工場に火災保険をかける際のポイントと注意点

工場は設備や原料の関係から、住宅とは比べ物にならないほど災害による被害が大きくなる可能性があります。

また、ひとたび災害が起こると、高価な設備や什器、大量の原料など、多額の資産を失うことになりかねません。

加えて、工場が稼働できない間の休業損害についても、金額は馬鹿にならないものになるでしょう。

そのような事態に備えるためにも、工場経営には火災保険が必要不可欠なものとなっています。

今回はそんな工場における火災保険について、

  • 考えられるリスクと対応できる補償について
  • 火災保険に加入する際のポイントについて

を紹介していきます。

1.火災保険で備えられるリスクと対応する補償について紹介

工場の火災で考えられるリスクは、考えうるだけで以下のようなものがあります。

  • 災による直接的な損害
  • 火災以外の災害による損害
  • 営業再開までの休業損害

それぞれ見ていきましょう。

1.1.火災による直接的な損害について

まずは火災による直接的な損害についてです。

もし工場内で火災が発生すると、原料や商品の在庫を始め、施設や什器、果ては重要な書類やデータまでもが失われる可能性があります。

当然建物自体も甚大な被害を被ることになるでしょう。

特に工場では、引火性の原料が大量に存在することによって起こる「フラッシュオーバー現象」や、施設の気密性が仇となって起こる「バックドラフト現象」などが発生する可能性が高く、火災が大規模になりやすいため、火災に対する補償は重要です。

以下、「フラッシュオーバー現象」と「バックドラフト現象」について説明します。

①引火性の原料が原因で起こるフラッシュオーバー現象

工場には発火性、引火性の高い原料が多く貯蔵されていることが多いです。

特にメチルエチルケトンペルオキシドのような衝撃で発火してしまう危険物を貯蔵してる場合、火災のリスクは大変高まります。

フラッシュオーバー現象は、そのような発火性、引火性のある原料が原因で、急速かつ連鎖的に火災が広がる現象のことです。

危険なのは上記のような化学物質だけではありません。

食品会社では小麦粉などの粉塵タイプの原料によって粉塵爆発が起こる可能性もありますし、フォークリフトなどに用いられるガソリンや、施設の潤滑に用いられる潤滑油やグリースについても、引火性が高く危険です。

工場である以上、フラッシュオーバー現象が起こる可能性は大いにあり得るというわけなのです。

②気密性の高さが仇となるバックドラフト現象

特に精密機械の製造を行っているメーカーや商品メーカーなどが、外部からの汚れの侵入を防ぐため。鉄骨・コンクリート造の気密性が高い構造に設計されていることが多いです。

気密性が高い建物内で火災が発生した場合、外部からの酸素供給が上手くいかず、建物内の酸素がどんどん減少していきます。

そんな状態で窓や扉を開けて空気の流れ道を作ってしまうと、大量の酸素が一気に建物内へ流れ込むことになり、日は水を得た魚のように勢いを増すことになるのです。

このような現象をバックドラフト現象を呼びます。

工場では、建物の性能の良さが仇となって、火災の規模拡大を助長してしまう可能性があるのです。

1.2.火災以外の災害による損害について

火災保険は火災による損害しか補償されないと思われがちですが、実は火災以外にも様々な災害に対応できます。

火災保険で補償される火災以外の災害は以下のようなものです。

①風災・雹災・雪災

風災・雹災・雪災」の補償は、暴風雨や豪雪など、空からの脅威による損害をカバーしてくれます。

雨が原因の雨漏りや、暴風で窓が割れ、家財が濡れてしまった場合などです。

ただし、一度雨が地上に降り注いだら、それが原因で起こる洪水や土砂崩れなどの災害は含まれません。

そのような災害については「水災」で補償されます。

②水災

洪水や高潮、土砂崩れなど、水が原因で発生する災害に備えることができるのが「水災」です。

「風災・雹災・雪災」とは逆に、補償される範囲が「地上から発生する災害」による損害に限られます。

例えば、川の氾濫や雪解けによる洪水は「水災」に含まれますが、暴風雨による雨漏りなどは「風災」です。

③水濡れ

水濡れ」は水道管など、給排水設備の故障による水濡れなどが原因の損害があった場合に補償してくれます。

自然災害による損害については補償されません。

④盗難や衝突事故などの人災

盗難」や、自動車が家に突っ込んでくる「衝突」など、「人災」についての補償です。

⑤汚損・破損

建物の内部で起こる、偶発的な汚損事故や破損事故について補償してくれます。

工場を経営する上で、上記のような災害に備えないのは大変危険です。

1つ弊社が担当したお客様のA社の事例を紹介しましょう。

A社は、東海地方で鉄製品や機械を製造する会社です。創業約50年で、鉄道会社から駅のホームドア等の製造も請け負っています。もともとは法人で加入している生命保険の見直しを依頼してこられたのですが、全ての保険の証券を見せていただいたところ、工場に火災保険をかけていませんでした。

というのも、社長は火災保険の補償範囲が火災だけだと思っていて、加入するメリットをあまり感じていらっしゃらなかったのです。しかし、工場の近くには川が流れていて、明治以前には大水害もあった土地柄です。

