新制度で損をしない生命保険料控除の申告方法

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生命保険に加入をしているとその保険料を生命保険料控除により所得から控除することができます。

会社員であれば10月に保険会社から生命保険料控除証明書(ハガキ)が届き、それを11月に申告書と合わせて会社に提出をして年末調整という形で還付を受けていると思います。

ただ、平成24年1月から新制度が開始され生命保険料控除が複雑になりました。

それにより以下のことに疑問はありませんか?

  • 新制度と旧制度どちらの契約もある場合どちらで申告をすればいいの?
  • 年末調整により実際いくら戻ってくるの?
  • 申請するときに注意する点は?

生命保険料控除は申告をしないと還付は受けられません。そして新制度になったことによって損をしている人、得をしている人がいます。

申告の仕方によって還付される金額が違う場合があります。特に新契約と旧契約、両方加入している人は納税者がいずれか有利なものを選択することができることになっています。

今日は新制度になって生命保険料控除の損をしない申告の方法を中心に大事な5つのポイントをお伝えします。これらのポイントを抑えていれば今年の申告では損をしないはずです。是非参考にしてください。

はじめに:生命保険料控除の新制度とは?

生命保険料控除とは払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額がその年の所得から差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。

給与など所得に一定の税率をかけて所得税の金額が決まるため、所得控除により課税所得(課税の対象となる所得)が下がることによって所得税と住民税が軽減されます。

生命保険料控除は15種類ある所得控除の1つです。

生命保険料控除は平成22年度税制改正によって平成24年1月1日以後に契約した生命保険から、新制度の対象になります。

これまでの死亡保障・医療保険を中心とした「一般生命保険料」と個人年金保険の「個人年金保険料」の2種類に新たに医療保険・がん保険・介護保険などの「介護医療保険料」が新設され3種類になりました。

控除額の上限

旧制度

  • 一般生命保険料控除 5万円
  • 個人年金保険料控除 5万円

新制度

  • 一般生命保険料控除 4万円
  • 介護医療保険料控除 4万円
  • 個人年金保険料控除 4万円

旧制度では上限が10万円だったのに対して新制度では12万円と控除の合計額は拡大しました。

新制度と旧制度

1. 平成24年1月以降の契約から新制度が適用される

新制度では3種類に分かれてます。

  • 一般生命保険料控除・・・生存または死亡に起因して支払う保険金・その他給付金に係る保険料(死亡保障)
  • 介護医療保険料控除・・・入院・通院などにともなう給付部分に係る保険料(医療保険・がん保険・介護保険など)
  • 個人年金保険料控除・・・個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険

「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれについて所得税・住民税ごとに、次のとおり所得控除額を計算します。

生命保険料控除新制度

平成23年12月以前の契約は旧制度が引続き適用になる

旧制度では2種類です。

  • 一般生命保険料控除・・・死亡保障・医療保障・介護保障など生命保険全般
  • 個人年金保険料控除・・・個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険

「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれについて所得税・住民税ごとに、次のとおり所得控除額を計算します。

生命保険料控除旧制度

2. 新制度・旧制度により実際いくら戻るのか?

生命保険料控除により年末調整もしくは確定申告をした場合所得税・住民税から還付を受けれます。

実際いくら還付を受けられるのでしょうか?

今までの旧制度だと・・・

例 40歳男性 会社員 年収600万円 妻 子10歳 保険料月々25,000円(死亡保障17,000円・医療保障8,000円)

