レバレッジドリースによる節税の基本的なしくみと活用法


あなたは、節税の効果のある投資商品としてレバレッジドリースに興味をお持ちのことと思います。
ただ、どんなしくみなのかイメージが湧かず、手を出して良いものか分からないのではないでしょうか。
レバレッジドリースは、簡単に言えば、みんなでお金を出し合ってモノを購入し、貸し出す事業をするしくみです。そして、その事業で出た「費用」が、節税につながるのです。
この記事では、レバレッジドリースによる節税の基本的なしくみを分かりやすく説明します。そして、どんなケースで活用するのが効果的なのか、2つのケースについて簡単にお伝えします。
1.レバレッジドリースとは
まず、レバレッジドリースがどんなものなのか簡単に説明します。
みんなでお金を出し合った上で、それに加えてその出資額よりもはるかに巨額なお金を借ります。そして、それを元手に巨額の資産を購入し、リースで収益を得るのです。
出資額と借入額の比率は、2:8とか、3:7とか、借入額の方が倍以上になることがほとんどです。
これを、小さな力で大きな物を動かす「てこ」=「レバレッジ」にたとえて、「レバレッジドリース」と言います。
ただ、「小さな力」とは言っても、出資し合うお金は、1口1,000万円とか、大きなものだと1口7,500万円というのもあります。なにしろ、航空機や船舶は、それ自体が超高額なものなので、そうなります。
レバレッジドリースは、以下の手順で行われます。
- 団体(匿名組合)を作り、お金を出し合う
- 金融機関から融資を受ける
- 巨額の物件(航空機、船舶、コンテナ等)を買う
- 物件を航空会社等へリースに出し、毎年少しずつ収益を得る
- リース期間が終わったら物件を売って代金を分け合う
2.レバレッジドリースが節税になるしくみ
では、このレバレッジドリースがなぜ節税になるのでしょうか。
大きな要因は、「減価償却」という処理が行われるためです。
減価償却は、資産を買った時から、代金の額を何年かにわたって費用として計上していくことです。
航空機も船舶もコンテナも、買った直後から事業に使われ、それに応じて価値が下がっていきます。そのため、匿名組合では、物件の価値が減った分を損失として計上します。これが「減価償却」です。
【イメージ】

この損失は、匿名組合のメンバーになっているそれぞれの会社に、出資の口数に応じて分配されます。
そして、それぞれの会社で、「特別損失」として損金に算入されます。
そこで、匿名組合で早期にたくさん減価償却できれば、各会社でこの「特別損失」による損金がたくさん出せるので、節税の効果が大きくなります。
減価償却の期間が短ければ、それだけ早期にたくさん償却できます。
また、償却する額の計算方法も、「定率法」と言って、毎年一定の「率」を償却していく方法をとれば、早期にたくさん償却できます。
その結果、匿名組合メンバーの各会社でも損失(特別損失)が計上されることになり、節税になるということです。
3.レバレッジドリースは「オペレーティングリース」で
以上が、レバレッジドリースによる節税の基本的な仕組みです。
ただし、リースには種類があり、大きく「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2つに分けられます。
上でお伝えした減価償却の方法、つまり、短期で償却でき、しかも早期にたくさん償却できる方法がとれるのは、「オペレーティングリース」に限られます。
では、オペレーティングリースとはどんなものでしょうか。
オペレーティングリースは、簡単に言うと、名実ともに「貸して賃料をもらう」というリースです。これに対してファイナンスリースは、実質的に「分割払いで売る」というものです。
ファイナンスリースで典型的なのはパソコンやコピー機のリースです。リース期間が終わっても返す必要がなく、勝手に処分して良いものです。パソコンやコピー機の場合、すぐ型が古くなって利用価値がなくなるので、ファイナンスリースに向いているのです。
これに対し、航空機や船舶やコンテナは、こまめにメンテナンスがされるのでリース期間が終わっても利用価値が残っていて、売ればそれなりの値がつくのです。だから、オペレーティングリースが向いています。
このことからすれば、オペレーティングリースとは、「実質的に売買でない、ノーマルなリース」ということになるので、以下の条件をみたすことが必要です。
いずれかを満たせば、実質的な売買(分割払い)でないということです。
- 途中で解約できる
- リース料の総額が物件の価格より低い
このうち特に重要なのが、「2.リース料の総額が物件の価格より低い」という条件です。分割払いで売るのではなく、あくまで貸すということなので、賃料は物件の価格よりも安くなるのです。
4.レバレッジドリースによる節税の効果的な活用法
レバレッジドリースは、以下のような場合の節税に向いています。
- 単年度に突発的に大きな利益が出た時に、先送りする
- 後継者に自社株式を引き継ぐ際、税金の負担を減らせる
4.1.単年度に突発的に大きな利益が出た時に、先送りする
レバレッジドリースは、事業で単年度に突発的に大きな利益が出てしまった場合、一気に大きな損金を出せるので、節税対策・決算対策として非常に効果的です。
ただし、リース期間が終わると、匿名組合で資産を借り手に買い取ってもらったり中古市場で売ったりしてお金に換え、それが収益として匿名組合のメンバーの各会社に分配されます。
この時に、大きな益金が立ちます。
したがって、できれば使い道を用意しておくに越したことはありません。その使い道等については、「オペオペレーティングリースによる計画納税のしくみ・メリットと選び方のポイント」をご覧ください。なお、オペレーティングリースによる節税対策・決算対策は向き不向きがはっきりしていますので、他の決算対策については『中小企業の決算対策|厳選重要10のテクニックと5つの落とし穴【2021年~2022年最新改訂版】』をご覧ください。
4.2.後継者に自社株式を引き継ぐ際、税金の負担を減らせる
次に、有効なのは事業承継、つまり、後継者に経営者の地位を引き継いでもらう時です。
この場合、自社株式も引き継いでもらわなければなりません。しかし、会社の経営状態が良好であればあるほど株式の価値が高くなります。そのため、自社株式を引き継ぐ後継者に、贈与税や相続税の負担が大きくのしかかることになります。
そこで、レバレッジドリースによる節税を活用すると、一時的に多額の損金を計上し、それによって自社株式の価値を引き下げることができます。
まとめ
レバレッジドリースは、みんなでお金を出し合って資産を購入し、リースに出して、減価償却のしくみを利用することで節税のメリットを受けるものです。
ただし、リースはオペレーティングリースでなければなりません。
そして、レバレッジドリースによる節税は、単年度に突発的に大きな利益が出てしまった場合の決算対策や、後継者に自社株式を引き継ぐ時の後継者の贈与税等の負担を軽くする時に役立ちます。
弊社ではリース会社10社と提携し、各社の案件を扱っております。お問い合わせいただければ、最新の情報をお伝えします。







