老後のための保険にはどんなものがあるか

少子高齢化の時代となり、公的な年金だけでは老後の生活が不安という方は多いでしょう。

そんなときに役立つのが保険ですが、たくさんの種類があるので保険のことをあまり知らないと、何がよいのか判断するのが難しいところです。

そこで、この記事では老後のために役立つ可能性のある保険の種類を紹介しています。

老後を見据えて保険を検討されている方が、まず初めに読んでいただきたい記事です。

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保険の教科書 編集部

保険の教科書 編集部

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1.老後の生活費を確保するための保険

少子高齢化が続き、老後の生活費に不安を抱える人は多いです。

厚生年金や国民年金といった公的年金だけで老後の生活費をまかなえるか心配されている方も多いことでしょう。

そこで、保険を利用して老後の生活費を確保する方法があります。

このタイプの保険は死亡保障のありなしで分類が可能です。

死亡保障のありなしで比較すると、死亡保障がない方が、貯蓄性が高くなっています。

一方、死亡保障がついている方は、被保険者が亡くなった際に支払った保険料総額より高額の死亡保険金が受け取れる点がメリットです。

以下、それぞれのタイプにあてはまる保険の種類を紹介します。

なお、この項で紹介する保険商品については、実際の契約例をふまえた活用法を「貯蓄型保険の種類と選び方まとめ」で紹介しています。あわせて参考にして下さい。

1-1.死亡保障がなく実質貯蓄のみとなるタイプ

このタイプにあてはまる保険商品として「個人年金保険」があげられます。

個人年金とは契約後に毎月などで保険料を支払うことにより、老後は公的年金に追加して「毎年●万円」などのお金などが支給される保険商品です。

(もらえる額や期間は保険商品により異なります。)

そして個人年金のなかでも、貯蓄性が高い種類として以下2つがあげられます。

  • 外貨建て個人年金
  • 変額個人年金

詳しくは「個人年金はおすすめできる?加入のメリットと種類を解説」をご覧いただくとして、以下1つずつ解説します。

1-1-1.外貨建て個人年金

保険料の支払いや年金の受取りに、利率の高い外貨を利用する個人年金です。

円建ての個人年金と比べてはるかに貯蓄性が高くなっています。

一方で利回りは為替の状況に大きく左右されるので注意が必要です。

たとえはドル建ての個人年金を契約する場合、契約時より円高ドル安になれば受け取れる年金額が少なくなり、逆に円安ドル高になれば多くなります。

1-1-2.変額個人年金

保険会社が保険料の運用を行い、その運用実績により受け取れる年金額が変動するタイプの個人年金です。

貯蓄性は外貨建てより高くなっています。

ただし運用実績が悪ければ元本を大きく割り込むことがあり、逆によければ元本よりはるかに多額の年金が受け取れることも多いです。ハイリスク・ハイリターンなものと言えます。

