保険を使った貯蓄|貯蓄に適した保険と選び方を徹底解説

マイナス金利政策が打ち出されて久しい日本。

一般にメガバンクと呼ばれるような銀行における預金金利は、定期預金で0.01%、普通預金で0.001%にまで下がり、もはや預金していれば金利でお金が増える、という時代ではなくなってしまいました。

そんな近年の金利政策に合わせ、人々の目はより金利の高い資産運用に向けられるようになっています。

その中でも比較的リスクが少なく、イメージしやすいものとして、保険による資産運用が挙げられます。

万一の際にも備えつつ貯蓄ができる終身保険や、子供が生まれた際、将来の教育費に備えて運用する学資保険など、「貯蓄型」と呼ばれる保険もバリエーションが増えてきました。

今回はそんな「貯蓄型保険」について、

  • 金利は少ないが安定している保守的な保険
  • 金利が大きくなる可能性はあるがリスクも抱えている保険

に分けて紹介していきます。

子供の教育費や老後の備えから分散投資の選択肢としてまで、それぞれの保険の内容を把握して、保険による資産運用を検討してみましょう。

はじめに:貯蓄型保険とは

一口に保険といっても様々なものがあります。

例えば、掛け捨て型の生命保険である定期保険や保障が一生涯続く終身保険、医療保険等のような、自身に万一のことが起こった際に備えられるものや、学資保険や個人年金保険など、大きな出費や老後の生活に備えるものが思い浮かびますね。

その中で、貯蓄型保険に当たるものは、条件を満たしたら保険金を受け取れるという本来の保険の役割に加え、満期時や解約時に、満期保険金や解約返戻金といった形でお金が返ってくるものを指します。

満期保険金や解約返戻金は、保障内容や払込期間、解約のタイミングにもよりますが、支払った保険料の総額より多くなることがあり、金利の良い貯蓄として活用することができるのです。

デメリットとして、契約満期時や、加入の際に定めた払込期間を満了する前に保険を解約した場合、返ってくるお金が支払った保険料の総額より少なくなってしまうものが多いです。

よって、貯蓄型保険を活用する場合は、定期預金のように途中で引き出すことなく、一定の期間貯蓄を続ける運用が基本になってきます。

数ある資産運用の中ではリスクが少なく、万一の際に備えつつ貯蓄ができるため、近年注目されている運用方法です。

貯蓄型保険には、定額終身保険をはじめとした「金利は少ないが安定している保守的な貯蓄型保険」と、変額終身保険や外貨建て終身保険のような、外的要因によって金利が変動する、「ハイリスク・ハイリターンな貯蓄型保険」があります。

1.保守的な貯蓄型保険

まず前提として、保険を金融商品として扱う場合、加入時の金利が重要になってきます。

これは満期保険金や解約返戻金にかかる金利が、加入時の世間の金利によって決定するためです。

今回、「保守的な貯蓄型保険」として紹介するものは、その前提から漏れず、加入時に定められた金利で、満期保険金や解約返戻金が定められています。

大きなリターンが無い分、比較的安全な保険と言えるので、確実に貯蓄しやすいのが特徴です。

デメリットとしては、金利が加入時に決まることが原因で、急なインフレに対応できないということが挙げられます。

良くも悪くも、将来受け取れる金額が目に見えてわかりやすい金融商品と言えるでしょう。

ここからは保守的な貯蓄型保険でも特にメリットが目立つものを紹介していきます。

1.1.低解約返戻金型終身保険

終身保険の中でも、現在主流になっているのが低解約返戻金型終身保険です。

基本的に終身保険の解約返戻金は、払込期間満了後には支払った保険料総額より多くなります。

逆に払込期間満了の前に解約してしまうと、保険料総額より少なくなってしまうのが特徴です。

低解約返戻金型終身保険は、払込期間満了前の解約返戻金が基本のものよりさらに少なく設定されている代わりに、月々の保険料がお手頃になっています。

途中解約すると大きく元本割れするというリスクがありますが、満了まで運用すれば返戻率も良く、保険料の安さも相まって、貯蓄としての機能が優れている保険と言えるでしょう。

