搭乗者傷害保険とはどんな保険?人身傷害保険との違いは?

搭乗者傷害保険は自動車保険にセットできる保険の1つですが、他に似たような保険があることもあり、どんな場合にいくら受け取れるのか、分かりづらくなっています。

この記事では、搭乗者傷害保険がどんな保険かということ、どんな場合にどんな補償が行われるか、そもそも必要なのか、補償額はいくらに設定すれば良いのか、ということを、分かりやすく解説しています。

あわせて、搭乗者傷害保険とよく比較される「人身傷害保険」との違いについても簡単に解説しています。

1.搭乗者傷害保険とは?

搭乗者傷害保険とは、自動車保険で契約している自動車に搭乗中の方全員のための保険です。

自動車事故が起きた時、運転者、同乗者であれば誰でも、ケガをしたり亡くなったりしたら、あらかじめ決められた定額の保険金が支払われます。

ご参考までに、A損保の自動車保険の搭乗者傷害保険の補償内容と、保険金額をご覧ください。

保険金の名称 内容

保険金額

死亡・後遺障害保険金 搭乗者が自動車事故により、亡くなったり後遺障害を負ったりしたときに支払われる保険金 1名あたり500万円~2,000万円で決定
医療保険金 搭乗者が自動車事故により、入院・通院したときに支払われる保険金 治療日数が4日以下の場合は、1回の事故につき1万円

治療日数が5日以上の場合は1回の事故につき10万円

いくらに設定すれば良いのかは、後ほど改めてお伝えします。これから、その前提として、似たような「人身傷害保険」との違いと、そもそも搭乗者傷害保険が必要なのかについて、お伝えします。

2.よく比較される人身傷害保険との違いは?

搭乗者傷害保険と混同されやすく、よく比較される保険として人身傷害保険があります。

人身傷害保険もまた、「契約中の自動車に搭乗している方全員に対する保険」である点は同じです。

またケガをしたり亡くなったりした際に、保険金が支払われる点も共通しています。

これだけ共通している点が多いために紛らわしいわけですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

具体的には以下2つの点が異なります。

  • 補償してもらえる金額の違い
  • 保険金が支払われる早さの違い

人身傷害保険の詳細については『人身傷害保険とは?補償内容と必要性と保険金額の決め方』をご覧いただくとして、以下1つずつ解説します。

2-1.補償してもらえる金額の違い

搭乗者傷害保険では、上でお伝えしたように、死亡・後遺障害の場合、入院・通院の場合といった決まった費目について、決まった額の保険金が支払われることになります。

たとえば以下の通りです。

  • 入院・通院:4日以内1万円、5日以上10万円~100万円
  • 死亡・後遺障害:500万円

これに対し、人身傷害保険では、事故と因果関係のある損害、つまり、治療費だけでなく、精神的損害、葬祭費、さらには仕事ができず収入をえられなかったことによる休業損害(亡くなった場合は「逸失利益」)までの全額が、あらかじめ定められた金額を上限として全額支払われます。

そのため、より補償の範囲が広いのは人身傷害保険です。

2-2.保険金が支払われる早さの違い

搭乗者傷害保険では、医師の診断を受けたあと、通院・入院をした日数が5日以上経過した時点で保険金の受け取りが可能です。

一方、人身傷害保険で保険金が受け取れるのは、保険会社が損害額を確定してからなので、補償を受けられるタイミングはどうしても遅くなります。

そのため、より早く保険金が受け取れるのは搭乗者傷害保険です。ただし、これは、決定的なメリットとまでは言いにくいです。

なぜなら、人身傷害保険と搭乗者傷害保険の必要性はそれほど大きくないからです。次にお伝えします。

3.搭乗者傷害保険はいらない?

それでは、搭乗者傷害保険は必要でしょうか?

必要性を説明するのによく以下のような説明を見かけますが、私は説得力に乏しいと考えています。

「最低限、人身傷害保険だけ加入しておけば損害額全額を補償してもらえる。搭乗者傷害保険を加入することによってさらに上乗せの補償が受けられる。」

結論からお伝えすると、実は、搭乗者傷害保険の必要性はそれほど大きくありません。また、人身傷害保険と併用する必要性も低く、もし仮に加入するとしてもどちらか一方で良いと考えられます。

しかも、現在、多くの自動車保険では人身傷害保険がほぼ自動的に付帯していることが多くなっているので、その場合は、人身傷害保険で最低補償額の3,000万円に設定し、搭乗者傷害保険は付けないということで十分でしょう。

必要性が低いと考える理由は以下の2点です。

  • 自賠責保険からお金を受け取れる
  • 生命保険に加入していればある程度カバーできる

それぞれについて説明します。

3-1.自賠責保険からお金を受け取れる

まず、自動車事故によるケガ、後遺症、死亡の場合、相手方の自賠責保険からお金を受け取れます。

自賠責保険は自動車を運転する人であれば絶対に加入しているもので、「強制保険」と言われます。

この自賠責保険は、被害者の過失が70%未満だと、過失割合は考慮されず、全額受け取れます。受け取れる額は以下の通りです。

被害者が受け取れる限度額(被害者1名あたり)
傷害 120万円
後遺障害 神経系統・精神・胸腹部臓器の著しい後遺症により介護が必要な場合
・常時介護:4,000万円
・それ以外:3,000万円
上記以外:
等級により75万円(14級)~3,000万円(1級)
死亡 3,000万円

