コインランドリーは街中で見かける機会が増え、「もう飽和状態では」と感じる方も多いかもしれません。
しかし今、資産防衛に敏感な富裕層の間で、ある特定のコインランドリーへの投資が静かに広がっています。
それは都心の一等地にあるピカピカの新店舗ではありません。むしろ真逆で、築20年前後の「中古コインランドリー」です。
なぜ古い店舗にあえて資金を投じるのか。
その背景には、税制上の優遇措置を最大限に活用しながら、実績のある立地で安定収益を狙うという合理的な戦略があります。
本記事では、新規コインランドリー投資の節税の基本から、中古が選ばれる理由、そしてリノベーションによる収益改善と節税シミュレーションまで、体系的に整理していきます。
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新規コインランドリー投資の節税効果
中小企業経営強化税制による即時償却
コインランドリー投資で節税が可能になる根拠は、国の「中小企業経営強化税制」にあります。
これは設備投資による企業力の強化や生産性向上を後押しする制度で、青色申告をしている中小企業が対象設備を取得した場合、「即時償却」または「取得価額の10%の税額控除」のどちらかを選択できます。
コインランドリー投資では、主に即時償却が活用されます。
即時償却とは、減価償却の対象となる固定資産を、取得した年度に一括で償却できる優遇制度です。
ただし、即時償却できるのはあくまで「償却資産」、つまり機械装置の部分に限られます。
建物の内装工事費などは対象外となるため、投資額の全額が経費になるわけではありません。
また、対象となるのは新品の機械であり、中古の機械は本制度の対象外です。
一般的な目安として、コインランドリーの初期投資のうち約70%が機械代とされています。
仮に4,000万円を投資した場合、約2,800万円が即時償却の対象です。
法人税の実効税率を約30%として計算すると、約840万円の税負担を軽減できる計算になります。
| 項目 |
金額 |
| 初期投資額 |
4,000万円 |
| 機械装置の割合(約70%) |
2,800万円 |
| 即時償却による経費計上額 |
2,800万円 |
| 法人税軽減額(実効税率30%) |
約840万円 |
2023年改正による注意点
2023年の改正により、運用面で重要な変更がありました。
改正前は、資金を拠出するだけで運営のすべてを管理会社に任せる「丸投げ」型の投資でも即時償却が認められていました。
しかし改正後は、主要な業務をすべて他人に委託する形態では制度の適用が受けられなくなっています。
もっとも、これは全業務を自分で行わなければならないという意味ではありません。
例えば、店舗の清掃や集金は外部業者に委託しつつ、採用活動や広告宣伝、経営上の意思決定を自社で行えば、即時償却の要件を満たすことが可能です。
840万円規模の税負担軽減を考えれば、この程度の経営関与は十分に許容できる範囲でしょう。
即時償却以外に押さえておくべき3つの節税メリット
コインランドリー投資の節税効果は、即時償却だけにとどまりません。
意外と見落とされがちな3つの隠れたメリットがあります。
固定資産税の軽減
1つ目は、固定資産税の軽減です。
固定資産税は「課税標準額×税率(原則1.4%)」で計算されますが、「先端設備等導入計画」を策定し、市町村から認定を受けた上で、従業員の給与を一定割合以上引き上げる旨を表明すると、課税標準額の大幅な減額が適用されます。
具体的には、雇用者給与等支給額を1.5%以上増加させる計画であれば、固定資産税の課税標準が3年間、2分の1に減額されます。
さらに、3.0%以上の増加を表明した場合は、5年間にわたり課税標準が4分の1にまで引き下げられます。
課税標準額が1,000万円の設備であれば、3.0%以上の賃上げ計画を策定した場合、5年間で約52万5千円の節税効果が見込めます。
最低賃金の上昇トレンドを踏まえれば、賃上げ要件は自然に達成できるケースも多く、活用を検討する価値は十分にあるでしょう。
なお、この特例の適用期限は2027年3月31日までとなっています。
相続税対策としての活用
2つ目は、相続税対策です。
