定期保険と終身保険|2つの保険を徹底比較


生命保険は大きく、定期保険と終身保険に分かれます。
言葉の響きで何となくイメージが付くものの、具体的な違いをインプットしている人は意外と少ないです。
2つの保険には決定的な違いがあり、それを理解した上で、目的に合った運用をしないと、想像以上の損失をしてしまう可能性があります。
ここでは、平準型の定期保険と終身保険の違いと特徴に即した活用方法について説明していきます。
それぞれの保険について正しく理解し、本当に自分に合った保険を見極めましょう。
1.終身保険、定期保険それぞれの特徴とは
終身保険・定期保険の大きな違いとして
- 保障を受けられる期間
- 解約返戻金の有無
- 月々の保険料
が挙げられます。
それらの違いに注目して、まずは定期保険と終身保険の特徴を見ていきましょう。
1.1.定期保険(平準型)の特徴
定期保険は、保険期間が一定期間の生命保険です。
保険期間は「〇年」または「〇歳まで」という形で定められており、保険料を支払っている期間のみ、保障が適用されます。
「掛け捨て型」ともいわれ、解約返戻金等で支払った保険料が戻ってこないのも終身保険との大きな違いです。
その為、定期的な貯蓄としての運用は出来ません。
メリットとしては、期間が決まっているため、生活の事情や市場傾向に応じて、柔軟に変更することが可能なことが挙げられます。
自身の人生計画が急に違う道へ逸れることは珍しくありません、状況に応じて、比較的簡単に必要十分な保険に切り替えることが出来るのは大きな利点といえるでしょう。
また、保険料が割安であることも特徴です。
終身保険と比べると、その安さは大きすぎるほどのメリットであり、これが終身保険との、死亡保障としての活用方法の違いを生み出しています。
定期であるという特徴を生かし、子供が成人し一人立ちするまでの期間等、万一があった際に生活費や教育費等、大きなお金が必要になる期間に、大きな保障を備えることができる保険と言えます。
1.2.終身保険の特徴
終身保険は、保障が一生涯続く生命保険です。
保険料の払込期間が設けられており、支払満了後は保険料を支払わなくても保障が続きます。
基本的に解約返戻金が定められており、解約時に支払った保険料に解約返戻率を乗じた金額を受け取ることが出来るのも特徴です。
解約返戻率は払込満了時に100%を超えることが多く、さらに満了後も運用されることで、年々上昇していきます。
そうした性質から、資産運用の手段としても注目されています。
難点としては、一生涯の保障と解約返戻金というリスクヘッジを実現するために保険料が割高に設定されていることです。
一生、または長期間付き合う保険として、しっかりと吟味した上で運用するべき保険と言えます。
2.それぞれの保険の保険料を比較
定期保険と終身保険の特徴が分かったところで、同じ保障額におけるそれぞれの保険料を、下記条件で比較してみましょう。
- 年齢:30歳男性
- 払込期間:20年
- 死亡保険金:1,000万円
A生命の場合
定期保険(平準型)
- 保険期間:20年(50歳まで)
- 保険料(月払):2,250円
終身保険(低解約返戻金型)
- 保険期間:終身
- 保険料(月払):32,100円
上記のように、定期保険と終身保険では、月額の保険料に大きく差があるのが分かります。
保障額1,000万の場合、定期保険の保険料は家計をほとんど圧迫するはないでしょう。
しかし終身保険の場合、よほど収入に余裕がないと支払い続けるのは難しいことが分かります。
この事実を確認した上で、それぞれの保険の有効な使い方を比較してみましょう。
3.それぞれの保険の使い方を比較
3.1.定期保険の活用方法
定期保険は終身保険に比べ、保険料が圧倒的に安いことが前述の比較で理解できたと思います。
その安さこそが、定期保険を活用する上での一番のキーポイントです。
定期保険は万一のことがあった際、残された家族を守るために運用するのが効果的です。
もし専業主婦の妻と会社員の夫、子供2人という家族構成で夫に不幸があった場合、遺された家族は収入を失うこととなります。
