老後破産を引き起こす7つの原因


近年「老後破産」という言葉をしきりに目にします。
そもそも老後破産はなぜ起こるのでしょうか?
世間一般で高所得者と言われる人さえ老後破産のリスクがあると言われます。公的年金の給付水準の抑制、終身雇用制度の崩壊などの外部要因の影響もあるかもしれませんが、一番の原因はお金の使い方にあります。
将来、老後破産せず、幸せな老後を送るためにも、その原因を知ることが第一歩となります。
今回は、老後破産の7つの原因をお伝えします。
はじめに|老後破産は楽観的な気持ちから起こる
老後破産は低所得の人がなると思っていませんか?
実は、今後、7割の世帯が老後破産に陥る可能性があるという統計があります。
その大きな原因は「自分は収入があるから大丈夫だろう」という楽観的な気持ちからくる、計画性のないお金の使い方にあります。
例えば住宅を購入する時「何となく年収ががあるから払えるだろう」と思って適当にローンを組んでしまうケースや、一定の年収がある人がお金を使えるだけ使ってしまうケースです。
例えば、年収500万円の人の間でも、老後に向けて計画的に行っている人とそうではない人では老後破産に陥るリスクは大きく違います。
これからお伝えする7つの原因は、未然に防げることから突発的に起こることまで多岐にわたります。しかし、どれも準備をしていれば防げるものばかりです。
逆に言うと、収入が少なくても計画的にライフプランを立てて実行できれば、老後破産をすることなく、幸せな老後を送ることができる可能性が高いということです。
老後破産7つの原因
老後破産の原因は主に7つです。
- 金銭感覚を変えられない
- 医療費が高額になる
- 中高年期を迎えてから収入が減少する
- 子供が面倒を見てくれない
- 定年を過ぎて退職後も住宅ローンが残ってしまっている
- 寿命が延びている
- 退職金が年々減少している
1.金銭感覚を変えられない
年金収入だけでは毎月の支出を賄えず、ほとんどの高齢者無職夫婦世帯で貯蓄を取り崩しながら生活をしています。
収入が減少しているにも関わらず、現役世代の時と同じような支出を続けていれば、当然生活は破綻してしまいます。
特に40代~50代に掛けて年収がピークになることが多く、そこから定年退職を向かえると、一気に収入が途絶えます。
年金生活に入ると当然貯蓄を切り崩して生活をしていくので、支出を抑えなければいけないのですが、生活レベルを下げるのは思いのほか難しいものです。
今までと同じ感覚で日常品や消耗品、ぜいたく品などを買ってしまうと、すぐに貯蓄が底をついてしまいます。
今の自分の収入の現実を受け入れて、収入に合った生活レベルに徐々に変えていくことが必要です。
2.医療費・介護費用が高額になる
高齢になってからの医療費は、公的保険制度により自己負担額が現役世代の時より低くなります。
しかし、治療が長期化したり入退院を繰り返したりすると、負担は重くなっていきます。
また、最先端の医療を受けようとすれば、公的保険だけでは対応しきれないことがあります。
医療費・介護費用がかさめば、たとえ退職時点で数千万円の貯金があっても、一気に取り崩してしまう可能性があります。
特に、年金生活に入ってから医療費がかさむと、貯蓄が一気に少なくなります。
健康に留意することと、医療費がかさむ可能性に備えて貯蓄をしておくことが重要です。また、保険で備えるならば、がん保険など、重大な疾病に備える保険になるべく低い保険料で加入しておくことをおすすめします。
3.中高年期を迎えてから収入が減少する
実際に、老後資金が十分に貯められず「非常に不安」だと考えている老後破産予備軍の多くは平均的な会社員であり、いわゆる「中流家庭」と言われます。
貯蓄もそれなりにはしているにもかかわらず、老後の資金が見込み違いとなる要因は、特に男性の、中年期を迎えてからの思わぬ収入減にあるといいます。
給与のカットや、リストラと呼ばれる整理解雇などです。
終身雇用、年功序列が終わった今、順調に出世をして収入が上がれば問題ないですが、そうなるとは限りません。普通に働いていれば年収が上がる時代は終わりました。
