がん保険の告知|病気でも入れる人と入れない人の違い


がん保険への加入時に必要となるのが保険会社へ健康状態・過去の病歴等を知らせる「告知」です。
告知内容によっては保険への加入を断られることになるため、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
ただし、がん保険の告知内容は、医療保険などとは性格が異なります。必要以上に不安視するのではなく、正しい知識をもって適切に対応することが大切です。
この記事では、がん保険の告知内容の概要や、保険会社各社に共通する大まかな傾向に関して詳しく解説しています。
また、過去にがんの病歴がある方でも加入できる可能性がある「引受基準緩和型がん保険」についても紹介します。
1.がん保険に加入する際の「告知」とは?
がん保険の告知書は、医療保険など他の保険とは別に設定されていることが多くなっています。
医療保険などでチェックされるのは、幅広く、ケガや病気のリスクがどれくらいあるかです。
これに対し、がん保険でチェックされるのは、がんが理由で保険金が支払われる可能性がどのくらいあるかということに関する内容に限定されます。
たとえば、骨折などケガに関する内容は問われません。
また、がんと関連性がないと判断されれば問題視されません。
そのため告知書の申告内容が原因で医療保険や生命保険に加入できなかった方でも、がん保険には加入できる可能性があります。
2.がん保険の告知にみられる3つの大まかな傾向
がん保険の告知書の内容や判断の基準は保険会社ごとに多少異なりますが、おおよそ以下3つの傾向があります。
- がんにり患している、もしくはがん経験者の場合は加入不可
- がんと関連性が薄い病歴の場合はほぼ加入可能
- がんにり患するリスクが高くなる病気を経験した場合は個別の判断
2-1.がんにり患している、もしくはがん経験者の場合は加入不可
現在がんにり患しいる方はもちろんのこと、過去にがんにかかったことがある人も、がん保険への加入は難しいです。
なぜなら、がんは再発性のある病気なので、一度り患したことがある人は、「改めてがんにり患する可能性が高い」と保険会社に判断されるためです
ただし、後述する「引受基準緩和型」のがん保険であれば、加入できる可能性があります。
2-2.がんと関連性が薄い病歴の場合はほぼ加入可能
過去に病気で入院や手術を受けたりした方でも、がんと関連性が薄ければ、特に問題とされずがん保険に加入できることが多くなっています。
しかし、保険会社や保険商品によっては、心疾患や脳血管疾患、精神疾患、糖尿病などにかかったことがある人が加入を断られてしまうこともないわけではありません。
2-3.がんにり患するリスクが高くなる病気を経験した場合は個別に判断
これが最も複雑です。
がんにり患する可能性が高いと判断されれば、がん保険への加入が断られます。問題は、その判断です。
たとえばC型肝炎や肝硬変にかかったことがある方は、がん保険への加入ができません。
これに対し、大腸ポリープにかかったことがあっても、内視鏡手術等で切除した上で、組織検査の結果良性であれば、1~2年経過していること等を条件に加入できることもあります。
3.がん保険の告知書の2つのパターン
ここでは参考までに、がん保険の告知書の典型的なパターンを2つ紹介します。
3-1.A生命の例【1つでも「はい」があると加入不可】
1つ目のパターンは、質問項目の「はい」「いいえ」に丸を付け、1つでも「はい」があったら加入できないというものです。
【A生命のがん保険の告知書の例】
| 今までに、ガンや上皮内ガン、肝炎(B型、C型)のいずれかにかかったことがありますか。 |
| 最近3ヶ月以内で以下の症状・症候で医師の診察・検査(検査待ち期間を含みます)・治療・手術・投薬を受けたことがありますか。
■ しこり ■ リンパ節の腫れ ■ 下血・血便・吐血・喀血 ■ 血尿 |
| 過去2年以内に、以下の病気で、医師の診察、検査、治療、手術、投薬を受けたことがありますか。
■ 現在も医師の診察・検査・経過観察がある腫瘍・しこり・結節・腫瘤 |
| 過去2年以内に、健康診断(特殊健康診断を含む)・人間ドック・ガン検診(婦人科検診・乳ガン検診など)・脳ドックを受け、以下の検査の異常(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を含みます)を指摘されたことはありますか? 但し、再検査・精密検査の結果、 異常なく、診察が終了した場合は、「いいえ」とご入力ください。
■ 胸部レントゲン検査 ■ 消化管のレントゲン検査や内視鏡検査 |
| 今までに、ガンや上皮内ガン、肝炎(B型、C型)のいずれかにかかったことがありますか。 |
| 最近3ヶ月以内で以下の症状・症候で医師の診察・検査(検査待ち期間を含みます)・治療・手術・投薬を受けたことがありますか。
■ しこり ■ リンパ節の腫れ ■ 下血・血便・吐血・喀血 ■ 血尿 |
| 過去2年以内に、以下の病気で、医師の診察、検査、治療、手術、投薬を受けたことがありますか。
■ 現在も医師の診察・検査・経過観察がある腫瘍・しこり・結節・腫瘤 |
| 過去2年以内に、健康診断(特殊健康診断を含む)・人間ドック・ガン検診(婦人科検診・乳ガン検診など)・脳ドックを受け、以下の検査の異常(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を含みます)を指摘されたことはありますか? 但し、再検査・精密検査の結果、 異常なく、診察が終了した場合は、「いいえ」とご入力ください。
■ 胸部レントゲン検査 ■ 消化管のレントゲン検査や内視鏡検査 |
