生活障害保障型定期保険|全額損金だけじゃない4つの役割

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法人保険の中で、生活障害保障型定期保険は、保険料が全額損金になって「節税」ができ、かつ積立もできる保険として人気があります。

ただし最近、多くの会社が続々と、「災害保障重点型」等の新しい全額損金の保険を発売しており、それらとの違いや使い分けが分かりにくくなっています。

そこで、この記事では、生活障害保障型定期保険とはどんなものなのかということと、重要な4つの役割について、他の全額損金の保険との違いも意識しながら、整理して分かりやすくお伝えしたいと思います。

1.生活障害保障型定期保険とは

まず、生活障害保障型定期保険とはどんなものなのかお伝えします。

「定期保険」は、期間が決まっている保険を言います。掛け捨てのものと、積立ができるものとがあり、生活障害保障型定期保険は積立ができる定期保険の一種です。

法人名義で、経営者・役員にかけ、保険金等のお金は会社が受け取ります。

そして、生活障害保障型定期保険には以下の特徴があります。

  • 保険料の全額が損金になる
  • 保険料総額の80%台前後のお金が積み立てられる
  • 死亡以外でも保険金を受け取れる

それぞれについて簡単に説明します。

1.1.保険料の全額が損金になる

まず、生活障害保障型定期保険の保険料は全額が会社の損金になります。その結果、法人税が抑えられます。

たとえば保険料年500万円ですと、法人実効税率30%として年150万円、10年で総額1,500万円の税金が抑えられます。

1.2.保険料総額の80%台前後のお金が積み立てられる

そして、加入から5年~15年後に解約すると、解約返戻金と言って、払い込んだ保険料のかなりの部分の額が戻ってきます。

戻ってくる率(返戻率)は、加入年齢・性別にもよりますが70%台後半~80%台後半と考えていただければと思います。

返戻率は最初のうち上がっていき、ピークに達した後は下がっていきます。なので、返戻率の高いタイミングを見極めて解約することが大切です。

なお、生活障害保障型定期保険の返戻率は、全額損金の法人保険の中でもやや低めです。ただし、それは、他の全額損金の保険と比べて保障範囲、つまり保険金を受け取れる場合が広く設定されているからです。次にお伝えします。

1.3.死亡以外でも保険金を受け取れる

生活障害保障型定期保険は、死亡しなくても重篤な状態になってしまった場合にも保険金を受け取れます。

どんな場合に保険金を受け取れるかは、保険会社によって違いますが、たとえば以下のような状態になった時です。

  • 要介護状態に陥った場合
  • がん、急性心筋梗塞、脳卒中、慢性腎不全、肝硬変等で重篤な状態に陥った場合

このように、生活障害保障型定期保険に加入すると、死亡の保障に加えて、そこまでいかないけれども重大な状態に陥ってしまった場合もカバーされるのです。

これに対し、最近続々と新たに発売されている全額損金の保険の多く(「災害保障重視型」など)は、保険金を満額受け取れるのは災害が原因の死亡の場合のみです。その代りに返戻率が高めに設定されています。

2.生活障害保障型定期保険が果たす4つの役割

以上の特徴を踏まえて、生活障害保障型定期保険がどんな役割を果たすのか見ていきましょう。

以下の4つの役割を同時に果たしてくれます。

〈他の全額損金の保険と共通する役割〉

  1. 退職金等の資金を効率よく積み立てる(資金準備)

〈生活障害保障型定期保険に特有の役割〉

  1. 赤字のリスクに備える(資金繰り)
  2. 経営者に万一があった場合の業績悪化に備える(事業保障)
  3. 後継者に株式を引き継ぐ時の相続税・贈与税の対策(事業承継対策)

それぞれについて説明していきます。

2.1.他の全額損金の保険と共通する役割

まず、他の「災害保障重視型」等の全額損金の保険と共通する役割についてお伝えします。

2.1.1.退職金等の資金を効率よく積み立てる

生活障害保障型定期保険は、良いタイミングで解約すると保険料総額の80%台前後の解約返戻金が受け取れるので、これを退職金等の資金に充てることができます。

たとえば保険料年500万円、10年後の返戻率80%だとすると、解約すると4,000万円が返ってきます。これは保険料総額5,000万円と比べて1,000万円少ない額です。

しかし、それまで保険料全額を損金に算入して1,500万円(法人実効税率30%で計算)の税金を支払わなくて済んだことを考えると、保険に加入しなかった場合と比べて、500万円多く積み立てることができた計算になります。

なお、生活障害保障型定期保険は加入年齢が20代~30代だと解約返戻金の返戻率が高く、最高で90%前後にもなります。なので、たとえば、50代~60代の経営者が、自分の退職金を積み立てるために20代~30代の役員にかける方法もあります。

ただし、もし、税金を抑えることと退職金等の資金の積立だけを考えるならば、他の「災害保障重視型」等の全額損金の保険の方が返戻率が高いので、そちらを選ぶことをおすすめします。

