逓増定期保険を法人で活用するとき重要な4つのポイント

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あなたは逓増定期保険で法人税対策を考えているのはないでしょうか?逓増定期保険は法人保険の中でも1番活用される商品ですが、もし決算が迫っていて焦って契約しようとしているのであればちょっと待ってください。

もしかすると他のサイトまたは書籍などで逓増定期保険で税金対策するのはメリットがたくさんあるようなことがことが書いてあったかもしれませんが、それだけで目の前の節税だけを考えると後で「結局節税にならなかった」「解約をして損をした」など後悔をすることになるかもしれません。

それは逓増定期保険にはデメリットやリスクがあるからです。会社の将来にとって最大限生かすためには確実にリスクを理解し、正しく活用をするしかありません。

この記事では決算直前でも逓増定期保険を活用してするのに必要なことをすべてお伝えします。ご覧いただければ必ず会社の将来に役に立つ逓増定期保険の加入の仕方がわかるようになっています。

目次

はじめに:逓増定期保険を本当に活用すべき会社と検討するときに必ずやってほしいこと

1. 決算直前でも最大限活用できる逓増定期保険プラン

  • 1-1 決算直前で会社のお金を貯めながら最大限節税するプラン
  • 1-2 節税をしながら経営者の退職金を貯めるプラン

2. 逓増定期保険を活用をするときのメリット・デメリット

  • 2-1 逓増定期保険4つのメリット
  • 2-2 逓増定期保険4つのデメリット

3. 逓増定期保険は商品によって保険料がまったく違うので商品を比較する

  • 3-1 逓増定期保険商品の比較表
  • 3-2 逓増定期保険で比較するときに注意すること

4. 逓増定期保険で決算対策するときのスケジュール

はじめに:逓増定期保険で本当に活用すべき会社と検討するときに必ずやること

はじめに1番大切なことをお伝えしたいと思います。それはあなたの会社が逓増定期保険で本当に活用をするべきなのかどうかです。

それは、どの会社でも逓増定期保険を活用することはできますが、デメリットやリスクがあるので、すべての会社に有用ではありません。デメリットは後ほど詳しくお伝えするとして、まずは私の考える逓増定期保険で活用すべき会社とそうではない会社を簡単にお伝えします。

逓増定期保険を活用するのをやめたほうがいい会社は以下のようになります。

  • 設立3年目以下で税引前利益が300万円以下の場合
  • 今期は大きな利益が出たが、来期以降は赤字になる可能性がある場合
  • 新規事業に投資しているなど今後大きな現金必要となり、キャッシュフローが悪い、または悪くなる可能性がある場合

この項目に該当する場合は逓増定期保険の活用をやめてください。後ほどデメリットでお伝えしていますが、リスクが大きいので他の保険や他の商品を是非検討してください。

逆に逓増定期保険の活用をおすすめするのは以下の会社になります。

  • 会社が成長中で来期以降も利益が見込める会社
  • 安定して毎年500万円以上の利益が出ている会社
  • 税金対策をしながら短期(5年~10年)で確実に退職金を貯めていきたい場合
  • 税金対策と同時に経営者の保障を準備したい場合

この項目に該当する場合は是非逓増定期保険を活用をしてください。

これから逓増定期保険の活用法をお伝えしていきますが、これからお伝えすることをすべて理解していただければ、あなたの会社の将来にとって必ず有益になります。

逓増定期保険の基礎知識に関しては逓増定期保険とはどういうもの?賢い使い方と5つのメリットで詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。

逓増定期保険を検討するときに必ずやってほしいこと

それでは本題に入る前に、まずは逓増定期保険を検討するときに最も効果的に活用するために必ずやってほしいことを3挙げます。この3つを念頭に置いてこの先の具体的な事例をご覧ください。

