軽自動車の自動車保険とは?補償内容と保険料の特徴

公開 2024年7月18日
軽自動車の自動車保険とは?補償内容と保険料の特徴
軽自動車の自動車保険とは?補償内容と保険料の特徴

自動車保険には、車の所有者全員に加入義務がある自賠責保険と、加入が自由な任意保険の2種類があります。

自賠責保険は補償される金額が決まっており、しかも、補償対象が対人のみで自身や物損については補償されないため、万一の備えとしては心もとないと言わざるを得ません。

任意保険では、自分自身や車などの物損に対する補償も付けられるため、自賠責保険の補償内容をカバーすることができます。

そんな任意保険ですが、軽自動車では車検費用や各種税金などの維持費が普通自動車と比べて割安であることから、任意保険の保険料も普通自動車より軽自動車の方が安いというイメージを持っている人が多いようです。

実際のところ、どうなのでしょうか。

今回は軽自動車における任意保険料について、普通自動車と比較し、どの程度差があるのかを見ていきます。

1.軽自動車の任意保険は割安になりやすい

実際のところ、軽自動車は普通自動車と比べ、任意保険の保険料が割安になる傾向があります。

その理由として考えられるのが、以下の2つです。

  • 普通自動車に比べ事故率が低い
  • 事故発生時に相手に与える被害が少ない

まず、軽自動車は車体や馬力が小さく、安全運転する人が選ぶことが多いので、交通事故の発生率が少ない傾向があります。

もう一つ、軽自動車は規格が小さくて軽量で、事故発生時に相手に与える被害が少ないことが挙げられます。

これらのことから、多額の保険金を支払うリスクが普通自動車よりは少ないため、軽自動車の任意保険料は割安になりやすいのです。

2.自動車保険の任意保険とは

ここで、自動車保険の任意保険とは何なのかについておさらいしておきましょう。

自動車保険には自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険があり、自動車の購入時には自賠責保険への加入義務があります。

もし自賠責保険に加入していないと、車検に通りません。

これに対し、任意保険は加入が義務付けられていない保険であり、加入していなくても何かペナルティがあるわけではありません(ただし加入しておかないといざという時に大変なことになります)。

自賠責保険と任意保険では補償内容に大きな違いがあり、任意保険は自賠責保険の補償内容をカバーする保険になっています。

2.1.任意保険の補償対象について

自賠責保険の補償対象は「対人」に限ります。

つまり、補償されるのは相手が死傷した場合のみであり、自身や同乗者が死傷した場合の補償や、事故で損壊した自動車等の対物の補償はありません。

自動車保険の任意保険は、そのような自賠責保険で補償されない範囲をカバーしてくれます。

任意保険の補償範囲は、以下の3種類に分類することが可能です。

  • 相手方を死傷させた場合の損害賠償金等をカバーする保険
  • 自分や同乗者が死傷した場合をカバーする保険
  • 自分の自動車の損害をカバーする保険(車両保険)

上記の3種類の中に、様々な補償が用意されています。

それぞれ見ていきましょう。

①相手方を死傷させた場合の損害賠償金等をカバーする保険

対人賠償保険

自動車事故で他者に損害を与えてしまった場合の損害賠償金が、強制保険の補償額を超えてしまった際に、超過した部分を補償してくれるものです。

衝突事故で相手方にケガ人が出てしまった場合や、歩行者にぶつかってケガをさせてしまった場合などに備えることができます。

対物賠償保険

他人が持っている財産に対し、車で損害を与えてしまった場合の賠償金を補償してくれます。

例えば車同士の衝突事故で相手方の自動車や積載物を破損させてしまった場合や、他人の家の塀やガードレールなどに突っ込んでしまい、損壊させてしまった場合などに備えることができます。

詳しくは「対物賠償保険とは?補償範囲と補償内容」をご覧ください。

②自分や同乗者が死傷した場合をカバーする保険

人身傷害保険

人身傷害保険は、自動車事故によって自分や同乗者が死傷した場合、治療費や死亡保険金などを補償してくれるものです。

車同士の衝突事故で自分や同乗者がケガをしてしまった場合はもちろんですが、契約内容によっては自分や家族が歩行中に車にはねられてケガをしてしまった場合にも対応してくれる保険です。

基本的に自動車事故では、自身や同乗者のケガや後遺症について、相手方から損害賠償金を受け取ることができます。

ただし、損害賠償として請求できるのは、相手の過失割合の分のみです。

過失割合とは、事故が起きた際に、自分が原因である割合と相手が原因である割合を、過去の裁判例等から割り出したものになります。

事故時に相手の過失割合の分しか損害賠償を請求できないということは、もし自身や同乗者が大きなケガをした場合や後遺症を残してしまった場合でも、治療するのに十分な賠償金を受け取れない可能性があるということです。