3-2.B生命の例【「はい」があっても加入できる場合あり】
次に紹介するのは回答が「いいえ」でも、詳細を記入して申告すれば加入できる可能性があるパターンです。
質問項目について「はい」「いいえ」もしくは、健康診断や人間ドックをうけて指定された項目に関して「指摘なし」「指摘あり」かを回答します。
その上で「はい」「指摘あり」と回答した項目があったとしても、状態や治療内容等を詳細を記入すれば、その内容次第では加入できる可能性があります。
【B生命のがん保険の告知書の例】
| 今までに、がんにかかったことがありますか。(がんには、白血病、肉腫、悪性リンパ腫などの悪性しゅようや上皮内がんを含みます。)
※ここが「はい」なら加入不可 |
| 最近3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。
※診察・検査に健康診断・人間ドックは該当しません。 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
| 過去5年以内に、以下の病気・症状・異常で医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。またはそれらの疑いで医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。
■脳・精神・神経の病気 ■肺・気管支の病気・症状 ■胃腸・すい臓の病気・症状 ■肝臓・胆のうの病気 ■しゅよう ■女性の病気・症状 ■以下の病気・症状 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
| 過去2年以内に健康診断、人間ドックをうけて、以下の臓器や検査内容に関する異常を指摘されたことがありますか?
〔臓器〕肺・胃腸・肝臓・腎臓・すい臓・胆のう・子宮・乳房 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
| 今までに、がんにかかったことがありますか。(がんには、白血病、肉腫、悪性リンパ腫などの悪性しゅようや上皮内がんを含みます。)
※ここが「はい」なら加入不可 |
| 最近3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。
※診察・検査に健康診断・人間ドックは該当しません。 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
| 過去5年以内に、以下の病気・症状・異常で医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。またはそれらの疑いで医師の診察・検査・治療・投薬(薬の処方を含む)をうけたことがありますか。
■脳・精神・神経の病気 ■肺・気管支の病気・症状 ■胃腸・すい臓の病気・症状 ■肝臓・胆のうの病気 ■しゅよう ■女性の病気・症状 ■以下の病気・症状 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
| 過去2年以内に健康診断、人間ドックをうけて、以下の臓器や検査内容に関する異常を指摘されたことがありますか?
〔臓器〕肺・胃腸・肝臓・腎臓・すい臓・胆のう・子宮・乳房 ※ここが「はい」なら詳細な内容を申告 |
4.がん経験者でも加入できる可能性がある引受基準緩和型とは?
上でお伝えしたように、がん経験者はがん保険に加入できませんが、「引受基準緩和型」というタイプのがん保険であれば加入できる可能性があります。
ただし、同等の保障内容のがん保険と比較すると保険料が割高になっていたり、同じくらいの保険料で保障内容が手薄になっていたりと、条件が変わる点は注意しなくてはなりません。
4-1.引受基準緩和型がん保険と通常のがん保険の比較
引受基準緩和型が通常のがん保険ととどのくらい違うのか、C生命の契約例で比べてみましょう。
【C生命の引受基準緩和型がん保険の契約例】
- 契約者:35歳男性
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:終身払
- がん入院給付金:10,000円/日
- がん通院給付金:10,000円/日
- がん手術給付金:20万円/回
- がん放射線治療給付金:20万円/回
- 抗がん剤・ホルモン剤治療特約:5万円(月1回限度、乳がん・前立腺がんのホルモン療法は2.5万円/月)
- がん先進医療特約:あり
- 保険料:5,190円/月
次に、同じC生命の一般的ながん保険の契約例(※)を紹介します。赤文字は上記の引受基準緩和型がん保険の例と比べ、充実している保障内容です。
【C生命の一般的ながん保険の契約例】
- 契約者:35歳男性
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:終身払
- がん診断給付金:50万円※2年に1回限度・上皮がんの場合は5万円
- がん入院給付金:10,000円/日
- がん通院給付金:10,000円/日
- がん手術給付金:20万円/回
- がん放射線治療給付金:10万円/回
- 抗がん剤・ホルモン剤治療特約:(対象の治療を受けた月に)10万円/月
- がん先進医療特約:あり
- 特定保険料払込免除特約:あり
- 保険料:3,634円/月
両者を比較すると、一般的ながん保険の方が保険料は安いのに、保障内容がはるかに充実していることが分かると思います。
たとえば、がんと診断された際にまとまったお金が給付される「がん診断給付金」は、一般的ながん保険の契約例にしかついていません。
