薬学部の学費について|国公立や私立大学の学費を紹介

子供が生まれるタイミングになると頭に浮かぶのが、子供の養育費です。

その中でも、選択によって金額が大きく変化するのが、大学への進学費でしょう。

特に薬学部は、医学部ほどではないにしろ、多額の学費がかかると認知されています。

しかし、実際にどれ程の金額が必要になるのか、良く知らないという人が多いでしょう。

今回はそんな薬学部の学費について、国公立と私立の違いを比較しつつ見ていきます。

また、今後の薬学部の学費についてどうなっていくのかということについても、公的機関の情報をもとに解説していきます。

子供の学費の目安として、是非ご覧ください。

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保険の教科書 編集部

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1.各大学の学費について

まずは各大学の学費について、国公立・私立に分けて紹介していきます。

1.1.国立大学の薬学部の学費は一律で安い

国立大学は、省令により入学金と授業料の基準額が定められており、以下のようになっています。

  • 入学金:282,000円
  • 授業料:535,800円(年額)

参考:「文部科学省令第十六号

基本的に、薬学部には4年制の「薬科学科」と、6年制の「薬学科」の双方、または「薬学科」のみが設置されています。

よって、国立大学の薬学部へ進学した場合、かかる学費の総額は、

  • 4年制の場合:2,425,200円
  • 6年制の場合:3,436,800円

です。

学費が他学科と共通なため、私立大学と比べ圧倒的に安価で通うことができます。

しかし、「薬学科」の場合は6年間通うことになるため、一般の学科よりは割高になってしまうのがわかりますね。

また、国営であるがゆえに、「後援会費」などの諸費がかからないもの大きな特徴です。

国立大学は学費の安さから高倍率で、入学のハードルが高くなっていますが、授業料を抑えたいという場合は挑戦しても損はないでしょう。

1.2.公立大学の薬学部は入学費に違いがある

続いて公立大学についても見てみましょう。

公立大学の授業料は、薬学部に関して言えば国立と同じく535,800(年額)です。

しかし、入学費については、各大学で違いがあります。

公立大学は出身地で入学費が変わる

公立大学では、入学者が大学のある県や市内の出身であれば、入学費が安くなるという特徴があります。

基本的に公立大学の入学費は国立大のものと比べて割高なのですが、上記の特徴を利用すれば、国立大との差は少なくなり、大学によっては国立大学よりも安く通うことも可能なのです。

薬学部のある公立大学は、以下の4校です。

この中でも、「静岡県立大学」と「山陽小野田市立山口東京理科大学」は、地域内出身者であれば入学費が国立大学の半額です。

静岡県立大学の入学金
  • 静岡県内出身者:141,000円
  • 静岡県外出身者:366,600円
山陽小野田市立山口東京理科大学
  • 山陽小野田市内出身者:141,000円
  • 山陽小野田市外出身者:282,000円

また、最も入学費が割高なのが「岐阜薬科大学」ですが、それでも岐阜市内出身者であれば国立大学と同じ入学費で通うことができます。

岐阜薬科大学
  • 岐阜市内出身者:282,000円
  • 岐阜市外出身者:504,000円

公立大学では、「後援会費」などの諸経費がかかる

公立大学は国立大学と違い、「後援会費」や「自治体費といった」諸経費がかかります。

これは法人化している公立大学で定められていることの多い費用なのですが、薬学部のある公立大学に限っては全ての大学が当てはまります。

諸経費は、最も安いところで「名古屋市立大学」の「生命薬科学科(4年制)」が99,905円、「岐阜薬科大学」の「薬学部」が総額で231,840円です。

諸経費があることで、結果として国立大学より学費が高くなるので注意しましょう。

1.3.私立大学は学費が割高

最後に私立大学です。

おそらく皆さんの「薬学部は学費が高い」というイメージは、私立大学の学費をもとに作られていることでしょう。

実際、私立大学の学費は、安いところでも、高いところでは総額で1,300万円を超えるところもあります。

ここでは4年制・6年制それぞれの、学費が最も高い大学、安い大学を紹介します。

6年制大学の最高・最安学費

まずは6年制大学です。

6年制大学の場合、最も学費が高いのが「横浜薬科大学薬学部」、最も安いのが「国際医療福祉大学薬学部」になります。

横浜薬科大学薬学部
  • 入学金:40万円
  • 授業料:190万円
  • 施設設備費:40万円(2年目以降)
  • 諸会費:12,000円(年額)
  • 6年間学費総額:13,872,000円

上記のように、6年間留年せずに進学しても1,300万円を超える学費がかかります。

国際医療福祉大学薬学部
  • 入学金:30万円
  • 授業料:110万円
  • 施設設備費:30万円
  • 実験実習費:初年度=5万円、2年目以降=23万円
  • 教育後援会年会費:3万円(年額)
  • 6年間学費総額:1,008万円

各年の費用は上の表のようになっており、6年間の学費総額は1,008万円です。

以上より、6年制の薬学部では、最高と最安で3,792,000円もの差があります。

学費を用意する側からすると、この金額差は大きいですね。

4年制大学の最高・最安学費

次に4年制の場合です。

4年制大学の場合は最高が「城西大学薬学部薬科学科」、最安が「東京理科大学薬学部生命創薬科学科」になります。

城西大学薬学部薬科学科
  • 入学金:30万円
  • 授業料:126万円
  • 施設設備費:486,000円
  • 諸経費:63,000円
  • 4年間学費総額:7,536,000円
東京理科大学生命創薬科学科
  • 入学金:30万円
  • 授業料:105万円
  • 施設設備費:55万円
  • 諸経費:42,280円
  • 4年間学費総額:6,869,120円

以上より、4年生の場合は最高・最安で666,880円の差があります。

6年制ほどではないにしろ、やはりこの金額差は大きく感じるでしょう。

1.4.教科書代などは学費外なので注意!

