次のようなことでお悩みではありませんか?
・自分にピッタリの保険を選んで加入したい
・現在加入中の保険の内容で大丈夫か確認したい
・保険料を節約したい
・どんな保険に加入すればいいのか分からない
もしも、保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
自動車保険を契約するのにあたって、等級は必ず把握しておくべき知識です。自動車保険の保険料が高くなるのも安くなるのも、等級が大きく影響します。
とはいえ、等級制度は様々なルールによって構成されているため、すぐに理解するのは難しいかもしれません。
この記事では、等級制度について一つずつひも解いて分かりやすく解説しています。
保険の教科書 編集部
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目次
自動車保険の等級とは、自動車保険契約後に交通事故を起こさず過ごしたことで適用される保険料の割引(割増)率を定めた区分のことです。
自動車保険において、契約後に交通事故を起こし保険金を得た人と無事故で過ごした人との間で、保険料負担の公平性を保つために定められています。
自動車保険を契約後に交通事故を起こさずに過ごしている契約者は、交通事故を起こして保険金を入手した人と比べて保険料を安くするべき、ということです。
等級は契約者の状況に応じて1~20等級(一部共済では22等級)までに区分され、より数字が大きい方が割引率は高くなります。
契約時は、6等級からスタートします。
なお等級が適用されるのは、契約者の自動車の所有台数が最大9台までの「ノンフリート契約」に対してです。
法人が契約者の場合によく利用される所有台数が10台以上の「フリート契約」には適用されません。
それでは等級によって保険料はどのくらい割引(割増)になるのでしょうか。
割引率(割増率)は保険会社ごとに異なりますが、ここでは参考までにA損保の割引率(割増率)を紹介します。
等級 | 無事故 | 事故有 |
20 | 63%割引 | 44%割引 |
19 | 55%割引 | 42%割引 |
18 | 54%割引 | 40%割引 |
17 | 53%割引 | 38%割引 |
16 | 52%割引 | 36%割引 |
15 | 51%割引 | 33%割引 |
14 | 50%割引 | 31%割引 |
13 | 49%割引 | 29%割引 |
12 | 48%割引 | 27%割引 |
11 | 47%割引 | 25%割引 |
10 | 45%割引 | 23%割引 |
9 | 43%割引 | 22%割引 |
8 | 40%割引 | 21%割引 |
7 | 30%割引 | 20%割引 |
6 | 19%割引 | 19%割引 |
5 | 13%割引 | 13%割引 |
4 | 2%割引 | 2%割引 |
3 | 12%割増 | 12%割増 |
2 | 28%割増 | 28%割増 |
1 | 64%割増 | 64%割増 |
この表において「事故有」とは、自動車保険で保険金を受け取った(=交通事故を起こした)経験がある場合に、適用される割引率(割増率)をさします。
同じ等級でも交通事故を起こした経験がある場合は、割引率が落ちるということです(いつまで「事故有」の割引率(割増率)が適用されるかは後で改めてお伝えします)。
また、この表を見て分かるように、割引率が最大(63%割引)の場合と割増率が最大(64%割増)の場合で、保険料に127%もの開きがあります。
仮に割引率0%の保険料が月額5,000円だとすると、割引率63%なら月額1,850円、割増率64%なら月額8,200円となり、4倍以上も保険料の開きが出る計算です。
自動車保険の保険料について、等級がどれだけ大きく影響するかはご理解いただけたと思います。
それでは等級はどんな要因で上がったり下がったりするのでしょうか。
以下、条件を一つずつ、それぞれ簡単に解説します。
まず前提として、自動車保険を初めて契約するときは「6等級」からのスタートとなります。
そうして、これから紹介する条件に従い1年毎に等級が更新されます。
以下、どんな条件で等級が変更されるかみていきましょう。
自動車を2台以上購入した場合、1台ごとに自動車保険の契約を追加することになります。
そうして2台目以降は6等級ではなく、7等級からのスタートとなります。
自動車保険を契約して1年間無事故で過ごすと、翌年度に等級が1つあがります。
たとえば初年度に6等級からはじまり、1年間交通事故を起こさなければ翌年度には7等級になるわけです。
自動車保険の等級は、交通事故を起こすと1回につき翌年度に最大3等級ダウンします。
たとえば初年度に6等級から開始され、その年に交通事故を1回起こすと、翌年度は最大で3等級ダウンして3等級となる可能性があるのです。
なお「1度の事故で最大3等級」ですから、3等級落ちる事故を1年間に2回起こしてしまった場合には、3等級×2回=6等級ダウンすることになります。
