マンションの相続税を抑えるため必ず押さえておきたい3つのポイント

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マンション 相続税

マンションを相続した方、あるいは、いずれ将来マンションを相続する予定がある方は、相続税がかかってくるのかどうか、かかるならばどの程度お金を準備しなければならないのか、お悩みのことと思います。

そして、相続税を支払うにしても、何とかして金額を下げられないかとお考えになっているのではないでしょうか。

特に、平成27年から相続税法が改正され、課税される人の範囲が広がっています。そのため、これまで相続税を気にしなくてよかった方も、他人事ではなくなってきました。

この記事では、マンションの相続について悩みや不安を抱いている方のために、マンションにかかる相続税の計算方法がどうなっているか説明します。

そして、その上で、相続税の負担を軽くする方法について、分かりやすくお伝えします。

押さえておいていただきたいポイントは3つです。

  • マンションの評価額の計算方法
  • 基礎控除
  • 配偶者控除(配偶者の税額軽減)

これらのポイントを押さえておけば、マンションの相続税の負担を大幅に軽くするのに役立つはずです。

この記事をお読みいただきたいのは、これからマンションを相続する方だけではありません。いずれ相続させる立場になる方、つまり現在マンションを所有している方や、これからマンションの購入をお考えの方にとっても、役に立つ内容になっているはずですので、是非最後までおつきあいください。

はじめに

まずは相続税の一般的な計算方法や計算の順番をおさえておくことが必要です。そこに関しては、「相続税の計算方法|マスターするための5つのステップ」で詳しく説明させていただいておりますのでご確認ください。

相続税の計算の順番は以下の通りです。

  1. 遺産総額を算出する  ←「マンションの評価額の計算」はココ!
  2. 基礎控除額を差し引いて課税対象となる額を確定する ←「基礎控除」はココ!
  3. 各人の法定相続分に基づく相続税額を算出し、合計する
  4. 3の合計額を、各人が実際に相続した遺産の割合で割りあて直す
  5. 各人ごとに税額を増額・減額して最終的な相続税の額を確定 ←「配偶者控除」はココ!

この順番を入れ替えて計算することはできません。必ず「マンションの評価額の計算」→「基礎控除」→「配偶者控除」の順番で計算することを覚えておいてください。

それでは詳しく解説していきたいと思います。

1.マンションの評価額はどのように計算されるか

1-1.土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」で決まる

マンションにかかる相続税を計算するには、評価額を求める必要があります。

日本では土地と建物は別々の不動産ですので、評価額も別々に計算されます。

そして、土地と建物とでは、評価の基準が違うのです。

以下の通りです。

  • 土地:路線価(1㎡あたり)×面積(㎡)
  • 建物:固定資産税評価額

「路線価」「固定資産税評価額」は聞きなれない言葉だと思いますが、いずれも、実際に市場で取引されている額(実勢価格)よりも低く見積もられます。

大雑把ですが、「路線価」は実勢価格の70~80%、「固定資産税評価額」は60~70%とされています。

このように、不動産は、実際の市場価値よりも低く評価されます。そのため、現金で持っていた場合よりも、遺産総額が引き下げられ、結果としてそこにかかる相続税の額が低く抑えられるのです。

このことをさして、「相続税対策をするなら不動産を買え」と言われることがあります。

1-2.マンションの評価額の計算方法

マンションも基本的な考え方は全く同じで、敷地(「底地」)と建物に分けて計算します。

他の建物と違うのは、マンションは1つの土地・1つの建物を多くの人が分け合って所有していることです。そのため、最終的な評価額は各人ごとの「持分割合」によって決まります。

ただし、建物部分については、評価額をいちいち計算する必要はありません。お住まいの市町村から毎年送付されてくる固定資産税の「課税明細書」に記載されているからです。

したがって、「底地」についてだけは、「路線価」と「持分割合」を使ってわざわざ計算する必要があるということです。

ご自分の住所の土地の路線価をお知りになりたい場合は、国税庁HPの「路線価図・評価倍率表」を参照してください。

そうすると、結局、マンションの評価額の計算は、

  • 土地(底地):路線価(1㎡あたり)×面積(㎡)×持分割合
  • 建物:固定資産税評価額

ということになります。

1-3.補足|タワーマンションを買うと「相続税対策」になる?

よく、タワーマンションを買うと相続税対策になると言われます。特に、高層階だとより効果が高いといわれます。

どういうことでしょうか?

