オペレーティングリースの基本的な仕組と事業活動に利用する3つのメリット

公開 2017年10月11日更新 2023年5月12日
オペレーティングリースの基本的な仕組と事業活動に利用する3つのメリット
オペレーティングリースの基本的な仕組と事業活動に利用する3つのメリット

事業者の方は、事業用の機械等の資産をリースでまかなうことが多いと思います。そして、リースには大きく分けて2種類、「オペレーティングリース」と「ファイナンスリース」があります。

このうちオペレーティングリースは、お金を払って資産を貸してもらって使い、後で返すという最もオーソドックスなものです。

資産を買わず、低いコストで資産が使えるなどのメリットがあります。また、会計処理も非常に簡単です。

今回は、オペレーティングリースについて、基本的なしくみと、これを事業活動に活用するメリットを分かりやすくお伝えします。

1.オペレーティングリースとは

1.1.オペレーティングリースは「お金を払って借りる」こと

オペレーティングリースは、簡単に言うと、事業に使う資産を、期間を決めてお金を払って借りることです。そして、これを厳密に言うと、「ファイナンスリースにあたらないもの」です。

ファイナンスリースとは、オフィスのコピー機やパソコンのリースによくあるもので、一応形式上は「お金を払って借りる」ということになっていますが、実態は分割払いで購入するのと同じものをさします。

では、どういう場合が「実態は分割払いで購入」と言えるかというと、以下の2つの条件をみたす必要があります。

  1. 途中で解約できない(ノンキャンセラブル)
  2. リース料の総額が、物件の価格以上(フルペイアウト)

どういうことかというと、買ったのならば後で解約は基本的に認められません。また、分割払い購入すると代金総額は利息等が上乗せされてもともとの価格よりも高くなります。もちろんメンテナンスにかかるコスト等も自分持ちが原則です。

この2つの条件をいずれもみたすのがファイナンスリースということになります。そして、オペレーティングリースはその逆、以上のファイナンスリースの2つの条件のどちらかをみたさないものです。

中でも特に重要なのが、「2.リース料の総額が、物件の価格以上(フルペイアウト)」の条件をみたさないこと、つまり、リース料の総額が物件の価格よりも低いことです。

〈イメージ〉

オペレーティングリースとファイナンスリースの比較イメージ

1.2. オペレーティングリースの対象物件

1.2.1.中古でも値がついて売れるものに限る

そして、オペレーティングリースの対象となる物件は、中古でもある程度の値段で売れるものに限られます。たとえば自動車、工作機械、建設機械、半導体製造設備、印刷機械といったものです。

より高額な物件としては、航空機、ヘリコプター、船舶、コンテナ等もあります。

これらはいずれも、中古品の市場が発達していて、ポンコツでなければある程度の値段がつく物件です。

なぜ、これらの物件でなければならないかというと、物件の持ち主である貸し手の立場に立てば分かります。

物件を買って人に貸す場合、最低でも代金分くらいは回収したいですよね。

その点、オペレーティングリースは、リース料の総額が物件の価格よりも低いので、リース料だけではお金を回収できません。リースが終わった後に、中古で売るか、借り手に買い取ってもらうか、どちらかで、リース料で回収できなかった分の額を確保する必要があるわけです。

逆に、リース期間が終わったらほとんど無価値になってしまうパソコンやコピー機等は、オペレーティングリースではなく、実質買い取りのファイナンスリースが向いています。

1.2.1.貸し手からみたメリットは?

オペレーティングリースの対象となる物件は、自動車、工作機械、建設機械、半導体製造設備、航空機、ヘリコプター、船舶、コンテナ等です。ただし、これらは、ファイナンスリースの対象にもなります。

…と、こう書くと、貸し手にとってはファイナンスリースの方がモノの代金をリース料だけで回収できて有利ではないかとお思いになるかもしれません。

確かに、オペレーティングリースは、ファイナンスリースと比べると以下のデメリットがないわけではありません。

  • リース料だけではモノの代金を回収できない
  • リースが終わった後に中古で売れないリスクがある

ただし、中古で売れないリスクについては、リース料の額を決める時にそれも考慮に入れて判断することもできます(つまり値決めが大事ということになります)。

また、貸し手には、中古で売れないリスクがあってもなお、オペレーティングリースを行うメリットがあります。

貸し手のメリットの中でも大きいのは、節税・決算対策です。実際に、オペレーティングリースを利用して、一度に大きな損金を出すスキームが人気です。詳しくは『オペレーティングリースによる計画納税のしくみ・メリットと選び方のポイント』をご覧ください。なお、オペレーティングリースの活用も含む決算対策一般については『中小企業の決算対策|厳選重要10のテクニックと5つの落とし穴【2021年~2022年最新改訂版】』をご覧ください。

2.事業用資産をオペレーティングリースで借りるメリット

事業用資産についてオペレーティングリースを利用するメリットは、主に以下の通りです。

  • コストが低く抑えられる
  • 借り換えがしやすく最新の物件を使える
  • 会計処理・税務処理がかんたん

2.1.コストが低く抑えられる

オペレーティングリースは、リース料の総額が、物件の値段よりも低いものです。

したがって、実質分割払いで購入するファイナンスリースと比べて、コストが低く抑えられます。

2.2.借り換えがしやすく最新の物件を使える

次に、これはリース契約で中途解約が可能となっている場合のメリットです(中途解約できない場合もあります)。

リース物件が陳腐になったら、リースを解約して最新の物件に借り換えることができます。

これがファイナンスリースだと、中途解約できないので、意に沿わない物件をリース期間中ずっと使い続けなければなりません。

2.3.経理処理・税務処理が簡単

最後に、経理処理・税務処理が簡単だというメリットがあります。

文字通り、お金を出して借りているので、「賃貸借」として処理されます。つまり、経理上の仕訳は、リース料を支払った時に費用として計上すれば良いだけです。

そして、税務上は損金だけが計上されます。

【リース料を支払った時の会計上の仕訳】

オペレーティングリースの借り手経理処理

これに対しファイナンスリースは、こう単純にはいきません。実質が売買なので、会計・税務のルール上も売買として扱われます。したがって、いったん資産計上して、減価償却という処理をしなければなりません。詳しくは『リース資産の減価償却|リースによる節税のための基礎知識』をご覧ください。

なお、より厳密な話に興味のある方は、公益社団法人リース事業協会HPの「リース会計基準の概要」もご参照ください。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

オペレーティングリースというと横文字でややこしそうな印象を受けますが、要はふつうにお金を出して一定期間モノを借りて、事業に活用することです。

リース料の総額は、物件の価格よりも低い金額です。したがって、実質的に分割払い購入する「ファイナンスリース」と比べると、リース料は安くなります。

対象となる資産は、中古でもある程度値段がついて売れるもの、たとえば自動車、工作機械、建設機械、半導体製造設備、航空機、ヘリコプター、船舶、コンテナ等です。

借り手から見ると、事業用資産を低いコストで使うことができますし、会計処理・税務処理も簡単に済みます。

なお、貸し手にとっても、節税等のメリットがあります。弊社ではリース会社10社と提携し、各社の案件を扱っております。お問い合わせいただければ、最新の情報をお伝えします。

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