相続税は怖くない!極限まで抑える簡単な5つの方法

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相続税

平成27年1月から改正相続税法が施行され、基礎控除額の減額によって、相続税の対象になる人の数は以前の2倍近くにまで広がったと言われています。

そんな中、特に、都市部等、地価が高い地域で一戸建てのマイホームを所有しているなど、ある程度まとまった額の資産をお持ちの方は、新たに課税対象になる可能性があるので、相続税対策をどうしようかとお考えだと思います。しかし、どのような対策ができるのかよく分からないのではないでしょうか。

確かに、相続税対策は、一朝一夕にできるものではありません。しかし、決して難しいものではありませんし、最低限のことを理解して、今から計画を立てておけば、いざという時に相続税を極限まで抑えることが可能です。

この記事では、誰でも、相続税を極限まで抑えることができる5つの方法について、注意点もまじえてお伝えします。いずれも適法な範囲で、特殊なテクニックを必要とせず行えるものです。最後までお読みになれば、万全の相続税対策ができるはずです。

はじめに|遺産6,000万円、遺族が配偶者と子2人の場合の相続税総額は120万円!

まず、遺産(課税価格)の合計額が6,000万円、法定相続人が配偶者と子2人というケースについて、何も対策をしなければ相続税の額は120万円です。

計算のプロセスは以下の通りですが、とりあえず読み飛ばしていただいても結構です。計算方法について興味のある方は、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

このケースでは、法定相続人が3名ですので、基礎控除額は、

3,000万円+600万円×3名=4,800万円

となります。そのため、課税対象となるのは、

6,000万円(課税価格)-4,800 万円(基礎控除額)=1,200万円

です。

そして、これを基に、配偶者と子の法定相続分を基に各人の相続税の額を計算すると、以下の通りです。

配偶者(法定相続分1/2):600万円×10%=60万円

子(法定相続分1/4):300万円×10%=30万円

※参考:相続税の税率・控除額の速算表

相続税速算表

したがって、全員の相続税の総額は、

60万円(配偶者)+30万円×2(子2人)=120万円

です。相続人各自の相続税を算出するには、この総額を、現実に各人が相続した財産の額に応じて振り分けることになります。

これからお話しすることは、この120万円をどうやって、極限まで少なくするか、ということです。

方法1|相続税対策をしやすくするため遺言を残しておく

まずはトラブルを避けるために遺言を

たとえば、遺産6,000万円のうち4,000万円を自宅の土地建物が占めていたとします。

このように、分割しにくい資産が遺産のかなりの割合を占めているような場合には、是非遺言を遺しておくことをおすすめします。

もちろん、常識的には、配偶者が単独で自宅の土地建物を相続することにすんなり落ち着くことが多いとは思います。しかし、どれほど仲の良い家族でも、相続がからむと関係が悪化することもあります。

トラブルを未然に防ぎ万全を期すためには、遺言を残してあなたの意思を明示しておいたほうが良いでしょう。

遺言の方式は法律で厳格に決められているため、無効とされてしまうリスクが最も少ない「公正証書遺言」がおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。

遺留分には要注意

遺言を残すときは、できるだけ、各法定相続人の遺留分を侵害しないようにする必要があります。

本件のケースでは、4,000万円の土地建物を配偶者に相続させるぶんには、それだけで2人の子の遺留分を侵害することはありません。

しかし、これがたとえば土地建物が5,000円だと、残り1,000万円では子2人の遺留分(750万円×2名=1,500万円)に足りませんので、遺留分の侵害になってしまいます。そのため、子が遺留分減殺請求をしてきた場合は配偶者は侵害分のお金(本件では子1人あたり250万円)を「賠償」として支払わなければならなくなります。そのような場合の対策については、「方法5」をご覧ください。

遺言を残すことで相続税対策が立てやすくなる

相続税の負担を軽減する措置の中には、遺産となる資産の種類・用途ごとに定められているものがあります。

なので、あなたの死後、どの遺産を誰が承継し、どのように使うかということが予め決まっていた方が、相続税対策が立てやすくなります。そのためにも、遺言を残しておくことをおすすめします。

たとえば、次に説明しますが、マイホームの敷地については、一定の条件の下で、相続人の税負担を軽くする措置が取られています。ご自身の死後もその家に配偶者が住めるようにして、その措置を受けられるようにしたい場合、配偶者1人に相続させるようにとの遺言を残しておくべきです。