それは、上述したマンション特有の評価額の計算方法のせいです。

ここでは、「敷地」と「建物」のそれぞれについて、ごく簡単に説明しておきます。

1-3-1.敷地|階数が多いほど1人あたりの評価額は低くなる

敷地(底地)の評価額は、

路線価(1㎡あたり)×面積(㎡)×持分割合

です。

マンションの場合、複数の世帯や個人が住んでいますので、「持分割合」は戸数が多ければ多いほど低くなります。

超高層で階数が非常に多いタワーマンションであれば、一般的なマンションよりもはるかに戸数が多いので、なおさらです。

その結果、マンションの敷地(底地)の評価額は相当低いものになります。

1-3-2.建物|高層部も低層部も「固定資産税評価額」は全く同じ!

マンションの建物の評価額は固定資産税評価額です。

そして、この「固定資産税評価額」は、広さに応じて平等に割り振られます。

つまり、高層階だろうが低層階だろうが、同じ広さならば評価額は全く同じです。

しかし、実際の市場価格(実勢価格)はどうかというと、そんなことはありませんよね。

タワーマンションの場合、高層階の居室の方が圧倒的に人気があります。

したがって、当然、市場価格は低層階の居室よりもそうとう高く設定されています。

その結果、高層階の居室だと、「固定資産税評価額」は実際の市場価格よりもそうとう低い額になることが多いというわけです。

したがって、そこにかかる相続税の額も低く抑えられます。

1-3-3.ちゃんと居住するつもりがあるかが重要

このように、タワーマンションの高層階の居室の評価額は実際の市場価値よりも大幅に低く見積もられるので、相続税の額は抑えられます。

そこで近年、これを利用して、相続税対策のためにタワーマンションの高層階の居室を購入するケースが増えてきています。いわゆる「タワーマンション節税」というものです。

しかし、相続税対策目的であることがあまりに露骨だと、「否認」され、その分の税金が後で徴収され、延滞税まで取られるリスクがあります。

たとえば、実際の裁判例で、タワーマンションを相続して直後に売ったケースで、「否認」されてしまったということがあります。住み続ける意図がなく、もっぱら相続税の節税対策目的だったことがあからさまだと判断されたのです。

本当に住み続ける目的で購入したのであれば、否認されるリスクは現時点では少ないと思われますので、ご安心ください。

2.マンションの相続税も基礎控除の対象になる

相続税には「基礎控除」の制度があります。これは、遺族の生活のために必要最低限の金額については相続税がかからないようにするため、遺産総額から控除をするものです。

遺産総額が基礎控除の額を下回っていれば、相続税は課税されません。

そこで気になるのが、あなたは現時点で相続税の課税対象になっているのかということだと思います。

言い換えれば、あなたは基礎控除をいくら受けられるのか、ということです。

この基礎控除の額は、平成27年から大幅に引き下げられました。そして、その結果、相続税の課税対象となる人が倍近くに増えたと言われています。

現行法では、基礎控除の額はどうなっているかというと、

3,000万円+600万円×法定相続人の数

で計算されます。

法定相続人の範囲については詳しくは「法定相続人とは?必ず押さえておくべき5つのポイント」で説明していますので、確認していただければと思います。

たとえば、あなたの法定相続人が配偶者と2人の子の合計3名ならば、基礎控除の額は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

ということになります。

マンションの評価額がこの「基礎控除」の額におさまっていれば、相続税は支払わないで済むことになるのです。

3.配偶者が住み続けられるようにしてあげたいなら「配偶者控除」

あなたが亡くなった後も配偶者がマンションに住み続けられるようにしてあげたいのであれば、「配偶者控除」(正確には「配偶者の税額軽減」)の活用が有効です。

これは、マンションをはじめ、大きな財産を配偶者に単独で相続させてあげた場合に、相続税がゼロにできるというものです。

残された配偶者の生活を守るための制度です。

これは、配偶者が実際に相続した財産については、法定相続分の額と1億6,0000万円のどちらか大きい金額まで、非課税になるというものです。

まず、法定相続分の額が1億6,000万円以下の場合、配偶者が実際に相続した財産の額が法定相続分の額を超えていたとしても、1億6,000万円までは非課税となります。

また、法定相続分の額が1億6,000万円を超えている場合、配偶者が実際に相続した財産の額が法定相続分の額以下であれば非課税になります。

①配偶者の法定相続分の額 ≦ 1億6,000万円 の場合

 実際に相続した財産の額 ≦1億6,000万円  ならば非課税

②法定相続分の額 > 1億6,000万円の場合

 実際に相続した財産の額 ≦ 法定相続分の額  ならば非課税

この「配偶者控除」を活用すれば、事実上、非常に多くのケースで、相続税がゼロにできます。

まとめ

マンションにかかる相続税について、そもそも相続税がかかるのか判断するための評価額の計算方法をお伝えし、相続税がかかる場合にその額を抑えるため活用できる制度2つ(基礎控除、配偶者控除)について説明しました。

これら3つのポイントを正確に押さえておき、将来にわたって有効な対策をとっていただければ幸いです。

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出岡 大作

出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や企業関係法、民法、行政法といった分野について幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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