生活障害保障型定期保険に加入するメリットは、それ以外にも3つの役割を果たしてくれるからです。次に詳しくお伝えします。

2.2.生活障害保障型定期保険に特有の役割

生活障害保障型定期保険には、以下のような特有の役割があります。

  1. 赤字のリスクに備える(資金繰り)
  2. 経営者に万一があった場合の業績悪化に備える(事業保障)
  3. 後継者に株式を引き継ぐ時の相続税・贈与税の対策(事業承継対策)

これらの役割を重視するならば、返戻率の多少の低さに目をつぶっても、生活障害保障型定期保険を選ぶことをおすすめします。

それぞれについて説明します。

2.2.1.赤字のリスクに備える(資金繰り)

生活障害保障保険は、退職金の積立と同時に、赤字のリスクに備えるのにも役立ちます。

黒字の時は保険料を全額損金に算入して税金を抑えることができ、赤字の時は解約すれば解約返戻金が全額益金になって赤字をカバーできるので、会社の資金繰りに役立つのです。

生活障害保障型定期保険は、解約返戻金の返戻率が高い期間が長めで、3年後~20年後くらいまで続きます。もしその間に赤字の年度があれば、その都度、一部解約して取り崩し、赤字を穴埋めすることができます。

2.2.2.経営者に万一があった場合の業績悪化に備える

全額損金の保険は、税金を抑える効果や、返戻率の高さに目がいきがちですが、経営者に万一があった時に会社を守る事業保障の役割も大切です。

あってはならないことですが、もし経営者に万一があった場合、会社の業績が悪化するリスクがあります。そうなれば、残された後継者や従業員は、借入金の返済に苦しみ、運転資金が足りなくなるといったリスクがあります。

そんな時、会社が保険金を受け取れれば、リスクを防ぐことができます。

そして、生活障害保障型定期保険は、全額損金の保険の中で、最もその役割が大きいのです。死亡の場合は原因を問わず、会社は保険金を受け取れますし、死亡せず重篤な状態に陥った場合でも保険金が受け取れるのです。

これに対し、他の全額損金の保険だと、返戻率は高めですが、その代わり、会社が保険金を受け取れるのは災害死亡の場合に限られてしまいます。なので、もし、事業保障が必要だとお考えであれば、生活障害保障型定期保険が有効な選択肢です。

2.2.3.後継者に株式を引き継ぐ時の相続税・贈与税の対策(事業承継対策)

最後に、生活障害保障型定期保険は、会社の経営を後継者に引き継ぐ時に、後継者の相続税等の負担を抑えるのにも役立ちます。

大きく分けて以下の2つです。

  • 後継者にかかる相続税を抑えてあげる
  • 後継者の相続税の納税資金を準備してあげる
■後継者にかかる相続税を抑えてあげる

株式は資産ですので、評価額が高いと、後継者は、株式を引き継ぐ際に相続税・贈与税をたくさん支払わなければなりません。

その点、生活障害保障型定期保険は、保険料の全額が損金に算入されますので、加入して毎年保険料を支払っていけばそれだけ会社の資産の価値が低くなり、株式の評価額が引き下げられます。その結果、相続税・贈与税を抑えることができます。

たとえば保険料年500万円を10年間支払えば、総額で5,000万円の利益を抑えることができますので、その分、株式の評価額を引き下げることができるのです。

■後継者の相続税の納税資金を準備してあげる

ただし、株式の評価額が十分に引き下げられる前に経営者に万一のことが起きてしまう可能性があります。

そうなれば、後継者は急きょ株式を引き継がなければならないため、高額な相続税を支払うハメになります。

この場合、会社が後継者から株式を買い取ってあげる方法があります。そうすれば、後継者は、その代金で相続税を支払うことができます。

ただし、そのためには会社に配当可能な利益と、十分なキャッシュがなければなりません。

その点、もし生活障害保障型定期保険に加入していれば、会社は、経営者の死亡原因を問わず死亡保険金を受け取れますので、そのお金で後継者から株式を買い取ってあげられます。

これに対し、他の全額損金の保険だと、災害による死亡の場合しか保険金を満額受け取れません。なので、後継者から株式を買い取る資金を十分に用意できないリスクがあります。

後継者に自社株を引き継ぐ時のことを考えると、死亡保障をきっちり確保しておくことが必要です。生活障害保障型定期保険はそのために役立つ保険です。

まとめ

生活障害保障型定期保険には、他の「災害保障重点型」等の全額損金の保険にはない役割があります。

特に、保障の範囲、つまり保険金を受け取れるケースの範囲が広いので、経営者に万一があった場合の経営危機にきちんと備えることができます。

また、後継者が自社株式を引き継ぐ時の相続税・贈与税の負担を和らげてあげられるという効果があります。

最近、全額損金の保険が人気ですが、活用を考える際には、こういった生活障害保障型定期保険の役割を踏まえ、ベストな選択をしていただきたいと思います。

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出岡 大作

出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や法律といった分野から、自然科学の分野まで、幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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