利益が出過ぎた社長へ捧ぐ「決算直前の駆け込み節税」ベスト9!無策で高額納税する前に読むべき資産防衛の鉄則

「今期は予想以上に業績が良く、過去最高益になりそうだ」経営者にとって、これほど嬉しいことはありません。しかし、決算月が近づくにつれて、その喜びは「納税への恐怖」へと変わっていきます。日本の法人税率は、実効税率で約30%〜34%です。汗水流して稼いだ利益の3分の1が、税金としてキャッシュアウトしてしまうのです。何の対策もせずに決算を迎えれば、多額の納税により手元資金が枯渇し、黒字であるにもかかわらず資金繰りが苦しくなる「黒字倒産」のリスクさえ招きかねません。

しかし、諦めるのはまだ早いです。決算の直前であっても、合法的かつ効果的に利益を圧縮し、会社にキャッシュを残すための「駆け込み節税策」は数多く存在します。重要なのは、単にお金を使って経費を増やす「浪費」ではなく、将来の売上につながる投資や、会社・従業員の満足度を高める施策にお金を使う「生きた節税」を行うことです。

今回は、数ある節税手法の中から、特に決算直前でも間に合いやすく、かつ効果の高い手法を厳選し、「ベスト9」のランキング形式で徹底解説します。少額で手軽にできるものから、数千万円〜億円単位の利益を一気に消し去る強力なスキームまでメリット・デメリットを解剖していきます。

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社長の資産防衛チャンネル編集チーム

社長の資産防衛チャンネル編集チーム

本記事は社長の資産防衛チャンネル編集チームで執筆、税理士法人グランサーズが監修しています。編集チームは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持つメンバーで構成されています。

第9位:福利厚生の活用(社員旅行・レクリエーション)

まず第9位は、従業員のモチベーションアップと節税を両立させる「福利厚生費」の活用です。決算賞与などで現金を支給すると、従業員側で所得税や社会保険料の負担が増えてしまいますが、福利厚生として提供すれば、従業員は非課税でサービスを享受でき、会社は全額を経費(損金)にできるという「Win-Win」の関係が築けます。

経費として認められるための厳格な要件

ただし、社長と家族だけで行く豪華旅行などは福利厚生費として認められません。以下の要件を満たす必要があります。

  1. 全従業員を対象とすること役員だけ、あるいは特定の部署だけを対象にすることはできません。機会は平等に与える必要があります。
  2. 旅行期間は4泊5日以内であること海外旅行の場合、現地での滞在日数が4泊5日以内であれば認められます(機中泊は含みません)。
  3. 参加者が全体の50%以上であること全員に参加資格を与え、実際に半数以上が参加する必要があります。

また、一人当たりの費用が社会通念上妥当な範囲(概ね10万円程度まで)であることも重要です。決算期に社員旅行を企画・実施し、費用を支払うことで、経費計上が可能です。もし実施が来期になる場合でも、旅行代理店等と契約を結び、一定の要件を満たせば未払計上が認められるケースもありますが、基本的には「実施」が必要です。

第8位:4年落ち中古車の購入(最短1年償却)

第8位は、節税の王道とも言える「4年落ち中古車」の購入です。なぜ新車ではなく「4年落ち」なのか。そこには減価償却の計算マジックがあります。

「定率法」による爆速償却のロジック

法人の場合、車両などの減価償却は原則として「定率法」で行います。定率法は、初年度に多くの経費を計上できる方法ですが、さらに中古資産には「耐用年数の短縮」という特例があります。

法定耐用年数(普通車は6年)を経過した資産の耐用年数は、以下の式で計算します。(法定耐用年数6年×20%)=1.2年→2年(端数切り捨て、最低2年)

耐用年数2年の定率法の償却率は「1.000(100%)」です。つまり、購入した金額の全額を、その事業年度の経費として一括で落とせる計算になります。例えば、500万円の4年落ちベンツを購入すれば、500万円の損金が作れるわけです。

最大の落とし穴は「月割り計算」

しかし、ここで注意が必要なのが「減価償却は月割り計算である」という点です。「1年で100%償却できる」といっても、それは「12ヶ月間事業に使った場合」の話です。もし、決算月のギリギリに購入して、1ヶ月しか使っていない場合、経費にできるのは「購入額の12分の1」だけです。500万円の車を買っても、約41万円しか経費になりません。キャッシュは500万円出ていくのに、節税効果は薄いため、決算直前の対策としては資金繰りを悪化させるリスクがあります。このスキームを最大限活かすなら、「期首(事業年度の始まり)」に購入するのが鉄則です。

