がん保険の再発に対する保障の必要性と選び方3つのポイント


がんは一度治ったと思っても、「転移」や「再発」で再度治療しなければならなくなってしまう可能性のある病気です。
例えば、大腸がんに罹患したステージⅲの患者さんのおよそ30%が再発するというデータがあります。また、他のがんの再発データを見ても再発率は10~20%の範囲内にあります。
つまり、がんの再発はがんに罹患された方の5~10人に1人の割合で起きてしまうと言えます。
そんな時に、自分が加入しているがん保険は、再発でもお金がおりるのか気になることと思います。
実はがん保険では、再発に対応しているものとそうでないものがあり、再発に対応している保障でもその条件が異なります。
この記事では、がんの再発に対する保障の必要性とその保障の選び方の3つのポイントまでお伝えします。がんの再発に対する保障が気になっている方は最後までご覧いただければと思います。
1.がんの再発に対する保障の必要性
まずは、再発に対する対する保障が必要かどうかを、
- がんの再発率
- 再発した際の生存率と治療費
の2つの観点から見ていきましょう。
1.1.がんの再発率
早速、部位別・ステージ別のがん再発率データをご覧ください。以下は、すべて術後3年以内のデータです。
| 部位・ステージ | 再発率 |
| 胃がん・ステージⅡ | 19% |
| 肺がん(非小細胞がん、根治手術可)・ステージⅡ A期 | 15% |
| 子宮体がん・ステージⅡ | 9~15% |
| 大腸がん・ステージⅡ | 8~10% |
*再発率は術式(どのような手術、処置をしたか)などにより大きく異なっています。
*新日本保険新聞社『2015年版こんなにかかる医療費』より
このように、約10~20%の方はがんが再発していることがわかります。
がんの再発は、取り切れなかったがん細胞が血管やリンパ管から他の部位に広がり、転移してしまうことで起こります。
よって、がんに罹患するということは同時に再発リスクを既に抱えていることになるということになります。
そのため、がん保険に加入するのであれば、再発に対する保障は、当然ですがないよりはあった方が安心の度合いはかなり変わってくると思います。
1.2.がんに再発したときの生存率
以下はがんが再発した時と、初発の際の生存率を比較したものです。
なお、このデータは国立がん研究センター『中央病院の治療成績』より抜粋したものです。
リンク先のページには、その他のがんに関しても詳しいデータが掲載されておりますので、ご確認頂ければと思います。
| 初再発の症例のみ | 症例数 | 1年生存割合 | 3年生存割合 | 5年生存割合 |
| 再発乳がん | 199例 | 80% | 50% | 20% |
| 初発乳がん | – | – | – | 89% |
| 進行再発骨軟部肉腫 | 198例 | 38.10% | 32.30% | 15.30% |
| 初発軟骨肉腫 | – | – | – | 50% |
ご覧いただくと、やはり初発の時よりも再発の時の方が、症状が重く、生存率が悪くなることが分かります。
ここでご注意いただきたいのは、生存割合にはがんの治療が継続している方も含まれていますし、死亡割合にはがん以外を原因として亡くなっている方も含まれているということです。
再発の原因は転移ですので、血管やリンパ管を通り、様々な部位へ転移してしまうと治療が難しいため、どうしても生存率は下がってしまいます。
また、再発が起きた場合、転移で手術では根治不可能と判断されることも多く、抗がん剤治療や放射線治療での治療が増える傾向にあります。
そして、最後を長期入院の末、病院で亡くなるケースが多くなります。そのため、「がんになっても家族の経済的な生活と治療を守る」という、がん保険の本来の必要性を考えると再発の保障までをしっかりと備えていなければ、がんに対する保障ができているとは言えなそうであることがわかります。
『医療保険とがん保険の違い|選ぶために必ず知っておくべき基礎知識』では、がんの平均治療費や、治療の平均期間のデータを掲載しております。そちらも合わせてご確認頂ければと思います。
2.がんの再発に対する保障と選び方の3つのポイント
ここまでは、がんの再発に対する保障の必要性についてご説明してきましたが、ここからは、まずがんの再発に対して行える保障をご紹介していきます。
その後にがんの保障の選び方の3つのポイントをご説明します。
2.1.がんの再発に対する保障(がん保険)
がん保険の保障内容は以下の5つがベーシックです。
- 一時金:がんで所定の条件を満たしたときに一時金を受け取れる。
- 通院給付金:がんで通院した時に通院1日当たりいくらか受け取れる。
- 抗がん剤給付金:抗がん剤治療を受けた時は毎月所定の額を受け取れる。
- 放射線治療給付金:放射線治療を受けた時は毎月所定の額を受け取れる。
- 入院給付金:がんで入院した時に入院1日当たりいくらか受け取れる。
この中で、がんが再発した時には、まず最後に長期入院をする傾向があるため、入院保障があった方が安心です。
そして、抗がん剤治療や放射線治療にシフトするケースが多くなります。そのため、抗がん剤給付金・放射線治療給付金は、やはり必要です。
