【決算ギリギリでも間に合う!】期末に向けた法人節税ベスト5

新しい生活様式の影響で、売上が大幅に伸びた業界は多くあります。

リモートワークで家にいる時間が増えたことで、冷蔵庫・エアコン・テレビなどが売れている家電製造業界や、リモートワークの周辺機器・通信サービスを扱う業種などがすごく伸びていますね。巣ごもり需要によるゲーム業界や、ネット通販業界も好調です。

急に利益が増えて、決算に間に合う節税対策を知りたいという事業主の方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、期末に向けた法人の節税対策をランキング形式で解説します。

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社長の資産防衛チャンネル編集チーム

社長の資産防衛チャンネル編集チーム

本記事は社長の資産防衛チャンネル編集チームで執筆、税理士法人グランサーズが監修しています。編集チームは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持つメンバーで構成されています。

第5位 研究・開発等に関する各種優遇税制を利用する

第5位は、「研究・開発等に関する各種優遇税制を利用する」です。

中小企業の場合、一定の条件をみたす研究・開発・投資・従業員の雇用などを行った場合、税制上のさまざまな優遇措置を利用できます。例えば、減価償却費を全額計上できたり、多めに計上できたりする特例があります。

対象は、研究施設をもっている製造業などに限りません。たとえば、コインランドリーや太陽光発電設備を用いた節税も、この制度の特例を利用したものです。

太陽光発電設備は1セット2000万円くらいまで、コインランドリーは1店舗3000万円くらいまで経費に出来ます。

第4位 一気に数億円も可能な「オペレーティング・リース」

第4位は、オペレーティング・リースです。

これは、個人や法人が所有する航空機などの減価償却資産を他者に貸し付けて、賃貸料を得るという、賃貸借取引のことをいいます。

その貸主に投資をすることで、減価償却を利用し、数億円までの大きな利益を先送りできる仕組みです。規模が大きいので、大きな利益が出る企業に向いています。

少額なもので1000万円から、数億円の利益を圧縮し、次年度以降に繰り越すことができます。
現在はかなり人気があり、案件が出るとすぐに売り切れてしまうといいます。

第3位 短期前払費用の特例を活用する

第3位は、短期前払費用の特例を活用することです。
通常、駐車場代や家賃などは今月末に来月分を支払いますが、この来月分の支払い部分を前払費用といいます。お金は支払っていても、その時点では費用に計上できません。
短期前払費用の特例とは、1年以内の前払費用について、支払った事業年度での損金算入を認めるというものです。
これには、以下の3つの要件を満たすことが必要です。


・1年以内に役務の提供を受けること
・年払いであること(その後も年払いを続ける)
・物品の購入ではないこと

例えば地代家賃、生命保険料、リース料、サーバー費用、会費などが該当します。

そのため、オフィスの家賃についても、月々の家賃等の支払いを1年分前払いすることで、その1年分の支払いを経費にすることができます。

例えば、3月決算の会社のオフィスの家賃が20万円で、今年度末から1年分家賃を前払いする場合、3月期に経費に出来る金額は、月々支払った今期の家賃の合計240万円と、前払いした来期の家賃240万円の合計480万円です。

この特例を活用すれば、かなりの金額まで経費を増やせるということです。

第2位 少額減価償却資産を活用する

第2位は、少額減価償却資産の活用です。青色申告をしている中小企業が対象になります。

まず減価償却とは、固定資産の購入費用を、使用期間に渡って分割し経費にする会計処理のことです。青色申告をしている中小企業は、この減価償却費の損金算入について特例が認められています。

1つ30万円未満の減価償却資産は「少額減価償却資産」とみなして、購入金額全額を年間合計300万円まで、その年の経費にできるのです。

例えば、1台25万円のパソコンを12台購入した場合、合計額300万円をその年の経費にできます。駆け込み的な節税に非常に有効な方法といえます。

青色申告の事業主の方で、購入や買い替えを検討している備品がある方におすすめです。

第1位 とっても手堅いセーフティ共済

栄えある第1位は、経営セーフティ共済です。

「節税するなら絶対にやるべき」と言っても過言ではないぐらい優れた手段です。これを使うと、掛金として共済に支払う金額を全額、経費にすることができます。

月額最大20万円で1年分の掛け金を一括で払い込むことができるので、年間最大240万円まで経費にできるということです。

長い期間加入していないと解約した時に元本割れしてしまうのでは……と心配になるかもしれませんが、経営セーフティ共済は40ヶ月以上加入していれば、解約したときに支払った掛け金が全額返ってきます。

そして、返ってきたお金はその期の利益になるので、赤字が出そうなときにはそれをカバーすることも可能です。

ただ、返ってくるお金にも税金がかかってしまうため、積み立てたお金の最終的な出口に関しての「出口戦略」、つまりいつどのようにお金を受け取るかが重要な節税方法です。

その出口としておすすめなのが、返ってきたお金を退職金にあてることです。退職金に当てると経費にできるため、もともと払う必要のあった税金を払わずに済みます。

さらに、いざというときに使える簿外資産になる点でも非常におすすめといえます。

業績が良い会社でも予想外のことで赤字に転じることもありますから、いざというときに解約し、利益にできる帳簿外の資産があるのは大きいです。

番外編 不要な固定資産を廃棄して除却損を計上する

最後に、番外編としてもう1つ、お得な節税方法を紹介します。

不要な固定資産を廃棄して除却損を計上する」やり方です。

不要な固定資産を廃棄すれば、その帳簿価額を除却損として経費にすることができます。パソコンのソフトなど、無形の固定資産でも同じ処理が認められています。大掃除を兼ねて節税ができるというわけです。

経費にできるだけでなく、今までかかっていた固定資産税を支払う必要がなくなるというメリットもあります。

さらに、似たような節税方法として「売れ残った棚卸資産について、売却損・廃棄損・評価損を計上する」というものもあります。

「決算セール」や「歳末バーゲン」などの安売りをしているお店はよく見かけるのではないでしょうか。
実は、売れ残っている棚卸資産は、期末までに「決算セール」「歳末バーゲン」等をして原価よりも安く売り払えば、原価との差額分を損失として経費にできます。そして、今後売れる見込みがない棚卸資産については、廃棄損として経費にできるのです。

また、資産価値の評価を低く変更すれば、その分を「評価損」として経費にできる場合もあります。ただし「評価損」の計上は、資産価値の評価の変更が恣意的に行われることを防ぐために要件がかなり厳しくなっていて、「売却損」「除却損」よりも認められにくい点を気をつけましょう。

このような注意点も理解した上で、上手に使いこなせればとても有効な節税方法です。

まとめ

期末の決算に備えて法人ができる節税対策として、「研究・開発等に関する各種優遇税制」「短期前払費用の特例」「少額減価償却資産」を活用する方法があります。また、不要な固定資産を廃棄して除却損を計上するのも有効です。

さらに「オペレーティング・リース」を利用すれば、1000万円から数億円の利益を次年度に繰り越すこともできます。

これらのような節税方法の中でも特におすすめなのが、セーフティ共済に加入することです。掛金を全額、経費にできる他、40か月以上加入していれば解約時に掛金が全額戻ってくること、簿外資産にできるなどのメリットがあります。

決算が近い事業主の方も、これらの方法を参考に諦めずかしこく節税していきましょう。

なお、今回取り上げたものの中には、節税といっても利益をいったん圧縮して繰り延べるものも含まれます。最終的に、何かしらの経費と相殺することが出来れば税金がかかりません。いったん利益を先送りし、翌年度以降にコツコツ節税対策をしていく……というイメージも持ちつつ、取り組んでいけるといいですね。

 

 

 

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