ただし、決算月であっても「消費税の還付(または納税額の減少)」というメリットは享受できます。車両代金にかかる消費税分は、購入時期に関わらず全額控除できるためです。

第7位:固定資産の修繕(修繕費)

第7位は、所有している建物、機械、車両などのメンテナンスを行う「修繕費」です。利益が出ているタイミングで、古くなった設備を直し、来期以降の事業活動に備えるのは非常に合理的な判断です。

「修繕費」と「資本的支出」の境界線

ここで問題になるのが、その支出が「修繕費(一括経費)」になるのか、「資本的支出(資産計上して減価償却)」になるのか、という点です。税務署はここを厳しくチェックします。

  • 修繕費(経費):通常の維持管理、原状回復のための費用。(例:壊れたガラスの交換、定期的な壁の塗り替え、機械の部品交換)
  • 資本的支出(資産):資産の価値を高める、または耐久性を増すための費用。(例:避難階段の取り付け、用途変更のための改装、性能アップのための部品交換)

資本的支出とみなされると、資産として計上し、数年かけて減価償却しなければならず、当期の節税効果は激減します。判断に迷う場合は、以下の基準(形式基準)を参考にしてください。

  • 一つの修理や改良の金額が20万円未満である場合
  • およそ3年以内の周期で行われる修理である場合
  • 支出額が60万円未満、またはその資産の前期末取得価額の10%以下である場合

これらに該当すれば、修繕費として処理できる可能性が高いです。

第6位:広告宣伝費の前倒し

第6位は、来期に行う予定だった広告宣伝活動を、今期中に前倒しで実施することです。パンフレットの増刷、Webサイトのリニューアル、求人広告の出稿などは、将来の売上や人材確保につながる「投資」としての性格が強く、無駄になりにくい節税策です。

「お金を払えば経費」ではない!

多くの経営者が誤解しているのが、経費計上のタイミングです。「決算日までに代金を支払えば経費になる」と思っていませんか?広告宣伝費は、原則として「広告宣伝という役務の提供が完了した日(掲載日・配布日)」に経費になります。

例えば、3月末決算の会社が、3月30日に「4月掲載分の雑誌広告費」を支払ったとします。この場合、支払いは済んでいても、広告が出るのは来期(4月)なので、今期の経費にはなりません(前払費用として資産計上)。これを間違えて経費処理し、税務調査で否認されるケースは後を絶ちません。

その点、「インターネット広告(リスティング広告やSNS広告)」は即効性があります。設定すればすぐに掲載が始まり、消化された予算分は確実に今期の経費になります。また、チラシやパンフレットも、期末までに納品され、一部でも配布を完了していれば経費として認められます。

第5位:少額減価償却資産の特例(30万円未満)

第5位は、中小企業に認められた強力な特例、「少額減価償却資産の取得」です。通常、10万円以上の資産は減価償却が必要ですが、青色申告を行っている中小企業(従業員1,000人以下等)であれば、取得価額が30万円未満の資産について、年間合計300万円まで、一括で経費(損金)に計上できます。

月割り計算不要!最強の駆け込みツール

この制度の最大のメリットは、中古車のような「月割り計算」がないことです。決算日の前日に購入し、事業の用に供すれば(使い始めれば)、その全額が今期の経費になります。

  • 1台20万円の高性能パソコンを10台購入(200万円)
  • 1個5万円のオフィスチェアを20脚購入(100万円)

このように、合計300万円までなら、必要な備品をまとめ買いすることで、利益を即座に圧縮できます。ただし、「取得価額」の判定は、税込経理なら税込、税抜経理なら税抜で行う点に注意してください。また、あくまで「事業の用に供する」ことが要件なので、購入して段ボールに入ったまま期をまたぐと、経費として認められません。

第4位:決算賞与の支給

第4位は、従業員への「決算賞与」です。利益を従業員に還元することは、最も健全な節税策の一つです。社員のモチベーションが上がり、離職防止にもつながります。

未払いでも経費にできる「特例」

通常、経費は「支払った時」に認識されますが、決算賞与については、以下の3つの要件をすべて満たせば、実際に支払うのが翌期であっても、今期の未払費用として経費計上できます。

  1. 支給額の通知:決算日までに、全従業員に対して、個別の支給額を通知すること。
  2. 経理処理:決算で未払計上(損金経理)すること。
  3. 支払期限:決算日の翌日から1ヶ月以内に全員に支払うこと。

「今はお金がないけれど、来月の入金で支払える」という場合でも、今期の利益を圧縮できる非常に使い勝手の良い制度です。ただし、通知した後に「やっぱり払えない」は通用しません。通知した時点で債務が確定するため、必ず支払う必要があります。

