利益が出すぎた時に実行すべき節税対策ランキング9選

決算が近づくにつれて、「予想以上に利益が出てしまった。このままでは多額の法人税を納めることになる」と焦りを感じる経営者は少なくありません。

利益が出ること自体は喜ばしいことですが、適切な対策を講じなければ、手元に残るキャッシュが大きく目減りしてしまうのも事実です。

しかし、節税対策の多くは事前の準備や手続きに時間を要するものが多く、決算直前になって慌てても手遅れになるケースがほとんどです。

本記事では、「決算が迫っている状況でも実行可能な節税対策」を中心に、利益が出すぎた時に検討すべき9つの方法をランキング形式で解説します。

数万円レベルの小さな対策から、億単位の利益を圧縮する大型スキームまで幅広く取り上げますので、自社の状況に合った手法を見つける参考にしていただければと思います。

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社長の資産防衛チャンネル編集チーム

社長の資産防衛チャンネル編集チーム

本記事は社長の資産防衛チャンネル編集チームで執筆、税理士法人グランサーズが監修しています。編集チームは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持つメンバーで構成されています。

第9位:減価償却期間の短い中古資産の購入

いわゆる「4年落ちの中古車を買って節税する」という手法です。4年落ちの中古車であれば、耐用年数が最短で1年となり、購入金額のほぼ全額を減価償却費として経費計上できる可能性があります。

ただし、法人の減価償却費は「月割計算」が原則です。決算ギリギリに購入した場合、経費にできるのは12分の1、つまり1ヶ月分に限られます。

たとえば600万円の中古車を決算月に購入しても、その期に経費計上できるのは約50万円程度にとどまります。法人税を大きく圧縮したいという目的であれば、期首に近いタイミングで実行すべき対策といえます。

もっとも、登録費用などの諸経費は一括で経費に算入できますし、原則課税を選択している場合は消費税の還付を受けられる可能性もあります。全く意味がないわけではありませんが、決算直前の駆け込み対策としての効果は限定的です。

 

第8位:優遇税制を利用した設備投資

国が中小企業の設備投資を促進するために設けている税制優遇を活用する方法です。

たとえば「中小企業経営強化税制」を利用すれば、新品の機械装置やソフトウェアなどの取得価額を全額即時償却できる場合があります。数百万円から数千万円規模の設備でも100%一括経費にできるため、インパクトは非常に大きい制度です。

しかし、この制度には国の認定手続きが必要であり、申請から認定までに相応の時間がかかります。「あと1〜2週間で決算を迎える」という状況では間に合いません。

そこで検討したいのが「中小企業投資促進税制」です。こちらは通常の減価償却に30%を上乗せして償却でき、手続きも比較的簡単です。駆け込みで設備投資を行う場合は、こちらの制度の方が現実的な選択肢となります。

 

第7位:固定資産の修繕

老朽化したオフィスや工場の修繕を行い、その費用を損金計上する方法です。修繕費は原則としてその期の損金に一括計上できるため、以前から気になっていた箇所のメンテナンスを決算前に実施するのは有効な対策です。

具体的には、オフィスの壁紙の張り替え、工場の床の塗り直し、老朽化した配管の交換といった「原状回復」に相当するものが対象となります。

ただし、ここで注意すべきなのが「修繕費」と「資本的支出」の区分です。

資産の価値を高めたり、耐用年数を大幅に延ばしたりするような工事は「資本的支出」とみなされ、一括経費ではなく資産計上のうえ数年かけて減価償却しなければなりません。たとえば避難階段の新設や、性能を向上させる大規模改修などがこれに該当します。

「修繕費だと思って処理していたら、税務調査で資本的支出と認定された」というケースは少なくありません。修繕を実施する際は、事前に税理士へ相談し、経費処理の可否を確認しておくことが重要です。

 

第6位:広告宣伝費の前倒し

来期に予定していた広告宣伝を今期中に実施し、費用を前倒しで計上する方法です。ポスターやパンフレットの制作、Web広告、求人広告、ホームページ制作などの費用がこれにあたります。

ここで重要なのがタイミングです。広告宣伝費を経費にできるのは、支払日ではなく「実際に広告が掲載された日」が基準となります。

たとえば3月決算の会社が、4月に掲載される雑誌広告の費用を3月末に支払ったとしても、それは「前払費用」として資産計上され、今期の経費にはなりません。

この点で有効なのがインターネット広告です。SNS広告やリスティング広告であれば、設定から配信までのスピードが速く、決算月中に配信を完了させれば確実にその期の経費として計上できます。まさに現代ならではの駆け込み節税策といえるでしょう。

 

第5位:福利厚生の活用

全従業員を対象とした社員旅行や食事会などを実施し、その費用を福利厚生費として損金計上する方法です。中古車のような月割計算は不要で、支出した金額がそのまま経費になります。

さらに、従業員側にも給与課税されない(所得税がかからない)というメリットがあるため、実質的な手取りアップにつながります。会社は税負担を軽減でき、従業員は福利厚生の恩恵を受けられるという、双方にメリットのある対策です。

ただし、福利厚生費として認められるためには一定の要件を満たす必要があります。

要件 内容
対象者 全従業員が対象であること(役員のみは不可)
旅行期間 4泊5日以内であること(海外の場合は現地滞在日数)
参加割合 全従業員の50%以上が参加していること
金額の妥当性 社会通念上、常識的な範囲の金額であること

役員だけで高額な海外旅行に出かけるような場合は、福利厚生費とは認められず、役員への給与として課税されてしまいます。要件を満たした上で、従業員の満足度や会社の成長につながる形で活用することが大切です。

