一時払い個人年金はどれくらいお得?資金配分と3つのリスク

個人年金は毎月お金を積立てていくイメージがありますが、もし今、現金があるならば一括で支払いたいという人もいるでしょう。そうすると一括で払ったらお得なのか疑問ですよね。

結論からお伝えすると一括で支払うとお得になります。個人年金に限らず、生命保険全般ですが保険料を早く払えばその分保険料の総額は減ります。それではどれくらいお得なのか気になりますよね。

今日は個人年金を一時払いで加入するとどのくらいお得なのかをお伝えします。具体的にどれくらいお得なのか、そして注意点もお伝えしていますので是非最後までご覧ください。

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保険の教科書 編集部

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1、個人年金保険を一括で支払うとどれくらいお得?

今までに老後の資金にと思って貯めたお金や当面使う予定のないお金を個人年金保険に入れてしまおうという人もいるでしょう。

それでは個人年金保険を一時払で支払うとどれくらいお得なのでしょうか。

個人年金保険に限らず生命保険全般保険料を早く払えばそれだけお得になります。個人年金の場合、例えば将来1,200万円受け取る契約の場合、受け取る金額は増えませんが、保険料が割引となり、支払保険料総額が少なくなります。

それでは実際にある保険会社の個人年金を例に解説していきたいと思います。

以下の条件で保険料を月払で支払った場合と一時払で支払った場合を比較していきます。

  • 契約者=被保険者:50歳
  • 保険料:741,612円/年(65歳まで) 10,385,312円円(一時払い)
  • 給付金受取総金額 1,200万円

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※生命保険文化センターHP参照

結論からお伝えすると

一時払で支払うと月払いに比べて保険料総額が738,868円安くなり、お得になります。

それでは具体的に解説していきますので見ていきましょう。

保険料支払(年払)65歳までの場合

741,612円×15年=11,124,180円(支払保険料総額)

保険料を一時払いで支払した場合

10,385,312円(支払保険料総額)

65歳まで払込の場合11,124,180円に対して契約時に一時払で保険料を払うと10,385,312円になり、同じ将来1,200万円受け取れる契約でも、一時払で払うほうが738,868円安くなります。

ただし、保険会社によってはできないこともあります。

また、保険料を一括で支払う方法としては、「一時払い」と「全期前納払い」があります。この2つは保険契約のときに全保険期間分の保険料を一括で支払うという点で共通しています。

しかし、一時払いは保険料を「支払っている」のに対して、全期前納払いは保険料を「預けている」状態となっています。比較すると「一時払い」のほうが割引率が高く保険料は安くなります。

ただし、一時払いや全期前納ができる商品とできない商品があります

一時払いの生命保険料控除は、保険料を支払った年の1回きりになってしまいます。それに対して全期前納の場合には、毎年保険料を支払っているわけですから、控除も毎年受けることができます。

上記の例は一時払いなので、生命保険料控除を1回しか受けられませんが、これを全期前納払いできれば、50~65歳までの毎年15年間にわたって個人年金保険料控除を受けることができます。

このように、一時払で保険料を支払う時は税金の控除面などの違いがあるので、注意しなければいけません。

ここまでは、一時払い年金のお得さと一時払いと全期前納の違いをご説明しましたがここからは、一時払い年金の資金配分についてご紹介します。

2、一時払い年金の資金配分

2-1:3つのリスク

一時払いで年金に加入することは、ある意味では投資です。

将来、支払った保険料より年金として増えて返ってきますが3つのリスクもあります。

ⅰ)物価上昇リスク

物価上昇が急激に起こると、お金の価値は下がってしまいます。

将来年金でもらっても、物価が上昇し続けて現在よりも2倍物価が上がっていたら、年金も支払い保険料の2倍以上増えていなければ価値がなくなっているとことになるのです。

ⅱ)保険会社破たんリスク

保険会社が破綻した場合は、責任準備金の90%しか保護されません。

すると、せっかく運用して増やそうとしたにも関わらず、保険会社が破綻したことで、資産が減ってしまう可能性もあります。

ⅲ)早期解約リスク

急にお金が必要な状況になってしまい、加入したばかりの契約をすぐに解約する可能性もあります。そのときは多くの場合、解約返戻金は払い込んだ保険料合計額より少ない金額となります。早期解約は損をする可能性が高いのです。

上記3つのリスクを考えて、分散して一時払いの年金に加入する人が増えていますので、その一時払い年金をご紹介します。

2-2:運用によって将来受取れる年金額が変わってくる一時払い変額年金という選択肢

株式や債券を中心に資産を運用し、その運用の実績によって年金や解約返戻金などが増減する個人年金保険で、投資リスクは個人が負うことになります。

一時払い個人年金 変額
※生命保険文化センターHP参照

メリット

  • 運用実績によっては年金額が増える可能性があります。
  • インフレに対応できます。

デメリット

  • 運用リスクがあり、将来の年金額が変動します。
  • 個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除しか受けられません。

2-3:為替変動によって年金額が変わってくる一時払い外貨建て年金という選択肢

外貨建て個人年金も円建ての商品と同じく年金額は確定しています。特徴としては日本円より利率の高い外貨での運用になるため、有利といえます。

ただ年金の受け取りが外貨になるため、実際に円で受け取るときにはその時の為替レートで受け取ることになります。

メリット

  • 円が低金利のため外貨の方が利率が高い場合が多いです。

デメリット

  • 為替変動によるリスクがります。
  • 日本円に換算するときに手数料が掛かります。

一時払いの変額年金や外貨年金も活用し、物価上昇リスクや破綻リスクに備えましょう。

例えば、一時払い年金に2,000万円ほど預ける資金があるならば

  • A)個人年金保険料控除を受けるためだけに最低限の保険料で一般の個人年金保険に全期前納で加入:300万円
  • B)通常の一時払い個人年金保険:700万円
  • C)インフレリスクに備える変額年金保険:500万円
  • D)利率が円よりも高く運用される外貨建て年金保険:500万円

あくまで一例ですが、このように役割を決めて分散して加入することでそれぞれの良さを活かしながらデメリットへのリスクヘッジを行うことができます。

分散することで保険会社の破たんのリスクに備えられ、外貨と変額の年金を取り入れることで物価上昇リスクへ備えられます。

まとめ

まとまった資金がある場合、余裕資金を個人年金保険に一括して入れるのは有効な方法です。ただし、その場合は契約するときに「一時払い」か「全期前納払い」なのか注意しましょう。

全期前納払いで条件を満たせば、個人年金保険料控除を活用できます。一時払では、個人年金保険料控除は受けられず、生命保険料控除は1度きりしか受けられません。

ドル建てや変額保険もありますので、資金配分などを考えて加入しましょう。資金配分の決め方などがわからない方はお近くのFPまでご相談ください。

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