沖縄軍用地投資は、国が賃借人ということから、信頼性が高いローリスク・ミドルリターンの安定投資です。
この記事では、沖縄軍用地投資について、
などの点を、わかりやすくお伝えします。
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1.沖縄軍用地投資とは?
軍用地投資とは、沖縄県内の米軍基地や自衛隊基地内の土地を購入し、日本政府から借地料を受け取ることによって利益を得る投資のことです。
沖縄県内では、物件情報が新聞に広告掲載されていて誰でも買うことができますし、県外の投資家も増えています。
現在では、年間約1千億円の借地料が国から所有者へ支払われており、その経済効果は1600億円以上とも言われています。
2. 軍用地投資 5つのメリット
軍用地投資のメリットは、
ローリスク |
ローコスト |
安定した利回り |
流動性の高さ |
相続税対策 |
という5点になります。
2-1、ローリスク
国が賃借人なので、空室や家賃滞納といった資金回収リスクがありません。毎年賃料が安定して入ってきます。
2-2、ローコスト
土地だけなので建物の修繕費などは発生しません。一般的な土地と比べて低い固定資産税評価額になり、固定資産税も安くなります。
普通の不動産投資では、固定資産税はもちろん、定期的な管理費や大規模修繕費用、広告費などが発生しますが、軍用地は管理会社への手数料もかからないうえ、手間がかかることは国が行うので、持っているだけで賃料が入ってくるような形になります。
余ったお金を入れておく、「定期預金」に近いイメージと言えるでしょう。
2-3、安定した利回り
「年間借地料」は毎年1%前後値上がりしています。借地料はここ30年以上値下がりしたことがなく、これからも継続的に上がっていくと予想されます。
(土地連だより)
令和6年度の借料予算案は総額約1060億円(前年比1.1%増)です。
投資利回りは、表面で平均2%前後です。費用は殆どかからないので、実質2%弱で回ります。毎年、複利で増えていくので、長期保有することで利回りも上がっていきます。
2-4、流動性の高さ
軍用地は手放す人が少なく、物件が足りていない状況なので、適正な価格であればすぐに買い手がつきます。
平均して2週間から1ヶ月という短期間で売買が成立すると言われています。
2-5、相続税対策
軍用地は、民間地に比べて相続財産評価額が低い上、借地権がついているのでさらに評価額から40%減額されます。
1億円で購入した軍用地の相続税評価額が、4,500万円程まで圧縮できる場合もあります。
手持ちの現金を軍用地に組み替えることで、借地料が入ってくる上に、相続税を大きく抑えられるということです。
3.買ってみた!沖縄軍用地
実際の物件例をご紹介します。
嘉手納飛行場より少し北東にあたるキャンプ・コートニーの物件です。令和4年の数字がこちらです(年間借地料10万1,113円)。
これが令和5年度には、下記画像の通りになりました。
(土地賃借料算定調書及び土地明細書)
購入時と比べると借地料が約4千円上がっています。
3-1.倍率とは?
「倍率」とは軍用地独特の、物件を評価する指標です。
人気エリアの土地は倍率が高くなる傾向にあります。
また、軍用地の売買価格は、一般の土地のように「坪数×坪単価」で計算するのではなく、「年間借地料×倍率」で計算します。
=====販売価格の算出方法の違い====
一般の土地・・・「坪数×坪単価」=売買価格
軍用地・・・「年間借地料×倍率」=売買価格
先ほどの物件ですと、購入時の年間借地料が10万1,113円、倍率が50倍なので、
10万1,113円×50=505万5,650円
となり、売買価格505万5千円となります。
軍用地の倍率は全体的に上昇傾向で、例えば嘉手納飛行場の倍率については、2011年は35倍ほどでしたが、現在は60倍前後で取引されています。
仮に、この物件を10年間保有した後に売却したとして、
その時点で
・倍率 55倍
・借地料 11万円
だった場合、55×11=605万円
で売却できることになります。
3-2.借地料のシミュレーション
年間借地料が毎年値上がりしていることを踏まえて、5年間の借地料収入をシミュレーションしつつ、同じ金額を定期預金に入れた場合と比較してみます。
・軍用地年間借地料10万1,113円 5年間の借地料収入 51万9605円
・定期預金(金利0.003%) 5年間の利息合計 758円
軍用地の借地料と定期預金の利息で、およそ685倍の差があります。
4.軍用地投資最大のリスク
軍用地の最大のリスクは返還されてしまうことです。
沖縄軍用地には、返還予定がないものと、返還が決まっているものがあり、個々の施設の状況を見極めておくことが重要です。
4-1.返還予定のない軍用地
大まかに、「嘉手納飛行場」より北は返還予定がない軍用地が多く、嘉手納より南は返還予定があるものが多くなります。
例えば、「嘉手納飛行場」は極東最大のアメリカ空軍基地なので返還リスクは極めて低く、長期的な賃料収入が見込める上に売却益も期待できるということで、人気があります。
4-2.返還予定がある軍用地
一方で、返還予定がある軍用地も、場合によっては値上がりによる売却益を期待でき、投資対象になります。
返還予定とはいえ、実際に返還されるまでは借地料が発生する上、返還後の区画整理の間も、借地料相当の保証があります。
再開発によって評価が数倍になる可能性を秘めている土地もあり、あえてそのような場所を狙う人もいます。
過去に、返還後に値上がりした事例として、2010年に返還された泡瀬ゴルフ場という米軍施設は、1,040万円で購入されたものが、返還後、商業施設に再開発されて、3,720万円で売却されたということもあります。
また牧港補給地区、通称「キャンプキンザー」は返還予定ですが、国道58号線沿いという好立地にあり、返還後の開発に期待が持てる事からとても人気があり、先ほどの嘉手納飛行場より倍率が高い場合もあります。
5. 良い土地を購入するには?
沖縄以外に住む人が購入する場合、不動産会社HPやメルマガなどでの情報収集が基本になります。
中には、沖縄の新聞を定期購読し、午前5時にチェックをして、気に入った物件があったら即連絡をする、という人もいるようです。
まとめ
軍用地投資は、ローリスク・ミドルリターンの投資です。
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