方法2|マイホームがあれば「小規模宅地の負担軽減措置」で相続税をゼロにできる

多くのマイホームが小規模宅地の特例の対象になる

あなたが遺言で自宅の土地建物を配偶者が相続させるよう指示していた場合、その敷地(特定居住用宅地)のうち、330㎡以下の部分については、相続税法上の評価額が80%も差し引かれます。

これを、「小規模宅地の負担軽減措置」と言います。

「小規模」といっても、330㎡は「100坪」、「199畳」に相当するので、かなりの広さになります。多くのマイホームが「330㎡」の条件を充たすでしょう。

遺産の6,000万円のうち自宅敷地が1,500万円以上だと相続税はゼロになる

たとえば、遺産6,000万円だったとして、そのうち自宅の敷地の評価額が1,500万円だったとします。この場合、敷地の相続税法上の評価額は、80%の1,200万円を差し引いて300万円と扱われます。その結果、相続税の課税価格の総額は、4,800万円ということになります。

法定相続人が配偶者と子2人の場合の基礎控除額は、上で紹介したように4,800万円なので、この時点で相続税がゼロにできます。

老人ホームに入る場合は注意が必要

ただし、死亡当時に自宅を離れて老人ホーム等で生活していたような場合には、この特例を受けられない可能性がありますので、注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

方法3|小規模宅地の特例の対象外ならば「配偶者控除」を活用する

「配偶者控除」を活用すれば相続税がゼロにできることが多い

遺産(課税価格)6,000万円のうち自宅敷地の評価額が1,500万円以上だったとしても、自宅の敷地の面積が330㎡を上回るなど、小規模宅地の特例の対象にならない場合が考えられます。

それでも配偶者が住み続けられるようにしたい場合には、どうすれば良いでしょうか。

そういう場合は、「配偶者控除」の制度を活用すれば、相続税がゼロになります。

「配偶者控除」とは、相続税の計算をする際に配偶者が相続する分の額から1億6,000万円を差し引けるというものです。

遺産(課税価格)が6,000万円でそのうち自宅の土地建物が4,000万円だとします。配偶者がこれを単独で相続するのであれば、「配偶者控除」の額1億6,000万円を大きく下回るので、あっさりと相続税の額がゼロにできるというわけです。

「配偶者控除」には落とし穴がある

「配偶者控除」は将来の「第二次相続」まで考えないと思わぬ損をする

ただし、この「配偶者控除」には落とし穴があるので、上で紹介したようなケース(つまり、あなたが死亡した後も配偶者が自宅に住み続けられるように土地建物を単独で相続させてあげる場合)以外でむやみに利用しない方が賢明です。

というのは、配偶者があなたから相続した財産は、最終的に配偶者から子に相続されることになり、その段階でまた相続税がかかり、思わぬ損をすることになるからです。

つまり、あなたが死亡した時の相続(第一次相続)で「配偶者控除」で相続税を軽くするために配偶者の取り分を大きくしたとしても、後で配偶者が死亡した場合の相続(第二次相続)の段階で、子にその分の相続税がかかってきてしまうのです。

具体例

どういうことか、具体例でご覧ください。

あなたの死後、配偶者が死亡して子が第二次相続をする時は、基礎控除の額が第一次相続の時よりも低くなります。

あなたの相続人が配偶者と子2人だとして、第一次相続の時は基礎控除額はで合計4,800万円(3,000万円+600万円×3名分)ですが、配偶者が死亡して第二次相続が発生する時は4,200万円(3,000万円+600万円×2名分)です。

■第一次相続で「配偶者控除」を活用して相続税をゼロにした場合

第一次相続の時に4,800万円の基礎控除を受けられず、第二次相続の時に初めて4,200万円の基礎控除を受けられるにすぎません。

第一次相続と第二次相続を通じての、最終的な基礎控除額の合計は、4,200万円のみです。

■第一次相続で「配偶者控除」を活用しなかった場合

第一次相続の時に4,800万円の基礎控除が受けられます。また、第二次相続で4,200万円の基礎控除が受けられます。

その結果、第一次相続と第二次相続を通じて、最終的に、9,000万円の基礎控除が受けられます。

つまり、第一次相続で「配偶者控除」を活用すると最終的に損をしてしまうケースはかなり多いと考えられるのです。

このように、「配偶者控除」の活用は第二次相続まで考えて行うことをおすすめします。自分の死後も配偶者が自宅に住み続けられるようにしてあげたいなど、やむを得ない事情がない限り、安易に利用しない方が賢明です。