また「抗がん剤・ホルモン剤治療特約」の保険金額は引受基準緩和型は一般的ながん保険の1/2ですし、がんと診断された際は以後の保険料がかからない「特定保険料払込免除特約」ついていません。
このように条件面で比較すると、引受基準緩和型は一般的ながん保険と比べて劣ってしまいます。
とはいえ、引受基準緩和型もがんにかかった時に助かる保障内容であることは間違いありませんし、がん経験者の方で、次にがんになった時に備えたいなら検討の価値はあるでしょう。
なお、がん保険のおすすめする保障内容については「がん保険のおすすめの選び方2つのポイント」をご覧ください。
4-2.引受基準緩和型がん保険の告知内容の例
引受基準緩和型がん保険についても、告知内容をお伝えしておきます。
以下は、上で紹介したC生命の引受基準緩和型がん保険の告知書の例です。
以下項目に全て「いいえ」で答えられれば、C生命の引受基準緩和型がん保険に加入できます。
| 過去5年以内にがん(悪性新生物)の診断や治療をうけたこと、あるいは治療をうけるようすすめられたことがありますか?(再発・転移も含みます。) |
| 治療をうけた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)についてうかがいます。
過去2年以内に経過観察(人間ドック・健康診断による経過観察も含む)で異常の指摘をうけたこと、または追加検査(精密検査を含む)をうけるようすすめられたことがありますか?(ただし、再発・転移・新たながん(悪性新生物)やそれらの疑いが否定された場合は除きます。) |
| 現在入院中ですか?または最近3カ月以内に病気で入院や手術または先進医療をうけるようすすめられたことはありますか?(ただし、入院や手術または先進医療をうけた結果、完治して診療完了した場合は除きます。) |
| 過去5年以内に「表A」の病気やその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがありますか? |
| 現在「表B」の病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に「表B」の病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査をうけるようすすめられたことがありますか? |
| 現在「表C」の病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に「表C」の病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査をうけるようすすめられたことがありますか?(ただし、がん(悪性新生物)※1やその疑いが否定された場合は除きます。) |
| 過去5年以内にがん(悪性新生物)の診断や治療をうけたこと、あるいは治療をうけるようすすめられたことがありますか?(再発・転移も含みます。) |
| 治療をうけた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)についてうかがいます。
過去2年以内に経過観察(人間ドック・健康診断による経過観察も含む)で異常の指摘をうけたこと、または追加検査(精密検査を含む)をうけるようすすめられたことがありますか?(ただし、再発・転移・新たながん(悪性新生物)やそれらの疑いが否定された場合は除きます。) |
| 現在入院中ですか?または最近3カ月以内に病気で入院や手術または先進医療をうけるようすすめられたことはありますか?(ただし、入院や手術または先進医療をうけた結果、完治して診療完了した場合は除きます。) |
| 過去5年以内に「表A」の病気やその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがありますか? |
| 現在「表B」の病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に「表B」の病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査をうけるようすすめられたことがありますか? |
| 現在「表C」の病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に「表C」の病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査をうけるようすすめられたことがありますか?(ただし、がん(悪性新生物)※1やその疑いが否定された場合は除きます。) |
| 【表A】
●特定の疾患 ●消化器の疾患 ●呼吸器の疾患 ●腎臓の疾患 |
| 【表B】
●しゅよう などの異常 ●しゅようマーカーの異常 ●その他 |
| 【表C】
●検診の異常 ●その他 |
| 【表A】
●特定の疾患 ●消化器の疾患 ●呼吸器の疾患 ●腎臓の疾患 |
| 【表B】
●しゅよう などの異常 ●しゅようマーカーの異常 ●その他 |
| 【表C】
●検診の異常 ●その他 |
まとめ
がん保険の告知で確認されるのは、主に、がんにり患したことがあるか、がんに関連する病気を患っているかです。
がんと関連性がない病気については特に問題視されないことが多いので、医療保険への加入が断られた方でも、がん保険なら加入できる可能性があります。
また、がん経験者の方は、一般的ながん保険には加入できませんが、引受基準緩和型のがん保険なら加入できる可能性があります。ただし、一般的ながん保険より保障内容が手薄な上に保険料が高くなっています。