弊社の担当者はそのことが気になり、お客様をなんとか説得して、火災保険に加入していただきました。

事件が起きたのはその年の秋のことです。

強い台風が東海地方を直撃し、A社の工場敷地内にある資材倉庫の屋根が風によって飛ばされ、保管していた資材が雨ざらしになってしまいました。

資材は鉄製品だったため、全て錆びて使えなくなってしまい、屋根の修繕費等と合わせて総額500万円の損害が発生しました。過去に同様の被害に遭ったことはありませんでした。

A社は火災保険で風災の補償を付けていたので、500万円の損害をカバーすることができたのです。

A社の一件は極端な事例ですが、火災以外の災害で工場が損害を被る可能性は大いにあります。また、今まで損害を受けたことがないからと言って、これから先もないという保証は全くないのです。工場の経営者の方は、今一度火災保険の補償内容について確認してみると良いでしょう。

詳しくは「火災保険の補償範囲|ニーズに合った選び方のポイント」をご覧ください。

1.3.営業再開までの休業損害には休業損害補償

火災や自然災害等によって工場の設備が使えなくなってしまうと営業ができなくなってしまい、商品の生産ができず、会社の売上に甚大な被害をもたらします。

工場は設備が大きい場合が多く、営業可能な状態まで建て直すにはかなりの時間を要するため、その間の休業損害は計り知れないものになるでしょう。

さらに、営業ができない間も人件費や地代などの固定費は発生するため、対策をしておかないとキャッシュフローが厳しくなり、会社の経営が傾きかねません。

そんな状況に備えることができるのが、休業損害補償です。

休業損害補償では、休業中に発生するはずだった利益について補償してくれます。補償額は、決算書類などに記載されている利益率などを実績として設定することが多いです。

また、早期に生産活動を再開させるため、突貫工事で仮設の工場を建てたり、設備を他社から借りたりした場合、出費分をカバーしてくれる補償もあります。それによって、本来かかるはずだった休業日数を短縮できた場合、短縮した分の保険金を受け取ることができます。

このような補償を付けておけば、急な出費をカバーしつつ、早期に生産活動を再開することができます。

2.工場で火災保険に加入する際のポイント

工場における火災保険には、加入の際に重要なポイントが2つあります。

  1. 評価基準は新価で加入すること
  2. 工場を複数所有している場合は包括契約すること

それぞれ見ていきましょう。

2.1.火災保険の評価基準は「新価」にする

火災保険の評価方法には「新価(再調達価格)」と「時価」の2通りがあります。

工場における火災保険に加入する際は、「新価」で評価される保険に加入することが重要です。

「新価」は、災害等で損壊した建物や設備・什器、原料、商品などを改めて新品で再購入するのに必要な費用を評価額とする方法です。「再調達価格」とも言います。

これに対して「時価」は、被害を受けた時点での価値、つまり中古としての価値を基に評価を行うため、同じような工場を建て直せるほどの保険金を受け取ることができません。

火災保険に加入する際には、評価基準が「新価」かどうか、よく確認しましょう。

2.2.かけ漏れがないよう包括契約する

1つの敷地内に複数の工場がある場合、建物ごとに火災保険を契約しているケースがあります。

この場合、敷地内に新しい建物を建てた時に、うっかり新工場に火災保険をかけ忘れていることがあります。

そのような状態で火災が発生してしまうと、保険をかけ忘れた工場の再建は自己負担になってしまい、甚大な出費が発生してしまいます。

このようなかけ漏れを防ぐために、包括契約にすることをおすすめします。包括契約では、建物ごとではなく、保有する全ての施設について、包括的に火災保険をかけることで、補償の抜け漏れを防ぐことができるのです。

また、建物が別々の場所にある場合、全ての建物が同時に被害に遭う可能性は極めて低いので、その分、保険料が抑えられます。

事業用火災保険で代表的なものに、事業活動総合保険があります。また、全国各地に工場や事業所を多数保有している場合は企業財産包括保険がおすすめです。

2.3.地震災害に備えた補償もつけておこう

火災保険は様々な災害に対して補償してくれますが、地震関係の災害については補償してくれません。

地震関係の災害には土砂崩れや津波など、山地や海沿いに存在することの多い工場としては備えておきたいものが多いです。

しかし、国が運営している一般的な地震保険は、あくまで被災者の生活を守るものであり、補償の対象が居住用の建物と生活動産に限られています。

つまり、工場の設備や原料、商品在庫などは補償対象にならないのです。

そこで加入を検討しておきたいのが、各保険会社が打ち出している企業用の地震補償になります。

具体的には地震拡張担保特約や噴火危険補償特約といったものが用意されており、地震関係の災害で建物や設備、什器や備品などが損害した場合に備えることができます。

日本では年々震災のリスクが増えていることもあり、火災保険に契約する際には是非とも付けておきたい補償といえます。

まとめ

工場に災害が発生した場合、建物や設備、商品等に甚大な損害が発生するリスクがあなります。

また、火災による直接的な被害だけでなく、工場が操業できなくなることによる休業損害が発生することも見逃してはなりません。

事業用の火災保険に加入することで、そのようなリスクに細かく対応することが可能です。

火災保険に加入する際には、評価基準が「新価」になっているかをよく確認しましょう。また、保険のかけ漏れがないように包括契約を行うこともポイントです。

さらに、法人向けの地震補償を付けることで、土砂崩れや津波などの災害にも備えることができます。

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  • ・アパレル業(貨物保険) : 120万円⇒96万円(-20%
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保険の教科書 編集部

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