逓増定期保険で税金対策をするときは以下の3つは必ずやってください。

1. リスクを必ず理解する

逓増定期保険を契約するときに最も重要なのがリスクを理解することです。もしかすると他のサイト、本などで「逓増定期保険はメリットがいっぱい!」というようなものを見たことがあるかもしれませんが、それを鵜呑みにすると将来後悔してしまうことがあります。

リククを理解し、その対策を契約をするときに立てておけば、避けることができます。そしてメリットを最大限生かせば、会社にとってより良いものになります。

後ほどの2.逓増定期保険のすべてのプランに共通するメリット・デメリットで詳しくお伝えしていますので是非ご覧いただき確実に理解してください。

2. 解約したときのお金の使い道を考える

逓増定期保険の特徴は簡単に言うと貯まっているお金のピークが5年~10年と早いことです。その特徴を使って節税や退職金準備として加入しますが、ピークを越えると下がっていきます。よってピークで解約できれば問題ないですが、解約するタイミングが遅くなると損してしまう可能性があります。

法人保険を考えるときに必ず知っておいていただきたいのが、解約して受け取った解約返戻金は雑収入益金)になるということです。

例えば逓増定期保険に加入をして、その契約が1/2損金(年払保険料1000万円)にだった場合、500万円が損金になります。そしてこの保険を10年間掛けていくと総額保険料が1億円になります。そうすると10年間で5000万円損金になり、5000万円が資産計上になります。そこで10年目に解約をして、返戻率が100%で1億円解約返戻金を受け取ると、そこから資産計上額5000万円を差し引いた5000万円が雑収入となり、一気に法人税の対象となります。

よって黒字の時に解約してしまうと単なる法人税の「繰り延べ」にしかなりません。

そうならないためにも加入をするときにいつ解約してそのお金をどう使うのか「出口戦略」を立ててから契約しなければいけません。

詳しくは後ほど事例を使って詳しくお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

3. 商品を比較して会社にとって1番いい商品を選ぶこと

保険も他の商品と同じで同じような保障内容でも商品によって保険料が全然違います。

簡単に言ってしまうとすべての保険会社から、もっとも会社に合ったお得なものを選ぶということです。例えば、テレビを買うにしても、高い店ではなく安い店から買うのと同じことです。個人の保険の場合は主に保険料の比較だけになりますが、法人で契約をする場合は、会社の戦略にあった商品を選択しなければいけません。

経営者の人はビジネスプランを立てるときは細かく計算するのですが、保険に関しては営業が勧められるがままに契約をしたり、あまり調べずに加入するのがほとんどです。例えば保険料が倍違うと会社の負担も倍違います。法人保険を選ぶときも、ビジネスプランを立てるときと同様に将来の会社のことを考えて、商品を比較し、1番いい商品を選択しましょう。

後ほど4.逓増定期保険は商品によって保険料がまったく違うので商品を比較するで詳しく解説しています。

以上この3つは必ず行ってください。行うだけで将来損することがなくなり、逓増定期保険を最大限生かすことができます。せっかく稼いだ会社の大きなお金を法人保険に入れるので、税金対策はもちろんそれ以外にも最大限効果を発揮させましょう。

それではこれから具体的に活用法をお伝えしていきます。

1. 決算直前でも最大限節税できる逓増定期保険プラン

ここから具体的に決算直前でも逓増定期保険を効果的に活用する方法をお伝えしていきます。

もしかするとプラン以上に節税をしたいと考える方もいるかもしれません。もちろん保険金額を増やせば、節税できる金額も増えますが、上限はあります。上限については後ほどのデメリット4で詳しくお伝えしています。

それでは早速ニーズ別に2つのプランを事例を交えて詳しく解説をしていきます。

※逓増定期保険は保険期間によって、全額損金、1/2、1/3、1/4と保険料を損金にできる金額が変わってきますが、今回のプランでは1番多い1/2損金の契約で解説していきます。また、法的にグレイな逓増定期保険の名義変更プランなどは記載していません。