※なお、役員に対する賞与は「事前確定届出給与」の届出をしていない限り、原則として経費になりません。決算直前に思いつきで社長にボーナスを出しても、法人税の対象になる上、社長個人に所得税がかかるという最悪の結果になるので注意してください。

第3位:優遇税制を利用した設備投資

第3位は、国の産業政策に基づく「優遇税制」の活用です。特に「中小企業経営強化税制」や「中小企業投資促進税制」を活用することで、機械装置、ソフトウェア、器具備品などを購入した際に、以下のいずれかのメリットを受けられます。

  1. 即時償却:取得価額の100%を、その年度に一括で経費計上する。
  2. 税額控除:取得価額の7%〜10%相当額を、法人税額から直接差し引く。

どちらを選ぶべきか?

  • 即時償却:とにかく今期の利益を大きく減らしたい場合に有利です。課税の繰り延べ効果があります。
  • 税額控除:長期的に見て、支払う税金の総額を減らしたい場合に有利です(永久節税)。

【注意点】特に効果の大きい「中小企業経営強化税制」を使うには、事前に経済産業局などから計画の認定を受ける必要があります。申請から認定まで1〜2ヶ月かかることもあるため、決算ギリギリでは間に合わないリスクがあります。利益予測が立った段階で、早めに税理士やメーカーと相談して準備を進める必要があります。

第2位:経営セーフティ共済(倒産防止共済)

第2位は、中小機構が運営する「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」です。本来は取引先が倒産した際の連鎖倒産を防ぐための制度ですが、実質的には「最強の節税積立金」として機能します。

「年払い」で最大460万円を経費化

掛金は月額5,000円〜20万円の範囲で自由に設定でき、全額が経費になります。さらに、向こう1年分を前納(前払い)することが可能です。決算月に加入し、当月分(20万円)+翌年1年分(240万円)を支払えば、初年度から260万円を経費にできます。すでに加入している場合も、決算月に増額して年払いをすれば、最大460万円の損金を作ることが可能です。

100%戻ってくる安心感と出口戦略

掛金総額が800万円になるまで積み立てられ、40ヶ月(3年4ヶ月)以上加入していれば、解約時に掛金が100%戻ってきます。つまり、外部にキャッシュを流出させずに簿外資産を作れるのです。ただし、解約して戻ってきたお金は全額「益金(利益)」として課税されます。そのため、

  • 赤字が出そうな年
  • 大規模な修繕を行う年
  • 役員の退職金を支払う年など、解約して益金が出ても相殺できるような「出口戦略」を用意しておくことが不可欠です。

第1位:オペレーティングリース

そして第1位は、数千万円から数億円規模の利益を一気に圧縮できる「オペレーティングリース」です。これは、航空機、コンテナ船、トレーラーハウスなどの大型資産に投資し、その減価償却費などを取り込むことで巨額の損金を作るスキームです。

一撃で利益を消す破壊力

一般的なスキームでは、出資した初年度に、出資額の約70%〜80%を一気に損金算入できます。例えば、期末に突発的に1億円の利益が出てしまった場合、3,000万円をオペレーティングリースに出資すれば、約2,400万円の損金を作り、法人税を約800万円減らすことができます。

完全な「課税の繰り延べ」である点に注意

このスキームは、リース期間終了後(数年〜10年後)に、資産の売却益などとして出資金+αが戻ってきます。つまり、今払うべき税金を将来に先送りしているに過ぎません。お金が戻ってくるタイミングで、

  • 社長の勇退(役員退職金の支給)
  • 新規事業への巨額投資
  • 次なる大型節税商品の購入といった、利益を相殺する計画がなければ、先送りした税金を後でまとめて払うことになります。まさに「時間を買う」ための高度な戦略商品であり、出口戦略なき利用は火傷のもとです。

まとめ

利益が出過ぎた時の節税対策は、残された時間と、消したい利益の額によって選ぶべき手段が変わります。

  • 直前・少額:少額減価償却資産(30万円未満)、広告宣伝費、決算賞与
  • 中期的・中規模:経営セーフティ共済、4年落ち中古車、設備投資
  • 計画的・大規模:オペレーティングリース

最も重要なのは、節税自体を目的にしないことです。「税金を払いたくないから」といって、無駄なものにお金を使えば、会社のキャッシュは減り、財務体質は弱くなります。将来の投資、従業員への還元、そして万が一の備え。これらに資金を振り向ける手段として「節税」を賢く活用してください。

「自分の会社の場合、どの対策が最適なのか?」具体的なシミュレーションや、各スキームのリスク評価については、決算対策に強い税理士に相談することをお勧めします。

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