一般医療法人と社会医療法人の違い|公益性の高い医療法人

公開 2019年2月15日更新 2022年4月12日
一般医療法人と社会医療法人の違い|公益性の高い医療法人
一般医療法人と社会医療法人の違い|公益性の高い医療法人

医療法人には一般の医療法人の他に、「社会医療法人」や「特定医療法人」など、特殊な医療法人があります。

こういった特殊な医療法人は、認可される要件が厳しい分、様々な優遇を得ることが可能です。

共通して言えることは、「公益性が高いという」ことが挙げられますね。

今回はそんな特殊な医療法人の中から、「社会医療法人」について、一般医療法人との違いを比較しつつ紹介していきます。

医療法人として法人化を考えている開業医の方は、しっかり把握しておきましょう。

1.社会医療法人とは

社会医療法人とは、「公益性の高い医療」を担うために定められた医療法人の1つです。

「公益性の高い医療」とは、採算が合わなくても取り組まなくてはならない医療のことで、例えば休日や夜間の診療、離島やへき地での診療から、精神救急や治験など、一般医療法人がやりたがらないような医療を行う為に登場しました。

上記のような、公益性の高く採算の合いにくい医療を率先して行なわなければならない代わりに、社会医療法人は様々な税制優遇や、収益事業を行うことが出来たり、債券を活用できたりというような特権が存在します。

1.1.社会医療法人の条件について

社会医療法人の認定要件は、以下の通りです。

  1. 「財団」または「出資持分のない社団」の医療法人であること
  2. 理事・監事・評議員などの役員職に就いている親族等の割合が、いずれも3分の1以下であること
  3. 設立者、役員等、社員またはこれらの親族等に対し、特別の利益を与えないこと
  4. 解散に際して、残った財産が国や地方公共団体、または他の医療法人(財団の医療法人または出資持分のない社団の医療法人)のものになるということが、定款等に記載されていること
  5. 公益に反する事実がないこと
  6. 社会保険が適用される診療での収益が、全収入の80%を超えること
  7. 自費患者に対し請求する金額は、「社会保険診療報酬」と同じ基準により計算されるものであること
  8. 医療診療による収入は、医師、看護師等の給与など、医療サービスの提供に直接関わる経費の1.5倍より少ないこと
  9. 役職員1人あたりの年間給与総額が、3,600万円を超えないこと
  10. 医療施設の規模が告示で定める基準に適合すること
  11. 医療機関ごとに、特別な療養環境のための病床数が施設全体の30%以下であること

加えて、小児救急医療、へき地医療等、救急医療等確保事業の実施が義務付けられ、さらに医療法人債を発行する場合は、一定規模以上の医療法人の場合、公認会計士または監査法人の財務諸表監査が義務づけられます。

つまり、「公益性の高い医療」を行う義務があるということです。

また、後述しますが、社会医療法人は「社会医療法人債」という社債のようなものを発行することが出来ます。

この「社会医療法人債」発行について、必ず監査を入れるということも要件の1つです。

2.社会医療法人の税制優遇について

社会医療法人には、一般医療法人にはない税制優遇を受けることが出来ます。

優遇の内容は、医療保健業に関わる法人税、固定資産税および預金利息等にかかる源泉所得税が非課税になるというものです。

つまり、医療関係の事業で得た収益や病院などにかかる税金が免除されるのです。

ただし、後述しますが、社会医療法人は附帯業務として医療関係とは別に収益事業を行うことが出来ます。

それらで得た収益には通常通り税金がかかるので注意しましょう。

3.社会医療法人の特権について

社会医療法人は、通常の医療法人ができないようなことが特権として認められています。

特権の内容は以下の通りです。

  • 収益事業を行うことができる
  • 社会医療法人債を発行し、資金調達することができる

まず、収益事業についてですが、これは医療法人という名からは想像できないほどの広範囲にわたって許されています。

飲食店や宿泊業、不動産業に始まり、果ては林業や漁業などを行うことも可能です。

ただし、先述したように、収益事業で得た収益については通常通り税金がかかるので、注意しましょう。

次に、「社会医療法人債」についてです。

「社会医療法人債」を発行することで、銀行融資のような資金調達に加えて、一般人に債券を購入してもらうことでの資金調達も可能になります。

共に一般の医療法人にはない、大きなメリットと言えるでしょう。

まとめ

社会医療法人は、一般の医療法人よりもさらに「公益性の高い医療」に取り組むことを目的として作られた医療法人の形です。

使命を果たすため、認定要件は厳しいですが、その分様々な恩恵が得られます。

これから法人化を考えている開業医の方は頭に入れておきましょう。

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