自動車保険の弁護士特約とは?どんな補償をしてくれるの?

公開 2024年5月28日更新 2024年5月23日
自動車保険の弁護士特約とは?どんな補償をしてくれるの?
自動車保険の弁護士特約とは?どんな補償をしてくれるの?

自動車保険の弁護士特約は、保険契約者に過失がない「もらい事故」の際に特に役立ちます。

この記事では、自動車保険の弁護士特約の概要や補償の内容、どのくらいの保険料が必要かなど、特約をつけるか判断するのに必要な情報をまとめています。

弁護士特約をつけるか迷っている方はぜひ参考にして下さい。

1.自動車保険の弁護士特約とは?

あなたが自動車保険に加入していて、あなたの過失が原因で自動車事故を起こしてしまった場合は、保険会社が示談交渉をすることができます。

逆にあなたに責任がない、いわゆる「もらい事故」であった場合には、弁護士法の取り決めがあり保険会社が示談交渉をすることができません。

もらい事故では、あなた自身が示談交渉するか、弁護士などに依頼する必要があります。

自動車保険の弁護士特約は、こんなときに役立つ特約です。

この特約では、もらい事故の示談交渉で弁護士などに依頼してかかる費用を補償しています。

A損保の場合の補償額は以下のとおりです。

弁護士等へ委任した際の着手金・報酬金など 法律相談費用
1回の事故につき 1名ごとに300万円まで 保険期間を通じて 1名ごとに10万円まで

なお、調べた限りでは、他社の自動車保険の弁護士特約でも、補償額はA損保の場合と同様でした。

1-1.補償額例

以下、A損保などが公開している弁護士費用例を紹介します。

【参考例1】赤信号で停車中に後ろの車に追突された場合

  • A損保の提携弁護士を紹介してもらい示談交渉を実施
  • 弁護士に支払う費用として20万円を補償してもらう

【参考例2】追突事故で全治6ヵ月の怪我を負った場合

  • 追突事故を起こされ頸椎捻挫で病院に半年通うことに
  • 80万円の示談金が相手の保険会社から提示されたが、納得できず弁護士をたて示談交渉にのぞむ
  • 結果、示談金が150万円に増額された
  • 弁護士費用として38万円支払うことに

1-2.自動車事故以外の日常事故もカバーする特約もある

会社によっては弁護士特約の対象を自動車事故に限らず、日常的な事故にまで広げている場合があります。

たとえば、他人が飼っている犬に噛まれてケガをしてしまったような場合に、その示談交渉をするための弁護士費用を補償してもらうことが可能です。

A損保では、以下表にまとめたように、補償対象を「自動車事故のみ」「自動車+日常事故」とした2種類の特約を用意しています。

【特約ごとの補償対象】

自動車事故で被害者となった場合の弁護士費用など 自動車事故以外の日常事故で被害者となった場合の弁護士費用など
自動車事故のみ ○ ×
自動車+日常事故 ○ ○

弁護士費用は高額になってしまうこともありますから、もし選択肢があるならば、日常事故も補償してくれるタイプをえらぶことをおすすめします。

2.弁護士特約で覚えておきたいポイント3つ

弁護士特約の概要は理解いただけたでしょうか。

ここでは、弁護士特約を検討する上で、気になる以下3つのポイントについて1つずつ解説します。

  • 弁護士特約を利用しても保険の等級は下がらない
  • 裁判にならない場合でも利用が可能
  • 弁護士は紹介してもらうことも自分で決めることも可能

2-1.弁護士特約を利用しても保険の等級は下がらない

自動車保険に加入する方が、一番気にするのはこの点ではないでしょうか。

自分の過失で自動車事故を起こして保険を使った場合、保険の等級が下がって保険料が上がるのが一般的です。

しかし、弁護士特約の場合、この特約の補償のみ利用しても保険の等級が下がることはなく、保険料はあがりません。

安心して特約の補償を利用しましょう。

2-2.裁判にならない場合でも利用が可能

裁判までいかずに示談交渉で解決する、ということもあります。

そんな場合でも弁護士特約を利用し、弁護士へ交渉の依頼をすることは可能です。

2-3.弁護士は紹介してもらうことも自分で決めることも可能

示談交渉をする際、「知り合いの弁護士に依頼したい」と考える方もいるのではないでしょうか。

弁護士特約では、保険会社が提携する弁護士を紹介してもらえるだけでなく、自分自身で弁護士をえらぶことも可能です。

3.弁護士特約の保険料は?

A損保での弁護士特約の保険料は、保険料年間一括払いの場合で以下のとおりです。

  • 自動車事故のみ:2,240円/年
  • 自動車事故+日常事故:3,750円/年

月額になおすと200円~300円程度ですから、それほど負担は大きくないといってよいでしょう。

なお他社で契約する場合でも同程度でそれほど大きな差はありません。

4.弁護士特約はつけた方がよいか

自動車事故では、交渉が思うようにすすまないことも考えられます。

たとえば、以下のような例もありえます。

  • 追突した相手が、修理費を支払ってくれない
  • 相手側の保険会社が提示してきた賠償額に納得できない

こんなときには示談交渉をすることになりますが、素人だけで取り組むより法律の専門家である弁護士に依頼すれば心強いのは間違いないでしょう。

ただし、その弁護士費用は決して安くはありません。

弁護士報酬の目安になることもある「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」によれば、たとえば示談交渉を弁護士に依頼する場合、最初に支払う着手金だけで最低10万円(利益となる額が300万円いかならその8%)かかるとのことです。

さらに裁判に勝った際の成功報酬として裁判による利益が300万円以下ならその利益の8%(利益100万円なら報酬8万円)かかるとされています。

これだけの額となると、弁護士に依頼するのを思いとどまってしまうという方も多いのではないでしょうか。

その点、特約によって弁護士費用をまかなってくれるのは助かります。

特約の保険料自体は高くありませんから、万が一のときのためにもつけておくことをおすすめします。

いざというときに弁護士に頼みやすいことが分かっていれば、それだけでも安心ですね。

まとめ

自動車の「もらい事故」で示談交渉が必要になった際には、弁護士特約が役立ちます。

高額になることもある弁護士費用を、最大300万円まで補償してくれます。

弁護士特約の保険料も月額換算で200~300円程度と決して大きくはありませんから、迷ったら加入しておくことをおすすめします。

いざというときに、弁護士に依頼しやすいのは心強いでしょう。


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