融資の相談となるとまず銀行が浮かぶ方も多いと思いますが、実は創業時や事業規模が小さい時は信用金庫に相談することがおすすめです。
今回は、信用金庫と付き合うメリットや注意点について解説します。
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1.銀行と信用金庫の違い
銀行は株式会社です。他の株式会社と同様に株主がいて、利益を生むことが優先事項となっています。ですので、銀行は企業と付き合う際に、自社にとって利益があるかを考えます。結果として、融資の審査は厳しくなります。
しかし、信用金庫よりも預金量や貸付総額が多いので、付き合うことが出来ればメリットは大きいです。
対して、信用金庫は地域内の事業者が会員となって相互扶助をすることを目的とした金融機関で、営利目的で経営されていません。
銀行ほど資金が潤沢ではありませんが、地域内の経済を発展させるために地元の企業を応援するという目的を持っています。
そのため、銀行と比べると相談のハードルが低く、融資なども受けやすいです。
特に起業したての企業や零細企業のように、銀行と付き合うのが難しい企業は、信用金庫と付き合うメリットが多いので、早めに相談に行くことをおすすめします。
2.信用金庫と付き合うメリット
信用金庫にはこのようなメリットがあります。
- 地元企業向けの支援サービスが充実している
- 地域社会発展という視点で審査をしてくれる
- 貸し渋りや貸し剥がしをされにくい
- 親密になれば特典がある
2-1.地元企業向けの支援サービスが充実
信用金庫は地元の企業を応援することを目的としているので、積極的に情報提供してくれます。
例えば新規事業を展開するなら、事業計画の進め方や社内体制づくりについて相談に乗ってくれますし、補助金や助成金のアドバイスをくれることも多いです。
他にも地域内の経済を発展させるために、企業間のビジネスマッチングをしてくれることもあります。
2-2.地域社会発展という視点で審査をしてくれる
信用金庫は地域社会の発展を目的として運営されています。
ですので、融資の審査をする際にも、経営状況だけでなく、その企業が地域の発展にどうつながるかを重視します。
融資することが地域の発展に繋がると判断されれば、銀行よりも融資が受けやすいです。
また「日本政策金融公庫」で融資を受ける際も、
信用金庫を融資の着金先に指定して、それをきちんと返済していくことで、返済実績のある事業者として評価され、次の融資につなげやすくなります。
2-3.貸し渋りや貸し剥がしをされにくい
貸し渋りや貸しはがしをされにくいのも、信用金庫のメリットです。
原則として、金融機関から融資を受けると、毎年決算書の提出が必要になります。決算書の内容を元に企業の経営状況を分析し、信用格付けという格付けを行います。
格付けが上がった場合は追加融資などの検討がされるのですが、万が一下がってしまうと融資を継続するか否かが検討され、結果的に貸し渋りや貸し剥がしをされてしまう可能性があります。
貸し渋りは追加融資を受けられなくなるだけなので、会社運営にすぐには影響しませんが、貸し剥がしされた場合は借入金の返済が前倒しになるので、一気に資金繰りが厳しくなり、最悪の場合倒産に繋がってしまいます。
貸し渋りや貸し剥がしは、金融機関から融資を受ける上で共通のリスクです。当然信用金庫で融資を受けた場合も貸し渋りや貸し剥がしのリスクはありますが、銀行に比べるとその危険性は低いとされています。
2-4.親密になれば特典がある
信用金庫は密接な付き合いを重視しているので、長く付き合っているとその分特典があることが多いです。
よくあるのが、会員限定の高金利な定期預金やローンの紹介などです。信用金庫との付き合いが長くなると、こういった特典を優先的に紹介してくれることがあります。
他にも、従業員個人の住宅ローンなどにも対応してくれたりと、会社だけでなく従業員にもメリットが期待できます。
3.信用金庫と付き合う際の注意点
信用金庫の注意点にはこのようなものがあります。
- 銀行と比べて融資額が少ない
- 営業エリア外の会社は付き合えない
- 銀行と比べて金利が高いことが多い
3-1.銀行と比べて融資額が少ない
信用金庫は利用者が地域の人に限定されることもあって、銀行と比べると総預金額が多くありません。
そのため、貸付限度額も銀行より少ない傾向があります。特に億単位の融資となると、対応できる信用金庫は少ないです。
事業規模が大きくなってくると、信用金庫の融資額では物足りなくなる可能性があります。
3-2.営業エリア外の会社は付き合えない
信用金庫は地域密着型の金融機関なので、対応エリアが各地域に限定されています。ですので、対応エリア外の会社は融資の相談などができません。
自分の会社がある地域の信用金庫に相談すれば良いのですが、問題になるのは会社の規模が大きくなり、信用金庫の対応エリア外に支社を出すことになった場合です。
そうなった場合、支社がある地域の信用金庫に相談するか、銀行を頼ることになります。銀行は地域によって対応できないということがないので、その点では信用金庫よりも有利です。
3-3.銀行と比べて金利が高いことが多い
信用金庫は銀行と比べると金利が高くなる傾向にあります。
融資の種類や借入する企業の信用度によっても異なりますが、おおよそ1~5%であることが多いです。
融資できる金額が限られる分、銀行のように薄利多売的な融資をすることができないので仕方のない部分です。
また、支援サポートが充実している分、どうしても人件費が高くなってしまうことも原因のようです。
場合によっては銀行と同程度の金利で融資を受けられる場合もあるので、地域の信用金庫に相談してみるのがよいでしょう。
4.銀行と信用金庫、どっちと付き合う?
結論としては銀行と信用金庫の両方と付き合うことがお勧めです。
会社を運営していくうえで、1つの銀行や信用金庫だけと付き合わなければいけないという制限はありません。
全国展開をするなら各地域の信用金庫と付き合うこともありますし、銀行と信用金庫の両方と付き合うことも珍しいことではありません。
また、会社を経営していると、融資額は多ければ多いほど良いです。
ですので、より融資額が多いところを選べるように、複数の金融機関と付き合っておくことがおすすめです。ただし、銀行はメガバンクではなく地方銀行と付き合った方が良いでしょう。
メガバンクは特に審査が厳しいので、企業規模が相当大きくないとまず相手にしてくれません。
また、地方銀行には第一地銀と第二地銀の2種類があります。第二地銀は相互銀行という機関が法改正で普通銀行になったものなので、昔から中小企業との取引が多く、比較的融資の相談にも乗ってくれやすいです。
まとめ
信用金庫は融資のハードルが低いため、創業時や事業規模が小さいときは積極的に相談する事がおすすめです。
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