個人年金保険を考える時に必ず知っておきたい種類と特徴

個人年金保険は、「保険」という名前が付いていますが、貯蓄目的の金融商品です。

保険料を支払い続け、老後に保険料総額より多くのお金を年金として受け取れます。また、保険料が所得控除の対象となっているので、老後の生活資金を積み立てる手段として人気があります。

ただし、個人年金にも種類があり、人によって向き不向きがあります。

そこで今回は、個人年金保険の種類にはどんなものがあるのか、詳しく解説しています。

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保険の教科書 編集部

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1.個人年金保険は「受取期間」と「運用方法」により分類される

個人年金保険の種類は、「受取期間」と「運用方法」で整理すると分かりやすいです。

受取期間とは、老後に年金を受け取れる期間が何年かをさします。

運用方法とは、払い込んだ保険料の一部を、保険会社がどのように運用するかということです。

保険料の運用が成功した分だけ、被保険者が受け取れる年金の金額が増えるのです。そのため、どのような方法で保険料を運用するのかは、貯蓄の効率を考える上で非常に重要なポイントと言えます。

このように、個人年金保険を選ぶ際には、受取期間・運用方法の2つのポイントに注目するようにしてください。

以下、1つずつ解説していきます。

2.受取期間による分類【確定年金・終身年金】

個人年金保険の受取期間の種類は、大きく分けて「●年間」という期限付の「確定年金」、被保険者が存命中はずっと年金が受け取れる「終身年金」の2種類です。

2-1.確定年金

まず、確定年金です。

たとえば「10年確定年金」は、年金の支払い開始から10年間、何があっても年金を受け取ることができます。

【10年確定年金のイメージ】

もし、年金受取期間中に本人が亡くなった場合でも、遺族が引き続き年金を受け取れるのです。

なお、年金払込期間中に亡くなった場合、それまでの運用実績に見合った金額の「死亡給付金」が遺族に支払われることになります。

2₋2.終身年金

一方、終身年金は、存命中ずっと年金を受け取れるタイプです。

終身年金には「最低保証期間」があります。

これは、その期間中に万一本人が亡くなったとしても、遺族が年金を受け取れるというものです。

たとえば「10年保証期間付終身年金」であれば、年金受取開始から10年以内は、本人が亡くなっても遺族が年金を受け取れるのです。

【10年保証期間付終身年金イメージ】
10年保証期間付終身年金

なお、年金払込期間中に亡くなった場合、それまでの運用実績に見合った金額の「死亡給付金」が遺族に支払われることになります。この点は確定年金と変わりません。

2-3.終身年金と確定年金では確定年金の方がおすすめ

このように、個人年金保険は受取期間によって終身年金と確定年金に分かれますが、おすすめなのは確定年金です。

その理由は、主に以下の2つです。

  • 終身年金は保険料が割高
  • 終身年金は平均寿命より長生きしないと元が取れない

まず、受取期間が限定されている確定年金と比べると、終身年金の保険料はずっと割高になっています。

たとえば、1年間に受け取れる年金額が同じであれば、終身年金の保険料は確定年金の倍以上になることも稀ではありません。

また、終身年金は保険料が割高なので、ある平均寿命を超える年齢まで長生きして年金を受け取り続けないと、元が取れません。

したがって、同じ保険料を支払って、より効率よく貯蓄ができるのは確定年金です。個人年金保険を選ぶ際は、特別な理由がない限り、終身年金より確定年金を選ぶことをおすすめします。