若いうちからコツコツと貯蓄をしていくことが大切です。iDeCo、NISA・つみたてNISAなど優遇税制を受けられる方法を利用することをおすすめします。積立型の保険も、中には有益なものがあります。
4.子供が面倒見てくれなくなった
子供が年収が高いので、将来生活の面倒を見てくれると思っている人もいるでしょう。しかし、前節でもお伝えしたように、子供の側でも突然の整理解雇、給与カットなどの収入の減少はもちろん病気で働けないなどの事態が考えられます。
子供など家族に頼るのではなく、自分自身で老後の生活費を準備するという姿勢が重要になってきています。
5.定年を過ぎて退職後も住宅ローンが残ってしまっている
多くの人にとって、老後の生活は、年金だけで足りない部分を、生活費の不足分を貯蓄を切り崩すことでようやく成り立つものです。
それが、生活費の不足分に回せずに住宅ローンの返済に回さざるを得ない状況なわけですから、住宅ローンの利息負担も大きくのしかかってきて「老後破産」状態に追い込まれるケースは後を絶ちません。
特に、最近は50歳を迎えると給与を減らされることがあります。給与が減らされた中で住宅ローンを支払っていくと当然今の生活で手いっぱいで老後の貯蓄などはできないでしょう。
そして、近年晩婚化が進んでいます。
それに合わせて、マイホームを購入するタイミングも遅くなってきています。高度経済成長で給料が右肩上がりだった団塊世代の頃は20代前半で結婚して35年ローンを定年の60歳までに払いきるというライフスタイルでした。
しかし、晩婚化により初婚が30代になると、35年ローンを組んでも定年までに支払いが終わらないということになります。
定年後で既に収入が無いのにローンだけが残されているので、支払は当然、貯蓄を切り崩すことになることになります。
マイホームを購入する時には、ライフプランニングを綿密に行い、定年後まで支払いが残らないように計画的にローンを組む必要があります。
6.寿命が延びている
老後に生活に困窮する高齢者が多くなる1つの要因に、寿命が延びていることがあります。
医療技術が進化し、健康志向により若くから健康に気遣っている人が多くなり、これからも平均寿命が延びることが予想されます。
平均余命まで生きると○○○○万円必要と計算して、それに向けてお金をためていくことは最低限必要ですが、それでもそれ以上長生きする可能性も考えられます。
よって、「長生きリスク」がこれからますます重要になってくるでしょう。
7.退職金が年々減少している
老後の生活費として計算されるものに退職金があります。
しかし、近年定年退職金が年々減少しています。退職金制度自体がない企業も増えており、数十年前のような大きな退職金が見込めない時代になってきています。退職金が当てにならなくなると自分で老後資金を貯めていくしかありません。
経団連の「退職金・年金に関する実態調査結果」で、2018年9月度、2016年9月度と2012年9月度の管理・事務・技術労働者(総合職)の勤続35年以上の定年(60歳)退職者の退職金の比較をご覧ください。
【大学卒】
- 2012年の調査:2,491.7万円
- 2016年の調査:2,374.2 万円
- 2018年の調査:2,255.8万円
【高校卒】
- 2012年の調査:2,125.1万円
- 2016年の調査:2,047.7 万円
- 2018年の調査:2,037.7万円
ご覧のように、減少し続けていることが分かります。
老後に生活が困窮してしまってからでは、できることが限られ、取り返しがつかなくなります。
後悔をする前に確実に準備をしておく必要があります。
まとめ
老後破産の原因は様々考えられます。これから年金不安、終身雇用制度の崩壊により、老後破産する人はますます増えるでしょう。中には避けられないものも含まれていますが、事前に準備をしておくと避けられるものもあります。特に、若いうちから老後のことを考え、できる範囲で積立をしていくことが重要です。
高所得者の人ほど楽観し、老後の準備を怠る傾向にあるので、お金の使い方を考え、早い段階から老後のことを考えていきましょう。そうすれば老後破産は必ず避けられるはずです。