方法4|可分な財産は生前に毎年110万円ずつ贈与する

相続税を軽くする方法は、相続税プロパーの対策だけではありません。

現金・預金等の可分な財産については、生きているうちに少しずつ贈与しておくということも考えられます。

というのは、相続税法では、相続税逃れを防ぐため「贈与税」という制度がありますが、毎年110万円分の贈与については、贈与税の「基礎控除」を受けられるので贈与税がかかりません。詳しくはこちらをご覧ください。

ただし、あなたが死亡する3年以内に法定相続人に贈与された財産は、相続財産にプラスする形で、相続税の課税対象になります。

これは、相続開始(=あなたの死亡)のまぎわに駆け込み的に生前贈与が行われて、相続税の負担が軽くなりすぎてしまうのを防ぐためです。

上で述べた110万円の「基礎控除」の分についても、例外ではありませんので、注意してください。

方法5|キャッシュは生命保険の非課税枠を活用する

死亡保険金の非課税枠を活用することができる

相続財産の中に多額のキャッシュが含まれている場合は、生命保険を活用することで、非課税にできる可能性があります。

どういうことかというと、あなたが生命保険に加入していて、死亡して遺族が死亡保険金を受け取った場合、「500万円×法定相続人の数」の額が非課税となります。そのため、相続財産の評価額を引き下げることができます。

たとえば、相続人が配偶者と子2人であれば、500万円×3名=1,500万円が非課税となります。

「一時払い終身保険」が最も役に立つ

一時払い終身保険とは

相続対策に最適なのが、「一時払い終身保険」という商品です。

これは、加入時に保険料の全額を支払ってしまうタイプの終身保険です。

何歳でも加入できますが、当然、年をとればとるほど死亡する確率が高くなっていきます。そのため、年をとるにつれコストパフォーマンスが低くなっていき、たとえば80歳代で加入すると、保険金の額が保険料とほぼ同額になります。

つまり、遺族は、あなたが保険料として支払った額をほぼそのまま死亡保険金として受け取れます。そして、その死亡保険金は相続財産には含まれず、それを受け取った遺族自身の財産として扱われます。

この死亡保険金は、「みなし相続財産」として一応は相続税の課税対象にはなります。しかし、500万円×法定相続人数の額の控除が受けられるため、その範囲内であれば、相続税がかかりません。

健康状態に問題があっても活用できる

一般の生命保険だと、健康状態によっては加入できないということもあります。

しかし、相続税対策に利用される多くの「一時払い終身保険」は健康状態を問わず加入できます。これは大きなメリットです。

おまけ|納税資金、遺留分侵害の賠償金にも生命保険が活用できる

相続税の納税資金に保険金を充てられる

この記事で紹介した方法を活用しても、それでも、相続税がゼロにできない場合があります。

それが予想される場合には、予め、税金を払わなければならない人を受取人として生命保険に加入し、その人のために納税資金を準備してあげることができます。

なお、生命保険金を納税資金に充てられるようにすることの利点はもう1つあります。遺産のほとんどが不動産で現預金は少ないという状況で相続税を支払わなければならなくなった場合でも、生命保険の死亡保険金なら、受取人が必要な書類を用意して手続をしさえすれば1週間程度で受け取ることができます。

遺留分侵害の場合の賠償金に保険金を充てられる

「方法1」のところで少し触れましたが、たとえばあなたが、遺言で遺産6,000万円のうち5,000万円の土地建物を配偶者に承継させた場合、それが他の相続人の遺留分を侵害してしまうようなケースが考えられます。

この場合、配偶者は、他の相続人が「遺留分減殺請求」をしてきたら、遺留分を侵害している部分の額について賠償金を支払わなければなりません。

そのような事態が予想される場合には、予め、配偶者のために生命保険に加入して、配偶者が保険金を受け取って賠償金に充てられるようにすることができます。

まとめ

平成27年1月から施行された相続税の改正法のもと、新たに課税対象になる可能性がある方を念頭に置いて、誰でも、適法な範囲で、難しいテクニックやスキーム等を使うことなく相続税をできる限り抑えることができる5つの方法について説明してきました。

相続税の対策は事前の準備が全てといっても過言ではありません。この記事の内容を理解して、とりうる手段は今のうちからとっておくことをおすすめします。

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出岡 大作

出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や企業関係法、民法、行政法といった分野について幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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