親から引き継いだ郊外の土地など、使い道のない遊休地を更地のまま保有しているケースは少なくありません。
更地は評価額が最も高く算定されるため、そのまま相続が発生すれば、高額の相続税が課される可能性があります。
しかし、その土地にコインランドリーを建てて事業を営むことで、「小規模宅地等の特例」の適用が受けられる可能性が出てきます。
コインランドリー事業を行っている宅地は「事業用宅地」に該当し、400㎡までの敷地について土地評価額が80%減額されます。
つまり、相続税の計算上、評価額が20%にまで圧縮されるのです。
例えば1億円の遊休地であれば、更地のままでは課税対象額が1億円ですが、コインランドリー事業を営んでいれば、課税対象額を2,000万円にまで引き下げることが可能です。
このインパクトは非常に大きく、遊休地を抱える富裕層がコインランドリー投資に注目する大きな理由の一つとなっています。
退職金の現物支給による所得税軽減
3つ目は、退職金としての現物支給です。
減価償却費の計上によって帳簿上の価額が下がったコインランドリー設備を、退職金代わりに現物支給として受け取ることで、退職所得の課税対象額を圧縮できます。
金額にもよりますが、1,000万円以上の課税対象額を減らせるケースもあります。
さらに、洗濯乾燥機や乾燥機はメンテナンスを適切に行えば20年から30年の寿命があるため、現物支給で受け取った後もそこから生まれる収益を自身のものにできます。
所得税の負担を抑えながら、安定的な収入源も確保できるという二重のメリットがある手法です。
立地リスクと新規参入の壁
ここまで節税メリットを整理してきましたが、当然ながらコインランドリー投資にはリスクも存在します。
最大のリスクは「立地」です。
コインランドリーは典型的な立地ビジネスであり、場所を間違えれば集客がまったく見込めません。
薄利多売の店舗型ビジネスである以上、集客率の高いエリアへの出店が不可欠です。
立地選びのポイントとしては、住宅密集地であること、主要道路沿いで視認性が高いこと、駐車場を確保できること、近隣に競合店が少ないことなどが挙げられます。
しかし近年は競合が急増しており、新規出店したものの想定した集客を達成できず、想定利回りに遠く及ばないという失敗事例も数多く報告されています。
こうした背景を踏まえると、今から新規参入するリスクは決して小さくありません。
そこで浮上してくるのが、「中古コインランドリー」という選択肢です。
なぜ今、中古コインランドリーが狙い目なのか
高齢化による「お宝物件」の放出
中古と聞くと、「経営がうまくいかなかったから手放した店」というイメージを持つかもしれません。
しかし実際には、売却理由の多くは「オーナーの高齢化」です。
約20年前に起きた第1次コインランドリーブームで参入したオーナーたちが、今や70代・80代を迎えています。
事業自体は黒字が続いているものの、集金や清掃といった日常業務を続ける体力がなくなり、「誰かに引き継いでほしい」という案件が増えているのです。
「儲からないから手放す」のではなく、「儲かっているけれど続けられないから譲る」という構図です。これは新規出店とはまったく性質の異なる投資機会といえます。
中古ならではの3つの優位性
中古コインランドリーには、新規出店にはない明確な優位性があります。
まず、「実績が見えること」です。
新規出店では利益予測の根拠がどうしても薄くなりますが、中古であれば過去数年間の売上・利益の実績を通帳の履歴で確認できます。
予測ではなく「確定した事実」に基づいて投資判断ができるのは、経営者にとって大きな安心材料です。
次に、「立地の正解が証明されていること」です。
20年にわたって生き残ってきたという事実そのものが、その立地が正解であったことの証明です。
コインランドリーは属人性の低いビジネスであり、オーナーが変わったからといって急に客足が途絶えることはまずありません。
そして、「リノベーションによる大幅な収益改善が見込めること」です。
これについては次のセクションで詳しく見ていきます。
リノベーションで収益を跳ね上げる
内装刷新と最新機種への入れ替え
築20年の中古コインランドリーは、そのままでは機械の老朽化や店舗の暗さといった課題を抱えています。
これを放置すればジリ貧になるのは明らかです。