上記の学費に加え、大きな出費として数えられるのが教科書代です。

あくまで個人の体験談ですが、薬学部に入学した際に用意する教科書は合計で5万~10万円ほどかかるようです。

侮れない出費ですよね。

また、大学までの交通費や、遠方の場合は下宿代なども考えなければいけません。

これらの費用を考える場合は、賃貸料が高い東京の家賃で計算しておくと良いでしょう。

2.学費が払えなさそうな場合は制度を利用しよう

「薬学部は学費が高く、経済状況的に子供の進学はあきらめるしかない」と思っている方、ちょっと待ってください。

学費については、国や大学などが対策を用意してくれています。

対策としては

  • 奨学金
  • 特待生制度
  • 政府による大学などの高等教育の無償化政策

があります。

それぞれ見ていきましょう。

2.1.奨学金制度について

奨学金は、簡単に言えば国や大学などからお金を借り、学費を工面する制度です。

制度の内容は国の場合は統一ですが、大学のものは各校で違いがあります。

①国から借りることができる奨学金

国から借りることができる奨学金には、無利子で借りることのできる1種と、有利子の2種があります。

1種は成績優秀であるにも関わらず、学費を工面できない子供のみが受けられるもので、2種よりも条件のハードルが高いです。

奨学金を借りることができるかどうかの条件には、「学力基準」と「家計基準」があり、その名の通り進学者の学力と、その世帯の家計が関与します。

学力基準

1種の「学力基準」は以下の通りです。

対して、2種の「学力基準」は以下のようなもので、1種よりは条件が軽くなっています。

次の(1)~(4)のいずれかに該当すること。

奨学金を借りるということは、社会人になった後で多額の借金を負うということになります。

借りた金額によっては、20年もの間、月4万円を超えるお金を返し続けることになってしまうので、利用する場合は注意しましょう。

②大学が用意している奨学金

大学が用意している奨学金の内容は、大学によって異なります。

基本となる貸与型、給付型の奨学金の他、大学を卒業した著名人の偉業にちなんだものなどが用意されているのが特徴です。

例として、北里大学の奨学金に関するぺージへのリンクを記載しておきます。

参考:奨学金・特待生・教育ローン|北里大学

各大学の奨学金については「大学名 奨学金」で検索してみてください。

2.2.特待生制度について

ご存知の通り、成績優秀者の学費を免除する制度です。

免除される金額は、大学によってまちまちです。

例えば北里大学では、センター試験・一般試験共に、限られた成績上位者の学費を全額・または半額免除する制度が設けられています。

参考:奨学金・特待生・教育ローン|北里大学

特待生には奨学金のようなデメリットがありません。

家庭の財政によっては、わざと偏差値の低い大学に出願し、特待生を狙うというのも有効な手段でしょう。

各大学の特待生制度については、「大学名 特待生」で検索できます。

2.3.政府による大学などの高等教育の無償化政策

最後に、最近物議をかもしている「高等教育の無償化」と言われているものについても、お伝えしておかなければならないでしょう。

2019年5月10日に国会で「大学等における修学の支援に関する法律(大学無償化法)」が成立し、2020年4月1日から施行されることになりました。

その中身についてはいろいろと議論がありますが、ここでは、その法律の内容を解説した文部科学省の資料をもとに、要点のみお伝えします。

この法律は、経済的な理由で子を大学等に進学させるのが難しい世帯に対し、授業料を免除または軽減することを定めた法律です。

ただし、注意が必要なのは、本当の意味での「無償化」ではなく、かなり限定的なものだということです。

まず、対象となる世帯は、「住民税非課税世帯」と「それに準ずる世帯」に限られます。この時点で、対象となる世帯はかなり絞られます。

また、対象となる費用は「授業料」のみで、その他にかかる費用は含まれません。

そして、免除の額には上限があり、以下の表の通りです。

国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
大学 約28万円 約54万円 約26万円 約70万円
短期大学 約17万円 約39万円 約25万円 約62万円
高等専門学校 約8万円 約23万円 約13万円 約70万円
専門学校 約7万円 約17万円 約16万円 約59万円

これを見ると、国公立大学については免除額の上限が、省令に定められた入学金と授業料の「基準額」と同じになっています。

つまり、国公立大学の薬学部は、入学金と授業料に限ればほぼ「無償」になると言えます。

いっぽう、私立大学の薬学部については、免除額の上限は初年度96万円、2年目以降は70万円となっています。これだと、入学金・授業料に限ってみても「無償化」と言うには程遠いと言わざるを得ません。

まとめ

薬学部の学費について紹介してきました。

私立になるとやはり高額であるということは否めないので、子供が進学を目指しても良いように幼少のころから計画的に学費を積み立てることをおすすめします。

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