不動産を活用した相続対策とは?
相続対策は、以下の3つに分けられます。
- 相続税の負担を軽くしてあげる(相続税の負担軽減)
- 遺産をめぐる紛争を防ぐ(相続人間の公平)
- 相続税の負担に苦しまないよう準備してあげる(相続税の納税資金準備)
そこで、今、最もおすすめできる方法が、不動産を活用した相続対策です。
考えられる方法は以下の通りです。
- 区分所有1棟マンション
- 不動産小口化商品
- 沖縄軍用地投資
いずれも、相続をめぐる3つの問題に対処でき、かつ、安定的な収益も得られる方法です。
それぞれについて、相続対策のメリット、収益性とリスクに分けて簡単に説明します。
しくみ1|不動産小口化商品を活用する方法
特定の不動産を100万円~1,000万円程度の金額に小口化したものを自ら所有する方法です。
(1)相続税の負担軽減
不動産(土地・建物)の相続税評価額は「路線価」「固定資産税評価額」で計算される上、土地について「小規模宅地等の特例」が適用されるため、相続税評価額が80%程度抑えられます。
(2)相続争いの予防
予め複数口に細分化されており、かつ、価値が均質化されているため、相続人間の遺産分割の際に公平に分けやすく、相続争いを予防するのに役立ちます。
(3)相続税の納税資金準備
1口あたりの額が数万円~1,000円程度に細分化されているため、必要な口数のみ売却して、その代金を相続税の納税資金に充てることができます。
しくみ2|区分登記1棟マンションを活用する方法
投資マンションを1棟購入し、各住戸ごとにそれぞれ所有権の登記(区分所有登記)をしておく方法です。
(1)相続税の負担軽減
不動産(土地・建物)の評価額は、実際の取引価格よりも低く、また、土地は「小規模宅地等の特例」により評価額がさらに抑えられます。
その結果、相続税評価額が80%程度抑えられます。
(2)相続争いの予防
各住戸ごとに区分所有登記がされているため、相続人間の遺産分割をスムーズに行うことができます。
(3)相続税の納税資金準備
各住戸ごとに区分所有登記がされているため、必要な戸数のみ売却して、その代金を相続税の納税資金に充てられます。
しくみ3|沖縄軍用地投資
沖縄軍用地は、沖縄県内の自衛隊基地や米軍基地内の土地です。沖縄県の面積の約8%を占めています。
日本国が所有者から賃借し、それを在日米軍や自衛隊に利用させる形をとっています。
1物件あたりの価格は数百万円~1,000万円程度です。
(1)相続税の負担軽減
軍用地は地目が「雑種地」に分類されるため、相続税評価額が購入金額の約30%にまで圧縮されます。
したがって、軍用地を所有することで、相続税の負担を抑えることができます。
なお、貸出地なので、固定資産税も40%減になります(一部の軍用地は固定資産税が免税となっています)。
(2)相続争いの予防
複数の物件を保有すれば、相続人に公平に分けやすく、相続争いを予防するのに役立ちます。
(3)相続税の納税資金準備
沖縄軍用地は安定的な収益が見込まれる上、リスクが低く、相続対策にもなる資産として大変人気があります。
したがって、売却しようとすればすぐ買い手がつき、売却代金を相続税の納税資金に充てることができます。