そこで行うのがリノベーションです。
薄暗く入りづらいイメージの古い店舗を、明るく清潔感のある内装に一新し、旧式の機械を最新の省エネ機種に入れ替えます。
最新機種は「布団丸洗い」やスニーカーの洗浄など機能面が大きく進化しており、従来よりも幅広いニーズに対応できます。
さらに電気代・水道代が大幅に削減されるため、経費の約半分を占める光熱費の圧縮が利益率の向上に直結します。
立地などの条件にもよりますが、月20万円だった売上がリノベーション後に月60万円へと3倍に伸びたケースもあります。
売上の増加とコストの削減という相乗効果が、収益性を大きく改善するのです。
複合型店舗による売上の上積み
リノベーションに加えて、空いたスペースを活用する手法も有効です。
冷凍食品の無人販売やレンタル収納スペースを併設し、月80万円まで売上を伸ばした事例も報告されています。
コインランドリーの待ち時間を活用した関連サービスとの相性は良く、追加投資に見合うリターンが期待できます。
中古コインランドリー投資の節税シミュレーション
中古を購入してリノベーションする場合でも、やり方次第で相当額を経費計上することが可能です。
新しく導入する機械については、中小企業経営強化税制による即時償却が適用できます。これは新規投資と同様の仕組みです。
一方、まだ使える中古の機械や備品については、取得価額が10万円未満であれば「消耗品費」として全額経費に計上できます。
40万円未満であれば「少額減価償却資産」として一括で経費処理が可能です。
中古設備は単価が低いため、一つひとつは小さな金額でも、積み重ねれば相応の経費を作ることができます。
さらに、リノベーション費用の一部も修繕費として計上できる場合があります。
トータルで見ると、初期投資2,000万円のうち約80%、つまり1,600万円ほどを経費化できるケースも珍しくありません。
| 項目 |
金額・割合 |
| 初期投資額(中古取得+リノベーション) |
2,000万円 |
| 経費化可能額(約80%) |
約1,600万円 |
| 法人税軽減額(実効税率30%) |
約480万円 |
| 実質利回り(案件による) |
8%前後 |
すでに客がついている安定した収益基盤の上に、これだけの節税効果が乗ってくるのは、中古コインランドリーならではの魅力といえるでしょう。
業者選びが投資の成否を左右する
注意すべきは、良質な中古物件は市場に出回る前に売れてしまうことが多いという点です。
中古コインランドリーの再生に実績のある業者は、独自のネットワークで「引退を考えているオーナー」の情報をいち早くキャッチしています。
こうした業者と事前に関係を築いておくことが、優良案件を確保するための鍵になります。
業者を選ぶ際には、売上シミュレーションの根拠が明確であるか、故障時の対応体制は整っているか、リノベーションの実績は十分かといった点を厳しくチェックすることが重要です。
中古ならではのノウハウを持った業者を選べるかどうかが、投資の成否を大きく左右します。
まとめ
コインランドリー投資は、中小企業経営強化税制による即時償却を軸に、固定資産税の軽減、相続税対策、退職金の現物支給といった多面的な節税メリットを持つ投資手法です。
しかし、新規出店は競合の増加により立地リスクが高まっています。
そこで注目されているのが、オーナーの高齢化によって放出される中古コインランドリーの取得とリノベーションです。
中古物件には、過去の実績で収益性を確認できる安心感、立地の正解が証明されている信頼性、そしてリノベーションによる大幅な収益改善の余地があります。
加えて、初期投資の約80%を経費化できるケースもあり、節税と収益の両面で合理性の高い選択肢となっています。
重要なのは、信頼できる業者と繋がり、優良物件の情報をいち早く入手できる体制を整えておくことです。
節税対策はタイミングによって選択肢が大きく変わるため、決算が近づく前の早めの検討をお勧めします。
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コインランドリー投資の全体像をより深く理解したい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。