遺族年金と死亡退職金により、年額250万程度を受けとることが出来るため、妻がパートに出ることで生活費は充当することは出来るでしょう。
しかし問題は子供の教育費です。子供1人の大学卒業までにかかる教育費は最低でも1,000万円程です。
子供が2人いる場合、最低でも約2,000万円の教育費が必要になります。
参考リンク:平成30年(2018年)度子供の学習費調査(文部科学省HP)
参考リンク:教育費に関する調査結果(日本政策金融公庫HP)
このような状況に備えたい場合、終身保険より定期保険の方が適しているのは上述の保険料比較からわかるでしょう。
定期保険には解約返戻金による貯蓄性もなく、保険期間も決まっていますが、現実的な保険料で大きな保障額を担保できるというメリットがあります。
また、遺された家族の生活費を担保する目的で活用する場合は、収入保障保険という選択肢もあります。
収入保障保険は定期保険と同じく保険期間が限定された、「掛け捨て型」の生命保険です。
万一の際、保険期間満了までの間、月毎に一定の金額を受け取ることができます。
給与のような形で受け取れるため、大きな支出に備えるというより、月々の生活費を担保するのに優れた保険と言えるでしょう。
定期保険と収入保障保険の使い分けについては「定期保険とは?しくみと2つのタイプと活用のポイント」をご覧ください。
「子供が成人するまで」「家族がしばらく生活できるまでの貯蓄ができるまで」というように、特に万一のことがあっては困る限られた期間の中で運用することこそ、定期保険の最も有用な活用方法です。
3.2.終身保険の活用方法
対して終身保険は、一生涯の保障と貯蓄性が活用の鍵となります。
定期保険が遺された家族を守るための保険とするのであれば、終身保険は自分の死を整理するための保険といえます。
終身保険は前述のように保険料が割高であるため、定期保険と同じような保障額での運用には適していないことが分かります。
終身保険は保障が一生涯続きます。
それはつまり、解約さえしなければ死亡時には確実に保険に加入しているということです。
人の死にはお金がかかります。葬儀代や身辺整理代等です。
一般的に葬儀代には200万円程度、遺品の整理は部屋の大きさや地域によって大きな差がありますが20万円以上かかることもあります。
参考リンク:生命保険文化センター「葬儀にかかる費用はどれくらい?」
参考リンク:LIFULL HOME’S「一軒家の片付けにかかる費用の目安は? 安く抑えるコツや会社の選び方を徹底解説」
一生涯という保険期間は、このような死後に発生する出費に備える際に大きな意味を持ちます。
自分がいなくなった後、遺族や親類に迷惑をかけないために活用するのが、死亡保障としての終身保険の活用方法として、最も有用といえます。
例として300万円の保障額で終身保険に加入した場合を見てみましょう。
B生命の場合
- 死亡保険金:300万円
- 加入年齢:30歳
- 払込期間:終身
- 保険料:3,990円(月払)
上述した保障額1000万、20年払いの場合と比べ、月々の保険料が現実的なものであるのが分かります。
保険料という観点でも、葬儀代や身辺整理代等の充当に有用であることが分かります。
また、もう一つの活用方法として、定期的な貯蓄としての運用が挙げられます。
一般的に終身保険は保険料の支払満了後、解約返戻金が保険料総額を超過します。
その性質を利用し、銀行預金より金利に優れた貯金として運用が可能です。
その他、相続税対策としても活用ができます。
終身保険の活用方法や種類については「終身保険とは?今だから知っておきたい本当の活用法と選び方」も併せてご覧ください。
まとめ
定期保険は、貯蓄性はなく、保障を受けられる期間が限られているが、保障額に対する保険料が安く、家族の生活を担保することに優れています。
終身保険は、万一の場合の整理費用等を担保するのに優れ、相続対策や資産運用等に使えることもあります。
それぞれの違いを理解することで、この分類の中でさらに分けられる、様々な保険商品を理解することもできます。



