、火災保険を解約する際に知っておきたい知識をまとめて解説しています。

火災保険の解約で迷った際は、まずこの記事を参考にしてください。

1.火災保険の解約方法

火災保険の解約方法はシンプルで、難しくありません。

解約する日が決まったら、火災保険の契約を依頼した代理店、もしくは損害保険会社へ自分で連絡します。

賃貸住宅で、不動産会社に火災保険を仲介してもらっていた場合も、同じ方法で大丈夫です(不動産会社が保険の代理店となっている場合もあります)。

その後、保険会社から解約に必要な書類が送られてくるため、書類に記入と捺印をした上で返送すれば手続きが完了します。

ただし、金融機関の質権を設定している場合は、その前に別の手続が必要です。

1-1.要注意!質権設定している場合は該当の金融機関へまず相談

金融機関の質権設定とは簡単に言うと、火災保険で保険金を受け取る権利を担保として住宅ローンを組んだ金融機関へ渡すことです。詳細については「火災保険の質権設定って何?概要と注意点まとめ」をご覧ください。

仮に火災保険の質権設定をしている場合、まずその金融機関へ火災保険を解約することを連絡しなくてはなりません。

その上で、その火災保険が担保として必要ないのであれば、金融機関が解約を許可し「質権消滅承認請求書」が送られます。

その書類に必要事項を記入・捺印して返送すると、今度は「質権抹消書類」が送られてきます。

この書類が手元にある状態ではじめて、損害保険会社や代理店へ連絡して解約手続きができるようになるのです。

2.解約のタイミングはいつにするか

次に、火災保険を解約の手続のタイミングをいつにするべきか、持ち家の場合と、賃貸物件の場合のそれぞれについて解説します。

2-1.持ち家の場合

持ち家で火災保険を解約するケースには、「引っ越しで古い火災保険の契約を解約する場合」「それ以外の場合」の2パターンがあります。

2-1-1.引っ越しで古い火災保険を解約する場合

結論から言うと、元の住居の権利関係を不動産会社へ持ち家の売却先などへ渡した後に解約の手続を行います。

たとえば、売却先が決まった後、まだ持ち家の権利がある状態で火災保険を解約したとします。

その直後に自然災害や隣家の類焼などで、その家が損害を受けたらどうなるでしょう?

当然ながら、その損害を負担するのは元の持ち主です。

そのタイミングで火災保険がなければ、元の状態に回復するための費用を自分が全て負担しなければなりません。

なお、もし、新しい住宅用に火災保険に加入していたとしても、その火災保険でカバーできるのは新しい住宅の損害だけです。元の住居はカバーされません。

2-1-2.引っ越し以外の場合

引っ越し以外でも、よりコストパフォーマンスのよい内容で契約し直したり、他社に乗り換えたりするために古い火災保険の契約を解約することがあります。

この場合は新しい火災保険の契約が成立してから古い火災保険を解約します。

新しい火災保険が使えるようになる前に古い火災保険を解約してしまうと、火災保険の補償が受けられない期間ができてしまうためです。

万が一、その期間に火災などの災害・事故にあってしまったら目も当てられません。

2-2.賃貸契約の場合

賃貸住宅から別の賃貸住宅に引っ越す場合、一般的には引っ越し先の賃貸住宅の方で新しい火災保険に加入することになります(元の火災保険を継続できる場合もあります。詳しくは後述します)。

この場合、新しい火災保険へ加入したからといって、すぐに古い火災保険の契約を解約してはいけません。

賃貸向けの火災保険の契約は、あくまで賃貸住宅ごとに行う必要があるからです。

もし火災保険の解約のタイミングを間違えたらどうなるか、貸向けの火災保険にセットされている借家人賠償責任保険を例に考えてみましょう。

借家人賠償責任保険とは、契約者が火災などで賃貸物件に損害を与えてしまった場合に、大家さんに対する損害賠償金を補償するための保険です。

そうして引っ越し先で火災保険に新しく加入し、古い火災保険を解約したあとに、万が一引っ越す前の住居で火災を起こし損害賠償の責任が発生してしまった場合、新しい火災保険側の借家人賠償責任保険を利用することはできません。

