自動車保険の名義変更と等級の引継ぎ

公開 2024年12月20日更新 2025年2月19日
自動車保険の名義変更と等級の引継ぎ
自動車保険の名義変更と等級の引継ぎ

自動車保険には「契約者」「記名被保険者」「車両所有者」の3つの名義があり、それぞれ意味・役割が異なっています。

そのため、必要に応じて、それらの名義を変えなくてはなりません。

また、特に記名被保険者の名義変更の場合、自動車保険の割引率を示す等級を、引き継ぐことができる場合とできない場合があります。

この記事では、自動車保険の名義変更の概要、記名被保険者の変更の際に自動車保険の有利な等級の引継ぎが認められる条件等について解説しています。

1.自動車保険の「名義」には3つある

自動車保険の「名義」は以下の3つです。

名義の種類 概要
契約者 自動車保険を申し込み、保険料を支払う者。

契約の変更や解約を行う権利を持つ他、契約内容の変更があった場合に通知義務、告知義務を負う。

記名被保険者 補償対象の自動車を主として運転する者。

保険証券に「被保険者」として記載され、補償を受ける中心的な存在となる。契約者と同じく、告知義務・通知義務を負う。

車両所有者 原則:補償対象の自動車の車検証に「所有者」として記載されている者。

例外:ローンで購入した自動車の場合は「使用者」欄に記載されている者

このように、名義によって役割が異なっており、名義変更をする意味もそれぞれ違っています。

2.自動車保険の名義変更が必要な場合

自動車保険の名義変更が必要となる主なケースは、以下の通りです。

●自動車保険の支払いや管理をする人が変わった時

自動車保険の保険料を支払う人を変更する場合や、契約者が死亡した場合は、「契約者」を変更する手続を行います。

同じタイミングで自動車を運転する人や所有者が変わったら、「記名被保険者」「車両所有者」も変更します。

●自動車の運転者が変わった時

たとえば、自動車を運転していた父親が高齢でその自動車を運転しなくなり、別の家族が引き継いだ場合は、自動車の運転者が変わるので、「記名被保険者」の変更を行います。

また、同じタイミングで保険料を支払う人が変わったら「契約者」、自動車の所有者名義が変わったら「車両所有者」の名義も変更します。

●自動車の名義変更を行った時

子や配偶者に自動車を譲ったり、結婚で姓が変わったりすると、自動車の名義変更を行うことになります。

その際には、自動車保険の「車両所有者」を変更する必要があります。

同じタイミングで保険料を支払う人が変わったら「契約者」、運転する人が変わったら「記名被保険者」も変更します。

「契約者」「記名被保険者」「車両所有者」が同一人物であることも多いので、その場合は同時に変更することになります。

3.自動車保険の名義変更の最も大きなメリットは「等級」の引継ぎ

自動車保険の名義を変更するにあたって、最も大きなメリットとして挙げられるのは、高い「等級」を引き継げることです。

等級とは、保険料の割引率を決める区分を指します。詳しくは「自動車保険の等級で知っておきたいことまとめ」で解説しています。

交通事故を起こさず、あるいは自動車保険を使わずに済ませていると、翌年度の等級が上がり、保険料の割引率が高くなるのです。

そして、以下の場合、等級の引継ぎが認められます。

  • 記名被保険者の名義を「配偶者」に変更する場合
  • 記名被保険者の名義を「本人あるいは配偶者が同居する親族」に変更する場合

配偶者に関しては、別居中でも名義変更によって等級の引継ぎが可能です。

これに対し、子でも、独立して別居している場合は、記名被保険者を子へ変更しても、等級は引き継げません。

また、以下の2つの条件を両方みたす場合にも、等級の引継ぎを行うことができません。

  • 名義変更を受ける者が過去13ヶ月以内に自動車保険に加入していたことがある
  • その時の等級が1等級~5等級だった

このような場合は、有利な等級を引き継がせるべきではないと考えられているのです。

4.名義変更の方法

自動車保険の名義変更をする際には、保険会社へ連絡してその旨を伝えましょう。

手続に必要となる書類は、契約者・記名被保険者・車両所有者いずれの名義を変更するかによって異なります。

保険会社の指示に従い、書類を揃えて提出してください。

5.【参考】自動車保険の「中断証明書」を取得した方がよい場合

たとえば、高齢で自動車を運転しなくなったり、事情により自動車を手放したりなどして、等級が高く割引率が高かった自動車保険を解約することがあります。

この場合、もし、同居の家族や配偶者が近い将来に自動車を運転することになるのであれば、高い等級を引き継がせる方法があります。

それは、自動車保険を解約せず「中断証明書」を取得することです。

そうすれば、自動車保険の契約が不要になった場合に、最長で10年間、契約を中断することができます。

10年以内であれば、中断前の等級を同居の家族や配偶者が引き継ぐことができます。

まとめ

自動車保険の名義には、保険料の支払いを行う「契約者」、補償対象の自動車を運転する「記名被保険者」、自動車の所有者を示す「車両所有者」の3つがあります。

これらの名義は、必要に応じて適宜変更しないと補償を受けられなくなってしまう可能性があるので、速やかに対応するようにしましょう。

記名被保険者を配偶者か同居の親族に変更する際、自動車保険の等級が高ければ、原則として、同時に引き継がせることができます。

ただし、その親族や配偶者が、自動車保険の満期を迎えたか解約したのが過去13ヵ月以内で、なおかつその時の等級が1~5等級であった場合は、引き継げません。

高齢で自動車を運転しなくなる場合や、自動車を手放す場合、自動車保険を解約せず、「中断証明書」を取得すると、最長10年間中断でき、その間に配偶者や同居の親族に有利な等級を引き継がせることができます。


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