生前贈与と生命保険でできる相続税対策

相続税は2015年の税法改正以降、基礎控除が大幅に減少したため、今まで以上に人々の関心を集めるようになりました。

家や土地をはじめ、相続遺産が多い富裕層であるほど、真剣に相続税対策に取り組む必要が出てきます。

そこで有効なのが、生前贈与と生命保険を活用した相続税対策です。

生前贈与したお金で相続人が被相続人に保険をかけることで、保険金を課税金額の少ない一時所得として受け取ることができるのです。

今回は、生前贈与と生命保険を活用した相続税対策について、具体例を示しながら解説します。

1.相続税対策が必要かは基礎控除額を計算する

生前贈与による相続対策が必要なのは、ある程度の資産がある方に限られます。

なぜなら、そもそも相続税には基礎控除が設定されており、相当な金額までは非課税になるためです。

相続税の基礎控除額は、以下のような計算式で算出されます。

  • 基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人数

つまり、法定相続人が1人だったとしても3,600万円までは課税金額は0円になるため、税金がかかることはないのです。

生前贈与と生命保険による相続税対策は、この基礎控除額を超える価値の相続財産がある場合に有効な手段となっています。

2.生前贈与と生命保険を活用した相続税対策を紹介

相続税の基礎控除を超えるような相続財産がある場合は、生前贈与と生命保険を活用して相続税を節約することができます。

施策の概要を簡単にまとめると、

  • 被相続人が相続人に贈与税がかからない金額で毎年生前贈与する
  • 相続人が生前贈与されたお金で被相続人に生命保険をかける
  • 相続人自身が契約した保険の保険金を受け取る

という流れになっています。

詳しく見ていきましょう。

2.1.重要なのは保険の「契約者」と「被保険者」の設定

生前贈与と生命保険を活用した相続税対策で最も注意しなければならないのが、保険の契約者と被保険者の関係です。

一般的な生命保険のイメージだと、契約者と被保険者が自分で、受取人が配偶者や子になることが多いでしょう。

たとえば、

  • 契約人:親
  • 被保険者:親
  • 受取人:子

というような契約内容です。

しかし、生前贈与と生命保険を活用した相続税対策の場合、勝手が違ってくるのです。

例として、親が子に生前贈与を行い、生命保険を活用した相続税対策をする場合を考えてみましょう。

生前贈与と生命保険を活用した相続税対策をする場合、子が生前贈与によって受け取ったお金で親に保険をかけ、自分自身を保険金の受取人に指定します。

  • 契約人:子
  • 被保険者:親
  • 受取人:子

このような契約方法にすることで、保険金は契約人である自分の資産であるとみなされるため、一時所得として扱われ、所得税が課税されることになります。

2.2.具体的な手順

基本的な仕組みが分かったところで、具体的にどのような施策を行っていくのかを解説していきます。

手順1|年110万円ずつ生前贈与する

毎年相続人から被相続人に対し、110万円ずつ生前贈与します。

なぜ110万円かというと、これが贈与税の1年あたりの基礎控除額だからです。

贈与税の課税金額の算出方法は以下の通りです。

  • 課税金額=贈与金額-基礎控除額(110万円)

つまり、総預金額が110万円以下であれば、課税金額は0円となり、贈与税が課税されないのです。

税務申告は毎年行うことになるので、毎年110万円ずつ贈与することにより、贈与税を課税されることなく生前贈与を行うことができます。

なお、亡くなる前の3年以内に生前贈与をした場合、その分については相続財産に含まれ、相続税の対象となってしまいます。

よって、非課税で贈与できる金額の合計は、

  • 110万円×(亡くなるまでの贈与年数-3年)

です。

つまり、毎年生前贈与をし続けても、最後の3年分については相続税が発生することになります。

手順2|年110万円の生命保険を契約する

贈与されたお金は、生命保険料の保険料として利用します。

生命保険には保険料を年額で支払うことができるものがあり、毎年一回払いで保険料を支払うことができます。

そのような保険を被相続人が契約し、被保険者を相続人に、受取人を被相続人自身に設定することで、保険金が相続遺産ではなく、被相続人の一時所得として扱われるようになります。

例として、A社の終身保険でシミュレーションしてみましょう。

  • 30歳男性
  • 払込期間:満60歳まで
  • 死亡保険金額:3,000万円
  • 保険料:1,097,208円/年

この契約では、被保険者(相続人)が亡くなると、契約者(被相続人)は死亡保険金として3,000万円を受け取れます。

受け取った保険金は一時所得として、所得税がかかるのですが、一時所得は所得の中でも課税額が少額になりやすく、相続税と比べると相当税額を抑えることができます。

一時所得の課税所得金額は以下のようになります。

  • 一時所得の課税所得金額 = (総収入金額 – 払込保険料総額 – 50万円) × 1/2

つまり、保険に加入して増えた金額から50万円を差し引き、さらにそれを1/2にした額です。

上のシミュレーションで見てみると、25年目以降は保険金額と累計払込保険料の差が50万円を切るため、そもそも所得税が課税されません。

もしそれ以前に被相続人が亡くなってしまった場合は所得税が発生しますが、一時所得の課税所得金額は最後に1/2されていることから、所得税は相続税よりも圧倒的に安くなります。

相続税の基礎控除までの相続遺産はそのまま相続し、基礎控除を上回った金額については生前贈与と生命保険を利用した施策を行うことで、税金を最小に抑えることができるのです。

補足|330万円には相続税がかかる

忘れてはいけないのが相続開始前3年分の金額である330万円には相続税が発生するということです。

つまり、生前贈与と生命保険を使った施策を行った場合、支払う税金は一時所得+330万円分の相続税ということになります。

3.まとめ

生前贈与と生命保険を活用した相続税対策についてお話ししてきました。

相続財産の金額に合わせ、贈与金額と加入する保険の保険金額を調整して施策を行うようにしましょう。

時間のかかる施策ではありますが、相続遺産は金額が大きくなりがちなので、検討する価値があると言えます。

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