遺族年金の受給期間|万が一の時に知っておくべき3つのルール

公開 2016年12月20日更新 2021年10月29日
遺族年金の受給期間|万が一の時に知っておくべき3つのルール
遺族年金の受給期間|万が一の時に知っておくべき3つのルール

遺族年金は残された家族にとっては、生活費を確保するための大切な保障です。

ただしすべてが一生涯受けれれる保障ではありません。

遺族基礎年金、遺族厚生年金それぞれに受給期間は決まっています。

遺族年金の受給期間は生命保険を設計する上でも重要なことです。

そこでこの記事では

  • 遺族基礎年金の受給期間
  • 遺族厚生年金の受給期間
  • 遺族年金の受取りイメージ

をお伝えします。遺族年金は年金に加入していれば受けられる保障ですが、この記事をお読みいただきいつまで受給を出来るのかご理解頂ければ幸いです。

はじめに:遺族年金は種類によって受給期間が違う

遺族年金は公的年金の一つですが、遺族年金を大きく分けると以下の2種類になります。

  • 遺族基礎年金(自営業)
  • 遺族厚生年金(会社員・公務員)

このように基本的には自営業の方は「遺族基礎年金」、会社員の方は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の両方が保障の対象となります。そしてこの2つの受給期間は異なります。

※共済年金は平成27年10月に厚生年金に統合されています。

※遺族年金平成26年改正
平成26年3月まで遺族基礎年金を受給できる人は、「子どもがいる妻」や「子ども」に限られていました。夫は受給の対象外でしたが、男女差を解消しようということで「子供のいる妻」から「子どものいる配偶者」に変わったため、父子家庭でも需給ができるようになりました。ただし、実施日以降に該当したケースに限りますので、実施日前にすでに父子家庭だった方は、遺族基礎年金は受給できません。

それではこれから各種受給期間を見ていきましょう。

1. 遺族基礎年金の受給期間

遺族基礎年金は年金を支払っている方は基本的に受けられる保障で、金額も保障期間も特別な場合を除き一律です。

遺族基礎年金の受給期間は以下の2つになります。

  • 子供が18歳到達年度の末日(3月31日)まで
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

これは自営業の方も会社員の方も同じです。また、遺族年金の中には一定要件を満たすと、寡婦年金または死亡一時金を受け取れる場合があります。

※寡婦年金とは
保険料納付期間が25年以上ある自営業の夫が死亡したとき、第1号被保険者期間だけで計算した年金額の4分の3が支給されるものです。受け取れるのは婚姻関係が10年以上あり65歳未満の妻で60歳から65歳までの5年間受け取れます。ただし亡くなった夫が老齢基礎年金や障害年金を受給していたり、妻が老齢基礎年金の繰り上げを受給している場合は受け取ることができません。
※死亡一時金とは
第1号被保険者として保険料を3年納めた人が老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らないまま亡くなった場合は死亡一時金が受け取れます。寡婦年金のどちらも受けられる場合は一方を選んで受け取ります。死亡一時金の金額は納付期間と保険料免除期間に応じて12万円~32万円なります。

2. 遺族厚生年金の受給期間

続いて会社員の人が受けられる遺族厚生年金です。受給資格が発生した時(配偶者が死亡した時)から、再婚しない限りは原則としてずっと受給しつづけることができます。

ただし、65歳を超えて老齢年金を受け取れるようになった後は、どちらか多い方の金額を受け取ることができるようになります。

これから、実際の受取りイメージで解説していきます。

遺族年金の受給要件については「遺族年金の受給条件|必ず知っておきたい4つのポイント」でお伝えしていますので是非参考にしてください。

3. 遺族年金の受取りイメージ

上記のご説明ではわかりにくいと思いますので、それでは遺族年金の給付金受取りイメージをお伝えします。

それでは見ていきましょう。

3.1. 自営業の人の遺族年金受給イメージ

自営業の方が亡くなった場合は「遺族基礎年金」のみの受給となります。ただし、死亡一時金と寡婦年金が受け取れる可能性があります。

図にすると以下のようになります。

【会社員・公務員の夫が亡くなった場合】

夫の平均標準報酬月額は35万円、他に妻と子供2人がいる場合のイメージ(年額)です。
平成30年度の金額をもとにイメージを作成しています。

このように給付金を受け取れるのは子供が18歳までになり、次回年金を受け取れるのは老齢年金となります。よって、自営業の方は子供が18歳到達年度の末日(3月31日)になると保障がなくなることになります。