交通事故の種類ごとに下がる等級数は以下のとおりです。
交通事故の種類 | 内容 | 翌年度に下がる等級数 |
3等級ダウン事故 | 以下に該当する交通事故を起こし、保険金を受け取った場合
|
1回の事故につき3等級下がる |
1等級ダウン事故 | 以下に該当するケースで、保険金を受け取った場合
|
1回の事故につき1等級下がる |
ノーカウント事故 | 交通事故を起こし、自分や家族が怪我をしたものの、他人に損害を与えたり乗っていた自動車が傷ついたりはしなかった場合など | 等級はさがらない(翌年度は1等級あがる) |
上記で等級ごとの割引率(割増率)を紹介したときに、「交通事故の経験があると、『事故有』の扱いになる」と解説しました。
そうして「事故有」の扱いになるのは、前年度に上記表の「3等級ダウン事故」を起こした場合は翌年度から3年間、「1等級ダウン事故」を起こした場合は翌年度から1年間です。
等級ごとの割引率や等級が上下する要因は以上の通りですが、その他に、知っておきたい注意点をまとめて紹介します。
交通事故を起こして、翌年度の自動車保険の等級が下がってしまったことをきっかけに、「他の保険会社に乗り換えて、改めて6等級からスタートしたい」と考える人もいるでしょう。
しかし、他の保険会社へ乗り換えたとしても等級がリセットされることはありません。前の保険会社で設定されていた等級が引き継がれることになります。
これは、日本損害保険協会を通じ、等級の情報が保険会社間で共有されているためです。
ただし、現在の自動車保険の契約を解約して、年数が経ってから再契約する場合は扱いが違います。後で改めてお伝えします。
自動車保険の等級は、同居の家族が引き継ぐことができます。
たとえば、父親が老齢等の理由で自動車を運転しなくなった場合、同居の子が父親の自動車保険を引き継ぐと、その等級を引き継ぐことができます。
なお、この条件はあくまで同居の家族が対象なので、別居している家族には原則として適用されません。ただし、配偶者が相手であれば、別居でも引き継ぐことはできます。
自動車を手放すことになったりして自動車保険を解約することになった場合、これまでの等級はどうなるか気になるところです。
前述のとおり、自動車保険を初めて契約するときは6等級から始まるので、7等級以上であれば、将来再び自動車保険に加入することになったら等級を引き継ぎたいと考えるでしょう。
逆に、保険料が高くなる1~5等級なら、「解約したら等級をリセットして、再契約の際には6等級からはじめたい」と思うのではないでしょうか。
実は、解約した場合の扱いは等級によって異なります。以下、解説します。
現在の自動車保険の等級が7等級以上の場合、解約日の翌日から7日以内に別の自動車保険の契約が開始されていないと、原則として、等級はリセットされます。
もし、将来また自動車を使用することになって、自動車保険を再契約する意志があるなら、割引率のよい7等級以上の等級がリセットされるのはもったいないです。
そこで、解約の時に自動車保険に「中断証明書」を発行してもらえば、改めて自動車保険に加入しても、10年間は以前解約した時点の等級を引き継ぐことができます。
また中断証明書は、配偶者や同居の家族も利用することができます。
たとえば老齢で自動車を手放し自動車保険を解約する際に中断証明書の発行を受けておいて、3年後に同居の孫が自動車を購入して自動車保険に加入して等級を引き継ぐことができます。
交通事故を起こすなどして1等級~5等級となっている場合、解約後に改めて自動車保険を契約する際は等級を引き継ぎたくないと考えるでしょう。
しかし1等級~5等級の場合、前契約の満期日もしくは解約日から13ヵ月以内は、等級はリセットされません。
この期間内に自動車保険を契約すると、前契約の等級が引き継がれます。
逆に言えば、リセットされてから自動車保険を契約すれば、6等級からのスタートになります。
現在の自動車保険で6等級の場合、一旦解約して後で自動車保険を再契約することになっても、再び6等級からの開始となるだけです。
自動車保険の等級が分からない場合は、保険証券で確認することができます。
保険証券には、契約内容や保険金の支払い条件などに加え、自動車保険の等級も記載されています。
また、保険会社、契約内容によっては、保険証券を印刷物して発行せず、インターネット上のマイページで確認できるようになっていることもあります。
自動車保険に加入して交通事故を起こさずに過ごすと、1年毎に等級が1つ上がり、保険料の割引率がアップしていきます。
一方で、1度でも人をケガさせたり物を壊したりすると1回につき等級が翌年度には3つ下がってしまい、元の等級に戻るのに3年もかかってしまいます。
等級が下がると、保険料の割引率がなくなるどころか割増になってしまうので、安全運転を心がけるようにしましょう。
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