火災発生時に仮に古い方の契約を解約していると、新しい賃貸住宅用の火災保険があったとしても補償は行われず、高額な損害賠償を全て自分で背負わなければならなくなるです。

そのため賃貸物件では新しい火災保険の契約が開始されたとしても、古い方の契約は解約してはいけないということになります。

古い方の火災保険の契約については、引っ越す前の住居の賃貸契約が終了したあとに解約するようにして下さい。

なお賃貸向けの火災保険についてより詳細な内容は「賃貸物件の火災保険は強制?必要性と保険料を抑えるポイント」にまとめてありますので、興味があれば合わせてご覧ください。

2-3.【補足】契約期間が残っていても解約は可能

火災保険には契約期間があるので、途中で解約することができるか気になっている方もいるのではないでしょうか。

そういった方は安心してください。契約期間がまだ残っている状態でも解約は可能ですし、保険料も残りの期間に応じて返金されます。

どのくらい返金されるか、詳しくは次の項で解説します。

3.契約期間の途中で解約したら保険料は返金される?

火災保険では期間中の保険料を最初に一括で支払うことが多いです。もし途中で解約した場合、残りの契約期間に応じた保険料が返金されます。

実際にどのくらいの保険料が返金されるか、A損保の火災保険の契約を例にみてみましょう。

【残りの契約期間ごとに返金される保険料の割合】

経過月数 2年契約 3年契約 5年契約 7年契約 10年契約
0年6ヵ月目まで 63% 74% 84% 89% 92%
1年1ヵ月目まで 43% 61% 76% 83% 88%
1年6ヵ月目まで 23% 48% 68% 77% 84%
2年1ヵ月目まで 29% 57% 69% 78%
2年6ヵ月目まで 16% 49% 63% 74%
3年1ヵ月目まで 38% 55% 69%
3年6ヵ月目まで 29% 49% 65%
4年1ヵ月目まで 18% 41% 59%
4年6ヵ月目まで 10% 35% 55%
5年1ヵ月目まで 27% 49%
5年6ヵ月目まで 21% 45%
6年1ヵ月目まで 13% 39%
6年6ヵ月目まで 7% 35%
7年1ヵ月目まで 29%
7年6ヵ月目まで 25%
8年1ヵ月目まで 19%
8年6ヵ月目まで 15%
9年1ヵ月目まで 9%
9年6ヵ月目まで 5%

たとえば、10年契約で8年6ヵ月目の時点で解約すると、契約期間が約15%残っているのに対し、同等の15%が解約返戻金として戻ってきます。

5年契約で2年6ヵ月目と契約のほぼ半分が過ぎた時点で解約すると、49%という約半分の保険料が解約返戻金として戻ってきます。

一方、2年契約で契約してから6ヵ月目の時点での解約だと、契約期間が約75%残っているのに、保険料の63%しか返ってきません。

このように、より長期の契約で、より残りの契約期間が短い場合の方が、損をしてしまう割合は少なくなります。

いずれにしろ、このぐらいの保険金が戻ってくるのであれば、最初に長期契約したことを後悔することも少ないのではないでしょうか。

3-1.地震保険の保険料も返金される

地震に遭った際の損害を補償してもらえる地震保険は、必ず火災保険とセットで加入します。

また地震保険の保険期間は最大5年間ですが、火災保険同様に、契約期間の途中で解約すると残りの期間に応じた保険料が戻ってきます。

どのくらい戻ってくるか、A損保の地震保険を例にみてみましょう。

【残りの契約期間ごとに返金される保険料の割合】

経過月数 2年契約 3年契約 4年契約 5年契約
0年6ヵ月目まで 72% 81% 86% 88%
1年1ヵ月目まで 44% 62% 71% 77%
1年6ヵ月目まで 24% 49% 61% 69%
2年1ヵ月目まで 30% 47% 58%
2年6ヵ月目まで 16% 37% 49%
3年1ヵ月目まで 23% 38%
3年6ヵ月目まで 12% 30%
4年1ヵ月目まで 18%
4年6ヵ月目まで 10%