1-1 決算直前で会社のお金を貯めながら最大限キャッシュを最大化するプラン

このプランはどのような会社でもできる、1番多く活用されるプランです。

特に利益が年々増加して成長している会社に向いているプランです。

そして逓増定期保険はお金(解約返戻金)が貯まっていくのでそのお金で、新たな設備投資、従業員が増えることによる会社移転、事業拡大による人材獲得など成長して事業を拡大するお金が準備できます。

それでは以下の会社規模を例に詳しく解説していきます。

  • 年齢:40歳 男性
  • 売上:2億円
  • 税引前利益:1000万円
  • 従業員数:20人
  • 保険金:1億円
  • 年払保険料:1139万円

このように、年払保険料約1139万円支払っていくと保険料の1/2を損金計上することができるので、約569万円損金算入することができます。

そしてこの契約は解約返戻金がありますので保険料の1/2を損金算入しながらお金を貯めていくことができます。

以下の表をご覧ください。

逓増定期定期保険 表
※返戻率=支払保険料総額に対して解約した時に何%戻るか表したもの

このように5年目の返戻率が39.1%になりますが、6年目になると返戻率が98.5%になり、1番ピークになるのが8年目の99.7%になります。よって8年目に解約をすると8年で保険料を総額で約9116万円支払ったのに対して解約をしたときに約9096万円戻ってくるので、ほぼ全額戻ってくることになります。

ただし、注意しないといけないのがピークを過ぎると徐々に返戻率が下がってきます。ピークを過ぎて15年目になると78.4%まで下がります。

このように逓増定期保険は解約するタイミングを間違えると損をしますので注意しなければいけません。後ほどピークで解約できないときの対処法をお伝えしていますのでそちらも併せてご覧ください。

1-2 保険料を損金算入をしながら経営者の退職金を貯めるプラン

このプランでは節税をしながら、将来の退職金を貯めていきます。経営者の中には将来の退職金を準備しようと思っても銀行預金などいつでも引き出せるものだと貯められないという人も多いと思います。逓増定期保険を使えば効率的にかつ確実に退職金を貯めていけます。

結論からお伝えすると、税引前利益が500万円の場合79.2万円節税できます。

そして10年後に退職予定なのであれば、解約返戻金のピークを10年後になるように設定します。そうすると10年後に解約をすると支払保険料総額の98.1%とほぼ全額戻ってくるのでそのお金を退職金にします。

それでは詳しく以下の会社規模を例に解説します。

  • 55歳男性
  • 売上:1億円
  • 税引前利益:1000万円
  • 従業員:15名
  • 死亡保険金額:5000万円
  • 保険料:440万円
  • 退職予定年齢:65歳

このように、年払保険料約440万円支払っていくと保険料の1/2を損金計上することができるので、約220万円損金算入することができます。

そして退職金として貯めてきた解約返戻金は以下のようになります。

逓増定期 退職金 プラン 表
※返戻率=支払保険料総額に対して解約した時に何%戻るか表したもの

このように退職を10年(65歳)と考えるのであれば、解約返戻金のピークが10年後になる商品を選択します。そうすることによって解約を10年後にこれまで総額保険料を約4408万円支払ったのに対して解約すると4324万円受取れ、ほぼ全額戻ってきます。そのお金を退職金とします。そうすることによって法人税は課税されません。

ただし、そうなると個人で退職金を受け取った場合、所得税がどれくらい掛かるのか気になりますよね。

個人で退職金を受取ると所得税の中でも退職所得となります。
退職所得は所得税法の中で最も優遇されており、退職金には大きな所得控除があるので大きな所得税は掛からないようになっています。