このように、被害者1人あたり、死亡の場合は3,000万円受け取れますし、後遺障害が残ってしまった場合は最大で4,000万円受け取れることになっています。

つまり、搭乗者傷害保険に加入していなくても、最終的には少なくとも、相手の過失割合分の額については、相手に損害賠償請求できるのです。

相手が自動車保険に加入していれば、基本補償として「対人賠償保険金」があり、金額は無制限となっています。なので、その分は支払ってもらえるということです。

なお、相手が無保険であるリスクはありますが、多くの損保会社ではその場合に備えて自動車保険には「無保険車傷害特約」が自動的に付いています。この特約が付いていれば、相手方が無保険でも、損害の補償を受けることができます。もしもついていない場合は必ず付けるようにしてください。

3-2.生命保険に加入していればある程度カバーできる

また、生命保険等に別途加入している場合は、そこからもお金を受け取れます。

多くの方は、何らかの保険に加入しています。死亡の場合に備えた生命保険、入院の場合に備えた医療保険、働けなくなった場合に備えた就業不能保険・所得補償保険などです。

このような保険でどの程度カバーされるのか、確認してみましょう。搭乗者傷害保険がカバーする範囲の多くが対象となっているはずです。

なお、損害保険各社が、人身傷害保険金や搭乗者傷害保険金の設定のための判断資料として、年齢・扶養家族の有無等に応じて、死亡の場合の平均的な損害額の目安等を公表していますが、あくまで一般論的なものにすぎません。

また、死亡やケガの原因は交通事故とは限りません。

人身傷害保険金や搭乗者傷害保険金の額をいくらにするか考えるよりも、生命保険等のプランを組む際に、交通事故に限らず死亡のリスクや働けなくなるリスクについて十分なシミュレーションを行うことをおすすめします。

以上、ケガ・後遺障害・死亡のリスクは、相手側の自動車保険(強制加入の自賠責保険、任意加入の自動車保険)や、自分で加入している生命保険等によってカバーできます。

これらのことを考えれば、搭乗者傷害保険は必要性が低いと言え、多くの自動車保険で最初からセットされている人身傷害保険金を3,000万円に設定しておけば足りると言って良いでしょう。

3-3.搭乗者傷害保険の加入率は低い

なお、搭乗者傷害保険の加入率はかなり低くなっています。

「損害保険料率算出機構」がまとめた「自動車保険の概況 2018年度版」(P115)によれば、人身傷害保険の普及率が68.7%と約7割に達しているのに対し、搭乗者傷害保険は26.7%と3割を切っています。

なお、人身傷害保険の普及率が高くなっていますが、それは、多くの自動車保険で、人身傷害保険が自動セットになっていることも影響していると思われます。

4.搭乗者傷害保険の保険金額はいくらに設定すればよい?

以上より、搭乗者傷害保険の必要性は高くはありませんし、人身傷害保険を付けるのであれば重ねて付けることもおすすめしません。

ただし、もし、人身傷害保険を付けずに搭乗者傷害保険を選ぶとしたら、補償額はいくらに設定すればよいでしょうか。

ケガ・後遺障害・死亡のリスクは、相手側に過失がある部分は自動車保険(強制加入の自賠責保険、任意加入の自動車保険)によりほぼカバーされます。また、自分に過失がある分についても、生命保険等に入っていればそれらによってもカバーできます。

これらのことを考えれば、搭乗者傷害保険金は、最低ラインに設定しておけば足りると言って良いでしょう。

ここで再び、A損保の自動車保険の搭乗者傷害保険の補償内容と、保険金額をご覧ください。

保険金の名称 内容

保険金額

死亡・後遺障害保険金 搭乗者が自動車事故により、亡くなったり後遺障害を負ったりしたときに支払われる保険金 1名あたり500万円~2,000万円で決定
医療保険金 搭乗者が自動車事故により、入院・通院したときに支払われる保険金 治療日数が4日以下の場合は、1回の事故につき1万円

治療日数が5日以上の場合は1回の事故につき10万円

A損保の場合、死亡・後遺障害保険金は最低の500万円に設定しておけば足りるでしょう。

まとめ

搭乗者傷害保険は、自動車保険で契約中の自動車に乗っている人全員を補償する保険です。

自動車事故により、搭乗者が怪我をしたり亡くなったりした際に定額の補償が行なわれます。

似ている「人身傷害保険」との違いは、「死亡・後遺障害」「入院」「通院」といった条件をみたせば、実際に発生した治療費等の損害の額がいくらかにかかわらず、定額の保険金が支払われることです。

ただし、搭乗者傷害保険がカバーする損害の大部分は、相手側の自動車保険(強制加入の自賠責保険、任意加入の自動車保険)がカバーしてくれますし、相手側がもし自動車保険に入っていない場合でも、自分で加入している自動車保険に自動付帯されていることの多い「無保険車傷害特約」でカバーしてもらえます(もし無保険車傷害特約が付帯されていなければ必ず付けるようにしてください!)。

また、生命保険等があればそれによってもカバーしてもらえます。

これらのことを考えれば、搭乗者傷害保険は必要性が低いと言え、多くの自動車保険で最初からセットされている人身傷害保険金を3,000万円に設定しておけば足りると言って良いでしょう。

もしも人身傷害保険を付けず搭乗者傷害保険を選ぶというのであれば、最低補償額で設定しておけば良いでしょう。

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