運用リスクを避けるためのポイントは大まかに言って以下の2つです。

  • 運用先(特別勘定)は過去20年程度の運用実績を確認して良いものを選ぶこと
  • 短期的な騰落に一喜一憂しないこと

契約する際には、信頼できるファイナンシャルプランナーへ相談の上、仕組みや注意点をしっかり理解していから手続きをすすめるようにしてください。

1-2.死亡保障がついているもの

死亡保障の役割があり、なおかつ貯蓄性が高い保険商品として終身保険があげられます。

終身保険では被保険者が亡くなった際には死亡保険金が、解約した際には解約返戻金が受け取れます。

貯蓄性があり、保険料をしばらく納め続けると、それまでにおさめた保険料の総額より多い解約返戻金を受け取ることが可能です。

実際にどのくらいの貯蓄性があるかは、保険商品により異なります。

特に貯蓄性が高い終身保険として、以下の2種類があげられます。

  • 外貨建て終身保険
  • 変額終身保険

なお、万一の時に家族にお金を遺す死亡保障の機能を重視するのであれば、終身保険より掛け捨てタイプ(定期保険、収入保障保険)を優先しましょう。

以下1つずつ解説します。

1-2-1.外貨建て終身保険

保険料の支払いや保険金に円よりも利率の高い外貨を利用することで、貯蓄性を高めた終身保険です。

円建ての終身保険と比べて、予定利率も高くなっています。

予定利率とは保険会社の運用の利回りを示した値で、予定利率が高くなるほど保険料が安くなります。

一方で外貨建てであるため、前述の外貨建て個人年金と同様に為替のリスクについては注意が必要です。

貯蓄性が高い反面、為替の状況によっては受け取れる解約返戻金や死亡保険金が元本を割り込む可能性があります。

1-2-2.変額終身保険

保険会社の資金運用の結果によって保険金や解約返戻金の額が変動するタイプの保険商品です。

投資信託などの金融商品によって投資が行われます。

外貨建てよりさらに貯蓄性が高い一方で、運用状況が悪ければ元本を大きく割り込むこともありハイリスク・ハイリターンな保険商品と言えます。

なお死亡保険金については最低額が確保され、それより少なくなることはありません。

運用がよければ、さらに上乗せとなることもあります。

変額終身保険についても、リスクが非常に高い商品なので、契約する際は信頼できるファイナンシャルプランナーへ相談して、商品ごとの注意点や仕組みをきちんと説明してもらったうえで、理解できてから契約するようにしてください。

活用の上では、くれぐれも以下の2つのポイントを押さえてください。

  • 運用先(特別勘定)は過去20年程度の運用実績を確認して良いものを選ぶこと
  • 短期的な騰落に一喜一憂しないこと

2.老後の医療費の確保に役立つ保険

老後になれば何かと病気がちになるので、医療費をまかなう保険も気になるところではないでしょうか。

このとき、検討の対象となるのが医療保険とがん保険です。

医療保険とは、主に入院と手術の費用を負担してくれる保険です。

入院日額●円、手術1回●万円といったかたちで保障が行われます。

一方のがん保険は、入院・手術に限らずがんと診断されたら、一時金として●万円を給付するといったものや、通院・入院に限らず抗がん剤などの治療をするのであれば毎月●万円を給付するなど、幅広く保障を行う保険が主流となっています。

それをふまえ、老後のためにどのような保険に加入すべきでしょうか。

2-1.優先すべきは医療保険よりがん保険

まず医療保険とがん保険を比較した場合、優先すべきなのはがん保険です。

医療保険の優先順位はそれほど高くありません。

その主な理由は以下の2つです。

  • 入院日数が短くなっている
  • 高額療養費制度によって医療費の大半をカバーできる

まず最近では入院日数が短くなっており、日帰り手術といった例も増えております。

この場合、医療保険の「入院日額●円」といった保障が、あまり意味がありません。

加えて日本には「高額療養費制度」という医療費の負担を軽減する制度があります。

高額療養費制度をきちんと利用すれば、毎月の医療費が個人の収入額にあわせた無理のない金額で頭打ちとなり、それより高い部分は国が負担してくれるのです。

もちろん入院日数が長引くケースもあるため、必ずしも医療保険が役立たないわけではありませんが、優先度からするとあまり高くありません。

(医療保険の必要性について、より詳しい内容は「医療保険の必要性とは?不要な理由4つと必要な理由4つ」で解説しています。)

一方で、がん保険は優先度が高いです。

現代では2人に1人はがんにかかると言われております。

また国立がん研究センターの「最新がん統計(2019年01月21日更新)」によれば、60歳男性の生涯がん罹患率は63%、60歳女性のがん罹患率は41%とのことです。

そのうえ、がんになると、入院・通院に限らず治療が長期化し医療費がかさむ可能性が高くなります。

最近のがん保険は、「がんになったら●円」「抗がん剤や放射線治療などを受けている場合は毎月●万円」など、最新の治療事情に適した商品が多くなっているので、大きな助けになります。

