生命保険で積立をするために知っておきたいこと


万一の際に遺された家族にお金を残すためや、自身の葬儀費用などを子供に遺すために加入する生命保険。
最近では、資産運用・積立の側面で活用する人も増えています。
特に、公的年金制度の不安がささやかれる近年では、老後の資金の積立に生命保険を活用するという人が多いです。
しかし、生命保険にも様々な種類があります。
いざ加入しようとして、どの保険を選ぶべきなのかわからないという人も少なくないでしょう。
今回はそんな生命保険による資金の積立について、有用な保険を紹介します。
積立の為に保険を活用したい方は、しっかり把握しておきましょう。
はじめに:従来の円建て保険は利率が低い
生命保険の中で、積立という目的で活用できるものは、解約返戻金がある終身保険や、満期金を受け取れる保険になります。
ただし、マイナス金利に突入している現代の日本では、円建ての保険は利率が低く、効果的な積立が期待できません。
やはり頑張って積み立てる分、返ってくるお金は多い方がいいですよね。
今回紹介する保険はハイリスクハイリターンなものですが、従来型の円建て保険の利率の低さを考えると、リスクがあっても選ぶ価値があるといえます。
ここからは死亡保障がある終身保険、死亡保障がない個人年金保険に分けて、積立に有用な保険を紹介していきます。
1.死亡保障がある終身保険
1.1.米ドル建て終身保険
米ドル建て終身保険は、文字通り米ドルで運用する終身保険です。
円建ての保険よりも利率が高く、さらに保険料も割安なため人気があります。
注意点は、外貨で運用するゆえに、保険料が為替レートによって変動するということです。
解約返戻金受取時に突然、東日本大震災直後のような急激かつ大幅な円高になると、元本割れを起こすリスクがあります。
ただし、払い込む保険料の額(ドル建ての保険料を円換算した額)は支払う時の為替レートに応じて変わるため、円高の時は安く、円安の時は高くなります。そのため、長期的に見ると、リスクは相当和らぎます。
また、解約するタイミングを為替相場が円安になるまで待つこともできます。
A生命のプランをご覧ください。30歳で加入して、積立利率が3.3%で推移した場合、60歳の時の解約返戻金の返戻率は、ドルで計算して141.8%と非常に高くなっています。
条件
- 年齢:30歳
- 性別:男性
- 払込期間:60歳まで
- 基本保険金額:100,000USD
- 月額保険料:184USD
- 積立利率:3.3%

1.2.変額終身保険
はじめに:変額保険とは
変額保険とは、保険料の一部を「特別勘定」という運用先に預け、運用していく保険です。
特別勘定には「日本株式」「世界株式」「債券」「世界債券」等の種類があり、その中の1種類、または数種類を組み合わせて運用することが出来ます。
この「特別勘定」の運用実績によって、死亡保険金や解約返戻金などの金額が変化するのが、変額保険の最大の特徴です。
変額保険の活用のポイント
変額保険は特別勘定の運用実績によっては元本割れのリスクがあります。そのため「ハイリスクハイリターン」と言われますが、リスクを抑える方法もあります。
特に重要なのは「特別勘定」ごとの過去の運用実績です。
過去20年間の運用実績が良好なものは信用できるものであるといえるでしょう。
その他にも、以下のような活用のポイントがあります。
- 長期運用によってリスクを分散する
- 保険会社の情報をチェックしたり担当者のアドバイスを聞いたりする
- 短期的な暴落に一喜一憂して慌てない
詳しくは「利率のいい保険の種類と選び方のまとめ」をご覧ください。
変額終身保険とは
変額終身保険は、そんな変額保険の特徴を持った終身保険で、「特別勘定」の運用実績によっては、解約返戻金の額が増えたり減ったりするため、資産運用の面ではハイリスクハイリターンな保険であると言えます。
変額保険は運用実績によっては短期でもお金を増やすことが可能です。
しかし、加入後すぐにリーマンショックのような大きな恐慌が起こる可能性も捨てきれません。
「特別勘定」は有価証券などの金融商品なので、市場に何かあると当然運用実績が下がります。
そういったもしものリスクがあった場合でも回復を待てるよう、変額保険は短期ではなく、少なくとも15~20年の長期で運用するのがお勧めです。
変額保険の特徴として、「特別勘定」の運用実績によって利率が変わる分、市場全体が好景気になった際に起こるインフレに強いという側面を持っています。
従来の終身保険では、加入時に予定利率が決められてしまい、急なインフレには対応できません。
変額終身保険では死亡保険金に最低保証がある
「特別勘定」の運用実績によって金額が変わるものの中でも、死亡保険金には最低保証額が設定されています。
つまり、死亡保険金の場合は最低保証金額分は必ず受け取ることができ、「特別勘定」の運用実績によっては金額が増える可能性があるということです。
また、他の保険に比べ、保険料が割安なのも変額保険の大きな特徴で、死亡保障が目的で加入する場合は、割安な生命保険として考えることができます。
このように、資産運用の観点で見るとハイリスクハイリターンですが、インフレや死亡保障で従来の保険より有利な点を持っている終身保険です。
ご参考までに、B生命のプランをご覧ください。毎年の運用実績が-3.0%、0%、3%、6%の4パターンでシミュレーションしています。
条件
- 年齢:30歳
- 性別:男性
- 払込期間:60歳まで
- 基本保険金額:1,000万円
- 月額保険料:20,980円

