自動車のフリート契約とは?メリットと3つの注意点

「フリート契約」は、10台以上の自動車を対象として自動車保険に加入する場合、自動的に、1台ごとではなく全車一括して契約するという契約方法です。

フリート契約には、事務の効率化や保険料の割引等の面で、一般の自動車保険の契約(ノンフリート契約)にはないメリットがあります。ただし、事故を起こした場合、その程度によっては、かえって保険料が割高になってしまうなどの注意点があります。

この記事では、自動車保険の「フリート契約」について、一般の自動車保険契約(ノンフリート契約)と比べたメリットと、活用上の注意点についてお伝えします。是非最後までご覧いただければと思います。

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保険の教科書編集部

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1. フリート契約の3つのメリット

契約自動車台数10台以上の場合は、自動的に全てひっくるめてフリート契約となります。この場合、大きく3つのメリットを受けられるようになりますので、1つ1つご紹介していきます。

1.1. 自動車の台数が増えても自動的に補償される

フリート契約では、台数が増えると、その分も自動的に補償されるようにできています。

自動車を仕事で使用する場合、常に事故のリスクがあります。最悪の場合、数億円の損害賠償をしなければならなくなるリスクが考えられます。そういう会社にとって、1つの契約だけで全車分のリスクをしっかりと補償してもらえるのは非常に安心です。

また、保険会社にもよりますが、自動車を購入した日からの日割り計算で保険料を算出することもできます。これができれば、保険料を無駄に支払うこともないので安心です。

1.2. 保険料の割引が充実している

フリート契約の2つ目のメリットは、保険料の割引が充実しているということです。

どれぐらい割引を受けられるかお伝えしますと、ノンフリート契約の割引率が最大60~70%くらいなのに対して、フリート契約の割引率は、最大70~80%の割引率が適用されます。したがって、条件が整えばフリート契約の方が保険料が安くなります。

割引の内容は以下の通りです。

  • 台数が多いほど割引率が高い(フリート多数割引)
  • 無事故割引の割引率が高い
  • 事故を起こした車があっても割引を受けられる可能性がある

1.2.1. 台数が多いほど割引率が高い

まず、フリート契約だと、台数が多ければ多いほど、より保険料が安くなります。これを「フリート多数割引」と言います。

1.2.2. 無事故割引の割引率が高い

次に、フリート契約だと、無事故割引の割引率が一般の自動車保険契約よりも高いのです。事故を起こさなければ起こさないほど、保険料が安くなります。

1.2.3. 事故を起こした車があっても割引を受けられる可能性がある

さらに、フリート契約では、自動車1台単位ではなく、契約者単位で割引が受けられます。これは何がお得かというと、たとえば、10台のうち1台が事故を起こしたとしても、他の9台が無事故であれば、その分は割引が受けられる可能性があるということです。フリート

1.3. 保険証券を1枚にまとめられる

フリート契約には、全車両一括特約という特約があり、1社の損害保険会社で契約をする場合は、保険証券を1つにすることが可能です。

保険証券が多くなると、書類がかさばってしまい、内容もよくわからなくなってしまいます。

よって、1つの証券にまとめられるのは管理の点で非常に便利です。

2. フリート契約の3つの注意点

フリート契約には上述のように多くのメリットがありますが、注意点していただきたい点もあります。以下に、フリート契約の注意点をお伝えします。

2.1. 事故を起こすと保険料が割高になることがある

フリート契約の保険料は、事故の数ではなく、過去に支払われた保険金の額(=起こした事故の損害額)をもとに決まります。したがって、たとえ事故を起こしたのは1回であっても、損害額が多額になると、優良割引が極端に少なくなってしまいます。

そうなると、いくら保険料の割引が充実しているとは言っても、保険料がノンフリート契約よりも割高になってしまう可能性があります。

2.2. 通販系の自動車保険では扱ってもらえない場合がある

よく「ダイレクト」と言われる通販系の自動車保険がありますが、フリート契約自体を取り扱っていない場合があります。

もしも自動車9台でフリートにできない自動車保険会社に加入していて、追加で自動車を1台購入し、保険に加入する場合は、今まで続けてきた損害保険を解約して新しくフリート契約ができる自動車保険に切り替える必要が出てきてしまいます。

2.3. 自動車が9台未満になり、猶予期間をすぎるとまたノンフリートになる

自動車が10台ありフリート契約を結んでいたものの、9台に自動車が減ってしまった場合は、ノンフリート契約に移行することになります。そうなると、保険料は変更されますし、手続きの手間もかかってしまいます。

ただし、すぐにノンフリートになるわけではなく、現在の保険期間の満期までなど一定の猶予期間が設けられます。その期間内に10台にもどればそのままフリート契約を継続できます。

まとめ

10台以上に自動車保険を掛ける場合、自動的にフリート契約になります。

フリート契約の場合、後で自動車が増えるとそれも自動的に補償を受けられる上、保険料の割引が充実しています。また、場合によっては証券を1枚にできます。

しかし、その半面、事故で被害額が大きい場合には保険料負担が非常に増えてしまうことがあります。したがって、そういった事故を起こさないよう、日頃から運行管理に気を配ることが重要です。

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