個人年金に係る税金|税金の種類や保険料の控除について

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公的年金のシステムに対して不安が囁かれるようになった昨今。

老後の資産形成を自力で行うという人も増えてきており、将来への積立ができる金融商品への関心が強くなってきている方も多いのではないでしょうか。

自力での資産形成に用いられる金融商品の中で、真っ先に思い浮かぶのは個人年金保険でしょう。

個人年金保険は保険料に対して控除制度が定められており、将来の為に積立をしながら節税をすることが出来ます。

しかし、受取時になると、受け取ったお金に対して税金がかかることは忘れてはいけません。

今回は個人年金保険に係る税金の種類や保険料に対する控除について解説していきます。

老後に備え、個人年金保険に係る税金についてしっかりと理解しましょう。

1.個人年金保険に係る税金は4パターン

まずは個人年金保険に係る税金の種類についてです。

個人年金保険は以下の条件によって、4通りの課税がされます。

  • 契約者と受取人が同じ場合
    • 年金受け取り=所得税(雑所得)
    • 一時金受け取り=所得税(一時所得)
  • 契約者と受取人が違う場合
    • 年金受け取り=初年度は贈与税、2年目以降は所得税(雑所得)
    • 一時金受け取り=贈与税

それぞれについて見ていきましょう。

1.1.契約者と受取人が同じ場合

契約者と受取人が同じ場合、受け取った個人年金は所得として扱われ、所得税が課せられます。

受け取り方によって所得の種類に違いがあるのが特徴です。

①年金として受け取った場合(雑所得)

年金として分割で受け取った場合、個人年金は雑所得として扱われます。

雑所得は公的年金等とそれ以外で算出方法が違い、個人年金は公的年金以外に該当します。

その場合、雑所得は給与所得などと合算した上され、税金が算出されます。

給与所得や事業所得と合算されたうえで税金が計算されるため、注意しましょう。

公的年金以外の雑所得は以下の計算式で算出されます。

  • 雑所得の金額=総収入額-必要経費

個人年金における必要経費の計算方法は以下の通りです。

  • 必要経費=年金額(年額)×払込保険料合計額÷年金受取合計額

実際どれ程の金額が雑所得として扱われるのか、某保険会社の個人年金保険のプランを例として、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。

条件

  • 契約年齢:年齢35歳
  • 払込期間:60歳まで
  • 受取開始年齢:65歳
  • 保険料:15,000円(月払)
  • 保険料総額:450万円
  • 年金額:47.12万円

上記条件の場合、必要経費は

  • 47.12万円×450万円÷(47.12万円×10年)=45万円

雑所得の金額は

  • 47.12万円-45万円=21,200円

上記条件の場合、21,200円が雑所得となります。

この金額から更に税率を乗じた上で所得税が決定する為、実際にかかる税金は比較的少額であることが想像できますね。

②一時金として受け取った場合(一時所得)

個人年金を一括で受け取った場合、保険金は一時所得として扱われます。

一時所得の計算方法は以下の通りです。

  • 一時所得の金額=総収入金額-必要経費-50万円(特別控除)

しかも、課税されるのはそのさらに1/2の額です。

一時所得として扱われる場合、支払った保険料の総額が必要経費に該当します。

①と同一の条件で考えると、一時所得の金額は

  • 471.2万円-450万円-50万円=-28.8万円(0円)

上記計算より、課税される一時所得は0円です。

50万円の特別控除のおかげで、一時所得がプラスになることはほとんどありません。

また、もしプラスになった場合でも、課税されるのは一時所得の1/2である為、発生する税金は少額です。

1.2.契約者と受取人が違う場合

契約者と受取人が違う場合、個人年金は契約者から受取人へ贈与された財産として扱われ、贈与税が課せられます。

年金払いで受け取る場合は「贈与された財産」としての側面と、年金による所得という側面を持つため、課税方式が複雑です。

①一時金として受け取った場合

一時金として受け取る場合、課税される税金は贈与税です。

贈与税は計算の前に、「年金受給権評価額」を決定する必要があり、以下の3つの中から、最も大きい金額のものが選ばれます。

  1. 契約返戻金の金額
  2. 一時金で受け取った場合の金額
  3. 年金年額、残存期間、平均余命に応じた所定の利率を用いて算出された金額

決定した年金受給権評価額に、110万円の基礎控除を適用し、特定の税率を乗じれば贈与税の算出が可能です。

  • 贈与税={年金受給権評価額-110万円(基礎控除)}×税率-控除額

1.1.①の条件で、年金受給権評価額を一時金で受け取った金額とする場合、贈与税は

  • (471.2万円-110万円)×15%-10万円=441,800円

となります。

契約人と受取人が同じ場合に係る所得税と比較すると、税金がかなり多いことが分かりますね。

本条件に当てはまる場合は想定より手元に残らない、というようなことのないよう注意しましょう。

②年金として受け取った場合(贈与税)

年金払いで受け取った場合、課税方式が少々複雑です。

まず、初年度に、保険金の評価額(一時金で受け取ったとした場合の額)について贈与税が発生します。

2年目以降は、もし、保険金の評価額が、年金で受け取る場合の総額よりも低ければ、差額を各年度に少しずつ振り分けて相続人の「雑所得」と扱われます。

この「少しずつ」の計算方法が特殊で、課税部分が年々階段状に増えていくのです。

詳しくは国税庁のHPをご覧ください。

2.個人年金保険料の控除制度について

個人年金保険の保険料には、生命保険料控除制度による所得控除が発生する可能性があります。

生命保険料控除制度には3種類の分類があり、個人年金保険が該当するのは、個人年金保険料控除です。

払い込んだ保険料に応じて、一定の金額がその年の所得から差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減されます。

個人年金保険料控除の対象となる保険は、契約時に「個人年金保険料税制適格特約」を付けている上で、以下のすべての条件を満たしている場合に限ります。

  • 年金受取人が契約者または配偶者のどちらかである
  • 年金受取人は被保険者と同一である
  • 保険料払込期間は10年以上である
  • 年金受取開始が60歳以降で年金受取期間が10年以上である

制度の詳細や実際に控除される金額については「個人年金は税金がお得!?知っておきたい控除に関する5つのポイント」をご覧ください。

まとめ

いかがでしたか?

個人年金保険は契約者と受取人が同じかどうか、受け取り方が一括か分割かで、課税される税金の種類が変わることが理解できたかと思います。

個人年金に課せられる税金の中で、最も負担が大きくなる可能性があるのは贈与税です。

特に、契約者と受取人が違う場合は、税金の多さに驚くことの無いよう、しっかりと備えておきましょう。

また、契約者と受取人が違う場合、年金払いを選択すると、贈与税と雑所得に係る所得税の2種類が関与してきます。

この場合は特に、所得税の課税方法が特殊で、算出方法が複雑になっているため注意しましょう。

個人年金は各々の老後を支える重要なお金です、保険料が控除制度によって控除されることからもそれは明白です。

大事なお金をより多く受け取れるよう、契約者・受取人の確認と、受け取り方法について今一度良く考えてみましょう。

また、これから個人年金保険に加入するという人は、係る税金の種類を把握したうえで、契約者・受取人の関係を良く考えながら契約することが大切です。

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