変額個人年金保険のキホン|注意点と類似商品との違いについて

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変額個人年金保険は平成11年に発売されたばかり新しいタイプの商品です。その仕組みを簡単に言うと、「支払った保険料を保険会社が運用し、その実績に応じて将来受け取れる年金が大きくなって戻ってくる可能性がある」というものです。

逆に「支払った保険料よりも受けとれる額が減ってしまうリスキーな部分を含む」という面もあります。

つい先日もマイナス金利政策の継続が発表され、景気が良くなる気配は、私たち国民にはまったく感じることができない厳しい時代が続いています。そのような背景から、老後の備えは国に頼るのではなく、個人の自助努力でカバーするという流れの中、変額個人年金保険などで、資産を増やしたいというお客様も増えてきています。

この記事では、変額個人年金保険の基本的な仕組みと加入の際の注意点をお伝えすると同時に、定額個人年金保険や投資信託との違いについても解説していきます。

1. 変額個人年金保険とは?

変額個人年金保険とは、私たちが支払った保険料を保険会社が運用し、その運用実績に応じて将来受け取れる保険金額が変動するというものです。その名の通り、受け取れる「額」が「変」わる可能性があるというわけです。

変額個人年金保険は、変額保険の中で最も投資に近い商品と言えるでしょう。なお、変額保険については「変額保険とはどういう商品?特徴と2つの活用性」をご覧ください。

それでは、変額個人年金保険の基本的な特徴や仕組み、保障内容について確認していきましょう。

1.1. 特徴

先に申し上げた通り、変額個人年金保険は、運用結果によって、支払った保険料よりも受け取れる年金額が大きくなったり、小さくなったりする商品です。運用の対象となるのは国内外の株式や債券で、契約者が複数の中から選び、保険会社が運用します。具体的な指標となるのは、日経平均株価やTPIX、NYダウ平均株価やドル円相場などです。

これらの金融商品について、知識をほとんどお持ちでない場合は、正直なところ変額個人年金保険の検討は見合わせたほうがよろしいかもしれません。

契約の途中で、運用の対象や割合を変更することもできるので、安定した運用を目指すためには、変額個人年金保険は契約後も常に運用状況をチェックしていく必要があります。ですから、一般的な保険商品とは異なり、契約者自身が金融に関する一定の知識を必要とする商品というわけです。

ある意味「保険会社へ投資する」保険と言ってもよいでしょう。ただし、あくまでも保険ですから、保険料の控除など投資信託とは異なる部分もあります。これについては、のちほど詳しく説明いたします。

1.2. 仕組み

変額個人年金保険は「特別勘定」という、変額保険のみの運用枠の中で保険料を運用します。保険会社は、年金の資金となる積立金という部分について、年金支払開始の期間まで運用を行います。年金受取のタイミングで積立金が大きく運用されていれば、受け取れる年金も増えますし、運用がうまくいかなければ、年金額も減ってしまうわけです。

万が一、年金を受け取る前に、契約者がお亡くなりになってしまった場合は、それまで支払った保険料と積立金などから計算された死亡保険金額を受け取ることができます。この死亡保険金については、大体の場合、元本保証されています。

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注意しなくてはいけないケースの1つに、解約があります。通常、保険はいつでも解約することができますが、変額個人年金保険は、年金の受取が始まった後の解約はできません。また、解約返戻金については運用実績により変動し、その最低保証はありません。ですから、解約返戻金は、支払った保険料より少なくなってしまうことがあります。

このようなことからも、変額個人年金保険の契約については、より慎重に検討する必要があります。

1.3. 商品内容

個人年金には大きく分けて「定額」と「変額」の2種類があります。基本的な商品内容は、定額個人年金保険も変額個人年金保険も、ほぼ同じような内容になります。個人年金保険の基本的な保障については、「個人年金を考えるときに必ず知っておきたい種類と特徴」をご覧ください。

一度契約すれば、保険料が変更することはありません。勘違いをしてしまう方もいらっしゃるのですが「額」が「変」わるのは、あくまでも受け取る「年金額」などになります。

大きく異なるのは、受け取れる年金額が運用実績により上下する部分です。繰り返しにはなりますが、運用実績が好調であれば、支払った保険料より受取れる年金が大きくなりますし、その逆パターンもあります。

2. 定額個人年金保険との比較

先程も申し上げましたが、変額個人年金保険にはリスクがあります。と同時にリターンが大きくなる可能性もあります。ここでは、定額個人年金保険と変額個人年金保険の保険料や保障内容にどれ位の差があるのか、具体的に比べてみることにしましょう。

2.1. 保険料や保険金額の比較

【例】35歳 男性 基本年金額100万円 10年確定年金
保険料払込期間・年金支払開始年齢ともに60歳

『定額個人年金』
月払保険料:31,610円
総払込保険料:9,483,000円  年金総額:1,000万円  返戻率:105.4%

『変額個人年金保険』
月払保険料:20,550円
総払込保険料:6,165,000円

→ 年金支払開始後も運用を継続した場合
運用実績0%……年金総額:536万円  返戻率:86.9%
運用実績3.5%…年金総額:1,000万円 返戻率:162.2%
運用実績7.0%…年金総額:1,907万円 返戻率:309.3%