詳しくは「個人年金の終身年金とは?積立効率の試算と他の積立方法との比較」をご覧ください。

3.運用方法による分類【円建て・米ドル建て・変額】

個人年金保険のもう1つの分類方法は、保険会社が集めた保険料の一部をどのように運用するかです。

主な運用方法の種類は、以下の3つです。

  • 円建て
  • 米ドル建て
  • 変額

この3つはそれぞれメリット、リスクと対処法がそれぞれ異なります。

以下、それぞれの特徴を契約例とともに解説していきます。

3-1.【円建て】円での元本割れのリスクを確実に避けたい方に最適

文字通り、日本円でお金の運用をするタイプの個人年金保険です。

円建ての個人年金保険は、契約時に「どのくらい増えるか」が決まっているため、円で計算した場合に元本割れをすることがありません。

そのため、円での元本割れのリスクを絶対に避けたい方には、適している運用方法と言えます。

一方、長く続いている超低金利政策の影響から、利率が良くないことは否めません。この後に紹介する「米ドル建て」や「変額」の方が、はるかに利率が良くなっています。

3-1-1.円建て個人年金保険の契約例

実際にどのくらいの利率が期待できるか、A生命の円建て個人年金保険を例に紹介しましょう。

契約の内容は以下の通りです。

  • 契約者:35歳男性
  • 保険料払込期間:60歳まで
  • 年金支払開始年齢:60歳から
  • 年金種類:確定年金(10年)
  • 基本年金額:年額50万円(合計500万円)
  • 保険料:16,005円/月
  • 払込保険料総額:4,801,500円

この契約では、年50万円を60歳から10年間受け取ることができます。

お金が増えた割合を示す返戻率は、以下の通りです。

5,000,000円(年金総額)÷4,801,500円(保険料総額)≒1.041(104.1%)

つまり、円で計算すると、25年保険料を支払い続け約4.1%のお金が増えます。

定期預金の年利率が約0.01%~0.02%(参照元:価格.com「定期預金比較 | 金利・利率・利息」)であることを考えると、「銀行に預けておくよりはずっと良い」とは言えるかも知れません。

ただし、以前と比べると、日本政府のマイナス金利政策が長く続いているため、返戻率が大きくダウンしてしまっています。これから紹介する外貨建てや変額タイプに比べると、貯蓄性が著しく低くなっています。

3-1-2.【注意】日本円の価値が下がることによるリスクはある

上述の通り、円建ての個人年金保険は、円で計算すれば元本割れすることはありません。

しかし、日本円自体の価値が下がると、結果的に日本円の預金などの資産価値も下がってしまいます。

たとえばインフレ(物価上昇)が起こり、今まで10,000円で購入できていたモノが12,000円になると、日本円で買えるモノが少なくなるので、相対的に日本円の貯蓄などの資産価値が下がります。

このリスクを軽減するためには、預金や円建ての保険以外に、不動産・株式等の資産を保有する方法や、これから解説する「米ドル建て」や「変額」の個人年金保険に加入する方法があります。

3-2.【米ドル建て】リスクを抑えつつ利率の良い商品を選びたい方向け

外貨建個人保険とは、日本円より利率の良い米ドルを使ってお金を運用するタイプの個人年金保険です。

前述の通り日本円が超低金利政策により利率が下がっている中、高い利率を誇る運用方法として注目を集めています。

3-2-1.外貨建て個人年金保険の契約例

それでは円建て個人年金保険と比べてどのくらい利率が良いのか、B生命の外貨建個人年金保険の契約例を見てみましょう。

  • 契約者:35歳男性
  • 保険料払込期間:60歳まで
  • 年金支払開始年齢:60歳から
  • 年金種類:確定年金(10年)
  • 保険料:16,000円/月
  • 払込保険料総額:4,800,000円(43,440.00$) ※1$=110.50円で計算

受け取れる年金及び返戻率は以下の通りです。

なお、記載している「積立利率」とは、契約者から集めた保険料の一部でお金の運用を行う上で実現している金利とお考え下さい。

(パターン1)契約時の積立利率のまま継続した場合

  • 基本年金額:年額5,566.00$(合計55,660.00$)
  • 返戻率:128.13 %

(パターン2)積立利率が毎月0.01%ずつ増加した場合

  • 基本年金額:年額6,692.00$(合計66,920.00$)
  • 返戻率:154.05 %

ご覧のように運用実績により利率が変わるものの、いずれにしろ紹介した円建て個人年金保険の例(返戻率:104.1%)と比べて、はるかに利率がよいことは明らかでしょう。