結論からお伝えするとこの例のように4324万円退職金を勤続45年受取ると、、、

  • 所得税:140.4万円
  • 住民税:88.7万円

退職金を約4,324万円受取った時にも税金は所得税と住民税を合わせても229.1万しか掛かりません。

それでは、具体的に退職金を受け取った場合の退職所得計算を解説していきます。

具体的に計算式は以下のようになります。

退職金4,324万円を勤続45年で受け取った場合、、、

退職所得の計算式は以下のようになります。

退職金の所得税額

まずは控除額の計算をします。

控除費

(45年-20年)×70万円+800万円=2,550万円(控除額)

控除額を算出したら上記の計算式に沿って計算します。

(4,324万円-2550万円)×1/2=887万円

以下の表に当てはめると

給料等の収入金額

887万円×23%-63万6,000円=1,40万4,100円(所得税額)

それでは次は住民税を計算すると、、、

先ほど控除を引いた額から税率を掛けます。

住民税は平成19年から10%になっています。

887万円×10%=88.7万円

退職金の計算はこちらでできます。

退職所得は申告分離課税となり、確定申告を行います。

※申告分離課税とは
他の所得と合算せず、分離して課税する制度です。源泉徴収課税と異なり、所得が発生した時点では所得から天引きされません。

2. 逓増定期保険を活用するときのメリット・デメリット

それではこれから逓増定期保険のメリット・デメリットをお伝えしていきますが、逓増定期保険を生かすために確実に押さえておかないといけないことなので、必ずご覧ください。

2-1 逓増定期保険4つのメリット

メリット1:保険料を損金算入しながら経営者の万が一保障になる

逓増定期保険のメリットは何といっても保障があることです。経営者の方は「自分に何かあったときに会社は大丈夫だろうか」と心配になることもあるでしょう。

保険本来の目的は保障機能であり、万が一の時のリスク回避として必要なものです。法人保険は保険料を損金算入しながら、保障を得ることができます。

例えば死亡保険金1億円に加入していれば、経営者に万が一があったとき、その1億円を使って経営を立て直し資金にすることができます。
経営者に万が一があると社内が混乱し、銀行や取引先などからの信用が落ち、融資が止められてしまうなど、経営が危機に立たされることもあります。また、役員や社員への給与や賞与が十分に支払われない可能性もあります。 1億円あれば、経営を立て直し資金にすることができます。

メリット2:保険料を損金算入をしながら退職金を準備できる

先ほどの経営者の退職金プランで詳しくお伝えしましたが、逓増定期保険は解約返戻金があるのを利用して、経営者の退職金を貯めることもできます。これまで会社のことだけを考えて自分の退職金なんて考えてこなかったという経営者も多いと思います。そこで逓増定期保険であれば節税をして、保障をしながら退職金を貯めていけます。
逓増定期保険であれば上記の退職金プランのように短期(5年~10年)でも活用することができます。

メリット3:緊急時の予備資金を簿外に貯めておくことができること。

逓増定期保険に加入をすると解約して約1週間ほどで受取れるお金(解約返戻金)を安定して帳簿外に貯めていくことができます。そのお金を会社の緊急予備資金にすることができます。

会社の経営をしていると、何度も現金がなくて不安になった時期があったことでしょう。今は順調でも会社には経営悪化・天災などいつ大きなお金が必要になるかわかりません。そこで帳簿外に緊急予備資金を貯めていけるのが法人保険のメリットとなります。

逓増定期保険に加入をすると解約すればすぐ手に入るお金を保険会社にプールしてある状態になります。解約するとすぐ手に入るお金なので実質的には資産ですが、貸借対照表には記載されません。つまり簿外資産を作ることができます。

その簿外資産は緊急予備資金となり、急にまとまったお金が必要になった場合に、キャッシュフローを痛めずにお金を準備することができます。 会社にとっては非常に心強いお金となります。

メリット4:決算直前でも損金を作ることができる

他の決算対策は一定の期間が必要な場合がありますが、法人保険の場合、最短1週間あれば決算直前でも対応できます。詳しくは後ほど5.逓増定期保険で節税するときのスケジュールでお伝えします。

