年収が高くても大丈夫!?障害年金の所得制限の注意事項

年収が高いと様々な所得制限があります。

これが老後の在職年金や、ちょっとした健康保険の給付の差であるならば心配は少ないかもしれません。

しかし、住宅ローンや教育費などの大きな出費があると、いくら年収が高くても「万が一障害を負ってしまったら」と考えてしまい、不安になりますよね。

ましてや、「あなたは年収が高いから障害年金は支給できませんよ」と所得が高いことで社会保険の給付が制限されてしまっては、本当に困ってしまいます。

この記事では、そんな不安が払拭されるような『障害年金と所得制限』についてのお話をしたいと思います。

1.障害年金に所得制限はない

結論から申し上げると、障害年金には基本的に所得制限はありません。

よって、いくら高年収であってもしっかりと障害年金を受給することができます。これは、しっかりと国民年金・厚生年金の保険料を支払っているからです。では、年金保険料を支払っていない方はどうなるの?と思った方も多いと思います。

実は、そのような方のために、所得制限が発生する例外が用意されていますので、そちらもご紹介いたします。

2.障害年金の所得制限があるケース(例外)

障害年金には基本的に所得制限はありませんが、以下の2つのケースだけは例外的に所得制限が発生します。

  • 20歳未満での障害
  • 特別障害給付金の対象者

20歳未満での障害

まず、20歳未満のケースですが、これは公的年金の保険料を納付する義務がないため、年金保険料を納付できていなかったことが原因で所得制限が設けられています。

ただ、違う観点で見れば、年金保険料を納付していなくても障害の保障はされているということです。また、20歳未満の若年者が高収入を得ているとも考えにくいので、実際はほとんどの方が所得制限されずに障害年金を受給できるということになります。

特別障害給付金の対象者

特別障害給付金の対象者とは、大雑把に言えば『平成3年3月以前の20歳以上の学生、もしくは昭和61年3月以前のサラリーマン・公務員の妻で障害状態に該当された方』です。

要は国民年金に任意加入していなかった方は、20歳未満の大学生同様、年金保険料を納付できていなかったことが原因で所得制限が設けられています。

平成30年度の特別障害給付金の受給額は、、、

  • 障害基礎年金1級:基本月額51,650円(2級の1.25倍)
  • 障害基礎年金2級:基本月額41,320円

となっていますが、特別障害給付金の月額は、前年の消費者物価指数の上昇下降に合わせて毎年度自動的に見直しされますので、毎年確認しましょう。

例1)20歳未満の障害年金の所得制限(扶養家族がいない場合)

扶養家族がいる場合は、1人につき38万円所得制限が広がります。
(全額支給停止の所得制限限度額が扶養家族1名の時は500.1万円以上、扶養家族2名の時は、538.1万円以上になります。)

例2)20歳未満の障害年金の所得制限(扶養家族がいない場合)

ここまでは所得制限がある例外を紹介しましたが、ここからは所得制限を受けないことを前提として、障害年金は大体どれくらいの金額が受け取れるのかを簡単にお伝えしていきます。

3.障害年金の受給と年金額の目安

これから障害年金がどれくらい受け取れるのか目安をお伝えしていきますが、年収や年金の納付期間によっても違いますのであくまでも目安としてご覧ください。

障害基礎年金は等級ごとに一律。子の加算はあり。

※平成30年4月分からの年金額(定額)

  • 974,125円(1級)
  • 779,300円(2級)

1級障害年金は2級障害年金の1.25倍受給できます。 

  • 子の加算額・・・ 第1子・第2子 各224,300円
  • 第3子以降  各 74,800円

子の加算もあるため、ご家族を持つ方にとっては手厚い制度となっています。ただし、加算対象の子とは18歳到達年度の末日を経過していない子。または20歳未満で障害等級1級または2級の障害者のことです。