3-2-2.外貨建の保険のリスクとその軽減方法

外貨建ての保険には「為替リスク」があることは覚えておく必要があります。

為替リスクとは具体的にどんなものか理解するために、円を米ドルに換金し、後で再びその米ドルを日本円に換金する場合のイメージ図をご覧ください。

為替リスクのイメージ。円高ドル安・円安ドル高。

ご覧の通り、円高ドル安の時に換金すると受け取れる日本円が少なくなり、逆に円安ドル高の状態では多くなります。

このように、円高ドル安になった場合に受け取れる円が目減りしてしまうリスクを「為替リスク」と言います。

ただし、米ドル建て個人年金保険の場合、そのリスクを軽減する方法があります。次にお伝えします。

・長期的に分散して保険料を支払うことでリスクを平準化する

上でお伝えした米ドル建て個人年金保険の契約例では、毎月日本円で一定額の保険料を払い込み、それをその時点の為替レートで米ドルに換算され、積み立てられていきます。

為替は常に変動するため、円高ドル安の時にはドルが多く積み立てられ、円安ドル高の時にはドルが少なく積み立てられます。

それを長期的続けると、為替リスク(円高ドル安のリスク)は平準化し、軽減されていきます(以下のイメージ図をご覧ください)。

こうすれば、解約返戻金を受け取るタイミングで米ドルが大暴落して、極端な円高ドル安にならない限り、損をしてしまうリスクは大きくありません。

・長期的に運用し返戻率を高める

また、米ドル建て建個人年金保険は、高い返戻率が特徴となっています。

そのため長期的に加入し続けて返戻率を高めることによって、仮に最後の最後にいきなり極端な円高ドル安がきたとしても、その分の損失を高い返戻率でカバーできる可能性が高くなっていきます。

・為替の状況が落ち着くまで寝かせておく

そうは言っても、保険金を受け取る時にあまりに極端な円高ドル安の状態になってしまうと、上で紹介した2つの軽減方法ではリスクをカバーしきれないことが絶対ないとは言い切れません。

その場合、最後の最後の手段として、為替の状況が落ち着くまで寝かせておくことによってリスクを軽減する方法があります。

極端な円高ドル安が解消されたタイミングで保険金を受け取るのです。

この方法の難点は、本当に必要なタイミングで保険金を受け取れない可能性があるということです。可能性はあまり高いとは言えませんが、私たちは、これこそが本当の意味で覚悟しておかなければならない「為替リスク」だと考えています。

このように、米ドル建て保険の為替リスクについては、長期的に加入し続けることにより相当程度避けられるし、最終的にお金を大きく増やすことができる可能性が高いと考えられます。

3-3.【変額】多少のリスクはあっても大きく増やしたい方向け

変額個人年金保険とは、保険料の一部を保険会社が国内外の株式・為替・債券などで運用し、その実績によって、受け取れる年金額が変動するタイプの商品です。

変額個人年金保険では、あらかじめ保険会社が用意した運用方法(特別勘定)の中から、好きなものを選ぶことができます。

そして、特別勘定の運用実績により、受け取れる年金等の額が変動するのです。

【運用実績が良かった場合】

【運用実績が悪かった場合】

変額個人年金保険の利率は保険会社の運用実績に大きく左右されることになり、円建てや外貨建てと比べても投資性が非常に高い商品です。

したがって、お金を大きく増やしたい方に適しています。

なお、運用なのでリスクはあります。ただし、その内容を知った上で、適切な対処法をとることで、そのリスクを抑え、大きく増やせる可能性が高くなります。

3-3-1.変額個人年金保険の契約例

それでは変額個人年金保険の利率がどのくらい期待できるのか、C生命の契約例をご覧ください。

  • 契約者:35歳男性
  • 保険料払込期間:60歳まで
  • 年金支払開始年齢:60歳から
  • 年金種類:確定年金(10年)
  • 保険料:16,440円/月
  • 払込保険料総額:4,932,000円

特別勘定の運用実績(利率/年)ごとの返戻率(年金総額÷保険料総額×100(%))は以下の通りです。

運用実績 -3.5%/年 0.0%/年 3.5%/年 7.0%/年
年金額累計 2,474,400円 4,334,400円 8,000,000円 15,297,600円
返戻率 50.2% 87.9% 162.2% 310.2%

最も運用実績が良い「7.0%/年」で試算した場合、実に支払った保険料の3倍以上にもなる310.2%もの返戻率を記録しています。

これに対し、運用実績が最悪の「-3.5%/年」だと、返戻率は50.2%となってしまう試算になります。

3-3-2.変額個人年金のリスクを軽減し、大きく増やせるようにする方法

このように、変額個人年金保険は、高い投資性を誇る反面、リスクのある商品と言えます。しかし、ポイントを押さえておけば、そのリスクを抑え、お金を大きく増やせる可能性が高くなります。