給与所得600万円-給与所得控除174万円(600万×20%+54万円)=426万円

給与所得控除計算表

給与所得控除1

426万円-38万円(基礎控除)-70万円(社会保険料控除)-38万円(配偶者控除)-38万円(扶養控除)-5万円(生命保険料控除)=237万円

課税所得237万円

所得税計算表に当てはめると

所得税計算表1

課税所得が237万円だと税率10%になります。

住民税は平成19年6月より一律10%になっています。

所得税:50,000円×10%=5,000円

住民税:35,000円×10%=3,500円

合計 所得税5,000円+住民税3,500円=8,500円

今までの旧制度だと8,500円の還付が受けられます。

平成24年1月以降に契約した新制度だと・・・

新制度の場合一般生命保険料控除とは別に介護医療保険料控除が新設されたため、控除の枠が広がりました。

一般生命保険料控除(所得税4万・住民税2.8万)+介護保険料控除(所得税4万・住民税2.8万)=所得税8万・住民税5.6万

所得税:80,000円×10%=8,000円

住民税:56,000円×10%=5,600円

所得税8,000円+住民税5,600円=13,600円

還付を受けられるのは13,600円になります。

※平成23年12月以前の契約は旧制度での申告しかできません。

3. 新制度により注意しないといけない人

平成24年1月の新契約から新制度になるので平成23年12月以前の契約だけの人は旧制度が適用となり今までと同じように申告すれば大丈夫です。

また、平成24年1月以降に加入した契約だけの人も新制度で申告をすればいいです。

ただ、新制度によって注意がする必要があるケースがあります。

そこで以下に該当する人は注意が必要です。

3-1 平成24年1月以降に更新をした人

定期保険(10年など)に加入をしている場合保険期間が終了するとそのまま契約を続けるために更新をするケースがあります。

旧制度の契約でも平成24年1月以降に更新をすると新制度になります。よって今までとは控除額が変わってきます。

新制度になると旧制度のときに比べて申告する金額も今までと変わってくるので年末調整の申告書を記入するときは注意しましょう。

3-2 平成24年1月以降に追加で医療保険・がん保険に加入した人

今まで加入していた生命保険があったが医療保険やがん保険を追加で加入した場合などが該当します。

その場合、今までの旧契約で一般保険料控除で5万円控除を受けていたものはそのまま申告し、新たに加入した医療保険・がん保険については新設された介護医療保険料控除で別に申告できます。

3-3 平成24年1月以降に生命保険を見直した人

生命保険を見直しをして、すべての保険を新しいものに切り替えした場合はそのまま新制度で申告をします。

ただ、よくあるケースとしては一部だけを見直す場合があります。特に終身保険・養老保険・学資保険など貯蓄ができる契約はそのまま残し、定期保険・医療保険など保障だけを見直すことがあります。

その場合は・・・

旧制度では一般生命保険料控除の上限が5万円だったのに対し、新制度では上限が4万円になっているので旧制度で4万円以上ある場合は一般生命保険料控除は旧制度で申告をしたほうがいいです。

そして保険の見直しによって医療保険・がん保険などを新規で加入をした場合は新契約になりますので新設された介護医療保険制度で一般生命保険料控除とは別に申告をできます。

例 平成24年4月に生命保険を見直し

見直し前::生命保険(死亡保障8,000円・医療保険7,000円):学資保険10,000円 合計25,000円

見直し後::生命保険(死亡保障8,000円・医療保険7,000円):学資保険10,000円 合計25,000円

上記の例だと

一般生命保険料控除:旧契約の学資保険で上限の5万円になるので学資保険で申告します。

介護医療保険料控除:新契約で医療保険を加入しているので申告すると上限の4万円が控除になります。

個人年金保険料控除:なし

そうすると今までの旧制度までは5万円しか控除を受けられなかったの対して新契約の医療保険・がん保険などを新設された介護医療保険料控除にて追加で申告できるようになるため4万円プラスで控除が受けられるようになります。

ただし、旧契約で個人年金に加入していて旧契約で一般保険料控除5万円と個人年金保険料控除5万円で合計10万円控除を受けている場合、新契約で医療保険に上限の4万円まで加入をしても合計で14万円控除されるわけではなく、新制度の控除額上限の12万円が控除になります。

