癌でも入れる保険はあるか?3つのパターンと具体的な告知事項と注意点

がんにかかってしまうと、保険への加入を断られてしまうことが多いのは残念ながら事実です。

せっかく入りたい保険をみつけたとしても、過去にがんにかかった経験があるということで加入を断られた経験を持つ方もいらっしゃるでしょう。

しかし、全ての保険で加入が断られるわけではありません。

この記事では、過去にがんになったことのある方、あるいは現在がんの方でも入れる保険があるか、どんな種類があるのか、簡単に解説しています。

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保険の教科書 編集部

保険の教科書 編集部

私たちは、お客様のお金の問題を解決し、将来の安心を確保する方法を追求する集団です。メンバーは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持っており、いずれも現場を3年以上経験している者のみで運営しています。

1.生命保険・就業不能保険に加入できる可能性

がんの程度や現在の状況によりますが、被保険者に万が一のことがあったときに保険金が受け取れる生命保険や、働けなくなった時に収入の一部を保障する就業不能保険であれば、加入できる可能性があります。

一例ではありますが、たとえば12年前にがん(精巣ガン)にかかって切除して完治した経験がある方が、割引こそ受けけられなかったものの生命保険(収入保障保険)や就業不能保険に加入できたという事例があります。

つまり、がんになった経験があるからといって、必ずしも保険に加入できないというわけではありません。再発のリスクが低いと判定されれば加入できる可能性もあるということです。

生命保険(収入保障保険)に加入できた例(A生命・33歳男性)

ここで、A生命の収入保障保険の契約例を紹介します。

  • 保険期間:68歳(最低保証期間2年(※))
  • 保険金額:20万円/月
  • 保険料:7,008円/月

この契約例では、本人にもしものことがあったときに、遺族が毎月20万円の年金を保険期間中受け取ることができます。

※「最低保証期間2年」:保険期間が残り2年を切っている時に本人が亡くなった場合でも、遺族はそこから2年分の保険金を受け取ることができるという意味。

2.引受基準緩和型の保険

医療保険やがん保険の中には「緩和型(引受基準緩和型)」と呼ばれるものがあります。また、最近は生命保険の「収入保障保険」にも引受基準緩和型のものが登場しています。

緩和型は、持病・既往歴等がある方でも加入しやすくする代わり、通常の種類と比べ保険料が割増であったり保障内容が抑えられていたりしています。

過去にがんになった方も、このタイプの医療保険やがん保険であれば、加入できる可能性があります。

2-1.緩和型保険の告知内容

それでは、緩和型の保険に加入する場合、どのような内容を告知する必要があるでしょうか。

参考までにB生命の緩和型医療保険、C生命の緩和型医療保険の告知内容を紹介します。

いずれも、質問項目に対して全て「いいえ」で答えられれば、加入が認められます。

【B生命の緩和型医療保険】

最近3ヵ月以内に受けた医師による検査、検診または診察により、以下の①または②をすすめられたことはありますか。

①入院または手術
②ガン(悪性新生物または上皮内新生物)の疑いでの再検査・精密検査

過去1年以内に、病気やケガで入院や手術を受けたことがありますか。
過去5年以内に、以下①~③の病気と新たに診断されたこと(再発や転移を含みます)、あるいは以下①~③の病気により入院や手術を受けたことがありますか。

① ガン(悪性新生物または上皮内新生物)
② 肝硬変
③ 統合失調症、アルコール依存症、認知症

最近3ヵ月以内に受けた医師による検査、検診または診察により、以下の①または②をすすめられたことはありますか。

①入院または手術
②ガン(悪性新生物または上皮内新生物)の疑いでの再検査・精密検査

過去1年以内に、病気やケガで入院や手術を受けたことがありますか。
過去5年以内に、以下①~③の病気と新たに診断されたこと(再発や転移を含みます)、あるいは以下①~③の病気により入院や手術を受けたことがありますか。

① ガン(悪性新生物または上皮内新生物)
② 肝硬変
③ 統合失調症、アルコール依存症、認知症

【C生命の緩和型がん保険】

・過去5年以内にがん(悪性新生物)の診断や治療を受けたこと、あるいは治療を受けるようすすめられたことがありますか?(再発・転移も含む)
・治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)についてうかがいます。

過去2年以内に経過観察(人間ドック・健康診断による経過観察も含む)で異常の指摘を受けたこと、または追加検査(精密検査を含む)を受けるようすすめられたことがありますか?