 

第4位:決算賞与の支給

決算のタイミングで従業員にボーナスを支給し、利益を圧縮する方法です。

決算が迫っている状況でも実行できる点がこの方法の強みです。決算期末までに「今期はこれだけ賞与を支給する」と全従業員に個別に通知し、経理処理を行えば、実際の支払いが翌期になったとしても今期の経費として計上できます。

つまり、キャッシュアウトは来月でも、経費は今期に計上できるということです。資金繰りの面でも助かる制度設計になっています。

ただし、決算日から1ヶ月以内に実際の支払いを完了する必要があり、通知した内容を後から撤回することは認められません。

役員への賞与は原則不可

一方、社長をはじめとする役員への賞与は、原則として損金に算入できません。利益操作に利用されるおそれがあるため、税務上の制限が設けられています。

役員に賞与を支給して経費にしたい場合は「事前確定届出給与」の制度を利用する必要がありますが、届出期限は会計年度開始から4ヶ月目まで、または株主総会から1ヶ月以内のいずれか早い日までとなっており、決算直前からでは間に合いません。

しかも、届け出た支給日や金額から少しでもずれると損金算入が認められなくなるため、運用には細心の注意が求められます。

 

第3位:少額減価償却資産の特例

青色申告をしている中小企業であれば、1個あたり40万円未満の資産について、年間合計300万円まで、購入した年度に一括で全額経費にできる特例制度です。

なお、この「40万円未満」という上限は、令和8年度税制改正大綱で引き上げが予定されているものです(従来は30万円未満)。改正施行前の取得分については従来の「30万円未満」が基準となりますので、取得時期には注意が必要です。

決算直前でもフル活用できる理由

この特例の最大の魅力は、中古車のような「月割計算」が不要であることです。決算直前にパソコンやオフィス家具などを購入し、その日から使い始めれば、全額をその期の経費にできます。

社員の業務効率向上と利益圧縮を同時に実現できる、非常に合理的な制度です。

ただし、「事業の用に供すること」が要件となっているため、購入しただけで開封もしていない状態では経費計上が認められません。セットアップを完了し、実際に業務で使える状態にしておくことが必要です。

 

第2位:経営セーフティ共済への加入

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、中小機構が運営する共済制度です。本来は取引先の倒産時に備えるための制度ですが、掛金が全額損金に算入できることから、節税目的でも広く活用されています。

年払いで240万円を一括損金算入

掛金の上限は月額20万円、年間で240万円です。累計800万円まで積み立てることができます。

そして最大のポイントは「年払い」が可能であることです。決算月に加入して1年分の掛金240万円を一括で支払えば、その全額が今期の経費になります。手続きも比較的簡単であり、駆け込み節税としての即効性は非常に高いといえます。

さらに、40ヶ月以上加入していれば、解約時に掛金が100%戻ってきます。実質的に「簿外に資金を積み立てながら税負担を軽減できる」仕組みです。

解約時の出口戦略が不可欠

ただし、解約返戻金は全額が課税対象となります。解約するタイミングで何も対策を講じなければ、結局その年度に多額の税金が発生することになります。

解約時には、大規模な修繕費の発生や役員退職金の支給など、損金が出るタイミングに合わせる「出口戦略」を事前に計画しておくことが不可欠です。

なお、掛金総額の10倍(最大8,000万円)まで無担保・無保証で借入できる制度や、使途自由の貸付制度も備わっており、節税以外の面でも経営者にとってメリットの大きい制度です。

 

第1位:オペレーティングリース

予想外に数千万円、あるいは億単位の利益が出てしまった場合の最終手段ともいえるのが、オペレーティングリースです。

スキームの概要

航空機、コンテナ船、タンカーなどの大型資産に出資し、それをリース(貸付)することで賃貸料を得る仕組みです。出資額のおよそ70%〜80%を初年度に一気に損金算入できるため、利益圧縮の効果は圧倒的です。

たとえば1億円を出資した場合、7,000万〜8,000万円がその年度の経費として計上できることになります。

出口戦略が成否を分ける

数年後から10年後にかけて、投資対象の航空機等が売却され、出資金が戻ってきます。しかし、この戻りは「利益」として課税対象となるため、何の対策もなく受け取れば、その年度に大きな税負担が発生します。

したがって、利益が戻ってくるタイミングに合わせて、役員退職金の支給や大型設備投資など、計画的に損金を発生させる準備が必要です。

オペレーティングリースは「課税の繰り延べ」であり、税金がなくなるわけではないという点を正しく理解した上で、長期的な視点で活用すべきスキームです。

 

まとめ

本記事で紹介した9つの対策を改めて振り返ると、数万円規模の少額資産から億単位のオペレーティングリースまで、決算が迫った状況でも実行可能な選択肢は意外と多く残されていることがわかります。

しかし、ここで紹介した手法はあくまで「対症療法」としての側面が強く、本質的な資産防衛のためには、年間を通じた計画的な税務戦略が不可欠です。

特に経営セーフティ共済やオペレーティングリースのように「出口」で課税が発生する対策については、目先の利益圧縮だけでなく、将来の受け皿となる損金をどう用意するかまで見据えた上で判断する必要があります。

決算直前で焦るよりも、早い段階から専門家と連携して戦略を練ることが、最も効果的な資産防衛の第一歩です。

本記事の内容は、元となる動画で税理士がランキング形式でわかりやすく解説しています。具体的な事例や注意点をより詳しく知りたい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。

 

 

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