その中でも、もっとも万能な保障が診断給付金(一時金)です。診断給付金は、一括でお金を受け取れるため、どのような用途にも活用できるため自由度が高く、いざというときに安心です。
そのため、私は、再発のことも考える際は、まず一時金から充実させることが大事だと考えています。
さらに、診断一時金は初発時だけでなく、再発時でも所定の条件を満たしていれば給付されるものがあります。
給付条件はモノによって異なりますので、再発にもしっかりと備えたい場合は注意が必要です。
そこで、ここからはがんの診断一時金を選ぶ上で大切なポイントをご紹介させて頂きます。是非御確認ください。
診断一時金に関しての詳しい解説は『がん保険の診断一時金(診断給付金)の必要性と有効性』をご覧ください。
2.2.選び方の3つのポイント
再発に対する保障でもっとも多い条件は、「がんと初めて診断確定されてから2年経過してがんにより入院されたとき」というものです。
しかし、この条件よりも緩いものも厳しいものもあります。
そのため、再発の保障まで考えてがん保険を検討する場合は、次の3つのポイントにも注意して選んでいきましょう。
2.2.1.期間条件を確認する
期間条件は、一時金を考える上でもっとも優先度の高いポイントです。
まず、これはがんと初めて診断された場合に給付されます。そして、再発の場合は、「初回のがん診断給付金が支払われることとなった診断確定日あるいは最終入院日からその日を含めて『●年』経過して」という表記があります。
この最初のがんの給付金を受け取ってから何年経過していれば、再度給付されるかということですが、最短で1年、ほとんどの商品では2年、最長では3年の期間条件が設けられています。
再発は5年以内で決まると言われていますので、再発までの期間条件は短いに越したことはありません。
また、商品によっては再発で給付金がおりないものもありますし、再発でなくても継続して治療をしていれば再度給付金を支給するという条件のものまであります。
ここの文言は絶対に確認し忘れのないようにしてください。
2.2.2.治療内容条件を確認する
これは、2番目に優先してほしい事項です。
治療内容条件とは、「入院したら」や「診断確定されたら」「治療が継続していたら」「所定の手術・放射線治療・抗がん剤治療をしたら」などの条件を言います。
治療内容条件のほとんどは「入院したら」という条件が付いています。しかし、中には「診断確定されたら」や「治療が継続していたら」という場合もあります。
確かに、再発では死亡リスクが高まりますので、最後病院での入院が長引く傾向はありますが、必ず入院をするというわけではありません。
体力的な問題や切除がしきれないという判断がなされた場合は、入院はせずに初めから通院での治療を行うことになります。
こういった場合ですと2回目の給付金を受け取ることはできません。
しかし、「再度診断確定されたら」という条件の方が診断されただけで給付金の受け取りができるので、給付される確率は大幅に上がります。
また、「治療が継続していたら」という条件も2回目の給付金として受け取れますので、この条件も給付金を受け取れる確率は高くなります。
そのため、給付条件が「入院したら」だけになっていないかをまずは確認するようにしてください。
2.2.3.原因条件を確認する
原因条件とは、「初めてがんと診断」や「再発・転移によるがんの診断」や「新たな悪性新生物の診断」などを指します。
初回の給付金はどの保険会社も「初めてがんと診断確定されたら」という条件です。
しかし、再発によって2回目の給付金を受け取る場合は、「再発・転移によるがんの診断」であれば、診断された時点で給付されます。
もし、この条件がなければ、2回目は「再発・転移」の場合は、治療内容の条件である「入院したら」などの少しハードルの高い条件が付帯されてしまいます。
一時金は一回の給付の金額が大きいですので、なるべく給付がされるような条件を選択しましょう。
まとめ
がんの再発に対する保障の必要性とその保障の選び方は理解していただけましたでしょうか。
現在は、がんにかかってしまうと、やはり低くない可能性で再発のリスクがあります。
そして、その場合は、初発の時よりも、長期入院や放射線治療や抗がん剤治療の負担が増える傾向があります。
そうなると、やはり今まで以上の治療費がかかってくることになります。
そして、その経済的な負担をカバーできるのが、がん保険の再発に対する保障です。
もっとも活用されているのは診断一時金ですが、その商品の選び方には3つのポイント(期間条件・治療内容条件・原因条件)があり、しっかりとポイントを満たしているかどうか確認すべきです。
次に、一時金をベースとして、入院給付金などをどう考えるかです。
がんになってからではがん保険には加入できませんので、しっかりと健康な今こそがん保険の内容をしっかりと確認し、納得できる保障を備えましょう。
また、基本的ながん保険の選び方に関しては、『がん保険とは?知っておきたい必要性と種類・内容と選び方』でも詳しく解説していますので、そちらも目を通して頂けると幸いです。