詳しくは「低解約返戻金型終身保険の仕組みとメリット・デメリット」をご覧ください。

1.2.学資保険

子供1人を大学まで進学させた際の教育費は最低でも1,000万円程度かかると言われています。

そんな子供の教育費に備えるために、最初に検討されるのは学資保険でしょう。

学資保険は基本的にそこまで金利が良いとは言えず、資産運用という面では、払込満了後も解約返戻金が増え続ける低解約返戻金型終身保険などの方が有利であると言えます。

しかし、子供のためにお金を貯めるという点においては、学資保険は保障の部分で有利な点を持っています。

それは、「両親に万一のことがあった場合、保険料の支払いが免除される」ことです。

子供が独立するまでを支える上で、この保障内容は大きなメリットいえます。

貯蓄の目的が「子供の教育費」であるなら、十分選ばれる可能性がある保険と言えるでしょう。

詳しくは「学資保険のシミュレーション|加入した場合としない場合の違い」をご覧ください。

1.3.定額個人年金保険

保険会社が運営する個人年金保険の中でも、給付される年金の額が決まっているタイプです。

「年金」の名の通り、契約時に設定した年齢から、毎年一定の金額を受け取れます。

受取期間は契約によって異なり、5年、10年など、一定の期間に定められているものから、一生涯受け取れるものまで幅広いです。

途中解約による元本割れのリスクはありますが、年金受給額に対する危惧の声が上がっている近年において、老後の資金を確実に貯蓄したい方々に人気の保険です。

詳しくは「定額個人年金保険で老後の資産形成を行うためのポイントと選び方」をご覧ください。

2.ハイリスク・ハイリターンな貯蓄型保険

先述したように、満期保険金や解約返戻金にかかる金利は、加入時の世間の金利によって決定する、というのが基本ルールです。

しかし、外的な要素を取り入れることによって、金利に変化を持たせた貯蓄型保険が増えてきています。

その分リスクも保守的なものと比べると高めになっており、運用には少々知識がいる保険と言えるでしょう。

ここからはそんな「ハイリスク・ハイリターンな貯蓄型保険」の中でも代表的なものを紹介します。

2.1.変額終身保険

変額終身保険は、保険料の一部を資産運用の元手として使用し、その運用実績によって、保険金・解約返戻金が変動するのが特徴となっている保険です。

運用先は、株式・投資信託や債券で、数ある中から好きに選ぶことができます。1つだけ選ぶことも、複数組み合わせることもでき、途中で組み替えることもできます。

運用実績によっては大きな利率でお金を増やせるのが魅力となっています。運用がうまくいけば解約返戻金が保険料総額の3~4倍にもなることもあります。

注意が必要なのは、解約返戻金が元本割れしてしまうリスクがあることです。

死亡保険金については最低保証金額が定められており、金額が下がることはないため、リスクがないのですが、解約返戻金に最低保証はなく、元本割れをしてしまうリスクがあるのが特徴です。

また、終身保険の中では保険料が割安なのも特徴で、死後にご自身の葬儀費用や身辺整理費用のことで子どもに負担をかけたくないという目的であれば、格安な終身保険として候補に挙がるでしょう。

詳しくは「変額保険とはどういう商品?特徴と2つの活用法」を御覧ください。

2.2.外貨建ての保険

近年、終身保険や個人年金保険で、運用に米ドル等の外貨を使用する「外貨建て」のものが増えてきています。

マイナス金利政策の実施により超低金利時代に突入した日本と比べると、海外の方が高金利で運用できるためです。

金利の観点からいえば解約返戻金を大きく増やすことも可能ですが、解約時の為替レートが大幅に円高になってしまうと利益が減ってしまう恐れがあることや、今後の為替や金利の変動について、予測が困難であることなどが大きなリスクとなっています。

貯蓄一辺倒ではなく、分散投資としても考えられる人に向いている保険と言えるでしょう。

詳しくは「外貨建て保険とは?知っておくべきメリットとデメリット」をご覧ください。

まとめ

貯蓄型の保険には様々なものがありますが、加入時に定められた金利で運用できる「保守的な貯蓄型保険」と様々な外的要因によって金利等に変動のある「ハイリスク・ハイリターンな貯蓄型保険」に分けることができます。

それぞれメリット・デメリットが存在するため、保険を貯蓄に活用したいと考えている方はしっかりと性質を理解し、利用する保険を選びましょう。

もちろん全ての保険には何かしらの保障が付いています。

万一の際と将来、両方に備えた保険運用ができれば、より安心な生活が送れるかもしれませんね。

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保険の教科書 編集部

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