とは言っても、投資に関する専門的な知識や特別な勉強が要求されるわけではありません。以下、変額個人年金を選ぶ際に押さえておくべきポイントを紹介します。

・長期運用でリスクを分散する

変額個人年金は、15年~20年の長期にわたって運用されるべき商品です。

その間には世界的な経済状況の変化により、運用実績が短期的に高騰することも暴落することもあり得ます。

したがって、たとえば世界的不況等で一時的に運用実績が落ち込んだからといって慌ててはいけません。

株価が暴落した時は、同じ額で安くなった株式をたくさん購入できるので、後で経済が回復した時にはそれが大きく増えていく可能性が高いのです。

一例として、契約例で紹介したC生命の変額個人年金の「特別勘定D」の運用実績をみてみましょう。以下は特別勘定Dの運用実績を簡易的にグラフ化したものです。

変額保険。リーマンショック前後の運用実績

ご覧の通り、世界経済に大打撃を与えたリーマンショックの時は、暴落しています。

しかし、その後は回復し、数年程度でリーマンショック前の水準に回復、さらに上昇を続けています。最終的には、1999年に払い込んだお金が、9倍程度まで増えています。

このように、一時的・短期的な騰落に一喜一憂せず、長期的に加入し続けることで、最終的に大きく増やせる可能性が高くなっていきます。

目安としては、最低で15~20年を見ておきましょう。

・過去20年間で高い実績を挙げている商品を選ぶ

また、変額個人年金保険を選ぶ際は、過去20年ほどの運用実績をチェックすることをおすすめします。

運用実績は、パンフレットやホームページなどで紹介されています。

前述のように、リーマンショックがあった2008年前後は、どの商品もほぼ例外なく運用実績を大きく下げていますが、その後に大きく回復して伸び続けている特別勘定であれば、将来性が高いといえます。

その上で、ファイナンシャルプランナーに特別勘定の運用方法について説明を受け、運用方法の方向性が分かりやすく合理的と思えるものを選ぶことをおすすめします。

・保険会社が公開する情報をチェックしたり担当者のアドバイスを聞いたりする

加入後は、変額個人年金保険の運用実績に関して、ホームページや保険会社が定期的に送ってくる資料によって随時チェックすることをおすすめします。

内容を確認し、必要に応じて担当者の方にアドバイスを求めることをおすすめします。

状況によっては、運用先を変更するなどしてリスクを軽減する方法もあります。

4.【参考】個人年金保険は「生命保険料控除」の対象となる

個人年金保険でもう1つ覚えておきたいのは、保険料が生命保険料控除の対象となり、所得税や住民税の節税ができることです。

生命保険料控除とは、所得税・住民税を計算する際に、その年に支払った保険料のうち一定額を所得から差し引くことができる制度です。

上でお伝えした円建ての個人年金保険、米ドル建て個人年金保険の保険料は「個人年金保険料控除」の対象、変額個人年金保険の保険料は「一般生命保険料控除」の対象となります。

生命保険料控除の詳細については「生命保険料控除制度|控除の仕組みと対象になる保険について」をご覧ください。

まとめ

個人年金保険の種類は「受取期間」と「運用方法」に着目すると分かりやすいです。

受取期間による分類では、「確定年金」がおすすめです。なぜなら、終身年金は一生涯年金を受け取れるメリットがあるものの、平均寿命より長生きして年金を受け取り続けないと元が取れないからです。

次に、運用方法による分類では、円で計算した場合に元本保証が欲しい場合は「円建ての個人年金保険」がおすすめです。ただし、近年は日本政府のマイナス金利政策のため、以前と比べて返戻率が大きく下がっていますし、円の価値が下がった場合、実質的な意味での元本割れが起きるリスクがあります。

これに対し、利率の高い「米ドル建て個人年金保険」、運用によって大きくお金を増やせる可能性がある「変額個人年金保険」があります。これらはそれぞれリスクがありますが、そのリスクの内容を知り適切な対処法を取ることは難しくはありません。それによって、リスクを最小限に抑え、お金を着実に増やせる可能性が高くなっていきます。

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