不妊治療の助成金まとめ

公開 2022年1月18日
不妊治療の助成金まとめ
不妊治療の助成金まとめ

国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査/国立社会保障・人口問題研究所(2015年)」(P48)によると、不妊の検査や治療を受けたことがあるカップルはおよそ5.5組に1組の割合(約15.6%)にもなるということです。

子どもが欲しいと考えるカップルにとって、不妊治療は他人事ではありません。

ただ不妊治療の際に問題となるのは、その治療費用が高額になる恐れがあることです。

その負担を少しでも軽減するために、各種助成を利用するという方法があります。

この記事では不妊治療の際に利用可能な助成を紹介します。

不妊治療にどのくらい費用がかかるかは「不妊治療の費用はどのくらい?治療法ごとの相場と助成金の制度」でまとめていますのでそちらをご覧ください。

はじめに

不妊治療では、高額な費用がかかってしまうことがあります。

そこで利用したいのが、各種助成制度です。

国が高度不妊治療(体外受精および顕微授精)に対する助成を行っているほか、自治体や企業でも独自に助成を行っている場合があります。

以下、国・自治体・企業ごとの助成について解説します。

1.国が行っている助成について

現状、国は、特定不妊治療(体外受精および顕微授精)に対する助成金の給付を実施しています。助成の概要は以下の通りです(参照:厚生労働省公式サイト「不妊に悩む夫婦への支援について」)。

対象者

以下の2つの条件を満たした夫婦(法律上の婚姻をしている夫婦)が対象。

  • 特定不妊治療以外の治療によって、妊娠の見込みがないか極めて低いと医師に診断された夫婦
  • 治療期間の初日において、妻の年齢が43歳未満の夫婦

所得制限

なし

助成額

凍結胚移植以外の場合
  • 1回の治療につき30万円
  • 男性不妊治療(精子を採取するための手術)を行った場合は、上記のほか1回につき30万円
凍結胚移植の場合
  • 特定不妊治療に要した費用に対して、1回の治療につき10万円

なお、採卵準備中に治療が体調不良で治療が中止となった場合などは、助成は行われません。

助成の回数

治療を開始した時点で妻の年齢が40歳未満の場合は通算6回まで、40歳以上の場合は通算3回まで。

助成対象となる治療の範囲

助成の対象となる治療は、特定不妊治療(体外受精および顕微授精)です。

以下、厚生労働省の公式サイト(「別添図3 体外受精・顕微授精の治療ステージと助成対象範囲」)をもとに助成の範囲を簡単にまとめています。

より詳細な情報は上記リンク先をご覧ください。

●パターン1(新鮮胚移植の場合)

胚移植を実施し、妊娠の確認が行われるまでが助成の対象となります。

体調不良などの理由で途中で治療が終了した場合や、受精できないなどで途中で治療が中止となってしまった場合には、それまでにかかった費用が助成の対象です。

また体調不良などの理由で採卵そのものが行われなかった場合などは、助成が行われませんので注意してください。

●パターン2(凍結胚移植の場合)

採卵して培養した受精卵(細胞分裂した受精卵を「胚」と呼ぶ)を一旦凍結してから移植する「凍結胚移植」の場合も、妊娠の確認が行われるまでが助成の対象です。

しかし体調不良や受精できないといった理由で治療が中止となった場合は、それまでにかかった費用が助成の対象となります。

●パターン3(以前に凍結した胚を解凍して移植する場合)

以前に凍結した胚を、数年後に解凍して利用するといった場合があります。

この場合、凍結胚移植の実施から妊娠の確認が行われるまでが助成の対象です。

2.自治体が行っている助成について

お住まいの自治体によっては、国とは別に独自の助成制度を設けていることがあります。

ご自身の場合で助成が受けられるか否かについては、お住まいの自治体の公式サイトなどで確認してください。

参考までに東京都では、以下の自治体で助成を実施していることを確認しています。

【品川区・世田谷区・文京区・千代田区・中央区・港区・台東区・杉並区・板橋区・練馬区・葛飾区・八王子市・調布市・東大和市・武蔵村山市・羽村市・奥多摩町】

2-1.自治体ごとに助成の内容が異なる

不妊治療に対する助成を行っている自治体のなかでも、助成の内容には差があります。

以下、東京都品川区と東京都世田谷区の例を参考に紹介します。

東京都品川区の場合

品川区の公式サイト(「一般不妊治療医療費助成事業」・「特定不妊治療医療費助成事業」)によれば、以下の助成を実施しています。

・一般不妊治療に対する助成
検査・治療の開始日における妻の年齢が40歳以上43歳未満であり、夫婦のいずれか一方が、検査・治療開始日から申請日まで継続して品川区に住民登録があることなどの条件を満たしていれば、不妊検査・薬物療法などの「一般不妊治療」にかかる医療費に関して、最大で5万円まで助成を行っています。