2-2 逓増定期保険4つのデメリット

法人保険を活用するときに重要なのがこのデメリットです。法人保険に加入をして後で損をするケースはこのデメリットを理解していないことに尽きます。

ここからお伝えするデメリットは必ず理解しておきましょう。

デメリット1:保険を使った節税は単なる税金の繰り延べなので計画的に活用する必要がある

結論からお伝えすると、法人保険を解約して解約返戻金を受取ると雑収入になります。よって黒字の時に解約すると、今まで損金算入していた金額がその分法人税が課税されるので、単なる法人税を先送りにした「繰り延べ」にしかなりません。

例えば先ほどの事例のように1/2損金の法人保険(年払保険料1000万円)に加入した場合、500万円が損金になります。そしてこの保険を10年間掛けていくと総額保険料が1億円になります。

そうすると10年間で5000万円損金になり、5000万円が資産計上になります。そこで10年目に解約をして、返戻率が100%で1億円を解約返戻金を受け取ると元々損金として計上していた5000万円が雑収入(益金)として法人税の対象となってしまいます。

その時に5000万円以上の赤字またはお金の使い道があれば問題ないのですが、黒字で受取り決算を向えてしまうと、10年間節税した分(5000万円)が一気に課税されます。

そうならないためにも加入をするときにいつ解約してそのお金をどう使うのか「出口戦略」を立ててから契約しないといけません。

出口戦略としては経営者・従業員の退職金、設備投資、会社移転費用などがあります。

デメリット2:会社の現金が減るのでキャッシュフローが悪くなる

経営者の方にとって会社の現金が減り、キャッシュフローが減るのはできるだけ避けたいことでしょう。

しかし、法人保険に加入をすると当然保険料を保険会社に支払わなければいけません。

例えば年払保険料が1000万円の場合、単純に年間1000万円がキャッシュアウトしてしまいます。

すなわち、会社の現金が減りキャッシュフローが悪くなるということです。保険の場合1回だけではなく、毎年保険料の支払いが必要となります。

保険会社に解約返戻金がという形でお金が貯まっていきますが、早期(5年以内)に解約してしまうと下記で詳しくお伝えしていますが、40%~80%しか戻らず、大きく損をしてしまいます。

当然ですが、急なお金が必要になった時には会社にある現金が1番有効です。

キャッシュフローに余裕がない会社は法人保険での節税を考え直した方がいいでしょう。

デメリット3:期間によって返戻率が違うので解約のタイミングを間違えると損をする

先ほどからの法人保険のメリットに解約したときに解約返戻金があるとお伝えしていますが、解約するタイミングで返戻率が違います。特に注意したいのが早期解約です。例えば5年で解約すると商品によって違いがありますが40%~80%しか戻ってきません。

それではいったいどれくらい違うのか見ていきましょう。分かりやすいように先ほどプラン1で使用した例でお伝えしていきます。

以下が解約返戻金の推移になります。

逓増定期定期保険 表
※返戻率=支払保険料総額に対して解約した時に何%戻るか表したもの

この契約の場合、5年目で解約してしまうと返戻率が39.1%になり、保険料を5698万円(5年間)支払っても、解約したら2231万円しか戻ってきませんので損に大きな損になります。

ただし6年目になると返戻率が98.5%になり、1番ピークになるのが8年目の99.7%になります。よって8年目に解約をすると8年で保険料を総額で約9116万円支払ったのに対して解約をしたときに約9096万円戻ってくるので、ほぼ全額戻ってくることになります。

ただし、注意しないといけないのがピークを過ぎると徐々に返戻率が下がっていくということです。上記の表にあるようにピークを過ぎて15年目になると78.4%まで下がります。そして、そのまま置いておくと保険期間終了の70歳になると、保険が終了してまったく何も戻りません。