4. 妻が契約者でも夫の所得から控除できる可能性がある

生命保険料控除はあくまでも保険料を支払いをした人の所得から控除されるので契約者が妻でも夫の所得から控除することは可能です。

ただし、保険金や年金のすべての受取人が保険料を払っている夫、または妻やその他の親族となっていることが必要です。

また、一定の上限が決まっているので夫の契約だけで上限まで行く場合は妻の控除証明書を使用しても意味はありません。

5. 個人年金保険料控除を活用する

一般生命保険料控除とは別で個人年金保険料控除があるので、もし個人年金に加入していないのであれば老後の貯蓄として個人年金で積立をするのも1つの方法です。

昔の利率のよかったときに比べるとそれほど増えないですが今は利率のいい他の金融商品がほとんどないので積立ができる金額だけ個人年金に加入するのもいいのかもしれません。

もし新規で個人年金に加入をしたらどうなるのでしょうか?

例 35歳男性 会社員 年収600万円 妻 子供5歳

個人年金保険金 保険料:月々10,000円 年金額:34万円 保険料払込期間:60歳まで 60歳から10年確定年金

上記契約の場合、個人年金保険料控除額は上限の所得税4万円・住民税2.8万円控除となり所得税の税率10%で計算すると以下のようになります。

所得税 40,000円×10%=4,000円

住民税 28,000円×10%=2,800円

よって月々10,000円の個人年金に加入をすると年額6,800円の還付が受けれます。

60歳までの合計は6,800円×25年=170,000円となります。

60歳までの25年間で170,000円還付が受けられます。

※将来年収が上がり所得税の税率が上がると控除金額も上がります。

ただし、個人年金保険料控除の対象となる保険の条件は、以下のすべての条件を満たし、「個人年金保険料税制適格特約」を付けた保険です。

  • 年金受取人が契約者または配偶者のどちらかである
  • 年金受取人は被保険者と同一である
  • 保険料払込期間は10年以上である
  • 年金受取開始が60歳以降で年金受取期間が10年以上である

5. 生命保険料控除の申告方法

生命保険料控除は申告をしなければ控除は受けられません。
保険会社から10月~11月ごろに「生命保険料控除証明書」と記載されているハガキが届きます。

 1-1 会社員は年末調整をする

勤務先(総務部など)に「給与所得者の保険料控除等申告書」に「生命保険料控除証明書」を添付して提出すれば、年末調整で控除を受けられます。

確定申告の必要はありません。

※年末調整とは
会社員・公務員など給与所得者は通常毎月源泉徴収により自動的に給与から天引きになっていますがその合計額と本来納めなければならない額が相違する場合があります。その時に本来の金額に調整するのが年末調整です。
そして生命保険料控除はまったく考慮されずに天引きされているのでほとんどの人は年末調整により還付が受けられます。

還付されるのは12月~1月に給与もしくはボーナス支給の時に還付されるケースが多いようです。給与とは別に支給されることもあるようです。

もし会社へ期限内に申告書を提出し忘れた場合、自分で確定申告すれば控除を受けられます。

5-2 自営業などは確定申告をする

自営業の場合、会社員のように給与から自動的に天引きされていないので確定申告が必要になります。

翌年の2月16日~3月15日までに所得税の確定申告で、「生命保険控除証明書」を確定申告書に添付し、税務署に提出します。税務署に行くときは生命保険料控除証明書(ハガキ)を忘れないようにしましょう。

還付されるのは確定申告をしてから1か月くらい掛かります。

5-3 生命保険料控除証明書は再発行できる

生命保険料控除証明書が10月に届いているので年末調整・確定申告をするまでに時間があります。その間に無くしてしまったまたは間違えて破棄してしまったなどよくあることです。その時はすぐに保険会社に再発行してもらいましょう。

まとめ

生命保険は80%以上の人が加入していると言われています。生命保険には生命保険料控除による所得税・住民税を軽減する特典があります。

ただし、申告をしないと控除が受けられません。また、平成24年1月から新制度になったことにより、複雑になっているので申告の仕方によって損をしている人もいると思います。これから生命保険を見直す人は生命保険料控除が新制度に変わるので気を付けてください。

わからない場合は専門家に相談するか、税務署に確認しましょう。

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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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