・特定不妊治療に対する助成
特定不妊治療(体外受精・顕微授精)にかかった治療費用のうち、国による助成でも足りなかった場合に1回につき最大で5万円までの助成を区として実施しています。

東京都世田谷区の場合

・一般不妊治療に対する助成
実施していません

・特定不妊治療に対する助成
世田谷区の公式サイト(「世田谷区特定不妊治療費助成制度について」)によれば、特定不妊治療(体外受精・顕微授精)にかかった治療費用のうち、国による助成でも足りなかった場合に1回につき最大で10万円までの助成を区として実施しています。

なお助成回数は、妻の年齢が40歳未満で1回目の助成を受けた夫婦は通算6回まで、妻の年齢が40歳以上43歳未満で1回目の助成を受けた夫婦の場合は通算3回までです。※43歳以降の助成はありません。

このように自治体ごとに、一般不妊治療・特定不妊治療のどちらかのみの助成だったり、助成額に差があったりします。

ご自身の場合にどのような助成がうけられるかは、お住まいの自治体まで問い合わせて確認下さい。

3.企業が行っている助成について

企業によっては、従業員が不妊治療をする際の助成を福利厚生の一環として制度化している場合があります。

お勤め先で該当するような助成がないか、確認してみてはいかがでしょうか?

以下、実際に不妊治療に対する助成制度を設けている企業の例を紹介します。

株式会社メルカリ

高額な不妊治療を行う場合、所得や年齢の制限なく費用を会社が一部負担します。(上限金額あり)

株式会社サイバーエージェント

費用自体の助成ではありませんが、不妊治療の女性社員が治療のための通院などをする場合に、月1回まで特別休暇を取得できる制度を設けています。また月1回30分間まで、妊活に関する個別カウンセリングを受けることが可能です。

まとめ

不妊治療では高額な費用がかかる可能性がありますが、国では高度不妊治療(体外受精・顕微授精)に対する助成を実施しているほか、自治体や企業によっては独自の助成を用意しています。

なお助成の有無や内容に関しては、お住まいの自治体ごとや企業ごとによって異なります。

そのため詳細について確認したい場合は、必要に応じてお住まいの地域の自治体やお勤め先へ確認してください。

これら助成をうまく活用して、不妊治療の経済的な負担を少しでも減らしたいところです。

動画でも解説しています

社長の資産防衛チャンネルでは、税理士が同じテーマをより詳しく解説しています。 文字で追いきれなかったところは、動画でご覧ください。

社長の資産防衛チャンネルを見る →
学資保険・学資積立のための保険

学資保険の一括払いにメリットなし!?致命的なデメリットと注意点

学資保険は、子どもの学資を積み立てる方法として根強い人気があります。 しかし、マイナス金利が続く中、ここ数年、学資保険は積立効率が悪化しています。そこで、もし当面使う予定のないまとまった現金があるならば、一…

2021年6月14日
学資保険・学資積立のための保険

学資保険のすべて|ベストな積立方法の選び方のポイント

学資保険は、古くから、子どもの学資を積み立てる手段として最も有名で、根強い人気があるものです。 しかし、学資保険は、子どもの学資を積み立てる方法の一つにすぎません。「保険」というジャンルでも、他にいろいろな方法があります…

2021年6月24日
学費・教育資金

私立中学の学費はどのくらい?【費目別に詳しく紹介】

私立中学の学費は公立中学と比べて高いと言われています。 私立中学へ子どもを通わせたい世帯では、実際どのくらいの費用が必要なのか悩むことも多いでしょう。 この記事では文部科学省がまとめた「子どもの学習費調査(平成30年(2…

2021年6月14日
学費・教育資金

インターナショナルスクールの学費はいくらかかる?

多国籍な教育を子どもに施すために、インターナショナルスクールへ進学させることを考える親が増えています。 この記事をご覧の方も、子どもにグローバル化する社会に合わせた教育を受けさせたいと思っているのではないでしょうか。 し…

2021年6月14日
通話料無料で今すぐ電話で相談予約フォームから無料相談予約