特別養護老人ホームの費用の相場は?


特別養護老人ホームは、在宅で家族などの介護が困難な要介護の高齢者が暮らせる施設です。
公的な介護施設であり、民間の老人ホームと比較すると費用は安くなっています。
ここでは特別養護老人ホームの入居にかかる費用の相場を紹介しています。
1.特別養護老人ホームでかかる費用の相場は?
特別養護老人ホームへ入居する際にかかる費用は毎月6万円~15万円程度です。
特別養護老人ホームの費用は、本人の収入や介護度、居室のタイプなどによって変わります。
以下、細かい内訳について解説します。
2.費用の内訳について
特別養護老人ホームに入居するにあたり、どのような項目にどのくらいの費用がかかるのか、内訳を紹介します。
2.1.入居時の費用はかからない
特別養護老人ホームは公的な介護施設なので、民間の老人ホームのような入居一時金はありません。
したがって、入居時に請求される費用はなく、かかるのは入居後の月額の費用のみです。
2.2.毎月かかる費用の内訳
毎月かかる費用は主に以下の通りです。
- 施設介護サービス費
- 居住費
- 食費
- 日常生活費
2.2.1.施設介護サービス費
施設介護サービス費とは、施設で介護を受けるためにかかる費用のことです。
金額は、要介護度と居室のタイプによって異なります。居室のタイプは以下の通りです。専用スペースが大きいほど高額になります。
多床室
定員が2人以上の居室
ユニット型個室
約10人のグループ・ユニットごとにキッチン・トイレ・リビングなどの設備を共有するタイプの個室
ユニット型準個室
ユニット型個室とほぼ同じ。ただし完全な個室ではなく、大きな部屋を仕切りで区切り個室という扱いにしている。
従来型個室
ユニット型ではない、従来からあるタイプの個室
2.2.1.1.介護サービス費が加算される場合がある
特別養護老人ホームでは、食事・入浴・清掃・洗濯といった基本的な介護サービスを受けることが可能です。
ただし、施設によっては、それ以外のサービスを提供したり、サービス体制を強化したりしていれば、介護サービス費が加算されます。
そういったサービスの一例として、入居者が亡くなる際の世話をする「看取り介護」があります。
看取り介護では、亡くなった日(死亡日)に1,580円/日、死亡前々日~前日に780円/日などの料金が加算されます(※)。
また、理学療法士や言語聴覚士がいてリハビリを強化している施設では、「個別機能訓練加算」が行われ、この場合の加算額は12円/日です(※)。
そのほか、看護師の人数を厚くしている場合の「看護体制加算」や、入所直後のケアを行う際の「初期加算」などがあります。
どのような加算が発生する可能性があるかは施設ごとに異なるため、希望する特別養護老人ホームへ直接お問い合わせください。
※医療費の単位を1単位=10円、介護サービスの自己負担額を1割として計算しています。
2.2.1.2.施設介護サービス費は「高額介護サービス費」の補助を受けられる
介護サービス費は、高額介護サービス費の適用をうけ、所得ごとに設定された上限額(月額)を超えた場合は、介護保険から返金してもらうことができます。
高額介護サービス費を利用する場合は、各市区町村へ申請が必要です。
上限額は以下の通りです。

2.2.1.3.所得が160万円を超える場合は、自己負担額が増える可能性がある
上に挙げた介護サービス費は、介護保険の自己負担額が1割の場合です。
所得が160万円を超えるようであれば、以下の図にある通り、2割以上の負担となります。
【65歳以上の高齢者の介護保険の自己負担額】

2.2.2.居住費と食費
居住費は一般的な賃貸住宅の「家賃」にあたる費用です。ベッドや家具はあらかじめ居室に備え付けられています。自分で用意する必要はありません。
食費は1日3食分の食事代です。
居住費と食費は、以下の通り、所得ごとの区分(第1段階~第4段階、上記表参照)や居室のタイプによって異なります。

2.2.3.日常生活費
理美容費や嗜好品、衣料品などの購入費用、医療費などです。
ただし、おむつ代や洗濯代については、施設が負担するため、入所者が支払う必要はありません。
3.【参考】特別養護老人ホームと介護老人保健施設(老健)の違いは?
特別養護老人ホームは、介護老人保健施設とよく比較されますが、施設の目的が異なります。
特別養護老人ホームは介護を必要とする高齢者が暮らし、最期を迎える時まで住み続けられます。
これに対し、介護老人保健施設は、病院を退院した高齢者などが、あくまでも自宅復帰を目指して一時的に暮らす施設です。したがって、介護老人保健施設では、医療ケアだけでなく、リハビリが積極的に行われます。
入居期間に関しても、特別養護老人ホームでは高齢者が一生涯暮らせるのに対し、介護老人保健施設は自宅復帰が目的なので3ヵ月~6ヵ月程度となっています。
まとめ
特別養護老人ホームは公的施設ですので、入居費用がかからず、毎月の費用のみで利用することができます。
毎月の費用に関しても、民間の施設と比較して安価です。ただし、施設によって多少異なりますし、特別のサービスを受けられる施設ではそのための料金が別途かかる場合があります。
これは特別養護老人ホームに限ったことではありませんが、施設の利用を検討する際には、費用について予めよく確認しておくことが重要です。