このように解約するタイミングによって戻る金額が大きく変わってきます。
もちろんタイミングよくピーク(6年目~10年目)で解約できればいいのですが、会社は何が起きるかわからないので、契約したときは保険料を支払っていけると思っても急に資金繰りが悪化して解約に追い込まれることがあるのでリスクはあります。契約するときに設計書で何年目でどれくらい戻ってくるのかを必ず確認してください。

デメリット4: あくまでも保険金額で設定するので加入できる金額の上限が決まっている

逓増定期保険は保険料で設定するのではなく、保険金額で設定します。例えば10億円利益が出ているので、保険料10億円の逓増定期保険に加入をしたいと思ってもそれは無理です。

保険会社によって設定できる上限は大きく異なりますが、基準は会社の年商と被保険者(保険の対象者)の年収で決まります。簡単に言うと経営者の年収で上限が決まります。保険会社によって異なりますが、1番多い基準が年収の15倍までとなります。例えば、年収1000万円であればその15倍の1億5000万円までとなり、保険料でいうと1000万円~1500万円ほどになります。また、保険会社によっては保険金額が会社の年商までという会社もあります。

もし、上限を超えて加入をしたい場合には以下の方法があります。

  • 保険会社を複数に分ける
  • 他の保険商品を追加で加入をする
  • 他の役員も加入をするなど

保険会社によって基準が異なるので、検討する場合は必ず確認しましょう。

3.  逓増定期保険は商品によって保険料がまったく違うので商品を比較する

3-1 逓増定期保険商品の比較表

これからある5社を例にしてどれくらい違うか比較をしたいと思います。本当は実名で比較をしたいのですが、表などを使った誤解されるような比較は保険業法300条で禁止されているので、アルファベット表記になっています。ご了承ください。

それでは以下の例で比較表を見ていきたいと思います。

  • 年齢:40歳
  • 性別:男性
  • 保険金:1億円
  • 保険期間:70歳まで

逓増定期保険比較表
このように見ただけで同じ保障内容でもまったく違うのがが分かると思います。保険料もA社とB社では倍以上違いますし、返戻率もピークになるのが早いA社で5年、長いE社で20年掛かるのがわかります。どれを選べばいいのかは会社によって違います。例えば単純な節税で考えるのであれば、5年後の返戻率が1番高いA社を選択すればいいですし、10年後に退職金を貯めたいのであれば、B社となります。

その中でもC社とD社であればどのようなケースでも保険料が安く、5年目の返戻率が高いC社を選ぶべきだと思います。

4. 逓増定期保険で節税するときのスケジュール

決算期直前で予想以上の利益が出ているとあわてて法人税の対策を考えると思いますが、その時に心配なのが今からでも決算に間に合うのかどうかではないでしょうか?

結論から言うと最低1週間あれば間に合います。

それでは具体的に流れをお伝えしていきます。

まずは以下の表をご覧ください。

法人保険
このように検討をはじめてから保険の契約をして保険料を支払うとその保険料を損金算入することができるようになります。ただし、医師の診査(告知)が1番最後になった場合にはその時から保険料を損金にできるようになります。

例えば8月1日に契約して、そのまま医師の診査に行きます。そして、翌日保険料を銀行で支払い、その翌日(8月3日)に着金した場合、8月3日に保険料を損金として算入をすることができます。

もちろん検討するときは、専門家と相談しながら契約する必要があるので、しっかりと検討する時間を取っておいた方が良いのは言うまでもありません。決算から逆算して最低でも1週間前には相談をする必要があります。

まとめ

逓増定期保険は活用方法を誤らなければ会社にとって有用な保険です。ただし、メリットが大きい反面、法人保険の中でもリスクが大きい商品なので

以下の3つのことは必ず行ってください。

  1. リスクを必ず理解する
  2. 解約したときのお金の使い道を考える
  3. 商品を比較して会社にとって1番いい商品を選ぶこと

この3つを理解して加入していただくと逓増定期保険を会社にとって有効に活用できます。

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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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