2.死亡保障のない個人年金保険
個人年金保険は死亡保障がない分、純粋に資産運用としての活用となるので、死亡保障に回すお金がない分、効率的です。
ここでは米ドル建て個人年金保険と、変額個人年金保険について紹介します。
2.1.米ドル建て個人年金保険
死亡保障のある保険で紹介した、米ドル建て終身保険の個人年金保険バージョンです。
やはり米ドル建てならではの利率の高さが魅力で、円建ての個人年金保険よりも保険料が割安なのが特徴です。
為替リスクについては米ドル建て終身保険でお伝えしたのと同じです。ただし、保険料の払込を「月払い」にすることで、リスクは相当和らぎます。
なぜなら、払い込む保険料の額(ドル建ての保険料を円換算した額)は支払う時の為替レートに応じて変わるため、円高の時は安く、円安の時は高くなるからです。
ご参考までに、C生命のプランをご覧ください。
60歳時点で、ドルで計算した返戻率は140.7%と非常に高くなっています。
条件
- 年齢:30歳
- 性別:男性
- 払込期間:60歳まで
- 年金種類:確定年金(10年)
- 月額保険料:2万円
- 積立利率:3%固定

2.2.変額個人年金保険
変額保険の個人年金保険版です。
上記で述べたような変額保険の特徴を持った個人年金保険になります。
変額個人年金保険には、最低保証金額が設定されている死亡保険金がないため、純粋にハイリスクハイリターンな資産運用として活用していくことになるでしょう。
ただし対処法を把握しておくことでリスクを大幅に軽減することは可能です。
リスク軽減のポイントとして、以下の4つがあげられます。
- 過去20年間に高い実績をあげている商品をえらぶ
- 長期運用によってリスクを分散する
- 保険会社の情報をチェックしたり担当者のアドバイスを聞いたりする
- 短期的な暴落に一喜一憂して慌てない
詳しくは「利率のいい保険の種類と選び方のまとめ」をご覧ください。
ご参考までに、D生命のプランをご覧ください。毎年の運用実績が-3.5%、0%、3.5%、7%の4パターンでシミュレーションしています。
条件
- 年齢:30歳
- 性別:男性
- 払込期間:60歳まで
- 年金種類:確定年金(10年)
- 基本年金額:150万円(年払)
- 月額保険料:23,865円

まとめ
積立に有用な生命保険について、それぞれのメリット・注意点等を紹介してきました。
今回紹介した保険にはリスクがありますが、それを上回るような運用実績を出すことも可能です。
それぞれの保険を理解して、より効率的な積立をしていきましょう。