人身傷害保険は、そういった場合に足りないお金、つまり、損害額のうち自分の過失割合にあたる額をカバーしてくれる保険になっています。

受け取れる保険金の額は最低3,000万円から設定できます。

詳しくは「人身傷害保険とは?補償内容と必要性と保険金額の決め方」をご覧ください。

搭乗者傷害保険

自動車事故によって自分や同乗者が死傷した際に、あらかじめ定めておいた金額の保険金が支払われます。

損害の内容によって保険金が決まるのではなく、決まった金額を受け取ることが出来るのが特徴です。

人身傷害保険と似ていますが、人身傷害保険は事故の全貌が分からないと保険金が受け取れないのに対し、搭乗者傷害保険は事故の発生後すぐに受け取ることができます。

ただし、既に生命保険、医療保険、傷害保険等に加入している場合は、加入する必要性は低いと言えます。

詳しくは「搭乗者傷害保険とはどんな保険?人身傷害保険との違いは?」をご覧ください。

無保険車傷害特約

任意保険に加入していない自動車や、損害賠償能力が不十分な自動車との事故で、自分や同乗者が死亡した場合と、後遺障害を負ってしまった場合を補償してくれます。

相手方が任意保険に入っていない場合に補償を受けられるのが特徴です。

自損事故傷害特約

自動的に附帯されていることが多い特約で、自損事故・単独事故で、運転者や同乗者などが死傷し、自賠責保険の補償が受けられない場合に保険金が支払われます。

例として挙げられるのは、前方不注意やスピード超過などで、他人の家の塀やガードレールなどに突っ込んでしまった場合などです。

基本的には人身傷害保険と補償範囲がかぶっており、かつ保険金額も限られているので、人身傷害保険に加入していれば必要ないと思われるかもしれません。

しかし、かなり限定的な場合ですが、自損事故傷害特約でないと補償されないケースもあります。

たとえば、実際にあった事故なのですが、自動車を降りて前方にあるバイクに乗り換えて発車しようとしたら、自動車のサイドブレーキをかけ忘れており、自動車とバイクが衝突してケガをしてしまったケースです。この場合、人身傷害保険の対象とならず、自損事故傷害特約でしか補償されません。

③自分の自動車の損害をカバーする保険(車両保険)

車両保険は、自分の自動車が事故で損傷したり、盗難被害に遭ったりした場合に保険金を受け取れるものです。

車同士の衝突事故や自損事故はもちろん、当て逃げ、いたずら傷、盗難等の人災の他、暴風雨や積雪などの自然災害による損害も補償されます。

3.保有台数が10台以上であればフリート契約で任意保険料を安くできる

軽自動車の方が普通自動車より任意保険料が安くなる傾向があることが分かりましたが、もし法人が社用車を購入する場合など、まとめて複数台自動車を購入する際には、更に割安な保険料で任意保険に加入できる可能性があります。

実は、自動車保険の契約は総契約台数に応じて、ノンフリート契約・ミニフリート契約・フリート契約に区分されています。

この内、ミニフリート契約とフリート契約は保険料の割引を受けることができるのです。

それぞれ見ていきましょう。

3.1.フリート契約は法人向けの契約

フリート契約は10台以上の自動車を保有している場合の契約です。

フリート契約では、車両単位でなく、契約者単位で総合的に保険料が計算され、等級によって最大70%~80%の割引を受けることができます。

また、「契約車両を追加しても、他の自動車と同じ割引率が適用される」という特徴があり、自動車を多く使う場合は大きなメリットになり得ます。

ただし、もし契約中の自動車が事故を起こした場合、全体の等級が下がってしまい、翌年以降の保険料がかえって上がってしまうことがあります。

保険契約者単位で契約しているため、たとえ保有している自動車の内、1台しか事故を起こしていないとしても、全体の保険料が上がってしまうことがあるのです。

詳しくは「自動車のフリート契約とは?メリットと3つの注意点」をご覧ください。

3.2.ミニフリート契約は手続きが楽

ミニフリート契約は、一部の保険会社が用意している契約方法で、2台~9台の車を保有している場合に契約が可能です。

1枚の保険証券で複数の車を一括管理できるため、手続きや管理が楽なのが特徴です。

割引率についてはノンフリート契約と同様なものが適用され、フリート契約ほどではないですが保有台数に応じた割引を受けることができます。

また、フリート契約のように保険契約者単位で契約するわけではないので、1台ずつに希望の補償内容が設定できるのも特徴です。

まとめ

軽自動車の自動車保険は、事故率の少なさや、軽量であるが故の事故時の影響の小ささから、普通自動車より任意保険の保険料が安くなる傾向があります。

法人の場合は、フリート契約やミニフリート契約を活用することで、大きな割引を受けられる可能性があります。


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