ご覧のように火災保険と同じく、契約の期間が長期になるほど、また残りの契約期間が短くなるほど損をしてしまう割合が少ないのは少なくなる点は同じです。

4.【参考】賃貸→賃貸への引っ越しなら火災保険の契約を継続できることも?

賃貸住宅から賃貸住宅への引っ越しであれば、異動手続きをすることによって火災保険の契約を引き継ぐことができる可能性があります。

その理由は、以下2つです。

【理由1】

持ち家の場合、建物が補償対象となるため建物の延床面積がどのくらいかが保険料を決定する際のポイントとなります。

一方、賃貸向けの火災保険の主契約で補償対象となるのは、引っ越し先でも利用する家財(家具・家電・衣類など)です。延床面積は関係ありません。

【理由2】

火災保険の保険料を決める条件として、建物の耐火性能を示す「構造級別」や立地条件があります。

まず構造級別とは、以下のように分類されます。

構造級別

条件

M構造 集合住宅(マンション・アパート)で、鉄筋コンクリート造等、耐火性のある素材で造られたもの
T構造 ①戸建て住宅で、鉄筋コンクリート造等、耐火性のある素材で造られたもの
②鉄骨造の集合住宅で、耐火性に関する基準(耐火構造・準耐火構造等)をみたさないもの
③木造の集合住宅・戸建て住宅で、耐火性に関する基準(耐火構造・準耐火構造等)をみたすもの
H構造 木造の一戸建て・集合住宅で、耐火性に関する公的な基準を一切みたさないもの

耐火性能は高い順に「M構造⇒T構造⇒H構造」となり、建物がM構造であれば保険料が最も安くなります。

M構造からM構造だと、引っ越し前後の賃貸住宅の構造級別が変わりませんので、保険料も同じです。

また保険料を決めるポイントとしてその住宅の立地条件(災害にどのくらい遭いやすい場所か)もあります。

その上で、構造級別と共に立地条件も変わらなければ、賃貸→賃貸の引っ越しの場合は元の火災保険の契約を引き継げるということになります。

4-1.契約を引き継げる場合も「水災」の補償には注意が必要

ただし、仮に契約を引き継ぐことになったとしても「水災」の補償を見直した方がよい場合があります。

「水災」とは台風などによる洪水被害のことです。

高台に集合住宅があったり集合住宅の上階に住んでいたりする場合、洪水の被害にあう可能性は低いため、水災の補償は外されることが多くなります。

一方で、洪水の可能性があるような河川が近く集合住宅の1階に住んでいれば、水災の補償はつけた方がよいでしょう。

賃貸住宅によって水災の補償をつけるべきか否かが異なるため、賃貸→賃貸への引っ越しの際は「水災」の補償内容についてどうするか見直すようにして下さい。

なお賃貸住宅ごとに洪水の可能性がどのくらいあるかは、推測だけに頼るのではなく客観的なデータをみるようにしましょう。

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」が役立つので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

火災保険の解約手続き自体は、保険会社へ電話で連絡すれば簡単に行うことができます。

ただしこの記事で説明したように、古い火災保険を解約するタイミングはケースごとに異なるため気を付けましょう。

なお火災保険の契約期間が残っている状態で解約したとしても、余った契約期間に応じた保険料が戻ってくるため、大きな損がでてしまうことはありません。

必ずしも全額が戻ってくるわけではありませんが、全額に近い額が返却されます。

また火災保険とセットにして加入する地震保険についても、途中解約すれば保険料が戻ってきます。

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保険の教科書 編集部

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