障害厚生年金は報酬比例型で計算される。

【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕※対象者のみ

【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕※対象者のみ

【3級】
(報酬比例の年金額) ※最低保障額 584,500円

報酬比例の年金額の計算式

*平均標準報酬月額はボーナスを含んでおりません。また、現在価値に置き換えるため、評価率を乗じて計算されています。

*平均標準報酬額は、ボーナスを含んで計算されている報酬の月額です。

ボーナスを含んでいるため、『月』という文字が入っておりません。

計算式からもわかるように、

障害厚生年金は、報酬比例の年金額で受給額が大きく変わります。

報酬比例の年金額は、

平均標準報酬額(ボーナスも含めて平均して毎月いくら稼いできたか)と被保険者期間(厚生年金を何か月収めてきたか)で決まります。

年金定期便などでご自身の年金状況を確認されると、受給額の目安がより具体的にわかりますので、一度ご自身で確認してみてもいいでしょう。

参考:所得制限のある他の制度

障害年金では2つの例外で所得制限がありましたが、参考として所得が高いと制限されてしまう他の制度をいくつかご紹介いたします。(制度の一部のみ抜粋)

児童手当

  • 扶養親族等の数が0人のときは所得制限限度額622万円(収入額目安:833.3万円)
  • 扶養親族等の数が1人のときは所得額制限限度660万円(収入額目安:875.6万円)
  • 扶養親族等の数が2人のときは所得制限限度額698万円(収入額目安:917.8万円)

(*扶養親族の数が1人増えると、所得額に38万円を加算していきます。)

この所得額以上の場合は、児童手当5,000円/月のみが支給されます。

所得制限を受けなければ、、、

  • 3歳未満と3人目以降の子供は15,000円/月
  • 3歳以上の子供(2人目まで)は10,000円/月

が中学校卒業まで児童手当として支給されます。

仮にこの制度がずっと続いていくとすると

所得額661万円のAさん世帯(子供1人・扶養親族1人)

5,000円×12か月×15年間=90万円

所得額659万のBさん世帯(子供1人・扶養家族1人)

15,000円×12か月×3年間+10,000円×12か月×12年間=198万円

ここでAさん世帯とBさん世帯の給付額の差は

198万円-90万円=108万円

よって、108万円もの給付額の差が出てしまいました。

高等学校等就学支援金制度

高等学校へ通う子供がいる家庭に、支援金を給付する制度ですが、

平成30年7月支給分以降については、「市町村民税所得割額」と「道府県民税所得割額」の合算額が507,000円以上の世帯は、支援金が給付されず、通常通り授業料を負担することとなります。

例えば、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人・中学生1人の家庭であれば、年収が910万円以上の場合には、この制度の所得制限該当してしまいます。

高額療養費の自己負担分

高額療養費制度は、健康保険の制度の1つで、高額な医療費がかかる場合に、一定以上の医療費負担を補償してくれる制度です。

上位所得者(標準報酬月額53万円以上)は自己負担額が多くなっています。

【高額療養費制度/自己負担額の上限(70歳未満の場合)】

※平成27年1月診療分から


例えば、医療費が100万円の場合

  • 標準報酬月額53万円以上79万円未満の方の自己負担は171,820円
  • 標準報酬月額28万円以上50万円未満の方の自己負担は、87,430円
  • 低所得者(市区町村民税非課税)の方の自己負担は、35,400円

となりますので、たとえば標準報酬月額が70万円の方と30万円の方とでは、自己負担に84,390円の差があることがわかります。

これらの制度は、所得制限や所得によって補償が削減される制度の一部の抜粋ですので、詳細は市町村役場で確認してください。

まとめ

障害年金には、基本的には所得制限はありません。例外はありますが、ほとんどの方が制限なく受け取れるようになっているかと思います。

また、参考として所得制限のある他の制度もご紹介しましたが、そのような所得制限に自分は該当していないか、該当していたとしたらどのような対応になるのかを理解しておけば対策はできます。

普段忙しくてなかなか社会保険制度を調べることができない方もこのようなサイトで情報を収集しておくだけで、なにかのときに役立つと思います。

時間のあるときにまとめて調べて、どこかに書き留めておくことをお勧めします。

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