(再発・転移・新たながん(悪性新生物)やそれらの疑いが否定された場合は除く)

・現在入院中ですか?または最近3カ月以内に病気で入院や手術、または先進医療を受けるようすすめられたことはありますか?

(入院や手術または先進医療を受けた結果、完治して診療完了した場合は除く)

・過去5年以内に表Aの病気やその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか?

(治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

・現在、表Bの病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に表Bの病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査を受けるようすすめられたことがありますか?

(治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

・現在表Cの病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に表Cの病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査を受けるようすすめられたことがありますか?

(がん(悪性新生物)※1やその疑いが否定された場合は除く。治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

・過去5年以内にがん(悪性新生物)の診断や治療を受けたこと、あるいは治療を受けるようすすめられたことがありますか?(再発・転移も含む)
・治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)についてうかがいます。

過去2年以内に経過観察(人間ドック・健康診断による経過観察も含む)で異常の指摘を受けたこと、または追加検査(精密検査を含む)を受けるようすすめられたことがありますか?

(再発・転移・新たながん(悪性新生物)やそれらの疑いが否定された場合は除く)

・現在入院中ですか?または最近3カ月以内に病気で入院や手術、または先進医療を受けるようすすめられたことはありますか?

(入院や手術または先進医療を受けた結果、完治して診療完了した場合は除く)

・過去5年以内に表Aの病気やその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか?

(治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

・現在、表Bの病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に表Bの病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査を受けるようすすめられたことがありますか?

(治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

・現在表Cの病状や病気あるいはその疑いで、治療中・検査中・経過観察中ですか?または最近3カ月以内に表Cの病状や病気あるいはその疑いで、治療・検査を受けるようすすめられたことがありますか?

(がん(悪性新生物)※1やその疑いが否定された場合は除く。治療を受けた最後の日から5年以上経過しているがん(悪性新生物)の経過観察のための診察・検査は除く)

【表A】

●特定の疾患

脳しゅよう、膀胱しゅよう、GIST(ジスト、ギスト)、カルチノイド

●消化器の疾患

肝硬変症、慢性肝炎、肝線維症、肝機能障害(入院や治療を伴うもの)、慢性アルコール性肝機能障害、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、アルコール性肝炎、門脈圧亢進症、食道静脈瘤

●呼吸器の疾患

COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)、肺気腫、慢性気管支炎、肺線維症、塵肺、硅肺、気管支拡張症、間質性肺炎

●腎臓の疾患

慢性腎機能障害、慢性腎不全、慢性腎炎、尿毒症

【表B】

●しゅよう などの異常

がん(悪性新生物)、上皮内新生物、異形成、白板症、多発性ポリープ(ポリポーシス)※6、病理検査や細胞診での異常

●しゅようマーカーの異常

CEA、AFP、CA19-9、PSA

●その他

B型肝炎ウイルスキャリア、C型肝炎ウイルスキャリア

【表C】

●検診の異常

肺の検査、胃腸の検査、マンモグラフィー検査、その他のがん検診

●その他

しゅよう、しこり、結節、腫瘤(しゅりゅう)、出血(便潜血、不正出血、喀血、吐血、下血、肉眼的血尿)、貧血(鉄欠乏性貧血を除く)、黄疸、びらん、消化管のかいようや狭窄

【表A】

●特定の疾患

脳しゅよう、膀胱しゅよう、GIST(ジスト、ギスト)、カルチノイド

●消化器の疾患

肝硬変症、慢性肝炎、肝線維症、肝機能障害(入院や治療を伴うもの)、慢性アルコール性肝機能障害、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、アルコール性肝炎、門脈圧亢進症、食道静脈瘤

●呼吸器の疾患

COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)、肺気腫、慢性気管支炎、肺線維症、塵肺、硅肺、気管支拡張症、間質性肺炎

●腎臓の疾患

慢性腎機能障害、慢性腎不全、慢性腎炎、尿毒症

【表B】

●しゅよう などの異常

がん(悪性新生物)、上皮内新生物、異形成、白板症、多発性ポリープ(ポリポーシス)※6、病理検査や細胞診での異常

●しゅようマーカーの異常

CEA、AFP、CA19-9、PSA

●その他

B型肝炎ウイルスキャリア、C型肝炎ウイルスキャリア

【表C】

●検診の異常

肺の検査、胃腸の検査、マンモグラフィー検査、その他のがん検診

●その他

しゅよう、しこり、結節、腫瘤(しゅりゅう)、出血(便潜血、不正出血、喀血、吐血、下血、肉眼的血尿)、貧血(鉄欠乏性貧血を除く)、黄疸、びらん、消化管のかいようや狭窄