3.2. 会社員の人の遺族年金受給イメージ

会社員の方が亡くなり、妻と子がいる場合、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が併せて受給できます。

末子が18歳に到達する年度末になると遺族基礎年金の受給資格がなくなります。

それからは遺族厚生年金だけになりますが、中高齢寡婦加算が受給できるようになります。

イメージは以下のようになります

【会社員・公務員の夫が亡くなった場合】

夫の平均標準報酬月額は35万円、他に妻と子供2人がいる場合のイメージ(年額)です。
平成30年度の金額をもとにイメージを作成しています。

このように会社員の方は上記の遺族基礎年金との2階建てとなっており、18歳到達年度の末日(3月31日)になってもその後は中高齢寡婦加算と遺族厚生年金から保障を受けることができます。

ただし、子どもがいなかったり、いても成人しているような場合、遺族基礎年金は支給されません。

また、夫が亡くなったが子どもがまだ20代と若い場合は、遺族厚生年金も5年しか支給されません。

まとめ

遺族年金は、年金に加入をしていれば受給できる保障です。ただし、受給できる期間は決まっています。

遺族年金は大黒柱の人に万が一があった時に、ご家族が生活費を確保するのに重要な大きな保障となります。

そして、生命保険に加入するときには遺族年金から保障がいくら受けられるか確認してから、どれくらい民間の生命保険が必要か金額を決めます。

したがって、生命保険に加入するときには遺族年金がしっかりと受けられるのか確認してから加入しなければいけません。

自分に万が一があった場合にどれくらい保障が受けられるのかも併せて確認しておくとよいでしょう。

遺族年金の金額については遺族年金はいくらもらえる?押さえておくべき年金額と改正のポイントを是非参考にしてください。

動画でも解説しています

社長の資産防衛チャンネルでは、税理士が同じテーマをより詳しく解説しています。 文字で追いきれなかったところは、動画でご覧ください。

社長の資産防衛チャンネルを見る →
老後

年金繰り上げ受給は60歳が合理的?受給開始を前倒しすべき理由と実務上の注意点

「年金は原則通り65歳から、あるいはできるだけ遅らせて受け取る方が、月々の受給額が増えてお得だ」一般的には、このように受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」が、老後資金を最大化する王道として推奨される傾向にあります。確かに…

2026年4月17日
役員報酬

遺族厚生年金制度の見直しと影響:給付期間短縮リスクへの備えと資産防衛策

「遺族年金が大幅に減額される可能性がある」というニュースを耳にしたことはあるでしょうか。これまで、配偶者に先立たれた際の生活の支えとして、公的保障の要となっていた遺族年金ですが、現在、その制度の抜本的な見直しに向けた議論…

2026年2月20日
老後

遺族厚生年金、生涯受給から「5年で打ち切り」へ|2028年からの大改正を解説

「夫に万が一のことがあったら、遺族年金があるから、なんとか生活はしていけるはず…」これまで、多くのご家庭、特に専業主婦世帯の生活設計は、この公的なセーフティネットを前提に考えられてきたかもしれません。しかし、その常識が、…

2025年11月5日
遺族年金

遺族年金の手続き|万が一の時にご遺族が知っておくべき基礎知識

遺族年金とは、その名の通り、『家計を支える方がお亡くなりになった場合、残された遺族の生活を守るための年金』です。 遺族年金を受け取るためには、申請手続きを行う必要があります。 手続きに関しては、様々な必要書類を揃える必要…

2024年5月31日
通話料無料で今すぐ電話で相談予約フォームから無料相談予約