2-2.どんなタイプの医療保険・がん保険に加入するべきか

まず医療保険・がん保険いずれも、保険期間が限定された定期タイプと一生涯保障が続く終身タイプがあります。

このうち、老後に備えたいのであれば終身タイプがおすすめです。

定期タイプは年齢が若いうちは保険料が安いのがメリットですが、高齢になると保険料が一気に高くなります。

対して、終身タイプは年齢が若いときは定期タイプと比べ割高ですが、高齢になっても保険料がかわりません。

そのため老後の備えにするなら、長い目でみて終身タイプの方がお得で、老後の負担も少ないです。

年齢をかさねるごとに、できるだけ保険料の負担は抑えたいところですね。

次に終身タイプの医療保険・がん保険は、保険料の払込方法によって以下2種類に分類できます。

  • A:終身タイプ・●歳払込満了
  • B:終身払い・払込免除特約付

「A」は、「65歳まで」など保険料を払い込む期間を年齢によって区切るタイプです。

言い換えれば、このタイプは指定の年齢までに全ての保険料を支払い終えているということです。

「B」のタイプでは、基本的に保険料はずっと払い続けるものの、「三大疾病にかかった場合」「がんになった場合」などはそれ以降の保険料の支払いが免除されます。

これをふまえ、まず医療保険については、Aのタイプをおすすめします。

早めに払い込んでしまった方が、保険料の総額が安くなるからです。

医療保険は保障が入院・手術というオーソドックスな内容であり、時代を経てもあまり変わらないので、乗り換えが必要になる可能性も高くありません。

※ただし特約がついている場合は、Bのタイプをおすすめすることもあります。

一方がん保険については、基本的にBのタイプをおすすめします。

がん保険については、今後も新しい種類の保険が登場する可能性があり、仮に乗り換えが必要になった場合、AよりBのタイプの方が乗り換えやすいからです。

仮に払込免除となっていれば、この保険はそのまま残しておいて、新しい保険を契約する、といったやり方もあります。

ただし保障内容が「診断給付金100万円」などのシンプルな内容の場合、医療保険同様に乗り換える可能性は低いのでAのタイプをえらんでもよいかもしれません。

3.介護にそなえた保険

国民全員が加入する公的な介護保険によって、老後に各種介護サービスを受けた場合は、自己負担額は1割に抑えられます。

しかし長期にわたって介護サービスを受けていると、それでも経済的な負担が重くのしかかることもあります。

そこで検討されるのが、民間の介護保険です。ただし、全ての方におすすめとは限りません。

民間の介護保険は、介護サービスの負担を軽減するための保険商品で、保険金の受け取り方には以下3つの種類があります。

  • まとまった一時金(介護一時金)を受け取る
  • 定期的に年金(介護年金)を受け取る
  • 一時金・年金の両方を受け取る

民間の介護保険は、介護サービスを頻繁に受ける必要がある場合などには、役立つ保険商品といえます。

民間の介護保険に関する詳細は、「民間介護保険の必要性|判断基準となる3つのポイント」でも解説しておりますので、よろしければあわせて参考にして下さい。

3-1.民間の介護保険より個人年金や終身保険の方が便利?

民間の介護保険は、介護を受ける方の強い味方になりますが、上述した個人年金や終身保険のような貯蓄型の保険の方が使いやすいのが実際のところです。

個人年金・終身保険の方を、優先して検討することをおすすめします。

その理由は、民間の介護保険の保険料が比較的割高であることと、一定の条件(保険会社・商品により異なる)を満たさないと保険金が受け取れないことです。

個人年金や終身保険であれば、確実にお金を手にすることができます。

老後の資金を確保するための個人年金・終身保険に加入済で、さらに介護のための保障も欲しいという場合に、民間の介護保険を検討するとよいでしょう。

まとめ

老後に備えるための保険として個人年金や終身保険、がん保険・医療保険・介護保険を紹介しました。

このなかで最も優先して検討したいのは、必ず給付金が受け取れる個人年金や終身保険です。

また老後の医療費を備えたい場合は、医療保険より必要性が高いがん保険をおすすめします。

介護保険は、個人年金・終身保険が加入済で、さらに介護のために備えたい場合に検討するとよいでしょう。

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