少額短期保険という聞きなれない保険があります。保障内容は生命保険、損害保険と共通するものがありますが、保険期間、保険金額、取り扱う業者等について、独特のルールがあります。
この記事では、少額短期保険について、基本的な特徴、加入する前に気をつけておきたいポイント、3つの活用法を説明します。
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はじめに|少額短期保険とは?
少額短期保険とは、「保険金額が少額で保険期間が1年以内の保険の種類」のことをいいます。
この少額短期保険を扱うのは「少額短期保険業者」です。この少額短期保険業者は財務局の管轄になりますが、金融庁がまとめたリスト(「少額短期保険業者登録一覧(令和3年(2021年)4月8日現在)」)によれば109の事業者が登録されています。
1.少額短期保険の特徴とは?
少額短期保険は、保険料が少額で保険期間が短いという特徴があります。そのため、生命保険、損害保険と比べて気軽に加入することができます。
少額短期保険の特徴は以下の通りです。
特徴1|ユニークな商品がたくさんある
「ペット保険」は既にご存知の方も多いと思いますが、山岳保険の「レスキュー保険」や「葬儀費用保険」「弔慰金・見舞金保険」「家財保険」「シニア保険」「外国人向け医療保険・生命保険」…などなどユニークでバラエティーに富んだ商品が揃っています。
これまでにない新しいタイプの保険が次々に発売されているのです。
特徴2|保障が少額
少額短期保険の保障額は1人の被保険者につき総額1,000万円までと、普通の保険に比べて少額となっています。
また、少額短期保険の保険金限度額は以下の通りです。
- 疾病による重度障害・死亡:300万円以下
- 疾病・障害による入院給付金等:80万円以下
- 障害による重度障害・死亡:600万円以下
- 損害保険:1,000万円以下
特徴3|見直しがしやすい
少額短期保険の保険期間は、死亡保障や医療保障など生命保険分野の場合は1年更新で、家財保障など損害保険分野の場合は2年更新となっています。
短期間の利用はもちろん、毎年こまめに見直しをして継続することができます。
2.少額短期保険の商品の種類
少額短期保険と普通の保険会社の保険商品にどのような違いがあるのか、見ていきましょう。現在、少額短期保険の保険商品として登録してある商品は、以下の通りです。
- ペット保険
- 地震費用保険
- 賃貸入居者用家財保険・借家人賠償責任保険・個人賠償責任保険
- 生命保険
- 医療保険
- 傷害保険
- 弔慰金・見舞金
少額短期保険には、一般の生命保険や医療保険、損害保険ではカバーできない部分を補う商品も用意されています。
たとえば、通常は虫歯の治療をしても医療保険で給付を受けることができませんが、少額短期保険なら虫歯の治療費を保障してくれる商品もあります。
虫歯をカバーした医療保障もつけたいという方には、通常の医療保険にプラスでその少額短期保険を組み合わせることもできます。
また、少額短期保険の中には、糖尿病患者に特化した医療保険もあります。
このように、通常の保険と少額短期保険は優劣がつけられません。その人の目的や状況に応じて選択していくのがおすすめです。
3.少額短期保険を契約する前に確認しておきたいポイント
少額短期保険への加入を考える場合、確認しておきたいポイントが3つあります。
第一に、保険期間が短く、掛け捨てで貯蓄性がないということです。
第二に、保障が少額のみなので、多くの死亡保障をつけることができません。したがって、扶養家族が多い方やそれぞれのライフステージによってはおすすめできないこともあります。
第三に、生命保険契約者保護機構の対象外であり、保険事業者が破綻しても何の保障もされないということになります。不安がないとは言い切れません。
まとめ|少額短期保険の活用法
ここまでお伝えしてきたように、少額短期保険は、生命保険会社・損害保険会社が扱う保険とさまざまな面で違います。それらの特徴を理解した上で、以下の場合に活用することをおすすめします。
- 最低限の保障で保険料を抑えたい時
- 保険や共済などにプラスして保障を充実させたい時
- 少額短期保険の業者しか取り扱いがない保険商品がある時(ペット保険など)