いかがでしょうか?定額と変額個人年金保険を比べると、なんと最大で200%近くも返戻率に差が出ることが分かります。そもそも、保険料からしても10,000円近くの差がありますから、この時点ですでに返戻率が大きく異なるわけです。

こちらのケースでは、年金支払開始後にも一定の実績で継続して運用を続けたと仮定した場合です。現実的に、こんなにうまく運用がいくかどうかはわかりません。しかし、運用次第では、こんなに大きなリターンを得ることができるのが、変額個人年金保険の醍醐味でもあります。

2.2. 諸経費について

変額個人年金保険には、保険料を支払う時や、年金などを受取る際、その運用に必要な経費が発生します。具体的に、どのような費用があるのか、次から確認していきましょう。

○ 運用関係費用
保険料を株式や公社債で特別勘定として運用するためにかかる費用です。
対象となる有価証券により割合は異なりますが、0.02~0.04%ほどが目安となります。

○ 保険関係費用
契約手続きや保障を継続するために必要な費用が、被保険者の年齢や性別に応じて、保険料や積立金から控除されます。

○ 年金管理費用
年金支払開始以降、年金額に対して1%ほどが積立金から控除されます。

○ 解約控除
経過年数に応じて、保険会社が定めた所定の費用が発生します。

○ スイッチング費用
運用する株式や国債を契約の途中で変更する場合の費用です。
一般的に、年間12回を超えた場合、1回につき1,000円程度の手数料がかかります。

このように、変額個人年金保険には様々なコストがかかります。その分、一般の商品とは異なる特別勘定という枠組みの中で、より利益率の高い運用が行われています。

2.3. 保険料控除について

ご存知の方も多いと思いますが、生命保険を契約すると、保険料控除が受けられ、住民税や所得税が控除されます。控除の枠は、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つにわけられています。これらを最大限活用すれば、住民税は7万円、所得税は12万円が控除されます。(平成24年1月以降の契約の場合)

定額個人年金保険については、一定の条件を満たせば、個人年金保険料控除の対象となります。しかし、変額個人年金保険については、一般生命保険料控除となり、個人年金保険料控除の対象外となります。

3つの保険料控除枠には、それぞれ上限が設けられているので、すでに「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」の控除を受けていて、新たに「個人年金保険料控除」の活用を考えている方は特にご注意ください。

3. 変額個人年金保険と投資信託との違い

専門機関が投資家から資金を集め、株式や公社債などの有価証券に投資し、その利益を投資家に分配する仕組みを株式投資といいます。変額個人年金保険と投資信託は非常によく似ていまが、変額個人年金保険はあくまでも「保険」です。

ここでは、2つの商品の違いについてご説明いたします。

3.1. 保険としての性質

変額個人年金保険の保険としての主な特徴について、見てきましょう。

・ 死亡保険金が保証
変額個人年金保険は元本保証があるものが一般的です。
投資信託には、死亡解約時の時価が支払われます。

・ 告知が必要
保険独自の加入時の仕組みが、健康状態の告知です。告知内容によっては加入を断られてしまう
場合もありますが、投資信託には、このような制度はありません。

3.2. 税金と費用

株式投資で得た収益に関しては、一般的に税金がかかります。(NISAは除く)運用時・解約時には、利益の20%を源泉分離課税となります。源泉分離課税とは、確定申告は必要ないが、支払い元(保険会社)が税金を前もって徴収する制度のことをいいます。

先にご説明したように、変額個人年金保険にも諸経費がかかりますが、生命保険料控除の対象となり、住民税や所得税の控除が受けられます。2つの商品の主な違いについて、一覧表にしたものがございますので、ご覧ください。

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4. まとめ

いかがでしたでしょうか。ここまでお読みいただいた皆様は「ご自身の老後について今から準備を行いたい」「銀行預金などよりも、もっと積極的に資産を運用したい」という方がほとんどだと思います。

変額個人年金保険は、保険の中でも運用の性格が強く、大きな戻りが期待できる反面、支払った保険料が大きく目減りしてしまう可能性のある、まさに「ハイリスク・ハイリターン」の金融商品です。リターンが大きければ、将来のインフレに対してもリスクヘッジできるという点において、とても優れた商品です。しかし、老後への備えとして考えるならば、60歳や65歳までの長期的で安定した運用が条件になりますし、契約者の自己責任のもと、運用する株式や公社債などを動かす必要があります。

これらのことから、変額個人年金を検討する際には、保障内容だけでなく、具体的な運用方法や諸経費がかかる点などについても、しっかりと確認をお願いいたします。

私の個人的な意見ですが、変額個人年金保険は保険というよりも投資と考えていただき、ご自身が市場の動向について常に学びながら、じっくり長期的に運用することが重要だと思っています。

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宮阪 沙織

宮阪 沙織

私は10年以上にわたり、生命保険業界で働いております。マイホームの次に高い買い物と言われることもある保険ですから、本当に必要な商品を無駄なく加入してもらうことが大切だと考えています。お一人お一人のご希望やライフプランをおうかがいし、少しでも豊かな人生を送るお手伝いが出来ればと思っております。
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