緩和型医療保険は、告知内容が非常にシンプルです。

また、緩和型がん保険は告知事項は多少複雑になっているものの、審査内容が厳しくはありません。

2-2.緩和型保険の保険料は通常の1.5~2倍

このように、緩和型保険は加入が認められやすくなっています。しかし、保険料は通常の1.5~2倍とかなり割高になっています。

参考までにD生命の緩和型保険の契約例を紹介します。

  • 契約者:45歳男性
  • 契約期間:終身
  • 入院給付金:5,000円/日
  • 手術給付金:10万円(入院中)、2.5万円(外来)
  • 先進医療特約:あり
  • 保険料:5,086円/月

同じD生命で普通の医療保険を上記と同じ内容・同じ保障条件で契約した場合、保険料は2,537円です。つまり、緩和型医療保険に加入する場合は、2倍の保険料がかかるということです。

3.現在がんの人が加入できる保険

ここまで、がんを経験したことがある人が加入できる保険について紹介しました。

では、現在がんを患っている人でも加入できる保険はあるでしょうか。

結論から言うと、がんの方でも加入できる保険はあるにはあります。「無選択型」というものです。これは、健康状態の告知や医師の診察なしに加入できる保険をさします。がん患者の方でも加入できます。

しかし、無選択型保険は保険料が引受型保険よりもさらに割高となるのに加えて、保障内容も抑えられるため、おすすめできません。

以下、無選択型保険の契約例を2つ紹介します。

3-1.無選択型医療保険の契約例

まずはF損保の無選択型医療保険の契約例です。

  • 契約者:45歳男性
  • 契約期間:5年(5年ごとに自動更新)
  • 入院日額:5,000円/月
  • 手術費用:手術の種類につき5万円・10万円・20万円のいずれか
  • 健康祝い金:5万円(5年間保険金を受け取らなかった場合)
  • 賠償責任保険金:5,000万円まで
  • 弁護士への法律相談費用:1回1万円/1被害3万円
  • 弁護士費用:300万円
  • 保険料:5,930円/月(5年ごとに値上がりする)

無選択型医療保険は、保険料が最初から割高で、しかも5年ごとに更新されるたび値上がりしていきます。

また、加入時に患っていた病気については一切保障されませんので、がんの治療費は1円も保障してもらえません。

さらに、5年間に何事もなければ「健康祝い金」として5万円受け取れますが、5年間の保険料総額が355,800円なので、メリットは乏しいです。

なお、「賠償責任保険金」や弁護士費用の補償等がついていますが、これらは火災保険や自動車保険の特約に割安な保険料で加入できるので、あえて無選択型医療保険を選ぶ意味はありません。

3-2.無選択型終身保険の契約例

次にG生命の無選択型終身保険の契約例です。

  • 契約者:40歳男性
  • 死亡保険金額:500万円(※最初の2年間はそれまで支払った保険料総額)
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身
  • 保険料: 15,505円/月

死亡保険金の額は500万円ですが、最初の2年間はそれまでに払い込んだ保険料の合計に限られます。たとえば加入後1年で亡くなった場合は186,060円しか受け取れないのです。

また、同じ契約条件で同社の一般的な終身保険を契約した場合、保険料は8,315円/月と約半額ですみます。

しかも、契約から約27年後(67歳時点)には、死亡保険金の額を超える保険料を支払っていることになります。

まとめ

過去にがんにかかったことのある方、現在がんを患っている方のために、保険の選び方や種類について説明してきました。

まず、過去にがんになったことのある方でも、通常の保険に加入できる場合があります。まずは、この記事でお伝えした判断要素や実例をお読みになってもしや、と思った方は、一度トライしてみることをおすすめします。そして、それでもだめだった場合に、引受基準緩和型・限定告知型を検討してみましょう。

また、現在がんを患っている方も、どうしても加入されたいのであれば、加入できる保険商品はないわけではありません。ただし、加入時の健康状態が問題にならない代わりに、支払い条件等が非常に厳しくなっているので、それらの点を踏まえ、本当に必要なのかどうか、慎重に判断することをおすすめします。

また緩和型を検討する場合も、無選択型を検討する場合も、それに加入することによって、家族に対して経済的なプラスになるのかをしっかりとシミュレーションすることが必要です。大変なこととは存じますが、そういう時こそ、入念にファイナンシャルプランニングを行ってください。

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